本日、半年に一度の乳がんの定期検診を受けてきまして、無事クリアしました(*^▽^*)v
最初の治療から丸8年が経過、9年目に入ったところです。5年間の治療、さらに5年間の経過観察、計10年間も闘病しなければならないと知ったときは、気が遠くなるような思いでしたが、経ってみれば早いものです。8年前のこの時期は、放射線治療が始まった頃...平日5日間×5週の計25日間、せっせと病院に日参したものですが、今となっては過去の出来事、懐かしいくらいです。
ボケてきたのか、緊張感がなくなったのか、9年目にして初めて、今日は診察の予約時間を間違え、30分早く病院へ...(^_^; よりによって本を持参していなかったので、売店でウロウロしていると、なぜか私の名前を呼ぶ声が...??? 何事かと半ばビクビクしながら診察室に入ると、朝一の患者さんがまだ来ていないので、来ている患者さんから、ということで...ラッキ~(*^▽^*)v
なんでも、主治医が午後に市民講座の講師の仕事を控えているので、急いでいるとのこと。にも拘わらず、エコーの検査機の電源がまだ入っておらず...立ち上がる間、市民講座の話から雑談が始まり、そのまま検査中も続きまして...(#^.^#) 講座は「乳がんを知ろう」というテーマで、複数の医師や看護師による講師団の一人として、私の主治医は治療面での話を担当しているとのこと。
乳がんの治療と言えば、つい最近持ちきりになった、センセーショナルな話題がありますね。ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、乳がんの予防的な両乳房切除と再建手術を同時に行なったという...。もちろん、同病患者の私にとっては衝撃的なニュースでしたが、治療に当たっている医師や関係者の間にも衝撃が走ったようで、主治医の口の端にもその話題が上りました。
主治医は、まず、マスコミの取り上げ方の問題点を指摘していました。情報提供が総合的ではないと。がん発症の予防手段として、乳房切除の情報ばかりがクローズアップされ、それだけが独り歩きするのは考えものだという意味です。欧米では乳がん検診の受診率が7~8割と高いので、その前提で予防的乳房切除云々、というのならまだ理解できるが、日本では受診率が2割ととても低いのだから、予防という観点で言えば、そういう部分的・特異的な情報を広めるより、検診率を上げる方が先だろう、という指摘です。尤もな意見ですね。
また、遺伝的に乳がん発症のリスクが高い人は、卵巣がん発症のリスクも高い人でもあるので、予防的乳房切除をするくらいなら、卵巣を切除する方が、卵巣がんと乳がん両方の発症のリスクを同時に下げられる、より良い方法だという考え方もあるとのこと。補足すると、そのタイプのがんは、両方とも女性ホルモンを利用して増殖するタイプのがんなので、卵巣を切除することでホルモンを抑制できる、という意味だと思います。
まぁ、乳がんの補助治療として受けたホルモン抑制治療による、身心両面での副作用を実際に体験した私としては、卵巣を取ることによってホルモンが激減する(患者の年齢にもよりますが、おそらく激減すると思います)ことと、がん発症の予防とを引き換えにすることには、一概に賛成はできませんが...(^_^;
次に、切除の意義についてはこんな意見でした。遺伝性の乳がんの発症率は5割ほどで、切除したことで実際にリスクを完全に回避できる人はさらにその半分。結局、リスクを持っている人全体のせいぜい3割しか、切除の意義がないということなのです。その3割の確率のために、発症以前から両方の乳房を切除する意味がどれだけあるかと考えると、医師として積極的には勧められないとのことでした。
また、切除と同時に乳房を再建することについても、疑義を呈していました。日本での場合、同時再建の施術直後から2~3年間は、患者の身心の状態が良いのが一般的だけれども、それ以降、再発への不安やいろいろな悩み(具体的には訊き損ねました)を抱える人が増えるという事実があるとのこと。そのことからも、切除後何年か経過を見てから再建手術を行なっても遅くはないと、私の主治医は考えているようです。
