振出し 難聴、そして人工内耳へ

2007年2月17日から始めたブログ人のブログを継承しています。
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3-3わかりやすい話し方等

2012-05-27 21:38:02 | 聴こえ

 本日は、メドエル社の人工内耳装用者が中心となって開催している勉強会(自分自身はコクレア社の人工内耳を装用しています)、「第5回きこえを学ぶ会」(4月28日)での講演「わかりやすい日本語の話し方」(NHK日本語センター専門委員の榊寿之氏)で気になったことをとりあげていきたいと思っています。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 ところで、講演及び昔話の朗読終了後、メーカーから、汗をかく季節になりスピーチプロセッサのお手入れ等について説明がありました。<o:p></o:p>

 補聴器と同じように人工内耳も汗(水)に弱いです。<o:p></o:p>

 人工内耳の外部装置(スピーチプロセッサ)を耳に掛け装着しますので、電源ダウンが伴う汗対策は切実な問題です。そのためか汗に関わることについて、人工内耳装用者からもいくつか追加質問が出ました。<o:p></o:p>

 そう言えば、メドエル社EAS(ハイブリット型)人工内耳を装用されている方から、汗対策として傘などに使われる特殊防水布で人工内耳カバーを製作し、スポーツを楽しんでいるというお知らせを先日いただいたところです。<o:p></o:p>

 補聴器や人工内耳で汗対策にお困りの方、一度、試されたらいかがでしょうか。ネットで検索すると、「特殊防水布」は結構種類があってお手頃に購入できそうです。<o:p></o:p>

 ※余談ですが、自分は運動不足を自覚したときやストレスがたまったときに山道(「一万歩コース」)を歩いていますが、N5スピーチプロセッサに変えてから汗を気にしなくなりました。それまではコースの途中で汗をタオルでこまめに拭き取ることや、汗の量が多い時は外したりするなど、かなり気にして使用していましたので、今はホッとしています。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 さて、今回の講演のテーマは「わかりやすい日本語の話し方」でしたが、自分が求めているのは「聞きやすい話し方」のヒントでした。<o:p></o:p>

 「会話」という行為は、「口語言語による会話」だけではありません。<o:p></o:p>

 「手話」もありますし、「読話」を介しての会話もあります。あるいは「メモ」を利用して行うこともあります。<o:p></o:p>

 難聴になって嫌というほど感じたことは、「話す」という方法や「聞く」という方法が当事者間で成り立ってこそ「会話」ができるということでした。<o:p></o:p>

 つまり、口語であろうが、手話であろうが、文書であろうが、「話す」方法や「聞く」方法が一方通行になってしまえば、「会話」は成立しないことになります。<o:p></o:p>

 進行性の難聴になって2度目の入院生活が余儀なくなったとき、同室には、人工内耳装用手術をするために入院した方、咽頭がん治療で放射線治療を行っている方、声帯を含む咽頭を切り取り体力の回復のため療養している方と同室になりました。<o:p></o:p>

 全く聞こえない者、聞き取りづらくなっている者、声が嗄れている者、発声ができない者が、共同生活をすることになりました。この4人が同室になったのも、一時的な偶然で、治療が一通り終了すれば順次退院していきます。<o:p></o:p>

 「耳鼻咽喉科」という入院病棟は、「聞くことが困難な人」、「話すことが困難な人」が入り混じった病棟です。また、鼻の悪い方もいますので生花は禁止です。<o:p></o:p>

 病室内は、患者にとって、ある種休息の場であり、戦いの場でもあります。患者たちは色々な思い(不安や期待、絶望・・・)を秘めて入院しています。<o:p></o:p>

 聴覚に障害を持っている相手への呼びかけは、声枯れしている者が行い、言葉をしゃべることができなくなった者が伝える筆談器の言葉を、聞くことが困難な者達が目で追い、声枯れしている者やしゃべれなくなった者に話すことになります。<o:p></o:p>

 加えて人工内耳装用手術のために入院した者は、失聴期間が長く、しゃべり声が大きくないかを気にしており、自分では聞こえない声をしきりに確認しながらの口語です。<o:p></o:p>

 「筆談器」と「口語」を使った会話は、初めのうちは混乱してしまい、話せる失聴者や難聴者も「筆談器」を使用してしまい、そのたびに、聞こえるけれど話せない者から「自分は聞こえている、話せないだけだ。あなたたちとは逆だ」とクレームがつくことで気が付き、大笑いしてしまうことがたびたびありました。<o:p></o:p>

 短い共同生活でしたが、慣れるのも早く、違った会話方法を持つ者達の会話はしだいにスムーズなっていき和気あいあいになり、他の病室からうるさいとクレームがつけられるほどでした。<o:p></o:p>

 ここでの会話は、お互いの状況を受け入れ、尊重しあっての会話の成立です。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 脱線ばかりで申し訳ないのですが、脱線ついでにもう一つ・・・、5月11日に名古屋高裁で自分が気にしていた裁判の判決がありました。<o:p></o:p>

 「好きだった歌が歌えない、得意の口笛も吹けない、声を出して笑えない・・・。それよりも 何よりも 自分の言葉で思うように伝えられない・・・」<o:p></o:p>

 これは、2007年6月18日に放映された「声の壁~発言できない議員」(日本テレビ系全国放送)での岐阜県中津川市の元市会議員のコメントです。<o:p></o:p>

 これに対し、市議会側が「自己責任」とか「努力」・「常識」等、とても当たりの良い言葉でコメントをしていました。<o:p></o:p>

 当ブログでは、2007年6月21日「思うように伝えられない」、一審判決後の2010年9月26日「思うように伝えられない2」で取りあげています。<o:p></o:p>

