すきゃったどろわーず

「ひきだしバラバラ」~mici_konによる、美術展レビューとか音楽や身辺雑記です。

スペインのワイン

2008-06-30 19:53:09 | Weblog
今夜の晩酌に登場したのは、スペインはTORRESの
「サングレ・デ・トロ」(白)。
小さな黒い牛のフィギュアがおまけに付いてくるアレです。

はい、サッカーのEURO2008での優勝に敬意を払ってのチョイスです。
ドイツが勝ってたら、「クロスター・エーバーバッハ」の予定でした。

微発泡の、どちらかといえば辛口。
1000円でおつりが来る良心的なお値段だったこともあり、気分よい一時を過ごせました。

ドイツとの決勝戦、張り切っていた父と息子は、早朝3時とか4時に起き出して観戦。
あたしゃ5時になるまで起きて来ないわよ。
ていうか、「かやくご飯弁当」リクエストしたの誰よ?
仕込みに膨大な手間がかかるのよぉ~!

お蔭さまで夕食を済ませた現在、具合よく爆睡しております。
仕事中、授業中、さぞかし眠かった事でしょう。

「やっぱ、レベルが違うわ。」と興奮気味のトンジ。
今週末から公式戦が始まります。少しでもあやかれるといいね。
フェルナンド・トーレスみたいにピッチを駆け巡っておくれ。

・・・それにしてもいつの間にか大したイケメン軍団になってたんですね、スペイン代表。
パスワークといい、速さといい、本当に「魅せて」くれました。
いにしえのカスティリア王ドン・ペドロもきっと喜んでいることでしょう。

地元のスポーツショップの優勝予測クイズに応募していたトンジ、
予想が当たって得意顔です。
「もし電話が来たら ”そんなの知らない”なんて絶対言わないでね」ですって。(笑)
なにか当たるといいね。

ドイツスタイルのパンをつまみにスペインのワインを嗜むのも、酔狂であります。
ヨーロッパ方面、今日はドイツ人もスペイン人も虚脱して仕事にならなかったでしょうねえ。

◇ ◇ ◇ ◇

ネットでは某M日新聞のWEB英語版の、下ネタ記事があまりに酷いという怒りの声が渦巻いています。
「M日新聞 変態」でぐぐるさんに訊いてみてくださいませ。

アッと驚く世界がそこにあります。
私もかなり怒ってますんで、早速今週の英会話クラスにてネタに取り上げるつもりです。

地元で揚がった魚をおかずに

2008-06-29 10:09:44 | Food
主食はご飯!
青菜を使ったおかずに、味噌汁と漬物。
野菜は、少々見栄えが悪くても味は同じだから気にしない。

この、伝統的な日本食に戻せば、食料自給率も回復するのでは?

畜産に費やす穀物も減らせるし、漁に出かける燃料も少なくて済む。

昨晩の「ブロードキャスター」で、漁業に関するレポートが放映されていたのを見て、
こんな事を考えました。

香川県高松市の、魚の行商のおばあちゃんが出てきました。
サイドカー(リヤカーです)つきの自転車を駆使して、魚市場で目利きしてきた
確かな旬の地魚を、お得意さんの家を訪ねては売り歩く「いただきさん」。

何て懐かしく羨ましいシステムなんだ!
関東でも、成田の農家から毎朝身長より高い荷物(野菜や漬物やお餅が入ってる)を、
京成線の特別車輌で東京の下町に売りに来てくれる行商のお母さん達がいらっしゃいますが、
流石にここまで品揃えの良い魚は扱ってない。

子ども時代、九州の地方都市では、リヤカーでやって来る野菜の行商さんと、
自転車の荷台に大きな箱で持ってきてくれる魚屋さんをよく覚えてます。
魚屋さんの持ってる天秤はかりが、魔法の道具に見えました。
「いただきさん」同様に、ウロコを落としたり三枚におろしたりの調理も
その場でやってくれてました。

大きなスーパーやデパ地下の鮮魚コーナーでも調理してくれるけど、
「魚買ってるどー!」というライブ感には少々劣ります。
番組では、東京都下のあるスーパーの、かなりフットワークの良い魚屋さんについてレポしてました。
季節限定でしか獲れない魚、流通に乗らない大きさや数の魚、一般に馴染みの薄い魚種を、
知識豊富なスタッフが、調理法のアドバイスや下ごしらえのサービスを迅速に提供してくれるんですって奥様!