とにかく、治療は統計学(過去のデータの蓄積と確率予測)に基づいているので、現在進行中の治療、あるいは近未来に行われる可能性のある治療と必ずしもリアルタイムで連動していない(現行の病状や予測的治療に、過去データに基づいた治療が追いついていない場合があるという意味)というのが、現在の一般的な治療の現実だと主治医は言います。それを踏まえると、医師としての経験と日本人の国民性から言って、過去のデータに基づく治療の方が日本人に馴染むのではないか、というのが主治医の見解でした。つまり、ジョリーさんが選択した治療による結果のデータがまだ少ない現時点で、予防的治療を選択することのむずかしさについて、私の主治医は言及しているわけです。
結局、最後は、その人がそのときに置かれた立場や状況において、自分の何を一番大事にするかという視点で、自分の意思によって選択によるしかないのでしょうね。彼女はまだ若いし、世界的に有名な女優だし、経済的にも余裕があるでしょうから、こういう選択肢があったのでしょう。それ自体にも、大きな勇気と決断を要したとは思いますが...。だからと言って、私達日本人の一般的な女性に同じ選択肢を安易に提供することが、果たして良いのかどうか...また、提供されたからと言って、すぐに飛びつくのが本当にベストな選択なのかどうか...いろいろと考慮の余地がありますね。子宮頸がんの予防ワクチンで、私達はすでに経験ずみですものね。高価な予防接種があっという間に広まったと思いきや、深刻な副作用があれこれ報告され始め、ワクチン接種の普及はおろか、それ自体の意義について疑問が投げかけられている状況ですから。いきなり普及し始めたとき、新薬の治験と認可に関して欧米よりかなり慎重な日本にしては珍しいなぁと、私なんぞは勘ぐったものです(^_^; 接種が普及して美味しい思いをするのは誰かしら、なんて考えちゃったりして...(^_^;
もちろん、いろいろな選択肢が提供されることで患者に希望が生まれるのであれば、それ自体に意義があると言えるかもしれないので、この選択肢を否定するものでは決してありません。闘病に一番大事なもの...それは希望ですもの...。
近年乳がん患者が増えているようなので、私の主治医との雑談から旬な話題についてちょっと記してみましたが、あくまでも彼個人の一見解なので、それとして聴いておいてくださいね。私もそういう観点で聴き、記憶しておきます。
長々とおつき合いくださり、ありがとうございましたm(__)m
またまたおまけ...トップ画像の全体像です。今我が家に咲いている花を、楕円形の皿に浮かべました。ささやかなる自分へのお祝いです(*^_^*)
バラ・サツキ・クレマチス(白万重)・センテッドゼラニウム・宿根バーベナ・チェリーセージです。
こちらは、園芸用に品種改良されたクローバー2種。可愛い花が咲いたので挿してみましたが...花も葉っぱも、もっと艶があって、きれいな色なのになぁ...(^_^; リンク画像の方がまだまし?!
蛇足ですが、クローバーの葉っぱっておもしろいですよ。夜になると縦二つに折りたたみ、朝になるとまた開くのです(#^.^#)
ようやく春とのこと、何よりです。北国の春はダイナミックですよね、移り変わりが速いし、一度にいろいろな花の競演が見られますものね。
「がんは大変な病気」というイメージは、未経験者にも経験者にもあるかもしれませんが、やはり程度次第でしょうね。程度によっては、免疫系や神経系(神経系でも免疫が絡んでいるものが多いですね)の病気でがんより大変な病気はたくさんあると思います。父を難病で亡くしましたし、知人・友人にも難病と闘っている人は少なからずいますからね。
コロ_moriさんの病気の詳しいことは存じませんが、きっと大変な思いをされてきたのではないかと推されます。
それから得たものが、今のコロ_moriさんの希望となっていることを、願ってやみません。
機上からの富士山、なかなかでしたね(#^.^#)