 この裁判は、任期の途中で市会議員が咽頭がんにより声帯を切除し、声を出せなくなったことが発端となった訴訟で、「代読訴訟」と呼ばれてきました。<o:p></o:p>

 元市会議員は、声を失った自分の代わりに、自分が指名した者に自筆のメモを代読することで意見表明や質問をすることを求めてきましたが、1年半もの間、発言方法について審議されずにいました<o:p></o:p>

 その後、市議会では元議員がパソコンを使用できないことを承知の上で、パソコン入力による音声変換にて発言するように決定し、それが1年3カ月間にわたって続くことになり、事実上、発言ができない状態になりました。<o:p></o:p>

 この異常事態の中で、一部質問での他の議員がパソコンを打ち込むことや代読を市議会は認めていきます。ただ、あいかわらず代読は、元市議会議員が指名した者ではありませんでした。<o:p></o:p>

 この元市会議員の場合、市議会でのやりとりは良く聞こえていたと思います。だからこそ、余計、即座に感情を込めた自分の言葉として発言したかったのに違いないと思いました。<o:p></o:p>

 言葉には感情があり、そのことが出来るのは、本人または、本人の指名する信頼できる代理人による代読だったのだろうと思います。パソコンの音声変換や議会が指名した者による代読では、「気持ち」を伝えることができないと本人が判断したのではないかと推察いたします。<o:p></o:p>

 これは聴覚に障害を持つ私自身の問題でもあります。同じ聴覚に障害を持っていても、コミュニケーション方法は個々によって違います。そういった意味で、障害者自身が情報収集手段を選択できることが大切であると考えています。<o:p></o:p>

 一審も今回の二審も「議場での発言方法を決めるのは議会と議長の裁量」であるとして、本人が発言方法を選択することではないと裁決しています。<o:p></o:p>

 一審では、パソコンを打ち込むことを強制した1年3カ月間について、参政権の侵害があったとしており、10万円の損害賠償を命じる判決でした。<o:p></o:p>

 今回の二審では、これより前の1年半もほかの発言方法が審議されず、事実上発言できない状態であったとして、参政権の侵害を認め、この期間も加え300万円の損害賠償を命じました。<o:p></o:p>

 判決後、元市会議員の長女による代読で「裁判所は、自分の発言方法を自分で決められないことをおかしいとは思わないのか」と訴えています。<o:p></o:p>

 今後、控訴するのかどうかは知りませんが、とてもやるせない気持ちになった判決でした。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 4月28日の勉強会「わかりやすい日本語の話し方」講演の講師、榊寿之氏は、NHKで「趣味の園芸」の司会等を担当し、現在はNHKのEテレ(旧NHK教育)「にほんごであそぼ」で「今日の名分」などのナレーションや、ラジオ第一「ラジオ文芸館」の朗読、NHK日本語センターで、朗読の講師を務めているとのことでした。<o:p></o:p>

 今回は、4月にNHKに入社し6月にデビューする新人研修でのことを交えて、指導する立場としてお話されました。<o:p></o:p>

 新入社員研修では「声の出し方」「聞こえ方」をテーマとした研修を担当し、プロの声の出し方、日本語の発声の特徴を指導しているということです。<o:p></o:p>

 用意されたレジュメの項目は次のようなものでした。<o:p></o:p>

 1.距離感を適切に<o:p></o:p>

 2.発声と息<o:p></o:p>

 3.息を出すためのポイント<o:p></o:p>

 4.発音と口の動き<o:p></o:p>

 5.単語のうねりを防ぐ<o:p></o:p>

 いずれも、アナウンサーとして気をつけなければならない話し方をもとにした話しでしたので、参考になる部分とそうでない部分が混在した内容でした。<o:p></o:p>

 ・・・・<o:p></o:p>

 テレビ中継でのアナウンスを意識しての話しだと思いますが・・・・<o:p></o:p>

 声は大きすぎても小さすぎても、言い換えれば張り上げた声でもひそめ声でも、伝わりにくいと指摘していました。<o:p></o:p>

 10メートル以上先に伝えることをイメージし話をすると、1つの文章であればまだ良いのですが、怒鳴っているように聴こえてしまい、逆に近すぎるとひそめ声、ささやき声になってしまい、暗く重たくなってしまう。つまり、距離感を適切にする必要があり、4~5メートル先の人に向けて話すようにすることが基本だそうです。この距離間であれば、とても柔らかく聞こえ感じが良くなるということです。<o:p></o:p>

 会話でも参考になると思いますが....

