もう少しで、断りなしで自分以外の人の体験談を、このブログに載せるところでした。
地域の難聴者の集まりでお聞きした、難聴者が抱える仕事場や家庭生活、ご近所でのコミュニケーションでの不安や不満、断絶意識等についての発言をそのまま書くということをしようとしましたが、取りやめます。
取り方によっては、無責任な捉え方(一方的な捉え方)になってしまっているかもしれません。これらの体験や感じ方は、タクの言葉としてこのブログであらためて載せることにします。タク自身で消化した言葉であれば、これは、まったく個人的なものであり、つねづねこのブログで言っているように、個々の考え方や捉え方は違っていて当然なことなのであり、他人の発言(公にしていない発言)をタクの色をつけてこの場で載せることは、チョット違うなと思い取りやめます。
とはいっても、心の不調を抱えている方はタクを含め、たくさんいます。
タクは耳が不調になって、それまでの生き方の反省を込め「頑張りすぎない」ことを心がけていますが、それによって「不完全燃焼状態」を生じさせており、会社では「寝たふり状態」になっています。これはこれで心にとって不健全な状態であると言えます。
平成17年度で265万人の方が何らかの精神疾患で受診していると言われています。
国民の2%の方が受診していることになり、
50人に1人という割合になります。「うつ病」にかかっている方は92万人くらいと言われています。また、年間3万人もの人が自殺しています。(交通事故死の4倍くらい)
こういったことから、政府は平成19年6月8日に「自殺総合対策大綱」を策定しています。(大綱というのは、拘束力のある方針です。有名な逸話に「骨太の方針」というものがありますが、もとは「大綱」としていたものを経済政策のみならず予算にも拘束力が出るということで、宮沢氏等の意見も聞き「骨太の方針」としたという経緯があり、政府与党が続く限り「大綱」には拘束力があるものとタクは理解しています。)
続いて、8月4日に内閣府が「こころの健康(自殺対策)に関する世論調査」を公表しました。この内容については内閣府のホームページをご覧ください。この内容について引用した場合届け出ることになっているのでここでは紹介しませんが、日本人の自殺に関する意識がWHOなどで研究し常識とされている捉え方とは違うことを知ることができます。
この調査は、昨年6月に公布され、10月に施行した「自殺対策基本法」後、初めてのものだったようです。
また、今年、8月6日に厚生労働省は、「平成19年度地域自殺対策推進事業の実施について」公表しており、北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・群馬県・千葉県・神奈川県・新潟県・富山県・静岡県・三重県・広島県・愛媛県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・沖縄県・横浜市という20県1市を指定し、次のことを行うこととしています。
1.地域における自殺の実情を調査・分析し、その実情に対応する自殺対策を実施する。
2.自殺予防総合センターと連携して、有効な自殺対策を地域の特性に応じて一般化(例:うつ病の羅漢率が高い地域においては、○○という手法が効果的等)し、各自治体あて情報提供を行う。等
つまり、これら指定された自治体にどういった特徴があり、どういった方法が、効果的なのか検証し、先進的な取り組みをしていこうというものです。
聴覚障害者とりわけ中途難聴者や中途失聴者の心の負担は、大きいと言われています。いままで、コミュニケートできたものを失うことから起こる様々なことが(家庭・仕事・交友関係・・・・人生プラン等の見直し)、社会から隔離を、社会そのものから、そして自分自身が行うというようなことが、自分自身の生きる価値を見失うこととなります。
こういったことも、検証していってほしいと願っています。
日本経済新聞のBiz-Plusというコラムの中で、遥洋子さんが、「“うつになる男性”と“仕事をやめる女性”は、実は一本の線で繋がっている。」と興味深い内容の話しを書いています。
日経の取り上げ方ですので、仕事人のことですが・・・。
「乗った馬から降りるな」という言葉を、女性登用を推進する立場からの言葉とし、総合職で出世コースを選んだら、何があってもそこから降りるな。ということだと紹介しています。
女性が思わず降りたくなるきつい坂道は。結婚・出産・育児・介護など・・・・。女性は馬から降りるのではなく、揺さぶられて馬から落ちるとしている。残業と保育園の迎えの時間が揺さぶりをかける。朝の会議と予期せぬ子どもの発熱が揺さぶる。
育児放棄ではなく、共働きならベビーシッターを雇うなど、揺さぶりを緩和する方法があるが、男性のみならず女性自身の中にそういう解決方法を阻止しているものがあるのも浮かび上がります。(完全な母親という概念・完全な仕事人としての概念・・・とタクは解釈しました。)
結果として「不完全を許す」自分を作らないと、その選択が生涯つきまとうと書いています。
ついで、男性でうつになった者が、「俺もヤワになったな・・・」と言い、男性自身が病気になったことや、その解決法が仕事からの撤退ということであり、自分が男として惨めで情けないと感じていることを書いています。
つまり、それは、男性は病気になるまで馬から降りなかったということのあらわれだと分析しています。
「こんな上司の下でやってられない」「病気になったのだから仕事をやめたっていいよな」という、不完全さを許す環境にないということが「俺もヤワになったな・・・」という言葉に繋がるとしています。
「父であること」「男であること」を背負い「不完全な自分」を許せないということ。
不完全であることを怖れ、うつ病になるまで馬に乗り続けた男性と、また、不完全であることを許せず馬から降りた女性。
役割という概念でなく、男として不完全でいい、女として不完全でいい、という許せることができるかどうか・・・・。
「不完全のススメ」を大勢の働く頑張り屋さんに届けたい。と書いている。(転用・引用が多くなりましたことをお詫びします。)
中途難聴や中途失聴者の場合も、これとは違いますが「不完全なススメ」それを許す自分が必要なのかもしれません。(タクはなかなかそこまでいかなく、落ち込んだりしていますが・・・・。)
●
●
こういったことを書きながら、自分がブログを作ろうとした意味も考えていました。もちろん人工内耳のこともありますが、中途で難聴になった自分・失聴した自分が悩んだことを伝え、自分一人ではないということも伝えたかったこともあったのだと認識しました。
●
●
最近、タクがムッとしたことは、ボランティアの運営説明会で、これから行おうとしていることへの説明ではなく、「ボランティアとはなんだと思いますか?」などの質問をし、心構えについて解説しているつもりらしい人の話しでした。押し付けがましく感じましたので、少しやる気を失いました。(いい加減にしてくれという気持ちかな)
●
●
このように、捉える方によっては違っていて当然だと思いますので、タクのブログで言っていることも、タクの思いとは別であっても構いません。
●
●
道路交通法改正については、このブログで幾度か取り上げましたが、平成19年6月14日可決成立し、6月20日に公布、9月19日施行です。但し、聴覚障害者に関する利用と自転車利用対策は公布から1年以内、高齢者に対する認知検査導入は2年以内に施行予定になっています。聴覚障害者の基準やマークについては気になるところですが、タクが知る限りでは明らかではありません、情報がありましたら教えてください。