ウチの近所にも進出してきて欲しいです。

大型スーパーの流通スタイルだと、
パック詰めし易い均一な大きさ、扱うに十分な量、簡便を求める顧客のニーズに合う品である事が最優先されるので、
(魚だけじゃなくって野菜もそうですね)
売り場を歩いてみても実につまんないです。
マグロにイカにタコにシャケ~~~。

最近は「これじゃいかん」と、少し仕入れに工夫をするお店も出てきたようですが。
一度出来てしまったシステムの中で、変えていくことは簡単じゃないと思いますが、
このご時世です、面倒かもしれないけれど、もう少し地に足の着いたやり方を見直すのって、大事な事だと思うのであります。

我が家ではこれからも、せっせとご飯を食べ、魚をおかずにしようと思います。
骨を面倒がるトンジにも、「背を伸ばしたければ食べなさい。上手にアタマ働かせたけりゃ食べなさい。」と促しております。

ジプシー・キングス

2008-06-28 19:34:26 | Weblog
ジャニス特番の続きをまだ見ないまま、昨夜別のライブ番組を視聴。
NHK BS-hi で、数組のアーティストがロンドンのアビーロードスタジオで演奏したライブを放映してました。

お目当ては、ジプシー・キングス。
幾つものCMで使われていて、最近では芋洗坂係長が ”ボラーレ”をネタにしている、
多分誰もが「ああ、あのフラメンコ調の音楽ね。」と思い浮かぶグループです。

スペイン出身、フランス在住の、二組の4人兄弟を中心としています。
ほとんど映像で見たことの無かった人たちですが、
左利き率の高さにビックリ!3人くらいがサウスポーです。
遺伝子のなせる業でしょうね。(そういえば、エミリー・ウングワレーも左手で描いてたっけ)

3曲演奏してくれましたが、このヴォーカルのおっちゃんのしわがれ声がいいなあ。
この声でなきゃ、合わない世界。
乾いた大地と蒼い空、強烈な日差しに深い影を思い浮かべながら楽しみました。
同じくフランスのアーティスト、ディープ・フォレストの「ボエム」というアルバムにも、
よく似た雰囲気の曲が入っています。歌い手は違う人だけど。

90年代、ワールド・ミュージックに凝っていた頃からよく聴いている音です。
これからの季節、CDに手を伸ばす頻度が上がりそう。

次に演奏したアイアン・メイデンにも満足満足。迫力あります。
でもね、ヴォーカル氏、ジャージにスニーカーでメタル歌うのははよそうね。
まあ、声がよく出てたからいいか。

前にも書いたかな?
最初に「ジプシー・キングス」というグループ名を目にした時に、
即座に某ド演歌グループの方を連想しちゃった事は。
(共演はまず無理だろう)

たすぽがきたよ

2008-06-26 21:38:36 | Weblog
一昨日のことです。
ピンポ~ンと、書留がやってまいりました。
何だろうと思って出たら、封筒にあったのは「taspo」の文字。

ここらだと、7月1日から自販機でタバコを買うときに欠かせなくなるあのカードですね。
未成年者の喫煙を防ぐ効果を期待されている制度ですが、喫煙者にはますます棲み辛くなって来てますね。

あれ、待てよ?
ウチのスモーカー、「人の居るところでしか買えなくなるのは、節煙のチャンスだから、あえて作らない。」と云ってたよなあ。

メールしてみました。
「たすぽがきたよ。な~んだ結局申し込んだんじゃん。コリャ。」

割とすぐに返信が来ました。どうやら席に付いていた模様。
「こないだジムの帰りに、大型スーパーの入口でキャンペーンやってて、
何から何まで至れり尽くせりだったんでつい・・・」

フォトIDなんですね。写真見てやろう。ゴソゴソ。
叱られてシュンとなった子どもみたいな表情で写ってます(爆)。

「ついつい誘惑に負けた後ろめたさが顔に出た」との自己分析でありました。
まー、人間ってそんなもんですネ。
できれば徐々にタバコを都こんぶに切り替えて欲しいものですが、
あくまでハードルは低く、がストレス節減のポイントだと思います。(達観)

一箱千円になるとの話も聞こえてきていますが、どうなるんでしょうね?

