
とある田舎町にある安食堂“丸めろ“には、
テーブル席の他に、
小座敷がある。
この小座敷に、
数人の年配の男女が集まり、
飲み会を催した🍻
時間が経過して、
一同は、
気持ちよく酔い潰れながら、
「今年もアイツは来なかったな。来年は来るやろ」と言い、
満足して帰って行った。
この一部始終を見ていた他の常連客が、
“丸めろ“の店員こと、
丸めろの洋子に、
「賑やかな集まりだね」と言った。
丸めろの洋子は、
「あれは毎年一回開かれる集いの日というものなの」と前置きして、
集いの日の秘密を語った。
それによると、
ある大学の仲良しグループが、
卒業しても、
年に一度集まろうと誓い合い、
安食堂“丸めろ“の小座敷を借りて、
集まりが催された。
それで、
この集まりの日を、
集いの日と呼ぶことになった。
が、
ある年の集いの日に、
参加するはずの一人が来なかった。
それで、
他の参加者が、
理由を調べたら、
集いの日の集まりに行こうとして、
心臓発作を起こして、
蓮🪷の咲いているところに旅立ったことがわかった。
参加者達は、
いたく悲しみ、
そして、
この友人の死を無かったことにすることに決めて、
毎年の集いの日を行うことにした。
そのときいつも、
「今年もアイツは来なかったな。来年は来るやろ」という言葉で、
この催しを終わることにしていた。
こうして、
このミョーな集いの日の催しは、
25年も続いてきたという。
丸めろの洋子にこの話を聞いた客は、
集いの日を25年も続けた人々を、
「よっぽど暇なんだな!俺もそんな暇が欲しい」と言った。
丸めろの洋子は悲しげに、
「それを言っちゃおしまいなのよ」と言った。
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