 また、自分の声の音の高さを知ることも大切で、意外と自覚していない場合が多いと述べています。例えば録音した声が、自分がイメージした声と違うように聞こえます。<o:p></o:p>

 原因は色々あると思いますが、自分の声は、耳の内側で聞いているので、録音した声に違和感を持ったとしても、他人が聞こえる自分の声と同じ、したがって自分の声として掴んでおくことが必要だということです。<o:p></o:p>

 1番自然な声の高さは、概ね自分のフルネームを伝える声だということで、自己紹介時にフルネームを伝えるときの音の高さを認知しておくと良いと指摘していました。<o:p></o:p>

 榊講師の場合、体調によってもトーンが変わってしまうので認知したフルネームを読む自声をベースに調整しているということでした。<o:p></o:p>

 話しをするポイントは「名詞」が大事で、ニュースのような情報を伝える場合は、「名詞」をゆっくり話すと相手が受け取りやすくなるとのことでした。<o:p></o:p>

 日本語は音の高い低い(アクセント)で一つの言葉が違ってくると指摘していました。この説明の中で所謂、「同音異義語」について事例を示していましたが、新鮮だったのは、「助詞」のアクセントの違いで単語が異なることについて、触れていたことでした。<o:p></o:p>

 「葉が」と「歯が」・・・同じ「ハ」という単語を受けていても「ガ」という助詞の高さによって単語が違ってくるということです。<o:p></o:p>

 加えて、同じ言葉であっても地域によってアクセントが違っているので、NHKの場合は「共通語」(※標準語ではなく共通語)によるアクセントで対応しているということでした。<o:p></o:p>

 しかし、時代によって言葉のアクセントが変化していくこともあるとし、代表的な事例として「ワカメ」を取り上げて説明をしました。<o:p></o:p>

 現在では「ワカメ」の「カ」のアクセントを高くする方が72.3%程度と多数になっていますが、元々は「ワ」のアクセントが高かったということで、20年位前のNHKの「共通語」では、後者で学んでおり指導官より「カ」が高く発声すると「バカメ」と怒られたということでした。<o:p></o:p>

 10年位前からアクセントが逆転したようで、その原因も幾つかあると思いますが、テレビアニメの「サザエさん」で「ワカメ」という人の名前の呼び方が大きな影響をもたらし、その呼び方に慣れてしまい、海藻の「ワカメ」と一体化していったのではないかと推測しているとのことでした。(サザエさん現象)<o:p></o:p>

 「すみません」が言葉として正しいと思うが、「すいません」とNHKや民放で字幕に表記されるが、それはどうしてなのか?という質問に対して、「すみません」が正しいがマ行は口をはっきり開けなければならず、続けて発音するよりも「すいません」の方が言いやすく、「すいません」と話す方が多くなったことが要因としてあるのではないか、多数の方が使うようになったことで「すいません」を字幕にしているのではないかという話しでした。<o:p></o:p>

 つまり、時代により読み方が定着していけば「共通語」も変化していくことになると言うことのようです。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 榊講師の話しは、レジュメにある「2.発声と息」以降については、昼休憩以後に要点のみ説明して終了しましたが、本当は、この部分のほうが、「聞きやすい話し方」のヒントを多く語っていたかもしれません。・・・少し残念でした。<o:p></o:p>

 <発声と息>では、相手に言葉を届けるため、発声に息を使うことが必要とあり、息を使った声は、音の質が柔らかい、ふくらみを感じる。音に厚みがあり、単なる発音ではないリアリティを感じる。言葉の1音目の音が起き上がりやすい。それにより言葉の輪郭が明確になり、情報が伝わりやすい。発声する側も、声帯の負担が軽い。と説明書きがあり、具体的な発声の仕方に興味がありました。<o:p></o:p>

 <息を出すためのポイント>としては、①喉を開くこと ②口の中を広くすること だということです。<o:p></o:p>

 ①はアクビをしたときの喉の形(喉の突き当りが上下左右に広がった感じのことを「喉が開いた」状態だとし、この状態で、息とともに声を出すということ(訓練・・?)<o:p></o:p>

 ②は喉が開いていても口を狭くしてしまえば、息を止めてしまうので、口に力を入れないようにすることだそうです。<o:p></o:p>

 <発音と口の動き>ということについては、発音の良さを生み出すのは、口よりも、「舌」の動きだとしてそのためには、①口をオーバーに動かさない ②声を出す方向 が大切だということです。<o:p></o:p>

 ①口をオーバーに動かすと、次の音に移るのに時間がかかるので、却って滑舌は悪くなると指摘しています。<o:p></o:p>

 ②前かがみでは腹筋が使えず、息を使うことが困難、身体をお越し、顔を少し上に向けて声を出す。<o:p></o:p>

 ※ここで気になったのは、目で追う口の動きで言葉を知ろうとした場合、ゆっくりとはっきりと口を開けることで対処することがあり、このことと発音の良さと相反しているのかということでした。<o:p></o:p>

 <単語のうねりを防ぐ>には、①力まずに声を出す ②オノマトペに注意 することだそうです。<o:p></o:p>

 ①力だけ入れて言葉を発すると、言葉の1音目の音が出ずに、2音目以降の音が強調される→これがうねりの原因→言葉は「普通に」言われたときが、もっとも伝わりやすい<o:p></o:p>

 ②オノマトペ(擬声語・擬態語)に注意とは、例えば「どんどん」とか繰り返しの言葉はフシがついたようになるので、聞きにくい。1音目に息を出すのがポイントで「普通に」言うことが良い<o:p></o:p>

 関連してプロミネンス(卓立)によって文章の意味が違ってくるので何を伝えたいのかを考えて表現することが大切だと説明しておりました。<o:p></o:p>

 ※プロミネンス・・大辞林より「文中にある語句を強調すること」

 ・・・・・<o:p></o:p>

 途中からレジュメ文書の引用ばかりになり申し訳なかったです。「わかりやすい日本語の話し方」という題目の講義でしたので、実際にお話されたことにレジュメの説明を加えなければ逆に分かり辛いような気がしました。悪しからずご了承ください。<o:p></o:p>

