丸めろという名の安食堂に働いてる洋子こと、
丸めろの洋子は、
店長から、
とある悩みごとを聞かされた。
それは、
新しい子供の誕生の今後の生活費用と、
認知症が進行して、
ほぼ寝たきり状態の年老いた父親のことやった。
丸めろの洋子は思った。
新生児は、
赤っぽい肌にあって、
元気よく泣く。
そして泣けば泣くほど強くなり、
限りなき未来へと成長していく。
まさに、
暖かな赤い陽を思わせるその様子に、
新生児は、
赤ちゃんと呼ばれるんやろう。
一方、
年老いた者は、
青白い肌にあって、
か細くすすり泣く。
そして泣けば泣くほど弱くなり、
僅かしかない未来へと静止していく。
まさに、
青い月影を思わせるその様子に、
丸めろの洋子は、
青ちゃんと呼んで、
親しみを込めたかった。
そのことを店長に伝えると、
店長は、
丸めろの洋子に、
「お前は人を馬鹿にしとるんか?」と言った。
丸めろの洋子は押し黙りつつも、
年寄りだの認知だの言われるよりは、
青ちゃんの方が、
どれだけマシかと考える。
生まれ来る者は赤ちゃん👶
消え去らんとする者は青ちゃん👨🦳
対語になるやないかと丸めろの洋子は考える。
そして、
このことは、
丸めろの洋子のみが心に秘めることとなった。
店長は新生児をあやし、
認知症の父親をなだめる。
この情景を見た丸めろの洋子は、
新生児に心で、
「こんにちは赤ちゃん」と言い、
認知症の老人には、
「こんにちは青ちゃん」と言った。