景観上、黒を使うべきではありません。土の色、緑に溶け込む色でないと柵が主役になってしまいます。尚、役所が黒を採用したのは最近の建築の流行色だからと思われます。
- 身長150?cmの者には高過ぎて中が見え難いです。縦棒の間隔ももっと広くして欲しいです。誰が決めたのか知りませんが110 cm以上という規定があるそうで、計ってみたら110 cmでした。
- 安全管理上、この高さが必要な所もあるかもしれませんが、安全な所もこの形状なのは困ります。
12月13日で302通となりました。11月27日以降の自由記述を紹介します。
玉川上水を歩くことはそれほど多くありませんが、横の道路はほぼ毎日自転車で通っています。四季の変化を知ることができる貴重な場で、気持ちがほっとする場です。
10月3日に玉川上水駅から小金井公園辺りまで上水沿いを歩きました。玉川上水駅近くで長年この地に住んでいらっしゃるという方と話し、今年ほど樹木まわりの虫の発生が多い年はないこと、しかし木が切られるのは嫌である、ということを伺いました。赤いテープが巻かれた大木らは、素人には虫食いによるダメージがある様には見えず、恐れるべきもの(事故や管理責任かと)と、自然と時間が培ってきた、人には作れないかけがえの無い守るべきものなどを見失っているようで悲しい気持ちになりました。上水まわりの樹木は、風が通るよう互いに相談しながら生きているように見えます。自然の偉大さを考えさせられる場所、出会うことを警戒すべき生物も少なく(スズメバチが一番怖いでしょうか?)、老人も子供も自分のペースで近寄れる緑と水の世界が住宅地のすぐ傍にあるのは奇跡にさえ思えました。危険とされるスズメバチがいることで、ハチはどうやって仲間を呼ぶのか、緊急時に人任せでなく危険回避するにはどうしたらいいか、テリトリーとは何か・・・今の世の中が忘れかけている大事なことを、識者の方々、先人や自然から教われるきっかけの場所でもあると思いました。小金井市の辺りから変わる景色、うっそうとした笹などで流れも見えないのは残念でなりません。上水まわりの木を伐採するより、おそらくは人がきっかけで植生が変わってしまったこの辺りの改善に、長い時間をかけた取り組むことや、お金を使うことは難しいのだろうかと思いました。行政についても無関心ではいけないと戒めてくれる玉川上水でもあります。
玉川上水やそこに咲く桜の美しさは雑木林とともにあってこそだと思います。貴重な自然を残すやり方で管理していただきたいです。
玉川上水の近辺に移住してきてからその恵みに長い間意識的に気付かずに残念に思ってます。地域の住民が意識して守っていかなければ、危うい事になって行きます。
人だけのためでなく生物多様性のために守るべき生態系だと思っています。
玉川上水は人が作った水路だと理解しています。今や貴重な自然環境を形成する場となっており「桜のために」という名目で皆伐されたことには大きなショックを受けました。しかし、何もしないで放っておいてよいというものでもないと思っています。人が適切な維持管理をしていくべき場所だと思っています(里山的な)。その維持管理はどのようにしていくべきかは関係者や地域の人たちが皆で考えていかなくてはならないのではないかと思います。
玉川上水は過去には桜で知られているからといえども、今そしてこれからの世代には武蔵野の風土に伝わる様々な樹木と多様な生きものを育む環境、生態系であることが望ましい。
玉川上水のほとりを歩くと緑豊かで昆虫や野鳥や野草の花々を楽しむことが出ます。涼やかな水音に心も癒されます。一度失ってしまえばもとには戻せません。次世代に残せる管理をみんなで協力し合っていくことが必要と思います。