 加えてほしかった内容としては、聞き言葉で苦労している「助詞」をはっきり話すことや「パラ言語」のことでした。<o:p></o:p>

 これは、自分の聞こえ方で足りない部分であって、一般的な話し方の指導ではないのかもしれません。<o:p></o:p>

 次回に期待を込め、報告といたします。<o:p></o:p>

 また、脱線ばかりの話しになりました。話しが少し散漫になったかもしれません。<o:p></o:p>

 ・・・・よろしければ、更新をお待ちください。<o:p></o:p>

 

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3-2新幹線要約研修で思ったこと

2012-05-16 12:00:58 | 聴こえ

 「新幹線要約、自然言語処理における「要約」」というテーマでの長岡技術科学大学 電気系准教授 山本和英氏による講演前日の4月20日に、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版に「表情から読み取る感情、欧米人と東アジア人との違い」という見出しの記事が掲載されました。<o:p></o:p>

 「手話」でも「読話」でも、表情から言葉を引き出すと言います。<o:p></o:p>

 残念ながら手話を勉強中の自分は、表情付がとても下手でぎこちないのですが、「手話」で話す方達の表情がとても豊かなことに感心しています。<o:p></o:p>

 「手話」や「読話」に限らず、普通の会話でも表情や声のトーンの違いで、「活きている言葉」を理解することが重要なことだと思っています。<o:p></o:p>

 さて、4月20日の記事は、出典が米国科学アカデミー電子版に4月16日付で掲載されたものですが(出所は「Facial Expressions of Emotion are Not Culturally Universal」)、スムーズな会話を求めている自分にとっては、とても興味が湧くものでした。<o:p></o:p>

 この記事では、「喜び」「驚き」「恐れ」「嫌悪」「怒り」「悲しみ」の6種類の表情について、欧州の学生と東アジアの学生の読み取りの違いを比較しています。<o:p></o:p>

 欧州の学生は、表情の読み取りがほぼ同一であったようですが、東アジアの学生は各自によって受け取り方に違いがあり、特に、「驚き」「恐れ」「嫌悪」「怒り」に重複した反応があったということでした。<o:p></o:p>

 さらに、東アジアの学生の場合は、強い感情を示すものとして目の動きがあるのではないかと指摘しており、派生する例として「顔文字」の表現が東アジアの場合は、目を強調して表現していると分析していました。<o:p></o:p>

 そう言われれば、「目は口ほどに物を言う」とか「目は心の鏡」とか言います。確かに、目には感情に関係するものがあるような気がします。<o:p></o:p>

 それにしても、意外と「顔色(表情)」で言葉を読み取るのは難しいのかもしれません。<o:p></o:p>

 笑ってしゃべっていても、じつは笑い話でなく、嘆き、怒り、本音だったりしたり、逆に怒ってしゃべっていても、激励や悲しみであったりします。<o:p></o:p>

 要約する言葉は、「活きている言葉」の感情をどのように表現したら良いのか?ニュアンスの違いはどのようにしたら良いのか?など、気になりながら、登録要約筆記者の会の勉強会に参加しました。<o:p></o:p>

 

-「新幹線要約、自然言語処理における「要約」」の講演からの報告-<o:p></o:p>

 ■自然言語処理手順について■<o:p></o:p>

 自然言語処理の一般的な手順は、形態素解析(単語に分解し、各単語の品詞を調べる)から始まり、それを構文解析(文節の区切りを確定し、どの文節がどの文節を修飾しているかを確定させる)し、さらに意味解析(語義曖昧性解消)を行い、最後に談話解析(照応解析)で仕上げるという流れでした。<o:p></o:p>

 【例】「ハンガーにかけたそれはもう乾いている」という文書の自然言語処理手順<o:p></o:p>

 <最初に形態素解析をする><o:p></o:p>

 ハンガー(名詞) に(助詞) かけ(動詞) た(助動詞) それ(名詞) は(助詞) もう(副詞) 乾い(動詞) て(助詞) いる(助動詞)<o:p></o:p>

 <次に構文解析をする><o:p></o:p>

 ハンガーに → かけた<o:p></o:p>

 かけた → それは<o:p></o:p>

 それは → 乾いている<o:p></o:p>

 もう → 乾いている<o:p></o:p>

 <さらに意味解析をする><o:p></o:p>

 かけた → 上から下に下げる という意味 <o:p></o:p>

 <最後に談話解析をする><o:p></o:p>

 それは の「それ」は何を指す →前文の「シャツ」<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>■要約を区分すると■<o:p></o:p>

 <目的別><o:p></o:p>

 ①報知的要約(原文の代替物を目指した要約・映画で言うと「あらすじ」)<o:p></o:p>

 ②指示的要約(原文を参照すべきか判断するための要約・映画で言うと「宣伝CM」) <o:p></o:p>

 <入力単位別><o:p></o:p>

 ①1文を短く(文短縮・簡約)<o:p></o:p>

 ②1文書を短く(一般的に言う「要約」)<o:p></o:p>

 ③複数文書を短い文書に(関連記事のまとめ)<o:p></o:p>

 ※つまり、ニーズに合った要約を選択し行うということになります。<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>■要約の手法■<o:p></o:p>

