振出し 難聴、そして人工内耳へ

2007年2月17日から始めたブログ人のブログを継承しています。
gooブログは2014年11月3日よりスタート・・・

年の終わりに・・・聴こえリハビリ

2009-12-31 17:21:58 | 聴こえ

12月31日になってしまいました。

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書きそびれている記事が幾つかあります。

・人工内耳シンポジウムの話し

・ドナ・ソーキンさんの講演「成人の人工内耳装用者のリハビリテーション」の話し

・障害者雇用の状況

・障害者権利条約に関すること

・etc

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聞きそびれてしまった事柄もありました。

・『「聴こえ」支援システム』プロジェクト:東京工業大学の中村健太郎先生の講演

 ※聞きたかったし、試作機を拝見したかった。そして何よりも質問したかったです。

・「きっともっとずっと聴こう」声援隊特別勉強会

 ※参加資格がないのだけれど、聞きたかった内容でした。

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注目するブログと出会いました。

・-中途失聴者のSilent Life-(Ayamiさんのブログ)

 ※中身の濃いブログで注目しています。

・聞こえのステップアップ・・・人工内耳にしました(コメットさんのブログ)

 ※人工内耳装用手術から音声そして音楽の聴こえや工夫、感心していました。

  現在、休止中のようで更新をお待ちしています。

・情報発信!!人工内耳&関連情報(mimiさんのブログ)

 ※情報を選別し、拾い上げている努力と着目に脱帽です。意志の感じる情報です。

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音楽では、

・洗足音大の人工内耳装用者を対象にした音楽会に参加できました。

・個人的には、井上陽水とビートルズの音楽の一部が、自分の聴ける音楽として復活しました。

・少し残念だったことは、ともさんが目指しているバリアフリーコンサートをよく知ることが出来ず、後押しが中途半端になってしまったことです。

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個人的な実験と実行では

・DSのチャット機能で離れた距離からのメモ会話

・FMシステム双方向会話

・FMシステム(インスパイロ):マルチ・トーカー・ネットワーク(チーム・ティーチン機能)を利用した健聴者67名程度との会議(月6回程度)

・カラオケ体験

 ※1月に人工内耳装用手術をされた「たかさん」の協力が大きかったです。

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連帯活動では

・人工内耳友の会・中途失聴難聴者協会も全て、傍観者的になってしまい中途半端でした。

※期待はされていないと思いますが・・・

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色々ありましたが、停滞している部分もありました。

一個人が書く、マイナーな小さなブログですが、アクセスしていただいていることに感謝します。ありがとうございました。

来年の約束はしません。

しかし、来年に繋がるような話しで今年のブログを終了したいと思います。

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前置きが長くなりました。

1121日に人工内耳友の会(ACITA)が開催した第5回人工内耳の日シンポジウムに参加しました。

当日は、臨床福祉専門学校:言語聴覚療法学科長の内藤明先生と声援隊代表の知茶子シュタイガーさんの講演がありました。

どちらも、興味深い話しでしたので、詳細レポートは、いつかこのブログでしていきたいと思っています。

本日は、1231日、来年に続けるという意味で、このシンポジウムで気になった話しの一部を紹介します。

それは、知茶子シュタイガーさんの子供と大人の人工内耳リハビリテーションの違いについて、おっしゃっていた話しです。

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例え話しとして、種から蒔く(ゼロからの出発する)のか、萎れた植物に水を与えることから始まるのかの違い・・・大人の装用者は既に頭の中に言語辞書があり、人工内耳で音声として認知することから始まる。

それは、萎れていた植物に水をやり、いったん水を潤すと音声を言語という花として咲かせる事が出来る。

一方、子供は、頭の中に言語辞書がなく、「花」と「鼻」の違いも分からない。

だから、言葉というよりも世界を知ることが大切になる。

色々な生活シーンの中で「花」と「鼻」の違いがわかるようになり、やがて言語辞書を作り出していく。

つまり、土に種を蒔き、水や肥料を与え、芽を出し育てることが大切で、やがてそれが言語という花になっていく。

というような趣旨でお話しを展開されていました。

心底、なるほどと思いました。

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逆説的なのですが・・・・

ブログの中で「音楽」のことをテーマにすることがあります。

大人である自分は、自分の慣れ親しんできた「音楽」の中の一部のメロディーを追い求め、それが自分のイメージと違うと拒否し、とっかかりがあると認知するということを繰り返します。