文京区でのNPO活動で水道歴史館に見学にずいぶん行きました。そこでは玉川上水を作った玉川兄弟の話はよく勉強し、江戸時代の水道のすばらしいしくみとか、玉川上水の一部が水戸藩の上屋敷の庭園「小石川後楽園」につながっていた話など興味深く知りましたが、今日高田付き先生からの情報で、私たちの記憶が江戸時代でバッサリ切れ、そこから戦後にはつながっていなかったことがわかりました。あくまで過去のものとしてみていたのですね。ただ、思い出すと5~6年前仕事である環境調査の下調べで玉川上水駅付近を歩きましたが、たいへん自然が残っていて驚いた覚えがあります。
玉川上水もその土堤の樹木も300年ほど前に人工的に作られた物だと思えば、今後将来にむけて100年単位の長期計画を立てて、新しい自然を作り上げていく発想が欲しいです。現状維持に固執する必要ないのでは。
喜平橋-小桜橋間は水路が見えないくら樹木が茂り、その上、クズのつるが巻きついて玉川上水の景観が失われています。つる性植物も大事にして欲しいが、巻きつかれた樹木と周りの下草も大切にして欲しいです。大変勉強になりました。
ケヤキもヤマザクラもある翠豊かな玉川上水になって欲しいです。自然保護の思いが日本中、後退しているような木が咲いています。応援しています。
玉川上水が江戸市民に果たした役割。城塁としてまた、短期間水路としての歴史を大切にしたい。
玉川上水は足にもやさしい土の道で、夏でも木が茂っているので涼しく歩くのが楽しみです。様々な樹木があるので、鳥もいろいろ飛んできて、歩くのがとても楽しいです。この大事な環境を大事にして行かなくてはいけないと思います。
毎朝体操に行く時歩きます。井の頭公園の体操場の美しさとともに浄水の緑道、流れに接することができて幸せに感謝しています。両側の樹木の伐採、法面の手当てなどが専門家の意見を聞き、法面工事の方法も研究していただきたいです。植物のことに詳しい人たちが管理をするのが良いと思います。
伐採された区間は長年散歩、ジョギングコースでしたが、夏の緑陰にはいつも癒されていました。それがなくなり、大変残念です。伐採の日方も無残な物で怒りさえ覚えます。
2021ねn 111gつ17にち、武蔵野玉川上水緑の会名で207名の伐採計画中止要望署名を東京と水道局に提出し、水道局の担当者に要望を聞いてもらいました。ばっさは原則思いとどまるとの回答を得ました。こpんごとも樹林保全を要望していきます。
桜ばかり大切にされ、他の樹木が皆伐されてしまい悲しいです。桜に罪はないですが、桜を恨めしく感じてしまいます。多様な生物、植生、自然な佇まいの玉川上水を望みます。
1)多様な意見をどう調整するか、2)市や都の誰と話をすべきかは大きな問題だと思います。
柵の内側は水道局の管理で、環境局が関与しないのは時代に合わない体制だと思う。高槻先生がおっしゃるように、市民の声が届かない問題の根っこに、行政の縦割りがあると思う。今できることは多様面に声を届けることだと思います。
小平に火の粉が飛ばないうちになんとかしないといけない。市議に働きかけないといけない。小平も雑木林に道路を通す計画がある。危険である。
1978年に井の頭に引っ越してきました。2年後の1980年「玉川上水の環境を守会」を結成し、21年間空堀であった通水のための運動をしました。各地で環境が破壊されそうになるたびに反対運動を行いました。現在の問題としては境浄水場は管理者としては不適切と思われます。対策を考える必要があると思います。
草刈り。水面が見えるように。
知りたかったことを理路整然とお話しいただきありがとうございました。教育委員会のトップである教育長は「小金井桜の会」の強力なプッシュで会に入会されています。教育長に直接この会議の内容をぜひ知っていただきたいです。このような事実は教育長は知るチャンスがない。市長から皆伐を勧められているのかもしれない。しかし市長とは権力が分散さえているはずであるから、説明し、知って貰えば、わかってもらえるのではないでしょうか。
小平の中央公園辺りは緑が深く、素晴らしい
