とある看護師の迷宮組曲

とある救命看護師。迷宮を彷徨い、雑記を綴ります。
管理者:T-okayama、TakoShun

指切っちゃった

2008年07月22日 12時24分04秒 | 感情主観
何で切ったって?

アンプルですよ、アンプル。

たぶん。


たぶんっていうのは、切れたことを認識していなくて、

気がついたら切れていたわけです。

夜勤一緒だった同期のYさん。

「あ、指切れてるよ。ペルジピンじゃない?アハハ。アホ」

はい、その、アホです。

電気つけるの面倒くさくてねぇ。

カテリープっていう密封性のテープを指に巻き巻き。

勤務中の救命看護師、消毒すら面倒で怠る。

切ったのがおそらく23時くらい。

明けで翌8時。

じわじわ出血止まりません。

そして、画像よく見てください。

なんか赤いです。少し腫れてます。痛いです。

炎症の4大兆候って知ってますか?

発赤・腫脹・熱感・疼痛。

・・・。

・・・。

痛いよぉ。

教員汚職から見る公務員

2008年07月21日 18時22分12秒 | 社会情勢・風刺
大分の教員汚職事件から、久しぶりに社会にフォーカスを。

ワタシは基本的に公務員に甘い考えをもつ。
一般職であれ、特別職であれ、公安職であれ、変わらない。
汚職のひとつやふたつあっても不思議ではないとさえ、思ってしまう。

昨今のニュースはコレと見定めたターゲットをこどものいじめ並みに
徹底的に叩き潰し、言い訳も一切認めない特性をもつ。
ワタシのような小心な人間はどこかで同情を禁じえない。
誰だって汚職など率先してしたくはないだろう。
罪を犯したいと思って犯す人などいないだろう。
だが、社会はそれを認めない。
もちろん、悪いことは悪いことだ。
そこで個人を攻めるのはお門違い。
汚職なんて組織の問題だからだ。
大分の教育現場で「あの先生もお金を払った」とか言う子供と変わらない。
それは視野の狭い子供の意見。
あの先生個人の問題ではない。それを認める教育委員会全体の問題だからだ。

今回の教員汚職だって、教員免許の所持者がお金を渡して採用してもらったのだから、
別に教員として能力がかけている人間とは限らない。
採用された経緯が問題なのであって、不正に採用された人間が「悪」とは限らない。
ニュースはひとつ罪を犯すと全人格を否定するように報道するが、
それも行き過ぎ報道のひとつの要因かもしれない。
「教員として不適格な人材が合格」したわけではない。免許持ってるのだから。
そこ、間違えてはいけない。
先生にはなっても何の問題もない人材であることは否定してはいけないと思う。
仮に優秀な先生として働いていたのであれば、それは社会にとって有益かもしれない、
と言ったら言い過ぎか。


もちろん、ワタシは汚職自体を認めているわけではない。
今回の大分の件でも許せないのは本来の合格するはずの人の得点を下げてまで
便宜をはかった人間を合格させた。
得点の足りない人を合格させるだけなら心では許せても、その逆は許せない。
きちんと試験を受けている人、そして落ちた人への自責の念はないのか。
その点はきちんと罪を認識してほしい。

こういった「便宜」なんてものは社会にはヘド出るほどたくさんある。
公務員だから罪になるのは仕方ないが、このくらいの理不尽さなんて
その辺にゴロゴロしている。
見た目、学閥、家柄・・・個人の能力とは関係のないところで
「コネ」の蔓延っている世の中だ。
そしてそれが罪になるのは公務員。
ワタシはどこか、こういう事件で不正が明るみになると、
普段の社会への理不尽な鬱憤がそこへ集中してしまう部分もあると思う。
ニュースを読んでいるフリーアナウンサーだって、プロデューサーに
便宜をはかっていないとは限らないのだから。
ただ、それが罪にならないだけで。

公務員、とりわけ省庁官僚の天下りが問題になっている。
天下りはその出先機関や組織への便宜や金の流れが税金の無駄になっている。
それはコツコツと働く我々一般市民には甘い汁を吸っているように見える。
もちろん、そういう一面もあるだろう。
そういう一面もあるが、それがあるから社会が成り立っていることもあるのではないだろうか。
官僚が事務次官を退官後、傘下の機関に天下るのと、
社長が会長や理事になることの違いが分からない。
給料が税金だからか?貴重な税金が天下り先に使われるからか?
そんなことを言ったら誰も公務員にはならないのではないか。
誰も社会のために働こうとは思わないのではないか。
そういうこと言うと、本来公務員は社会に奉仕するべき身で~とか言う輩がいるが、
じゃぁ自分はどうなんだって言いたい。
自分は労働に対価を求めたいから公務員にならなかったとでも言うのか。
それは、対価を求めている公務員と何が違うのか。
精神論や建前などで語れる問題ではないのだ。