全く新しい音楽には、臆病になり、なかなか聴こうとはしませんし、聴こえた音楽に自分の解釈でいいのだろうかと疑いを持ちます。

つまり大人の場合は、自分の辞書から離れ次のステップに行くことがなかなか出来ないということがあるように思います。

そういった意味では、言語辞書受け入れを自分のものとした子供の方に可能性があるように思えます。

大人も、一歩踏み出すことが必要なのでしょう。

昨今やっと成人の人工内耳装用者のリハビリテーションの話題が出てくるようになりました。

個人的な考えを言えば「音楽理解」→「メロディー」と「歌詞」の理解は、音声を人工内耳で捉えるのに最適なリハビリテーションだと思います。

知っている曲で、人工内耳では曲として理解できない場合は、まず「歌詞」を手に入れていただき、「歌詞」とともに「曲」を聴くと「音楽」に近づいて行くように思います。

それが「音声」理解にとっても良い結果をもたらすのではないかと思っています。

「音楽」がどうしてもだめだった場合は、自分の好きな本を「音読」することをお勧めします。「音読」していて、自分の音声がおかしければ、自然に修正していくと思いますし、理解しようともします。

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あと少しで、年が明けます。少し、「音楽」を楽しんでみようかと思います。

では、また・・・

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難聴を克服するために : 市民公開講座のお知らせ

2009-12-26 19:37:51 | 聴こえ

人工内耳で聴こえの一部を取り戻しましたが、全てではありません。

また、人工内耳が適用できない方達がたくさんいることも承知しています。

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聴こえの障害には、まだ解明できていないことが多くあり、所謂、耳(外耳・中耳・内耳)という概念だけでは聴こえについて説明のつかないことがあります。

だからこそ、再生医療、遺伝子医療をはじめとする医療のこと、補聴器、人工内耳、EAS(ハイブリット型人工内耳)、ABI(聴性脳幹インプラント)や補聴機器などの情報を知り、共有していきたいと願っています。

行動力のない自分ができることは、ブログを通じて、自分が知り得た情報を伝えることなのだろうと思っています。

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さて、このブログに投稿していただいたmimiさんからの情報で、平成22年1月11日(成人の日)に京都大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科及び(財)長寿科学振興財団の共催で京都大学百周年時計台記念館にて、市民公開講座「難聴を克服するために-難聴治療の最新事情-」が開催(午後1時受付開始)されることを知りました。

この講座は、一般参加は申し込み不要、参加費は無料です。

但し、手話通訳、要約筆記、磁気ループ席の予約は所定の申込書をFAXで12月28日までにFAXで申し込まなければなりません。⇒(1月4日までに変更になりました。)

詳細は、下記のアドレスでお確かめください。

http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~ent/Events/koukaikouza_100111.html

この京都大学の講座は、いつも、自分にパワーを与えてくれます。

それは次のことからです。

ひとつは、京都大学の先生をはじめ、難聴に関わる先生方が、難聴治療に対して諦めを持たずに前向きな姿勢でいることを確認できるからです。

難聴が進行していく中で、治療方法はないのか、原因究明は出来ないのかと、でも、多くは期待した回答が得ることができません。そうすると、どうしても後ろ向きな考えになってしまいます。少なくとも自分はそうでした。

この講座を知り、参加してみて、医療の現場や医療の研究者は、難聴治療を見出そうと努力されている熱意を感じます。

たとえ、現在の自分にかかわりのない治療部位であっても、そういった先生方の姿勢を感じられるのは、本当に心強いのです。

もうひとつは、手話通訳者さんや要約筆記者さん達の、レベルの高さと熱意を感じています。医学用語は難しいのに関わらず、伝えようとしている姿には敬意を持ちます。

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今回のプログラム構成、いずれも聞きたいことばかりです。

京都大学の中川先生のお話しはきっと未来に繋がるものであろうと思います。

伊藤教授のお話しは、「プロジェクトHIBIKI」の紹介です(たぶん以前このブログで取り上げた大阪大学の件だと予想しているのですが・・・)。とても気になります。

そして、虎の門病院の熊川先生のテーマは、今、自分が知りたいと思っているもののひとつでした。

「ハイブリット型人工内耳と脳幹インプラント」このテーマは重要で、人工内耳適用基準に達していない障害をおもちの方にとって、ヒントを与えてくれるものだと思っています。

低音域が補聴器使用で多少聴ける状態にもかかわらず、高音域が聴こえないあるいはとても聴き取りづらいという場合、音として認知できても、音声や音楽として聴くことが困難です。これを低音域は補聴器機能で高音域は人工内耳機能で聴こうというのがハイブリット型人工内耳です。つまり残音領域は補聴器、そうでない部分は人工内耳と二層になってフラットに音を聴こうというものです。