玉川上水沿いの緑地を保存することに賛成します。ただし、もう少し剪定や一部伐採などの手入れが必要だと考えています。特に鳥が運ぶ種でたくさん生えている棕櫚ややつでなどは除去した方がよいかと。あまりに繁茂しすぎて上水の法面が崩壊してしまうのではと懸念しています。さらに言えばもう少し流れる水量も増やすことはできないのかと思います。
通勤のため福生市から武蔵野・三鷹方面にかけてよく電動アシスト自転車で玉川上水を通るが、小金井公園付近の惨状は見るに堪えないものがある。福生市内はご承知のように多摩川源水通水区間であるが、生い茂る水草はことごとく皆伐され、鯉に餌を与えるなという水道局の掲示が出た途端、一匹も姿を見なくなった。小平監視所以東の下水処理水通水区間は、もはや上水道として機能していないことから、管理を水道局から地元自治体等に置き換える必要があると思う。
貴重な玉川上水と緑地雑木林、守っていただきたいです
玉川上水緑道は私にとって無くてはならないものです。季節の移ろい、そこに住む野生動物を見かける度に玉川上水は単に水を通している水道ではなく、木々やその元に息づく草木そこに集まる鳥たち、魚たちなどからなる生命体のように感じています。この自然体系が壊されることなく守られることを切に望みます。
一見、緑豊かな所と思っていましたが、少なくなっているとは知りませんでした。動植物保護保全への周知もさらに必要かも知れませんね。
是非、今以上に自然を失いたくないと思います。季節ごと川べりを歩くのをとても楽しみにしたいます。いつか取水口から全部歩いてみたいと思っています。野鳥観察にも絶対必要だと思います。
玉川上水の目の前に住んでいますが、多くの木々が伐採されて殺風景になりとても残念です。台風などでサクラ以外の木々が倒れているなどの理由があったために伐採したようですが、高校3年間玉川上水を毎日通って通過しましたが、大きな台風の後に倒れていたのは桜の古木ばかりでした。また、桜以外の木々が伐採されてから玉川上水の歩道の乾燥が進み、特に春先は土埃がひどくなったようにも感じます。玉川上水の桜並木で多くの人が四季の移ろいを楽しんできたと思います。以前は桜以外の木々もあり、より季節の移ろいをダイナミックに感じることができましたが、それらが伐採されたいま、そういった四季の移ろいを感じる風情も半減、いやそれ以上に減ってしまったように感じます。
先日、武蔵野市議有志で、東京都に要望書を提出しました。まずは周辺住民、市民団体と調査を行ったうえで、どのような環境を残していくか、住民、市、都で協議して将来へと残す緑を考えるべきではないかと感じました。東京都の事業であることや、市内を流れる箇所が限定されていることから、市の取り組みとして大きな注目がなされてきませんでしたが、静かにたたずむ貴重な自然環境と考えております。
急に樹木が伐採されたときはびっくりしました。もっと市民にわかる形で説明してほしかった。
昭島のつつじが丘団地に住んでいた頃、幼い子供と一緒によく玉川上水へ遊びに行った思い出深いところです。
國學院久我山高校に通学していたので玉川上水は思い出深いです。樹木などは在来種を大切にしてください。
木を見て森を見ず状態。桜が偉いのか?とさえ思えてくる今の姿。木を切ったら雑草がのびのびしてきて、かえってみっともない。桜どころではない。と、この夏に家族で話してました。
様々な木が伐採されてしまったせいで五日市街道からの車の音がうるさくなったので困ってます。
自然に親しめ散歩して楽しい玉川上水にすべきです。
武蔵野の雑木林にあるヤマザクラや園芸品種のサクラ類などは、これまで比較的好きな樹木でした。しかしこれ程までにサクラだけが特別待遇されるようになると、サクラ類が嫌いになってしまいますね。Q6の選択肢に「サクラはやめて、他の樹木だけにすべき」があっても良いかとも思います。小金井桜の会の人たちもこれは望んでいないでしょうが・・・。玉川上水の生物多様性を守る活動に心より応援しています。