 <文選択>※重要箇所の選択<o:p></o:p>

 ①単語に重要度を付与する(出現頻度など)<o:p></o:p>

 ②文書中の位置によって重要さを変える(社説ならば最初と最後)<o:p></o:p>

 ③文書のタイトルが重要(タイトルに使われている単語)<o:p></o:p>

 ④手がかり表現を使う(「つまり・・」の後は重要)<o:p></o:p>

 <文短縮><o:p></o:p>

 ①文末を体言止めにする →【例】発売する予定です→発売へ<o:p></o:p>

 ②敬語・です・ます 表現の削除 →【例】それほど損害はありませんでしたので義援金はありません→それほどの損害はないので義援金はない<o:p></o:p>

 ③装飾語の削除 →【例】次男の健介は→次男は<o:p></o:p>

 ※「文選択」をすることで重要項目を要約に活かし、その他を「文短縮」をしていくことによって「要約文書」が作成されるというように理解致しました。<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>■「新幹線要約」について■<o:p></o:p>

 自分の住む町では、地下鉄などの駅構内で電光掲示板ニュースが流れています。<o:p></o:p>

 皆様の町ではいかがですか?<o:p></o:p>

 新幹線の車内や街頭の電光掲示板などで流されている短いニュースを「新幹線要約」と先生たちは、呼称したとのことでした。<o:p></o:p>

 もっとも大きな特徴は、「新幹線要約」の各記事が約60文字で記述しているということでした。<o:p></o:p>

 <新幹線要約から学ぶこと><o:p></o:p>

 ①表現が非常に洗練(圧縮)されているので、簡潔に伝える表現を学ぶことができる。<o:p></o:p>

 ②伝えるべき重要な項目が選別されているので、優先的に伝える項目を学ぶことができる。<o:p></o:p>

 <新幹線要約の言語的特徴><o:p></o:p>

 ①短く、簡潔な表現<o:p></o:p>

 ②一文または二文の表現がほとんど<o:p></o:p>

 ③「する・した」の省略(体言止め(サ変動詞止め)) →【例】・・・実質3.2%減と想定<o:p></o:p>

 ④文末の格助詞で時制等を表現 →【例】・・・四半期ごとに開示するように要請へ<o:p></o:p>

 ⑤漢字の多様 →【例】決める→決定 選ぶ→選出<o:p></o:p>

 <参考事例1><o:p></o:p>

 【原文】<o:p></o:p>

 欧州通貨統合が来年一月からスタートするのに伴い、○×銀行は一月四日からユーロ建て旅行小切手の取り扱いを始める。取扱券種は五十、百、二百ユーロの三種類で、当面、本店営業部が販売窓口となる。販売状況を見て取扱店舗を増やす。<o:p></o:p>

 【要約結果】<o:p></o:p>

 ○×銀行はユーロ建て旅行小切手の取り扱いを始める。<o:p></o:p>

 <参考事例2><o:p></o:p>

 【原文】<o:p></o:p>

 三十日午後二時十分ごろ、剣淵町の国道40号で、○×市東○×町○×村二二八、農業タクジロウさんの乗用車と、○×市△○町二ノ四三、運転手クタイチロウさんのトラックが正面衝突した。乗用車の四人のうち、タクさんと妻のハナコさん、×○市△△町三○二、無職タコサブロウさんの三人が頭を打つなどして死亡、○×市北○×四ノ一ノ二八、無職フリダシタカコさんも左足の骨を折る重傷を負った。クタさんにけがはなかった。<o:p></o:p>

 【要約結果】<o:p></o:p>

 剣淵町の国道40号で三十日午後二時十分ごろ、○×市△○町二ノ四三、運転手クタイチロウさんのトラックが正面衝突しタクさんと妻のハナコさん、×○市△△町三○二、無職タコサブロウさんの三人が死亡<o:p></o:p>

 

ということになるようです。<o:p></o:p>

 

<o:p> </o:p>余談ですが、自分が仕事をし始めた頃は、簡易和文タイプで社内文書を作成していました。人事関係の仕事をしていましたので人に任せることをせずに社内文書を作成するのですが、印字文字を探す手間と漢字(印字)の入れ替えをする手間があり、かなり苦労したことを覚えています。ですから、卓上ワープロが発売されたとき、すぐに飛びつき購入しました。ワープロは、和文タイプで文書を作成していた者にとって魔法の機械で、富士通の親指シフトは使いやすかったことを記憶しています。ただ、卓上ワープロも当初は、フロッピーのような記憶装置が内包されていなく、テープレコーダーのような記憶装置を外付けしましたが、稼働させるたびに甲高い音がしたことは閉口しました。パソコンは表計算ソフトのロータスから始めましたが、文書作成のワードが出たときは、便利になったものだと思ったものでした。まさに、自然言語処理とともに歩んできたのだと思います。<o:p></o:p>

 「新幹線要約」は特に報道記事などで、その真価が発揮され、確かに新幹線の車内で何となく電光掲示板に流れる記事を読み、速報的な意味合いで社会との同時性を付加されながら情報を得ています。あの短い文章でよくまとめられていると感心してしまいます。<o:p></o:p>

 その手法で、文書を要約していくことに活かしていくことは大切なことだと思いますし、要約のトレーニングをしていく上で良い指標ではないかと思います。<o:p></o:p>

 ただ、一方では、言葉は活きていますので「感情」や「微妙なニュアンス」を発するトーンや表情全体が「伝えたい言葉」であり、それを読み取り要約をしていかなければ、意味の取り違えが起こります。そういった「伝えたい言葉」をフォローできてこそ「要約」が活きてくるのだと思います。<o:p></o:p>

