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えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...
ありのままに、ユーモラスに......♪

第3章 セカンドオピニオン 4.

2007年05月12日 | 乳がん闘病記
4.
 Nクリニックに行く前日、朝日新聞の朝刊でセカンドオピニオンに関する記事を見かけた。「セカンドオピニオンを求めたいと思っている人が患者の8割近くいるにもかかわらず、4割以上が実践できないのが現状」という内容だった。
 理由は、「主治医に遠慮して」、「主治医との関係がこじれることを怖れて」、というのが多いようだ。また、居住地によっては相応の相談先を見つけにくい、という問題点もあるらしい。
 今や日本でも、セカンドオピニオンを求めるのは患者の権利としても実情としても当たり前のことだと思っていたが、まだまだそうではないのかもしれない。哀しいかな、日本の医療の現状では、私は恵まれている部類なのだと思った。Y先生の当惑ぶりもわかるような気がする。
 それでも、先生は私のために40分も時間を割き、私の質問攻めに応じ、資料の貸し出しや診断書の作成に快く応じてくださったのだ。先生の照れくさそうに頭をかく姿が思い浮かんだ。にわかに申し訳ない気持ちと感謝の気持ちが湧き上がり、私はY先生に手紙を認めることにした。

  新聞記事を読み、先生に改めて感謝していること…
  言葉と配慮が足りずに失礼を重ね、申し訳なく思っていること…
  セカンドオピニオンを求めたい理由…
  具体的に引っかかっている点…

 多忙な先生のために、なるべく簡潔な箇条書きにし、結論を先に書いてから理由や詳細の説明を後から補足するように心がけた。ユーモアを交えることも忘れなかった。

 そうして綴っていくうちに、自分の頭と心が逆方向に向いていることがわかってきた。頭ではいくつかの理由で考慮の猶予を持ちたいと考えているのに、心ではY先生に一刻も早く手術してもらいたいと望んでいる自分の姿が、浮き彫りになったのだ。別の医師を探して転院するには、かなりのエネルギーが要るからだ。
 そこで、その本音をもありのまま記した。「セカンドオピニオンを求めると申しましても、実は貴院で治療することに第三者からお墨付きをいただきたいだけなのです。背中をポン!と押してもらったら、納得しつつ勇気と安心を持って治療に臨めると思っております」と。

 ついでに、最初にN医科大学付属病院を選んだ理由、そして本当はこのままここを選びたい理由を、利点や長所を具体的に挙げながら説明してみた。最後に大事なことをつけ加えなければ…セカンドオピニオンを求めたいのは、決してY先生を信頼していないからではないことを…。

 手紙はなるべく手書きするのを信条としている。今回も、ワープロで下書きしてから手書きで清書するつもりでいた。でも、終えてみると長くなったので、そのままコピー用紙に印刷した後、古切手をペタペタと貼ってみた。―少し華やかになったかな。Y先生に、私の考えと気持ちがまっすぐに伝わりますように…―

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