◇ ◇ ◇ ◇

昨夜のNHK BSハイビジョンで放映された「ジャニス・ジョプリン特番」、
今朝の出勤前にほんの少しだけ見ました。早く続きが見たい。
彼女が愛したサンフランシスコの町並みを懐かしく眺めつつ、
この企画の目玉、「元カレ座談会」は、ジャニスにしてみれば凄くイヤだろうなあ(笑)と思いました。

この前日の「ビリー・ホリディ」の回を録画しなかった事を軽く後悔してます。

収まりきれずに

2008-06-24 21:26:36 | アート
平日の昼間だというのに、入場までほぼ一時間待った昨日の上野の森美術館。
ダリの時より混んでいたとは。

井上雄彦 最後のマンガ展 です。

驚いたのは、観客の数だけではなく、その人たちのバリエーション。
マダームの団体様はさすがに居ませんでしたが、二人連れなら居たし、
孫らしき人に付き添われた、杖を突いたおじいさん(宮本武蔵ファンとして来場?)や、
赤ちゃん連れの若いお母さん、外国人、結構年配の人も居て、
行列を作る人々ウォッチングが結構楽しかったです。

かなり前から準備を始め、美術館で相当の時間を割いて制作に取り組んだという井上氏、
ケント紙に描いた普通の漫画原稿サイズから、壁面を存分に使って描かれた大作まで、
「全館描きおろし」企画。

美術館との密な協力なくしてはあり得ない、普段とは逆の順路設定や、
「ええっ?そこに描いちゃっていいの?」サプライズ。

観客の誰もが、井上氏の画力と、様々な趣向を繰り出して展開していく
「バガボンド」ワールドに魅了されていました。

この作品の途中から、筆と墨汁を用いての作画に切り替えた絵師が、
和紙と筆、墨の質感を楽しみながら創作しているのが伝わってきました。
ああ、このひとは漫画原稿用紙の枠に収まりきれずに、こういう手法をとったんだなあと勝手に納得。

一つ激しく後悔したのは、「バガボンド」を途中の16か17巻までしか読んでいないこと。
現在28巻まで出ているそうなので、空き時間せっせと漫画喫茶に通って読むとしましょう。

展示そのものは、まだ途中である物語の、行く手をさらっと示唆した風でした。
後半、ちょっと涙腺に来る部分もあったりで、予備知識無しでももちろん楽しめます。

販売されている図録は、この展示にいたるドキュメントぽい作りだったので、
私としては、今本屋さんに並んでいる雑誌「BRUTUS」の特集の方が
嬉しかったりしました。はい、こちらは購入してます。

スタッフがおそろいで来ていた黒いTシャツのイラスト(もちろん井上氏作)
「スタッフじゃよ」みたいな吹き出し付きのサラサラ描きデザインが素敵でした。

蝶々って

2008-06-23 16:39:37 | Weblog
昨日、実家の母から電話がありました。
かれこれ20年近く飼っていたわんこが、とうとう亡くなったと。

人間で言えば軽く百歳は超えていた、おばあちゃんワンコ。
かなり弱ってきていて、散歩にでかけるのもおっくうがっていたここ数年でした。

「あまり苦しまずに、眠ったまま逝ったようだよ。」と母。
トンジも、赤ん坊の頃からの付き合いなのでこの知らせに何だか寂しそうです。
これは、軽い「ペットロス」が来るかな?
スケジュール厳しいけど、やっぱり短くても、私だけでも帰省した方がいいな。

「でね、不思議だったのは、犬小屋の周りを片付けていたら、
キレイな黒いアゲハチョウがずっと近くを飛んだり羽を休めたりしていたのよ。
丁度わんこが居たあたりでね。あれはわんこの魂だったかも知れないね。」
(もちろんオリジナルは全て方言による会話です)

そういえば---

6~7年前に沖縄に行ったときのことです。
丁度「沖縄慰霊の日」に到着したので、まずは挨拶しなければと、
戦跡公園の「平和の碑(いしじ)」に足を運んだのでした。

出かける前に母から、「私の叔父が沖縄戦で戦死しているから、名前を探して
お線香上げてきてね。」と頼まれていたので、
お花とお線香を買って、その方の名前を探し出しました。
親子三人で手を合わせていたら、どこからともなく飛んできた大きなアゲハチョウ。
しばらくの間あたりを優雅に飛び回って、去っていきました。

沖縄でも「はべる」(蝶)は、死者の魂の象徴としてとらえられるようですね。
あれは大叔父さんが、「どれどれ」と私らの様子を見に来てくれのだと思っています。

ブライアン・ジョーンズの死後数日で行われた、ローリング・ストーンズの
「ハイドパーク・コンサート」でも、小さな白い蝶がたくさん飛び交っていた映像が、強く印象に残っています。