玉川兄弟の難工事の上、完成した玉川上水ですので、歴史的価値も重いものがあると思います。しかるにその水辺と共に流域の自然も保全すべきと考えます。
何かと追い立てられるような都市生活は自然が癒しであることは間違いない・・。しかし都市の膨張化で民家、家族、自然の破壊度は、そこに住む人の意識自体をも都市人により無関心無意味になりつつあるように感じる。吉本隆明氏の『都市はなぜ都市であるか』に「ただ、現在、都市の膨張化と機能の凄まじい進展は,、愛惜すべき地域の民家の様式をローラーで押しつぶし、その地域をいわば都市のたんなる場末にしてしまうことは確実である。そして、そのつぎには、これらの民家は無表情な道路の下に干し物のように伸びて敷かれてしまうに違いない。わたくしにはこの必然のような勢いがとめられるとは思えない。だが都市の民家が、高層ビルの窓の一個または数個に転化してしまうことをきみは肯定するか?」とあり私も確かに肯定したくない!と思っている・・・。文章の最後に「みづからは何も野茂を意味しないのに、存在すること自体が価値であるといったものがこの世界にたしかにありうる」と!あり、勇気づけられる。
健康維持へ週3回程歩きますが程好い手入れがいいですネ!青梅から都心へのびるグリーンベルトを歩く人々は武蔵野の風にいやされています。次世代へ大切に引き継がれていくことを願っています。
2001年8月、東京都が放射5号道路計画を発表、その説明会で住民は大反対、以来、都との話し合いが続きました。2019年6月住民の声を無視して道路開通、玉川上水の環境は一変してしまいました。道路は開通してしまいましたが、自動車は通さない、まず激減させる方向へ進めたいです。気候過熱化、大気汚染の人体への最悪影響・・・・玉川上水の自然をとり戻したいです。
小金井の南側に住んでいるので、玉川上水散策はたまにしかありませんが緑・桜の自然と川の流れを見ていると心がいやされます。ここに都市計画道路の事業計画があり小金井市は都に事業化を要望すると聞いています。車優先の社会をそろそろ変えてほしいと思っています。
これ以上手を入れず自然に近い環境を守れたら良いなと思っています。
玉川上水は、その植生の豊かさから生態系ネットワークとして大事な役割を担っています。都市の生物多様性の再生が、世界的にも重視(生物多様性条約など)されているなかで、逆行する過度な伐採は大問題です。特に小金井市のサクラのみ残す管理方法は、生物多様性と人の暮らしへの恩恵をまったく理解していないと言わざるをえません。陸上の植物の80%は、菌類と共生し豊かな土中環境を醸し出しています。地上の植生が単調なものになることは、土中の生物多様性も単調となり、ちょっとしたダメージで生態系が崩れる可能性が高くなります。植生の多様性を失うことは、それに依存する鳥類、昆虫類、両生類、爬虫類に連鎖し、これらの減少はまた植生の多様性を損なうという悪循環が生まれてしまいます。玉川上水は、都市の里地ととらえ、高木、中高木、低木、灌木、下草とグラデーションを持つ構成となることを目指すべきです。
玉川上水は側の道路を車で上水の風景を見ながら通るか、小説等を読んで懐かしんでおります。
50年前、学生寮から朝鮮大までのランニングコースが玉川上水だった。その後、20年近く前に玉川上水は通勤の道になった。都会に住んでいると土の上を歩く機会がほとんどない。土と草の匂いのする、玉川上水は貴重な存在だと思っていたが、玉川上水の生き物たちに深く思いを巡らすことはなかった。 6年ほど前から玉川上水の自然観察会を始めた。案内役のT先生と玉川上水を歩いた時、とても新鮮なおどろきがあり、心が躍った。冬芽を観察し、写真を撮り、教室でスケッチをした。今まで50年近く見てきた玉川上水は平面的で静かだった。鳴き声は聞こえても生き物の姿はほとんどみていなかった。ところがこの時は玉川上水が、水流、林の木々、草本 から地面に至るまで、生き物で溢れている長い緑の回廊だと分かり、玉川上水の見方が一変した。