今、税金が無駄に使われてその無駄をなくそうと努力している。
それは素晴らしいことだ。
血と汗と涙の結晶、給料から差し引かれた貴重な税金だ。
ぜひ有意義に使ってもらいたい。
だが、だが、だが、そこでふと思う。
仮に全ての不正が排除され、無駄がなくなったとして、
日本はどうなるのかと。
まぁさっきから「必要悪」の話になってしまっているが、
それでもワタシは何も変わらないと思うのだ。
社会保障や福祉にお金が使えるようになると言っても、
それは無駄を省いて使えるようになったお金。
本当に必要な部分には、財政が赤字でも余っていても使われる。
結局、還元される身である我々の"体感"は変わらないと思う。

極論。
公務員 甘い汁 吸わせてあげればいーじゃない
そのかわり 好景気にして 国民にも甘い汁 吸わせてあげればいーじゃない

そして、極論に対する極論。
それが出来ないのは、日本という国が成熟しすぎて、枯れ果てている証拠。
黒くて甘すぎるバナナみたいなもんだな。

恐ろしい話だ。。。

大学病院Nsが末梢ルートを確保できない理由

2008年07月16日 10時00分29秒 | 医療・職場
はっきり言って理由は存在しない。
一般病院では普通に行われていることだ。
「大学病院の看護師は一般病院に来ると点滴も取れない」と言われる所以である。

分からない人もいるかもしれないので一応。。。
『末梢ルート確保』とは、静脈内に針を刺して点滴ルートをつなげること。
『静脈注射』とは、静脈内に針を刺して薬剤を急速投与すること。すでに点滴が入っている場合は側管注すること。
『混注』とは、点滴ボトルに薬剤を注入すること。薬剤は比較的ゆっくりと体に入る。
『側管注』とは、すでに入っている点滴ルートの注入口から薬剤を急速に投与すること。
これを始め、調べてみると看護師の行うことは施設によってマチマチだ。
他に挙げてみると・・・

・抗癌剤のボトルへの混注
 これにも様々なローカルルールがあり、ルート確保・ボトル混注全て医師がすることころ、
 毒薬指定の抗癌剤のみ医師が混注するところ、
 薬剤師が混注するところ、全て看護師が行うところなどなど。
 病院間で一番はっきりしない行為のようだ。

・Lasixなどの静脈注射、点滴ルートへの側管注
 うちの大学病院では看護師は行わない。病院によっては強力ネオミノファーゲンCはOKで、Lasixはダメとかあるみたい。
副作用などが理由としてあげられるが、あくまでも病院ごとのローカルルール。
意味が分からない。

・点滴ボトルへの薬剤の混注
 先に挙げた抗癌剤以外は、全て看護師が行う。最近は業務の適正化により、
 薬剤師さんが混注してくれる施設もある。うちもそう。だいぶ楽だ。
 しかしながら、その場で緊急で指示が出た場合などは看護師が行う。

・表在静脈からの採血
 看護師が行う。深部大静脈や動脈採血は医師のみが行う。

大学病院の点滴ルート確保ははるか昔に出た厚生省令をたてにしているようだが、
時代遅れも甚だしい。
採血は出来て、点滴はダメ。
そもそも、そういう意味の分からない慣習が残っているということは、
真剣にそれを議論してこなかった証拠。
大学病院は医師がたくさんいるから、あえて看護師がしないと言うが、
点滴が漏れたからと言って夜中に叩き起こされるのは医師だし、
起きて来た機嫌の悪い医師にお願いするのは看護師だ。
ちなみに医師が機嫌が悪いのは単純に起こされただからではない。
例えば急変で医師を呼んだのに機嫌の悪い医師はいない。
点滴漏れで起こすから、機嫌が悪いのだ。
大学病院以外の多くの看護師が行っていることが「規則だから」出来ないというのは
その規則の存在自体あまりに不可解である。

そのくせ側管から点滴をつなげることはできるので、
たとえば血糖値が低い場合、通常であれば50%グルコース2A静注という指示だと
看護師は医師を呼んでやってもらう必要がある。
あまりに面倒なため(医師・看護師どちらも)最近はこんな指示が出る。
50%グルコース2A+5%グルコース50ml混注、急速投与。
これなら看護師も点滴をつなげるだけなので実施できるというわけ。
だが、患者は無駄にコストはかかるし、無駄にIN volumeが入ることになる。


ワタシ自身大学病院の医療スタッフの一員として決まりだからとりあえず従っている。
だが、改善の余地があることは誰の目から見ても明らかなため、
上申する理由はいくらでもある。
お役所が腰が重いと、人のせいにするのは簡単だが、
現場がもっと声を上げれば変わると思うのだが、変わらない。

昨日の話ではないが、オトナの世界の矛盾だ。
未来はそう明るくないか?