人の心の働きは、底の方ではどの国でも共通しているようで、
洋の東西を問わず、蝶々って魂の象徴と考える文化は多いみたいですね。

今日、長い長い行列に耐え抜いて見てきたばかりの
「井上雄彦 最後のマンガ展」でも、
同じような役割を担った蝶々をいくつも見かけたので、つらつらと書いてみました。

井上雄彦展については次の記事ででも。
次の日曜日までです。
ファンの方で見ておきたい向きは、できれば平日のうちにどうぞ。
最終日とその前日は、土日なので、前売りの「期日指定チケット」が優先されるはずなので。

エーベルバッハ修道院

2008-06-21 19:46:04 | コミック・アニメ
数日前の記事に関して少々修正を。

ワイン「クロスター・エーバーバッハ」の醸造所である修道院は、
東西冷戦少女漫画で有名になったエーベルバッハとは違う場所にあるようです。

今日、青池先生の著書「『エロイカより愛をこめて』の創りかた」で確認しました。
修道院はライン川のほとり、都市はその支流ネッカー川のほとりに位置します。
嬉しさのあまり確認を怠り、ごく一部のお客様には誤った情報を流してしまった事をお詫びします。

で、この修道院、
ショーン・コネリー主演の映画「薔薇の名前」(ウンベルト・エーコ原作)の
撮影に使われたらしいです。映画を観るとこの修道院の様子がわかるということですね。
上記の青池先生の本では、178ページの記述と、巻頭のカラー写真で少し出てきます。

◇ ◇ ◇ ◇

昨晩のNHK BS-hiで見たボズ・スキャッグス。
雨が近付くひんやり湿った空気と不思議に合いました。
ゆっくりゆったり楽しむ事が出来ました。(それほど熱心に聴いていたわけじゃないけど)
男二人は爆睡してるし(←ここ大事)、懐かしいメロディと心地良い声。

ライブの最後の方で、ブルースナンバーまで披露してくれました。
この人が歌うと、ディープなブルース曲もオシャレに聞こえてしまいます。
番組最後でクリス・ペプラーが、「彼のルーツはブルースで、売れる前は
長髪にボロボロのジーンズ、オールマンブラザーズバンドに居ても不思議じゃないルックスだった」と話していました。
知らなかった。
クリスは丁度その頃のライブを見たことがあるとの事でした。

次は、スティーリー・ダン希望。(これこれ)

九州方面

2008-06-19 20:05:03 | Weblog
かなり大雨が降っているそうですが、大丈夫ですか?
毎年この時期は集中豪雨に見舞われる西日本ですが、
夕方のニュースの映像を見て心配になってます。

被害が最小限にとどまりますように。
そして、どうやら梅雨入りした東北地方、地震の被災地に
あまり多量の雨が降りませんように。

今の実家は、以前に比べて標高のある場所にありますが、
子どもの頃はそれはしょっちゅう床下浸水してました。
一度は「すわ、床上か!」という年もありました。
高校時代には、通学路の途中に低地があり、水が出たときには
制服のスカートたくし上げて、ビーサンでザブザブ通過したものです。

◇ ◇ ◇ ◇

今朝の「にほんごであそぼ」、
うなりやベベン(浪曲師・国本武春さん)さんに新作。

ブルース祇園精舎です。

これまでは、KONISHIKIも一緒に歌う「カリビアン祇園精舎」がありましたが、
これは ブルースの中でも特に情念を搾り出すように歌う「モーン祇園精舎」です。
ううむ、その手があったか・・・
内容としてはバッチリ合うものね。

おかげさまで、琵琶をかき鳴らしながら歌うブルースメンや、
ギターを抱えた耳無し芳一など、脳内が楽しくクロスオーバーしちゃいました。

徒然草とか方丈記も、ブルースに合うかもしれない。

いいなあ下関

2008-06-18 21:00:44 | コミック・アニメ
月曜日に出た青池保子先生の新作。
スペインの歴史物「アルカサル 王城」の外伝です。
今回は、他の作品の主人公もコラボしている、大変充実した内容でした。
巡礼の道、サンティアゴ・デ・コンポステラのお勉強にもなります。

幸福な読後感に浸りながら、分厚い少女漫画誌をパラパラめくるうちに、
巻末近くの情報コーナーに目が行きました。

下関市立美術館で、何やらとっても羨ましい展覧会が開かれるそうですよ。
水野英子、青池保子、文月今日子の、少女漫画家3人展。
皆さんこの町出身だったり在住だったりで、縁のある作家さんたちです。

公式サイト→ www.city.shimonoseki.yamaguchi.jp/bijutsu/syoujo3_index.html

いいなあ。
凄く見たいですが、流石にこれだけの為に新幹線とか飛行機に乗るのは不可能。
公式サイトのチラシPDFファイルなどを見て喜ぶにとどめておきます。
ティリアン(宝塚でも舞台化された「エル・アルコン 鷹」の主人公)率高いですね。
学芸員さんの趣味かな?

