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えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...
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第6章 ホルモン療法 30.

2007年10月18日 | 乳がん闘病記
30. 
 鬱々と過ごしていると、こんなことも急に思い出した。何年も前にうつ病の経験者からたまたま話を聞く機会があり、そのときの印象的な言葉がふと甦ったのだ。「暗くしてるものだから、友人が次々と離れて行ってしまって…気づくと一人になっていました…」 実は、彼女は拙著*の見知らぬ読者の一人で、あるとき突然電話をかけてきたのだ。「あなたの本を読ませていただき、ぜひぜひお会いしたいと思い、失礼を承知で連絡させていただきました」と言って、私を驚かせた。出版社自体が住所を変えていたため、たどるのが大変だったとまで言ったのだ。そうまでして私と話したいこととは、理由とは一体何なのだろうと、興味津々で出かけたところ、うつ病の体験談を聞かされたのだった。

 また、それに先立ち、やはり拙著のとある読者からこんな手紙をいただいたことがあった。それには、「娘のことでうつ病になり、家事も何もできない。図書館から本を借りてきて読むことしかできない。そんなときあなたの本に出会い、とても勇気づけられた。感謝の気持ちでお便りした」とあった。

 当時の私は彼女たちの声をただ聞くことしかできず、辛さを想像はできても真の意味では共感できなかったのだが、今なら共感できるような気がする。彼女たちは切なる叫びやSOS信号の受信先を、見知らぬ人にまで範囲を広げて必死で求めていたのだろうと想像がつく。

 そんな日々の中、私はいつのまにかテレビでうつ病患者の体験談を聞くようになっていた。それによると、私の症状はまだうつ病とまでは言えないようだが、うつの入口にいるような、うつの淵に立っているような危機感を覚えた。今、この段階で浮上しなければ、本格的にうつ病になってしまう…いつかの女性のように、私の周りから友人が一人去り、二人去りしてしまうかもしれない…そんな恐れと焦りにいつしか包まれてしまった。

 * 『ボストンの風にのって ―子連れママの滞在記―』

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