凍えた成人式

俺のダチのリュウジの話。

リュウジは、

大都会から、

両親の都合で、

泣く泣く、

チンケな孤島に引っ越して来た。

そして、

翌年に成人迎えることになるんやけど、

成人式ボイコットを計画していた。

理由は、

友達作らなかったから。

しかし、

ご近所へのメンツ気にした両親から、

強制参加の沙汰が下され、

拒否したら、

経済制裁に踏み切ると言われた（簡単に言って、こづかいやらないと言うこと）。

それで、

嫌々ながらスーツに手を通し、

上から厚いコートを着た。

驚天動地の極寒の気候のもと、

この孤島にしてド田舎の成人式の会場は、

古いと言う言葉がお世辞になる程の畳部屋で行われた。

確実に零下なのに、

会場の真ん中に、

小さな火鉢がひとつだけ、

置かれていた。

やから、

はなはだしく寒い🥶🥶🥶

なのに、

リュウジ以外の参加者は、

みんな、

羽織袴で足袋履いていた。

そして、

鼻水が凍っていた😳😳😳

ハヨ終われと言うリュウジの願いは虚しく、

式はゆっくりと進行した。

村長のあいさつ。

長々とゆっくりしゃべり、

笑えない冗談言って、

独りで3分も笑った。

リュウジは、

寒さで倒れそうなのに、

他の参加者は、

懐ろからスルメを出して、

喰いちぎっていた。

次に、

青年会長のあいさつ。

青年会長のくせに、

90代のジジイやった。

そして、

小声でボサボサしゃべり、

途中で何度も居眠りしては、

しゃべり続けた。

青年会長のあいさつが終わった。

成人式の最後のプログラムやったので、

凄まじく、

リュウジは喜んだ。

そしたら、

青年会長が、

「今から『古事記』を拝読いたします」とぬかしたので、

リュウジは、

内心で、

核ギレ🤬起こして、

成人式シカトして、

家に帰った。