また、脳幹インプラントは、聴神経が途中で途切れている場合、脳に刺激を直接与えることで音を認知しようというものです。

虎の門病院はこの分野で先駆者的な役割をはたしてきました。脳幹インプラントでも音声言語認知や簡単な音楽を聴けるようになった方がいるとお聞きしています。

ただこれからの課題として、チャンネル数を増やすことができるのかどうかということ、どの刺激が適しているのかということなどがあるようです。

そういったお話しが聞けたらと期待しています。

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またこのブログで報告出来るようでしたらお伝えします。

コメント (2)
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少しだけエール、音楽

2009-12-07 00:24:21 | 聴こえ

言葉の聴き取りがほとんどできなくなってからも、音楽は頭から離れていなかった。

イヤホンマイクを使用しボリュームを上げ、周りに音が洩れている状態で辛うじて聴こえていた音楽は、その頃には歪んだ音になり音楽でなくなっていった。

やがて、歪んだ音さえ小さくなっていき、いつのまにかスイッチを入れることはなくなっていった。

・・・・・再び、スイッチを入れることはないだろうと思っていた。

代わりに、頭脳の中でグルグルと音楽が繰り返され響いていた。

頭脳の中の音楽は鮮明だったが、耳で聞いているわけでなく、スイッチを切れば聴こえなくなるというものではない。

不思議なもので、夢の中では、音楽も言葉も聞こえていて、当たり前のように会話をしている。

だから、その頃は、寝ることが本当に安らぎであり、待ち遠しいときもあった。

全神経にアンテナを立て、喋ってくる相手の言葉や気配を探ろうとしていたことに疲労困憊していたので、夢の中での会話や音楽は、本来の自分を取り戻したようで心地よかったのだと思う。

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人工内耳装用児の母が、子供が寝言で喋っている姿をみて、この子は「夢の中でも会話している」と言い知れぬ感慨に浸ったという話を聞いたことがありますが、この逆で、中途失聴者である自分は、現実には聴き取ることが出来ず、会話が成り立たないことに疲れ果て、夢の中にだけ、会話を求めていたのかもしれません。

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今、自分は音楽を取り戻しつつあります。

相変わらず、自分のイメージとは違う音楽になってしまうものもありますし、歌声が伴奏によって頼りないものになってしまうものもあります。

自分の場合は、女性の歌声が高い音になるほど一本調子になっていく傾向がありますが、うまくキャッチできる音楽が広がりつつあります。

最近は、井上陽水の「氷の世界」「傘がない」「夢の中へ」「リバーサイドホテル」等を聴いています。

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<コンサートについて>

ACITAの会報が先日届き、「中高大学懇談会」での様子が報告されていました。

間違いなく、この方達が、人工内耳装用児の道を自ら先頭になって歩いている方達です。

装用手術時期も、現在の装用児たちより年齢的に数年高く、装用効果には個人差があるようですが、しっかりと歩んでいるようでした。

座談会の中で「ド、レ、ミ、はわからない。音楽を聞くのは好きだけれど、歌詞を聞く感じかな」「リズムはわかります」と語っています。

音楽を聞くのが趣味、好きか?という問いかけには半数くらいが好きだと回答しています。

・・・・そうなんだ、リズムはよく理解しているんだと妙に納得してしまいました。

この若者達は、たぶん自分とは違い、そのまま素直に音楽を受け入れている人達です。

ただ、音楽の授業とかで、自分が感じているド、レ、ミという音階が、どうやら健聴者とは違うらしいということにも気が付いているように受け取れ、ド、レ、ミ、はわからないと言っているのではないかと思いました。

自分のように、音楽がいったん停止状態になり、人工内耳で少し取り戻しつつある人間は、新しい音楽になかなか踏み出せません。

過去の音楽については、自分の記憶との差異の確認と、そもそも、自分にとって心地よい音楽なのかそうでないのかを判別して、整理してしまい、そこから一歩踏み出すことに躊躇しがちになります。

そういった意味では、装用児の方は、素直に聴こえてくる音楽に接しているのかもしれません。

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ACITA会報では、音楽ワークショップの案内、また、コクレアニューズレターVol.13では、来年2月13日に兵庫県赤穂市ハーモニーホールにて洗足音大と共同でコンサートを企画しているという紹介記事が載っていました。

それらとは別に、ここでは、「ともさん」という方が温めている企画について紹介します。

正直言って、まだ、どのようなものになるのか、検討がつかないのですが、このブログにコメントを寄せてくれた(718日)ともさんという方が、少しずつ「音バリアフリーコンサート(健聴者、難聴者がともに参加できるコンサート)」開催というゴールを目指している姿は想像できます。

ともさんとは、インターネット上でのお付き合いですので、よく知っているのかと問われれば・・・・?ですが、今までの経緯を見ると努力されていると思っています。

何もないところからの彼女のコンサートのとっかかりは、医療関係者や人工内耳メーカーに質問を行うことでした。これは、さほどうまくいっていないように思えますが、その後、音バリアフリー委員会の先生方(東京工業大学や早稲田大学)の方達とコンタクトし、早稲田大学の先生から磁気ループの作り方を学び、実際に作成したようです。

磁気ループを作成したことにより、「磁気ループを使用したコンサート」という構図が見えてきたようで、ほっとしました。

ともさんには悪いのですが、どこまで難聴者の聴こえについて理解されているのかは不明で、コンサートが現実的なものになるのか、規模的にはどの程度ということも不明ですが、・・・・磁気ループまでたどりついたということだけでも、良かったのではないかと思っております。

現実にコンサートを行うには、困難なことがあるのではと危惧していますが、応援し、見守っていきたいと思っています。

コメント (18)
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