 前回書きました人工内耳関連の地域の会の運営委員会に参加したときの「要約になっていない要約」で、話の行き違いやもどかしい思い、空しい意見交換だなとその危険性を感じたことは、言葉を文書として要約することにとらわれ過ぎ、簡潔にするあまり、言葉には感情があるということを忘れていることから起きたのではないかと考えます。<o:p></o:p>

 自分はたまたま人工内耳を装用していて、話しを全てではないですが聞き取りができたので危険性を感じましたが、要約に頼らざるを得ない場面では危険性を感じることすらできません。<o:p></o:p>

 「新幹線要約」になるほど、面白いと思いながら、それを真剣に聴いている登録要約筆記者がどのように受け取っているのか気になる研修会でした。

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わかりやすい話し方と新幹線要約3-1

2012-05-14 02:07:41 | 聴こえ

 いつものことですが、報告が遅いブログです。<o:p></o:p>

 毎日のように掲載するようなパワーも話題も提供できませんが、それなりに時間をかけてはいます。自分の能力の無さを嘆いています。<o:p></o:p>

 これから、3回に分けて、4月28日に開催された「第5回きこえを学ぶ会」及び、4月21日に開催された登録要約筆記者の会の公開研修会のことを書いていこうと思っています。<o:p></o:p>

 出来れば、お付き合いしていただければありがたいです。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 「きこえを学ぶ会」はメドエル社の人工内耳装用者が中心となって運営している勉強会です。人工内耳でのきこえのヒントを共に学んでいこうという会ですが、今回は趣向を変えてメインとして「わかりやすい日本語の話し方」というテーマでNHK日本語センター専門委員の榊寿之氏を招いての講演がありました。ただ、連休開始の土曜日開催ということもあってか、装用児の親たちの参加がいつもより少なかったのは残念でした。<o:p></o:p>

 また、登録要約筆記者の会の公開研修会は「新幹線要約、自然言語処理における「要約」」というテーマで長岡技術科学大学 電気系准教授 山本和英氏による講演でした。<o:p></o:p>

 磁気ループを設置し、難聴者の参加も可能な催しでしたが、磁気ループ使用の参加者は自分一人だけでした。<o:p></o:p>

 「話しのプロ」と「自然言語処理(コンピューター科学の一分野で計算言語学)の研究者」の講演を続けざまに聴けたことは、それぞれが求めていることの違いを比較でき、興味深いものがありました。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 「話しを分かりやすく伝えること」そして「話を要約して伝えること」は日常生活でも必要とすることですが、難聴になって痛切に感じたことは、相手の話しが理解できなければ自分の話しもできなくなるということでした。<o:p></o:p>

 したがって、より深い話しや話題を展開することができなくなっていくことにつながっていき、聞きたいことや話したいことが半分もできなくなり、会話が「YES」「NO」的な味気のないものになっていきました。<o:p></o:p>

 「鶏が先か卵が先か」式に、会話を「話しが先か、聞くことが先か」と問われれば、健聴であった頃は、「話題」があっての会話という意味で「話し」と答えていたと思いますが、難聴が進行していくにしたがって「聞くこと」「聞き取り理解すること」が先になっていきました。<o:p></o:p>

 つまり、どんどん受身的になっていったのだと思いますし、話をしなくなっていったのだと思います。<o:p></o:p>

 話すことができても、相手の話しを理解できなければ行き違いの会話になっていきます。聞こえる言葉を繋ぎ合わせ、辻褄があう話ができれば良いのですが、全く違う話しをすれば、白けるだけで会話が続かなくなっていきます。<o:p></o:p>

 例えば、霧島山の「新燃岳」の火山情報が報道されたとき、アナウンスが聞き取れず字幕に頼ってしまったことがありました。恥ずかしいのですが「新燃岳(しんもえだけ)」の読み方を知らなかったので、自分の思い込みの読み方で字幕を追っていましたし、漢字そのものとして理解していました。<o:p></o:p>

 この時期に「新燃岳」の話題を会話したとしても、読み方が違えば、もしかしたらチンプンカンプンなものになっていたかもしれません。<o:p></o:p>

 また、先日、人工内耳関連の地域の会の運営委員会に参加したとき、話の行き違いが幾つかあり、もどかしく思ったことがありました。その原因は、要約筆記者をお願いしているのに関わらず「要約を見ずに、意見を先行して話していること」(自分も同じ傾向があり反省しています)や「要約が残念ながら要約になっていないこと(時にはニュアンスが違う言葉で語られること)」等がありました。<o:p></o:p>

 この意見交換では「自分も同じ意見なのですが・・・」という言葉が発信され、全く違うことを述べている場面が多々あり、それが恣意的なものであるのか、逆に判断が難しいことがありました。<o:p></o:p>

 聴者である装用児の親の方も「要約」がおかしいということを、休憩時間に指摘していましたので、自分が感じていることが間違いではないとホッとしたと同時に、空しい意見交換だなとその危険性を感じておりました。<o:p></o:p>

 本当に言葉が意味していることを伝えることは、難しいと思います。<o:p></o:p>

 したがって、できれば講演の中で「難聴者にとって聞き取りやすい話し方」とか「難聴者にとって理解しやすい要約」とかまで、講演の内容が踏み込んでほしかったという思いが今回の勉強会の感想として残りました。<o:p></o:p>

