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木が教えてくれた------

2024-04-07 01:14:00 | 日記




エイジが今から三年ほど前にハマっていたものがあった。
ボルダリングやった。
とにかく登ることに夢中になったエイジが、
ボルダリング感覚で、
木登りしたいと言い出すのは、
時間の問題やった。

エイジが近所にある木に登る許可を得ようと、
当時の自治会長の乱心梅之助にお願いすると、
乱心梅之助は、
「この地域のどんな木に登ってもいい。けど、ひとつだけ、登ったらイケん木がある。それは、パオパオの家の裏の木や。もし、その木に登れば、死ぬかもしれんよ」と警告した。
エイジはこの初老の男の嘘くさい警告の中に、
登らせたくないナニかがあることを悟った。
逆に、
あの木以外ならナンでも登れるのなら、
敢えてトラブルに巻き込まれるような馬鹿なことをするメリットもなかった。
やからエイジは、
乱心梅之助のアドバイスに従った。

木登りは、
木の葉の香りと幹の感覚が気持ちよく、
上に登って下を見下ろす時がまた良かった。
いろいろな木を登るにつれ、
エイジは、
南の島から来たお友達の愛称を得ながらも、
徹底的に近所に嫌われている、
象さん顔と体型のパオパオの家の裏の木が気になってきた。
それで、
一度だけならナンともないと自分に言い聞かせ、
気持ち的にスッキリして忘れて、
他の木々を登りまくろうと考えていた。

そして、
日差しの強いある午後、
エイジはパオパオの家の裏の木に登った。
このときまでは、
ナンの変わりもなかった。

が、
ナニか、
ビシッとする音に、
動物が泣いてるような物音が気になった。
それで、
あちこち見回しても、
それらしいものはなかった。
------んやけど、
たまたまカーテンが開けられていた、
パオパオの部屋が見えた。
そこには、
パオパオが倒れており、
その側に、
網タイツに鞭と蝋燭を手にした乱心梅之助が、
鞭でパオパオを叩いていた!
その度に、
パオパオは大きく唸った!

エイジは木から降りた。
そして、
この日以来、
二度と木登りすることはなかった。
乱心梅之助の警告はある意味当たった。
エイジの純粋であったはずの少年の心は、
死んでしまった🙏


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