
仏教大より実地研修という名の修行に行かされた求道(くどう)の体験記。
その日、
求道(くどう)は、
指導僧の於道(おどう)からお堂に来るように言われた。
ナンでも、
法話研修とのことで、
求道(くどう)が、
説法しなければならないという。
於道(おどう)は求道(くどう)に言っていた。
「僧侶は仏より得たものを伝える必要がある。それは口伝と言われ、悟りを求める僧侶にとっては、ドラゴンボールやワンピースに等しい即身成仏のエキスの中のエキスや」と言った。
求道(くどう)にとっては、
実地研修の目玉となる。
於道(おどう)の言う通りお堂に入った求道(くどう)は驚いた😳
鈴だらけの錫杖手にした於道(おどう)が隅にいるのはエエけど、
聴衆として、
あの御珍(ごちん)と本尼(ホンニ)がいたからやった。
求道(くどう)が於道(おどう)に振り向き、
首を横に振ると、
於道(おどう)が錫杖を掲げたので、
仕方なく、
御珍(ごちん)と本尼(ホンニ)の方へ顔を向けた。
求道(くどう)は、
「瞑想についての説法をいたします」と静かに語ると、
御珍(ごちん)が、
「あんたがこの寺に来たこと自体、迷走ゴトやろが」と言い、
本尼(ホンニ)が笑いながら、
「本尼(ホンニ)もほんにそう思います」とからかった。
求道(くどう)は構わずに、
「瞑想の歴史を語ります」と言うと、
御珍(ごちん)が立ち上がって、
「あぁ、エエ話やった」と喜びながらお堂を出ようとしていたところに、
於道(おどう)が、
「シツうブッしょォ~ッ‼️」と叫んで、
錫杖で御珍(ごちん)の頭をぶっ叩いた!
御珍(ごちん)は頭を押さえて絶叫した❗️
於道(おどう)は求道(くどう)に、
「説法のコツをお教えいたそう」と言い、
画用紙とクレヨンを御珍(ごちん)と本尼(ホンニ)に配った。
そして二人に、
「お釈迦様の為に、灌仏会(かんぶつえと読む。お釈迦様の誕生日)の様子を描け」と言った。
二人は熱心に絵を描き出して、
出来上がったものを於道(おどう)に提出した。
御珍(ごちん)は昆布の絵を描き、
本尼(ホンニ)は干し椎茸の絵を描いていた。
於道(おどう)は絵を見ながら求道(くどう)に、
「灌仏会(かんぶつえ)と言ったのに乾物(かんぶつ)の絵(え)を描く。求道(くどう)殿、仏法のイロハもわからんハンパ坊主をいかがいたすか?」と問うた。
求道(くどう)は、
「基本から教えましょう」と答えた。
すると於道(おどう)は、
「シツうブッしょォ~ッ‼️」と叫んで、
求道(くどう)の頭を錫杖で叩いた!
求道(くどう)は頭を押さえて絶叫した❗️
そこに御住職が来たので、
求道(くどう)は、
「御住職様!於道(おどう)殿に錫杖で叩かれました!求道(くどう)の頭は割れそうにてござります!」と言うと、
御住職は一同を見回して、
無言で微笑んだ。
求道(くどう)は涙を浮かべて、
「御住職様。於道(おどう)殿はワイルドにござります!」と食ってかかった。
御住職は、
「信じて、おこなって、学んでも、感謝の気持ちが無ければ何の意味もない。御仏に生かされてありがとうございますという気持ちが根底にあれば、灌仏会(かんぶつえ)など、自然とわかるもの。そうではございませんか、求道(くどう)」と言って、
出て行った。
求道(くどう)は感動して🥺
「ありがとうの気持ち------。その通りです。さすがは御住職様。真髄を心得ておられる」と言うと、
本尼(ホンニ)が、
「本尼(ホンニ)もほんに感動いたしました。ありがとうという気持ちを忘れることなく、修行いたします」と言って、
静かに読経した。