春先で虫の鳴き声は少なかったが、鳥たちの声が賑やかだった。 その時のT先生の解説で、草木が繁茂し、虫や鳥が飛び、動物たちが動き回り、それが皆繋がっていること、季節によってその表情を常に変えていること、そういう興味や視点をもつことで初めて活動する動植物たちの姿や繋がりが見えてくること。玉川上水が今までと違って見えた経験は、一生忘れないだろう。 沿道に車がビュンビュン走り、車が通る橋が架かった「危険がいっぱい」の環境にありながら生き延びているタヌキのことを知ることについて、T先生は「人が生活する場所に生き延びる野生動物と折り合いをつけて、よい関係を築くことは、人も暮らしながら、しかもそこに野生動物も許容するという守り方につながるから普遍性がある」と言う。 タヌキは珍しくもない動物だが、タヌキがいることで、周辺の動植物がタヌキとどう繋がって生きているかは分からないことだらけだという。先生はそれを自分の目で調べてみたいと思った。既に「タヌキ学入門」と言う本を書いていた。 タヌキは同じところに糞をする。それをため糞という。ため糞を採取して調べれば、タヌキが何を食べているか、行動半径なども分かる。糞があれば糞虫が来る。動物がいればその死体を食べるシデムシ、ダンゴムシ、ハネカクシ、ハエがやって来る。タヌキが草木の実を食べれば、糞の中に種子が残り、芽が出て、群落を出来、林がうまれる。そこに様々な虫や鳥が集まって来る。そうして、その土地特有の生態系ができる。そこに住む住民はその生態系にどんな影響を与えているのか。どんな役割を果たしているのか。それを、たいした器具がなくても調べられると聞いて、熱くなったのを覚えている。観察会も調査も楽しく、気づきも多く、充実していた。 私はアマゾンを始め、世界中の辺境の地に行って、自然と一体になって暮らしている人々と交流を続けてきた。彼らの視点で、文明社会に住む自分自身を見つめてみようと思ったからだ。 現代文明を推進してきた「大きいこと、早いこと、強いことはいいことだ」という価値基準と希少種調査を注目することには関連があると思う。私はそういう価値観に疑問を持ち、先住民の「つつましい」「やさしい」「ゆったりと」に価値をおく生き方に魅かれた。同じように注目されないタヌキは、糞虫などありふれた生き物の観察を通じて、彼らが生き抜くために懸命に工夫をしている姿に目を見張った。 私は伝統社会から文明社会を眺め直そうとしてきましたが、観察会をつうじて、生き物の視点から自分や人間社会を見るという視点もあるということに気付いた。タヌキも糞虫も懸命に生きている。どんな命も無駄な命はなく、すべて繋がっていて、役割を持っているということは新鮮な感動だった。昔、ファーブルの昆虫記を読んで、分かったような気がしていたが、それが観察によって、実感として理解できたことは、私にとっては大きな進歩だった。 生き物の視点から見ると、どんな生き物も役割があり、どんな生き物も欠けると、生態系のバランスが壊れる。生態系の中で、どのようにリンクしているかわからないので、生き物が欠けて初めて、その生き物が果たしている役割が分かる。 今、小金井の桜が問題になっている。行政は桜を残し、他の木々は伐採しようとしている。市民有志は反対運動を始めたが、まだ劣勢だ。生物の多様性が必要だ、桜だけがあるより、多様な木々が植えられていたほうがいいと言っても、行政は聞く耳を持たない。 粛々と生き物を観察して、論文や本にまとめたり、学生や市民に指導をするが市民運動には興味がなかった高槻先生も、伐採の実態のお粗末さに呆れて、動き始めた。市民とともに小金井地区と小平や他の地域の樹木調査をした。地域ごとに、どんな鳥がどのくらい飛んでくるのか。どの地域に糞虫が集まるのか。その結果は桜を中心に樹種が少ないところよりも樹種の多いところのほうが、集まってくる鳥の種類も数も多かった。糞虫も同じように樹種の多いところにより集まってくることが分かった。玉川上水は自然環境を維持し、生物多様性の保持のためには重要な緑の回廊だということが分かった。科学的なデータをもとに、乱暴な伐採を進める行政に伐採を思いとどまらせようとしている。しぶとい行政を翻意させるのは大変だ。しかしうまく行けば、科学的データを元に、行政の暴走を食い止めることができれば、他地域の同様な運動にいいヒントと希望を与えるのではないでしょうか。