気をつけ、礼!の意外な効果

2008年07月15日 12時15分06秒 | ふと思ったこと
昨日の話しだが、夜勤明けからそのままとある中学校にBLSを教えに行った。
中学生を相手に心肺蘇生やAEDの使い方の講習をするのである。
ワタシの同僚である救命Nsの他にも消防、海保、ビーチの監視員まで
心肺蘇生を生業(?)としている人たちが集まる結構大きな行事のひとつに組み込まれていた。

なので、講習の始まる前に体育館で開会式みたいなものがあったのだが、
市長や教育長まで来ていた。
そこでま~なんというか十何年ぶりに体育館に座り校長先生の話を聞く、
なんてことをした。
ワタシ達は来賓扱いだったので横の組み立て椅子に座っていたが、
生徒達は体育座り。
校長の話も長い。
そして、聞いたこれまた懐かしい文言。

「気をつけ! 礼!」

名残とはいえ、なんだかやっぱり日本は管理教育だったのかな~なんて思う慣習だ。
ところが意外にその「気をつけ」で、体育館の暑さにだらけ、
偉い人たちの講和に飽き飽きしていた生徒どもの下がっていた頭を上あげる効果大。
なるほど、これは先生達、やめられませんワナ。

大学ふたつも行って、社会人なんてやってると、そういう「みんな揃って」的な
ものはほとんどなく、話を聞く機会があってもフリーダムが普通なので、
ま~嫌々聞いている中学生には申し訳ないが、それも社会勉強のひとつなのだと
思うしかないのだろうか。
逆を言えば、中には「なんで?」とかいって、
「気をつけ 礼」ってしなきゃいけないの?という子がいたら面白い。
ワタシが先生だったら褒める、そういう子。
「こんにちは!」って声だして、みんなで「こんにちは!」って返せば挨拶でいいぢゃん。
ワタシのような楽なことに味をしめたオトナはそんな風に思ってしまう。
もちろんそういう子は褒めるけど、そこを変えたければまずは自分を省みろって
言ってしまうかもしれないが。
「正しいことをしたけりゃ 偉くなれ」なんてよく言ったものだ。

それにしても、日本ってのはつくづく「管理」とか「規則」に縛られている。
そしてオトナの世界にはばかる矛盾。
社会に出たら捨てなければいけない個性。

社会の歪だ。
未来は明るいのかな?

さてと、山ピー、ドクヘリ

2008年07月07日 14時35分30秒 | 医療・職場
就職してから、基本的に医療系ドラマは見ない。

あまりの現実感のなさ、あまりの想像美化に辟易としてしまうからだ。
もちろん、医療に関しては置いておき、ドラマとしてみれば面白くも
見れるのだろうが、見ない。
米の"ER"くらいであればいいのかなぁと思うが。

山ピーのドクヘリのドラマが始まったそうな。
例によって、見ていない。
見ていないから、ドラマ自体の批評は出来ない。

だが、ワタシの想像上、現実感たっぷりに制作すると視聴率が取れないはずなので
例に漏れずにある程度美化して作っているのかなぁと想像する。
救命現場なんて血とゲロとウ○コにまみれてなんぼのもんだからだ。

ワタシの働くセンターにもドクヘリが活躍している。
関東周辺でドクヘリが稼動している病院は、千葉、神奈川、伊豆、長野に4つだ。
ワタシはまだ経験が足りないのでヘリNsにはなれていないが、
先々月に病院のドクターヘリ認定試験を受けて受かった(^^)v
うちの場合はヘリの出動要請が入ると
救命のスタッフDr1名、研修医1名、救命Ns1名の計3人の医療スタッフと、
操縦関係の方が2名搭乗する。
定員が6名なので基本的に患者1名が乗れる。
患者が2名いる場合もある。
そういう場合はなんと研修医が現場に置いていかれるのだ。(ひどい(笑))

このブログでも前に書いた記憶があるが、
運ばれる患者はヘリで、家族は車で病院に向かう。
その車が、ヘリより先に病院に着くこともある。
じゃーヘリの意味ないじゃん、と思う人は素人。
ヘリは救急車で病院に来るよりもはるかに早く現場で医師による救命処置を受けることが出来る。
1分1秒を争う段階で、救急車の半分以下の時間で
点滴や投薬、気管内挿管が行われるメリットは想像以上だ。

うちのヘリの出動範囲は神奈川県西部と静岡東部、山梨の一部だが、
神奈川の県央部から山梨県の大月までヘリで20分だ。
山梨が実家の同僚は以前冗談で、ヘリに乗って帰ろうかと言っていた。
不謹慎な話だ(笑

うーん。。。。
休みの日に仕事の話をするとめげてくる(笑
やめよ。。。