 ・・・・・・・<o:p></o:p>

 ところで、4月28日の「きこえを学ぶ会」に参加した目的が、別にふたつありました。<o:p></o:p>

 いずれも、参加日前にメールで私宛に連絡があり、その回答を得ることでした。<o:p></o:p>

 ひとつは、装用児の親からの質問で「FM補聴システムを幼稚園で使用しているが、反応が今一なのはどうしてか?・・・」というものでした。<o:p></o:p>

 もうひとつは、怪我で入院してしまい「きこえを学ぶ会」に参加できなくなったので、「言葉として『すみません』が正しいと思うが、『すいません』とNHKも民放も字幕で表示されているがどうしてか?」という質問を代わりにしてくれという依頼でした。<o:p></o:p>

 この回答は榊講師が取り上げてくれましたので、報告の内容の中で後述いたします。<o:p></o:p>

 FM補聴システムの件については、同会場でフォナックの展示があるという案内でしたので、当日、担当者に確認することに致しました。<o:p></o:p>

 質問自体は、自分が取り違えたこともあり、必ずしも装用児の親が納得できたものではありませんでしたが、フォナック担当者の回答に対する姿勢は嬉しいものがありました。<o:p></o:p>

 この担当者の姿勢は、今回の会に参加して得たものの収穫のひとつでした。<o:p></o:p>

 その節はありがとうございました。<o:p></o:p>

 会場でも、説明していただきましたが、メールでもさらに説明を加えていただいたと同時に、フォナック社のブログにも即座に反映していただいたことはありがたいと思いました。<o:p></o:p>

 ■チャンネル同期が必要な場合、不必要な場合 4月28日■<o:p></o:p>

 http://phonakfm.blogspot.jp/2012/04/99ch91ch-fm-91ch99ch-fm-fm.html<o:p></o:p>

 その他、いくつか情報がないか確認をさせていただき、学校での使用例、企業向けの支援方法、実際に使用している方の使用方法 などを教えていただきました。<o:p></o:p>

 なるほどと思うことがありますので、後日、このブログでご紹介させていただきたいと考えています。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 さて、4月21日に行われた登録要約筆記者の会の公開研修会は「新幹線要約、自然言語処理における「要約」」というテーマで長岡技術科学大学 電気系准教授 山本和英氏による講演で気になったことから書いていきたいと思います。<o:p></o:p>

 とはいっても「自然言語処理」という言葉は、あまり聞きなれない言葉です。<o:p></o:p>

 Weblio辞書に、次のような説明が書かれてありました。<o:p></o:p>

 「自然言語処理とは、日本語や英語などをはじめとした人間が使っている言語をコンピューターに処理させるための技術やソフトウェアなどの総称である。」<o:p></o:p>

 「自然言語処理に属する技術や研究としては、自動要約生成、情報抽出、情報検索、検索エンジン、機械翻訳、翻訳ソフト、固有表現抽出、自然言語生成、手書き文字認識、かな漢字変換、形態素解析、などである。」<o:p></o:p>

 とされています。<o:p></o:p>

 考えてみれば、「Word」はじめ、コンピューターでの検索等、身近なものがいっぱいありますし、自分が求めているもののひとつ、学校などでの「音声認識自動文字化」なども含まれていると考えられ、良いテーマの講演を受講できたと思っています。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 少し長くなりそうなので、中途半端になりますが一端ここで切ります。<o:p></o:p>

 予告的な話になってしまったことをお詫びいたします。更新をお待ちください。<o:p></o:p>

 

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簡単にできる簡易磁気誘導コイル

2012-05-03 22:04:41 | 聴こえ

 本日は、曇り、昨日から朝方まで雨が降り続きました。関東地方以北は一日中、雨が降り続いたようです。<o:p></o:p>

 こういう日は、気分転換に工作をしましょう。<o:p></o:p>

 105円から500円程度の費用で、簡単にできる簡易磁気誘導コイルの作製です。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 昨年は、人工内耳にプラスした補聴支援機器の活用をテーマにして話す機会が2度ほどありました。<o:p></o:p>

 話し下手ですので、補聴支援機器(FM補聴支援システム・赤外線補聴支援システム・磁気補聴支援システム)の有効性と利用方法について話しましたが、会場にいらっしゃった方に理解できるように伝えられたかどうかは不明です(笑)。・・・申し訳ございませんでした。<o:p></o:p>

 やはり、プロの話し方ってすごいなと思いながら、金輪際、講師の真似ごとをするのは止めようと固く心に誓いました。(本当に固く誓ったのかは「?」ですが・・・)<o:p></o:p>

 一昨年末から、昨年末までの1年間に前述のことを含め人工内耳関連の話しを4回ほどしましたが、人に話すのは自分には向いていないと悟りました。事前にトイレで所用し、さらに胃薬を飲まなければ話ができないのは、いけませんね。<o:p></o:p>

 ・・・・・<o:p></o:p>

 そのとき感じたことですが、磁気補聴システムを有効に使用されていない理由のひとつが気軽に利用できないからではないかと思いました。<o:p></o:p>

 難聴者の会や人工内耳装用者の会等での催し物で、磁気ループを設置していなければ、補聴器や人工内耳でTマイクにすることはないのかもしれません。<o:p></o:p>

 ましてや、難聴者の会や人工内耳装用者の会に参加していない方は、磁気ループ付きの催しものに出会うことがなく、当然、補聴器や人工内耳の装用者がTマイクに切り替えることはしないので、磁気誘導コイルそのものを忘れてしまうと思います。<o:p></o:p>