西日本方面にお住まいの方で、ご興味のある方は是非どうぞ。
青池先生の原画、また見たいよお!
(線がとにかくスッキリしていて美しいのです。で、細部でよく遊んでおられます)

◇ ◇ ◇ ◇

西の領海が、何やら騒がしいですね。
何でこのタイミングなのか。

多分、あーんな人が就任したり、こーんな人が異動したりした影響ですね。
孔明よ、これを「離間の計」と呼ぶのであるな。
(ここで、オネエ言葉の孔明さんを思い浮かべたアナタは、かなりコアな青池ファンです)

わかりやすすぎですね。乗ってやらないもんね。
そろそろ凍頂烏龍茶の葉っぱ(もちろん台湾産)を買出しにいくとしますか。

今様「北斎漫画」?

2008-06-17 17:30:31 | アート
いつの間にやら出かけてました。
ナンシー関さんの「ハンコ展」。

パルコパート1のギャラリーに足を運んだのは、92年頃の「マンダラ展」以来。
(何だか不思議な縁を感じました←当日は雪山獅子旗柄Tシャツ着用)

版木・・・というか版ゴムがずらりと並んだガラスケースと、主な作品のパネル。
結構深く彫ってるんだなあとか、彫刻刀の痕が均一で、ナンシーさんの几帳面な一面を垣間見たりとか、
細い線の部分の精巧さに驚いたりとか、「ああこれ雑誌掲載時に見た」と、
懐かしい気分になったりとか、展示室はそう広くは無かったのですが、
縦横無尽に楽しめる展示でした。

お客の層もさまざま。
リアルタイムの読者だった3~40代から、もっと若い人たち、
小さい子を連れたお母さん、この展覧会がなけりゃ絶対パルコにゃ足を踏み入れなさそうなご年配の皆さん等等。

彼女の名を不動のものにしたのは、コラムとその挿絵、
TVに出てくる人々をネタにした消しゴム版画ですが、
この展覧会ではそれ以外の、一般の人々を題材にした版画や、
それこそ森羅万象をハンコにしちゃった一面が新たにわかりました。

鳥獣戯画や北斎漫画の伝統が、ナンシーさんにも確かに受け継がれていたんですね。
独特のおかしみ、哀しみを小さな版ゴム・画面に凝縮させちゃう技は、
このひとにしか出来なかったんだなあ。

展示の中で、多くの同業者、文化人、有名人からのメッセージも際立っていました。
友達多かったんですねナンシーさん。そしてこんなに愛されて敬意を持たれているんですね。
早すぎる逝去が本当に惜しまれます。

今の世の中、今のTV界を、彼女ならどう「刻む」のでしょうね。

仕事場の再現展示や、資料として集めていたVTRの現物、
(読みやすい細かい字でビッシリとラベル記入してありました)
興味を持っていたプロレスグッズのコレクション(ウチのオットーと話が盛り上がりそうだ)
切り抜きのキレイなシールでカスタマイズされた手帳(これ真似したい!)、
岡本太郎グッズの数々(お、さすが同年代)など、作品以外の展示も面白かったです。

出口近く、親指の半分くらいに彫った歌丸師匠の肖像。
12個横並びの一見同じものでしたが、良く見るとコマ送りで微妙に違う。
消しゴムアートのパラパラアニメ!と、
贔屓にしている手ぬぐい屋さん「かまわぬ」さんで見かけたことのある
”おじぎ部長”と ”レイドバックうさぎ”のデザインが、
実はナンシーさんの手によるものだという事にも感動して帰ってまいりました。

今、各地のちょっと大きな本屋さんに
彼女の全仕事を収録した分厚い単行本が平積みになっています。
(アスペクト刊)

◇ ◇ ◇ ◇

何気なくチェックした今日のTV番組欄。
深夜0:00からのNHK BS-2「マンガの現場」は、
いつかここでもちょこっと触れた「へうげもの」が題材ですね。
観ちゃおっと。