久我山付近の玉川上水沿いに新しい道路ができてから野趣が失われたように思う。走っているそばを歩くのはつまらないです。小金井公園の近くの五日市街道沿いの上水の緑地に以前ニリンソウが咲いていました。もう20年も前だから今はないかもしれません。
様々な生物が生息できる植生を残していって欲しい。桜などに特化するのは公園等にして欲しいです。
玉川上水の最大の魅力は四季の美しさを感じられることです。春は野草の花が咲き、夏は様々な昆虫をみることができます。また木陰で涼をとれうことができます。秋には様々な広葉樹が黄や赤、橙に色付き、さながら紅葉の響宴をかなでているようです。これらの魅力を維持するには保全作業が欠かせないでしょう。できることはやっていきたいです。
玉川上水の緑地は私達住民にとってなくてはならないとても大切な自然です。この玉川上水の美しい景色がいつまでもこのままの状態で残ることを願っております。
大きな道が出来、車がたくさん走るようになりました。玉川上水とその緑は心を癒し空気を浄化してくれています。その川のすぐ近くにある我家の庭には、たぬきが来たり、へびがでたりしていました。たぬきはもう道を渡って来なくなりました。近頃は、かまきり等も減ったような気がします。便利ばかり優先される世の中に少し心配しています。
玉川上水ー除草の際植物を残すように気をつけて、又、ゴミも片付けて。浅間橋ー牟礼橋緑道 道が傷んで今に至っています。昆虫の好む植栽を植え、特色あるみんなが楽しめる遊歩道に。ささやかな緑これ以上(チョウ、虫、その他)環境をこわさないで永久に残すこと。放射5号線ー道路も信号機の場所が特にゴミ捨ててある。車も人もマナーが悪いので都には常に美しく清掃に力を入れてほしい。杉並区民として、街が誇れないので恥ずかしいです。
自然が残る数少ない場所です。ぜひ今のままの景観が続くことを願っています
自然の保全を考える機会、ありがとうございます。私はなるべく地元に根付いた植物を植えるべきだと思います。
さまざまな木々や動物が生息する玉川上水に日々癒されています。都会の中にある貴重な自然がいつまでも保全されることを希望します。法面が崩壊しているかどうか調査も行わずに、「法面崩壊を防ぐため」との理由で木々を伐採することは許されません。
多様な植物があることで、玉川上水沿いを通るたびに、神々しさを感じています。人の手は最小限にして、自然のそのままの美しさを後世まで残したいです
多くの動植物が生息するために必要な環境を維持または、回復を願います。
両親は50年以上前、近くに玉川上水があるから、久我山に転居した。といっていました。私も学生の頃から散歩を楽しんでいました。新しい道路が出来てしまいましたが、できる限り樹林を育て、生物多様性を守る方向で、以前の環境に近づくように管理していただきたいです。
桜のみならず、多種の植物を楽しめる場にして頂きたい。
散策で訪れるときは、いつもいいところだとただ漠然と思っていましたが、これに至るまで沢山の方々のご尽力があったことを知り、この遺産を次世代にしっかり引き継ぐための行動を惜しんではならないと痛感いたしました。
設問内容、特にQ6が恣意的でまた限定的で選択に困りました。設問は公平であってほしいてす。桜並木の区間は境橋までを含めて本来は桜が主体で草花が豊かな環境で、小金井市区間はそれの再生を目指しているようですね。上水沿いのエリアに居住していますが、ジャングルでは常に倒木や治安悪化の危険を感じています。自治会からは、けやきのような高い木の伐採を東京都には強く要望しています。