 これでは、いくら、磁気補聴システムが聴こえに良いといっても理解されません。同様にFM補聴システム等も同じです。<o:p></o:p>

 

■イヤホンの代わりに使用する、簡易磁気誘導コイル■<o:p></o:p>

 そこで、今回、ラジオやテレビ、ipodやウォークマンなどのイヤホン代わりにTマイクで聴く、簡易磁気誘導コイルの作製方法をお伝えし、日常生活で楽しんでいただこうと考えました。<o:p></o:p>

 「人工内耳プラス」の講義の時は、市販のMリンクとかネックループ型の簡易磁気誘導コイルのことを取り上げ、ラジオやテレビ、携帯型の音楽機器、携帯電話などでの利用方法や、FM受信機のループタイプであれば、Tマイク利用で、補聴器や人工内耳のメーカーや機種の違いに関わらず使用できると説明しました。<o:p></o:p>

 その折にも、また、当ブログ内の記事でも、磁気ループの作り方について説明させていただいています。(家庭や小規模会議室での利用のため)<o:p></o:p>

 磁気ループもそうですが、市販の簡易磁気誘導コイルは用途に合わせ、性能が良いと思いますし基準に沿って作られていると思いますが、値段が高いです。<o:p></o:p>

 

■安く、簡単にできる簡易磁気誘導コイル■ 左側面に写真を掲載、参考にしてください。<o:p></o:p>

 105円超~500円程度で簡単に作製できます。失敗しても、そんなに負担になりませんし、たぶん、誰でも作れます。<o:p></o:p>

 大きく方法は二つあります。<o:p></o:p>

 ひとつめは、その気になれば10分でできる、ほとんど何も手を加えないタイプです。この特徴は、空気振動として通常の音としても聞こえますし、Tマイクを利用しても聞けるというものです。雑音が多い時はTマイクで、静かな場所では通常のマイク設定で聞きます。欠点は、音漏れをしますので、迷惑をかけることが多いということと秘密な音(?)を聴くことはできないということです(笑)。<o:p></o:p>

 ※携帯電話がTマイクで聴こえるのと同じ事です。<o:p></o:p>

 

ふたつめは、少し手を加え、30分程度で作製するTマイクのみで聞くタイプです。これが、市販している製品と近いと思います。<o:p></o:p>

 

■作製方法■  ※左側面に写真を掲載、参考にしてください。<o:p></o:p>

 (1)10分コース<o:p></o:p>

 ①100円ショップ等でイヤホンを買ってきてください。あるいは、使用していないイヤホンを使用します。<o:p></o:p>

 ②100円ショップのイヤホンマイクは、たいてい昔ながらの耳穴に挿入するタイプだと思います。この耳穴に挿入する部分をペンチか何かで切ってください。<o:p></o:p>

 ③そのままですと、イヤホンマイク部分に穴が開いたままですし、ギザギザのままになりますので、ガーゼや湿布を固定する「メッシュパッド(粘着シート)」をちょうど良い大きさに切って貼ってください。<o:p></o:p>

 ④マジックテープ(マジロック)でリングを作り、イヤホンマイク上部から貼ります。<o:p></o:p>

 このときそのままでは粘着部分が残りますので、イヤホンマイク部分を除きラップ(サランラップ等)を粘着部分に張ってください。リングは大きさを変えることができるように適度な長さで調整してください。<o:p></o:p>

 ⑤できあがり<o:p></o:p>

 

(2)30分コース(40分かな?)<o:p></o:p>

 ①イヤホンジャックが黒線1本は、モノラルタイプ<o:p></o:p>

  イヤホンジャックが黒線2本は、ステレオタイプ<o:p></o:p>

 ②いずれも、イヤホンマイクをはさみで切り捨ててください。必要なのはコードとイヤホンジャックです。<o:p></o:p>

 

<モノラルタイプ 【例】リング><o:p></o:p>

 ①イヤホン側のコードは2本に分かれます。<o:p></o:p>

 ②イヤホンコードとは別に、コードを3本用意してください。<o:p></o:p>

 ③別に用意したコード(例えば黒・白・赤)を、リング状にしますが、その時、(1)黒リングに赤 (2)白リングに赤 とふたつに分けます。<o:p></o:p>

 ④2本に分かれたイヤホンコードの片側に(1) 一方を(2)に繋ぎます。<o:p></o:p>

 ⑤出来上がり<o:p></o:p>

 

<ステレオタイプで 【例】耳かけタイプ><o:p></o:p>

 ①イヤホン側のコードは3本に分かれます。<o:p></o:p>

 ②イヤホンコードとは別に、コードを2本用意してください。<o:p></o:p>

 ③別に用意したコード(たとえば青・黄)<o:p></o:p>

 ④3本に分かれたイヤホンコードの(1)一本目に青 (2)二本目に黄 (3)三本目に青・黄<o:p></o:p>

 を繋ぎます。<o:p></o:p>

 ⑤出来上がり<o:p></o:p>

 ※尚、耳掛け型にするにはお菓子などのパッケージに使われるビニールに鉄線が入っているものを利用し形付、ビニールテープなどでリング状の3本コードを巻き付けます。<o:p></o:p>

以上ですが、分かりづらい説明で申し訳ございません。<o:p></o:p>

 お勧めは、30分コースでTマイク専用タイプです。<o:p></o:p>

 失敗しても責任は負えませんが、たぶん音楽やラジオニュースを聴けると思います。雑音の入らない空気振動ではない音を楽しんでください。

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