とある心身症を抱える子供たちの施設で、
ママ友主催のパーティーが開かれた。
親子で、
楽しく過ぎるこのパーティーは、
月に一度のお楽しみのはずやけど、
ヒラカワという、
自称天才子育て主婦の自慢話に、
ウツが入ってしまうんやった。
とにかくヒラカワは、
ママ友すべてに、
シロウト子育ての烙印を押し、
「あたしの娘のマミをみなさんが見たら、我が家をNHKに紹介くださることでしょう」とも言い切った。
翌月のパーティーにも、
ヒラカワが自慢話兼ママ友批判を繰り広げるので、
ひとりのママ友が、
「そういえば、あたしたち、ヒラカワさんの娘さんを見たことないわね」と言った。
ヒラカワは、
「え?あたしの自慢の娘、マリアを見せていなかったかしら?」と言ったので、
ママ友の一人が、
「まあ!ヒラカワさんの娘さんマリアっておっしゃるの?この前はマミって言ってらしたわ」と言い出した。
ヒラカワは慌てて、
「あたしの娘はマミです。マリアは洗礼名なのよ。マリアマミなのよ」と言い訳した。
気まずい沈黙の後、
ママ友たちは、
「ヒラカワさん。今度のおパーティーに、マリアマミちゃんをお連れあそばせ」と言って、
承諾させた。
そして次のパーティー。
ママ友たちの見てる前で、
ヒラカワは、
どう見てもデカい子供人形を抱いて来た。
ママ友たちがあ然としていると、
ヒラカワは人形に、
「マミ。挨拶しなさい」と言った。
すると、
ヒラカワ自身が小さく唇動かして、
人形が、
「みなさん、こんにちわ」と言った。
ママ友たちが怪訝にヒラカワを見ていると、
再びヒラカワが唇を小さく動かしたので、
人形が、
「みなさん、こんにちわ」と言った。
ママ友の一人がヒラカワを指して、
「唇が動いているわ!人形をしゃべらせているのよ!」と言うと、
ヒラカワは必死に、
「変なこと言わないで!マミはきちんとしゃべれます!」と言い返し、
唇を小さく動かした。
人形が、
「みなさん、こんにちわ」と言った。
ママ友たちはガチギレ😡して、
「ふざけんじゃないわよ❗️インチキもほどほどにして❗️」と怒鳴った!
ヒラカワは、
「インチキなんかしてません」と涙🥲を浮かべながら、
帰った。
翌月のパーティー。
ヒラカワがママ友たちのところに来て、
「あなた方が冷やかしたから、マミは口を効かなくなりました」と寂しげに言って、
帰った。
そこに、
施設職員が来て、
ママ友たちに、
ヒラカワ自身が心身症で、
それを治す為に、
みんなで子供がいるふりをしていたことを話した。
そうすることで、
責任感がヒラカワの病気を和らげると思われてのことやった。
それで、
心身症の子供専門施設にも、
出入りするようになった。
ママ友たちは気の毒がって、
みんなでヒラカワの家に行き、
「ヒラカワさんの子育ては、我が家ではとても役に立っておりますのよ」と、
ほめまくった。
そして、
子供用の手作りハンカチを出して、
「マミちゃんにお渡しあそばせ」と言った。
ヒラカワは喜んで、
マミちゃんと称する人形を持って来た。
そして唇を小さく動かしたので、
人形が、
「みなさん、ありがと」と言った。
するとヒラカワが大喜びして、
「うれしいわ😃マミがまたしゃべってくれた!」と大声出すと、
すぐに唇を小さく動かしたので、
再び人形が、
「みなさん、ありがと」と言った。
ママ友たちは大喜びで、
「ヒラカワさんもマミちゃんもいつまでも仲良くね」と言った。
ヒラカワはハンカチで目を覆い、
同時に唇を小さく動かしたので、
人形が、
「みなさん、ありがと」と言った。
10年の月日が流れた。
ヒラカワがマミちゃんの人形抱いて道を歩いていると、
レフティが来て、
「おばさん。マミちゃん、いつ、大きくなるのさ😛」と言った。
ヒラカワは、
「マミの一年は普通の人の100年に該当するの。わかったらとっとと失せて、ナマガキ!」と言い、
同時に唇を小さく動かしたので、
人形が、
「レフティの馬鹿」と言った。
レフティは「キモい😛」と笑って立ち去ろうとした。
その後ろ姿に、
人形が、
「舐めんなレフティ」と言った。
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