私の自宅は小金井橋より上流です。先日上水の緑地の剪定がありました。根元からの伐採でなく緑が残り安心しました。今後も緑が残ることを希望します。
現代らしく、多様性を加味した動植物との共存と、未来への希望を期待します
玉川上水にかかる橋から見える景色が一変して残念に思います。桜以外の木を伐採すると桜にも悪影響が出ると思います。車の廃棄ガスも気になり夏は歩けなくなりました。緑溢れる景色に戻して欲しいです。
桜以外の樹木を、伐採しすぎです。夏には下草が伸び景観も著しく悪化したと思います。
Q6は迷いました。両方の選択も有かな・・・というところです。人為的な管理は現状でもしていることですし、ひとつの方向性(桜並木)も全体の玉川上水の中ではあっても良い選択だと思います。
玉川上水みどりといきもの会議では、9月26日(日)に第2回のシンポジウム を予定しています。今回は資料代500円を頂戴します。
申し込みは以下のサイトでもファックスでも可能です。
https://forms.gle/V5R5qQw2f82WxvQC6
ファックスス 042-347-5280
9月10日で会場参加は定員に達したので、打ち切りました。オンライン参加はまだ余裕があります。
小平の創価高校脇での樹木調査
高槻成紀・豊口信行
暑い日が続く8月28日に小平の栄光橋と水車橋の間にある創価高校の脇で長さ100 mのベルトをとって樹木調査をしました。暑かったせいか今日の参加者は豊口さんだけだったので、時間がかかるだろうと覚悟をしてはじめました。このあたりは高校生がよく歩くところで、白梅大やムサビの学生もよく歩きますが、土曜日だったので、さほどでもありませんでした。
調査地の景観
調査地の位置関係
汗をかきながら私が樹木の名前を確認して直径を測定し、豊口さんが距離を読んで記録をすることにしました。調査は順調で、1時間半ほどで100mを2本(用水沿いと上水沿い)調べました。
出現したのは34種で、これまで出ていない樹種はクスノキだけでしたが、ヤマトアオダモ、カクレミノ、ハナビワ、サザンカ、ヒイラギ、クマシデなどは一度くらいしか出なかったと思います(表1)。クスノキは鳥が種子散布したものと思われます。歩道に鳥の吐き出しがあり、ミズキの果実が食べられていました。
表1 小平市創価高校脇の樹木調査で出現した樹種の
平均直径と本数(長さ100mのベルト)
クマシデ
平均直径を比較すると、クヌギが49.3 cmで最大でしたが、2本しかありませんでした。コナラは平均直径は30.8 cmで本数も17本あり、この林で重要でした。イヌシデは平均直径が19.6cmですが19本あり、やはり重要でした。本数が多くて細かったケヤキ、エゴノキ、ネズミモチなどが低木層で重要でした。
太い樹木から順に並べて、落葉樹と常緑樹に分けて示したのが図1で、太い木は落葉樹で常緑樹は細い方に入っていました。
図1 小平市創価高校脇の樹木を太いものから細いものへと並べた図
これは小平の他の林にも共通のことでした。本数は211本で(表1)、やはり本数が多い林でした。
水車橋で断面を調べました。
水車橋の脇で断面を取る高槻(汗びっしょり)
全体で30 mあり、やはり幅の広い林であることがわかりました(図2)。上水の両岸の幅はほぼ10 mで水路の幅は4−5mでした。「壁」は垂直に近く、下部には土壌の堆積があって、そこにアオキやヤツデなどの常緑低木が多く生えていました。小平の多くの場所と同じく北側に1.5 mほどの幅の用水があります。ここでは道路は南側にしかありません。
図2 水車橋付近の断面図。ただし垂直方向は不正確。
垂直の「壁」の下部に土壌が堆積し、アオキ、ヤツデなどが生えているようす
