映画「MW-ムウ-」
昨年夏に公開された映画を、ケーブルの放映で観る機会に恵まれたので、
読んでみた原作。
手塚先生って、結構ダークな作品世界も持っておられたんですよね。
『ブラック・ジャック』に時々片鱗が覗いていたように思いだします。
(あれは少年誌掲載だったからある程度の限界はあった)
原作はビッグコミックに1976年~78年にかけて連載されたそうです。
今回私が入手したのは文庫版。(小学館漫画文庫から上下二巻)
あらゆる種類の悪徳を目にする事が出来ます。
映画では、ところどころがアレンジされております。これはよくある事。
玉木宏が演じた主人公・結城は、原作では更に「悪いヤツ」です。
(顔立ちが似ている事に驚いた)
まあでもよくこんな悪役を見事に演じたものです。良い役者さんに育ちつつあるなあ。
賀来神父を演じたのは山田孝之くん。これも難しい役柄です。
原作よりは少し「良い人」です。
映画の公式サイト(→mw.gaga.ne.jp/)のトップが
あまりにホm(勝手に自重)ぽいので驚いた理由も、原作を読んだら理解できました。
もともと映画が大好きで、映画的なコマ割りをする手塚先生です。
かなり実験的なページもありで、発表から30年以上経った今読んでも全く古くない。
この数十年後に実際起こった出来事を予言するような場面も多かった。
(沖の真船島を襲った惨禍の描写と、湾岸戦争時のイラク領内クルド人村の映像がかぶる)
謎を解いていく、悪人を追い詰めていくサスペンスは十分に楽しめます。
でも、この終わり方って、ハリウッド映画が絶対に出来ないもの。
(『インセプション』の終わり方をちょっと連想したけど)
決して勧善徴悪になっていない部分が、リアリティを帯びている作品だと思います。
※
フィギュアスケート観戦に忙しかったこの週末。(NHK杯)
おかげでWOWOWのNBAを見そこないました。(家族が興味示さない事も理由)
番組表チェックして、録画するなりして何とか見られたらナ。