余談ながら、調査が終わってから豊口さんが黒いアゲハを見つけました。交尾をしており、白い模様があったので豊口さんが「モンキアゲハみたい」と言いましたが、モンキアゲハの白い模様はもっと黒の中に「抜けたような」白だったと思い、「ナガサキアゲハかもしれない」と、スマホを調べたら確かにナガサキアゲハでした。もともとは九州などの暖地にいたチョウですから、温暖化によって北上してきたようです。
ナガサキアゲハ
まとめ
以上、小平で野鳥調査で歩く範囲から4ヶ所を選んで樹木調査をし、いずれもコナラ、イヌシデ、ケヤキなどの落葉広葉樹の大きいきが林冠を占めており、低木層には場所によって量は違いますがネズミモチ、ムラサキシキブ、エゴノキなどがよく見られました。林は幅が30 mほどあり、樹冠を入れれば34-35 mほどもある緑の量の多い林です。このことは「林の鳥」の生息地として適していると考えられます。
小平で中央公園近くと津田塾大学南側で調査をして、いずれも100メートルあたり240本前後もの破格の高密度であることがわかり、やはり小平の玉川上水の林は豊かだということが裏付けられました。8月22日には3回目として鷹の台を調べました。
ですからこれまでと同じように100メートルの長さを調べますが、本数が多いことが調査経験者が多かったのと、やや樹木がまばらだったので1時間余りで終わりました。
調査のようす
結果をまとめてみると、100メートルに168本でやはりやや少なめで、これは井の頭の小鳥の森近くでの155本に近い値でした。
不明を含み27種の樹木が出現し、平均直径はクヌギが一番太く、コナラとケヤキがこれに注ぎました(表1)。本数ではネズミモチ が33本で最も多く、コナラ、ムラサキシキブ、イヌシデ、エゴノキがこれに注ぎました。コナラは太さでも本数でも大きい値を取り、この林の主要な樹種と言えます。
表1. 出現樹種の平均直径(cm)と本数
直径の太い樹木から細いものへ落葉樹を黄緑色、常緑樹を青でと並べたグラフを描くと、太い木は落葉樹で、ここではコナラとケヤキに太い木がありました(図1)。常緑樹は細いものが多かったのですが、多かったのはネズミモチ、トウネズミモチでした。
図1. 鷹の台での樹木直径を太いものから順に並べたグラフ
鷹の台を含め、小平3カ所と井の頭の小鳥の森を比較したのが表2で、平均直径は10 cm前後で、意外にも津田塾大学が8.6 cmと一番細く、小鳥の森が12,1 cmでした。平均値は細い木が多数あるとそれに引きずられます。そこで直径20 cm以上の本数を数えて、全体の本数に対する割合を求めると、津田塾大学では13.5%と最も少なく、中央公園と小鳥の森が22%台でした。つまり、太い木の太さはどこでもさほど違わないのですが、相対的に本数が少ないと全体の返金直径が小さくなるということです。
表2. 小平4カ所と井の頭小鳥の森の樹木調査の比較
同じ小平で、林の太さ構造が太いものはコナラやケヤキの大木であり、下層に常緑低木が多いと言っても津田塾大学ではシラカシが多く、すぐ近くの鷹の台ではネズミモチとトウネズミモチが多いという違いがありました。こういう違いが野鳥の生息に影響を与えるということもあるかもしれません。
鷹野橋に戻って玉川上水の断面の水平距離を測定しました。小平では玉川上水の両側に幅4, 5 mの歩道があり、北側に用水があります。北側の歩道には両側に膝くらいの高さの柵がありますが、南側は片側だけです。上水の両側は幅2, 3 mの平坦面あるいはゆるい斜面があり、そこからほぼ垂直な壁になっています。上水の幅は基本的に10 mほどです。鷹野橋のあたりでは南側の壁が垂直ではなく急斜面ですが、他の場所の多くは南北ともに垂直壁です。
というわけで南北の緑の幅は25 mほどあり、やはりこのあたりは良い雑木林のような状態であることが確認できました(図2)。
図2. 鷹野橋での玉川上水の断面図. 右が北. ただし縦方向は不正確です.
ご協力くださったみなさま、ありがとうございました。