とある看護師の迷宮組曲

とある救命看護師。迷宮を彷徨い、雑記を綴ります。
管理者:T-okayama、TakoShun

人は弱い生き物~懐かしき横島忠夫から~

2009年01月29日 23時02分40秒 | ふと思ったこと
小学生から中学生の頃よく読んでいた漫画のひとつにゴーストスイーパー(GS)美神がある。

当初はオカルト・ギャグ漫画の王道をひた走っていたものの、
物語中盤からはギャグに加えて「人間」という生き物について深く考える世界観を
構築していったワタシの中では五本の指に入る名作中の名作だ。

主人公の美神令子、横島忠夫をはじめ、おキヌちゃん、六道冥子、小笠原エミ、
唐巣神父に厄珍などなど数々の名物キャラクターが走馬灯のように思い出される。

その世界観はオカルト漫画にありがちの幽霊や悪魔が人間界に普通に出現する世界。
その退治を生業とするというのが当たり前に存在している。

ただ、その世界観の根底には、悪魔や妖怪達は世界を維持するために
人間や神族に負け続けなければならないという運命がある。
そうしないと世界(人間界や魔界や神界)の秩序が保たれない。

これって、ものすごく人間の弱さを皮肉っていると思う。

人間は強きものに属することを本能的に望む。
安定した生命維持のために備わった自然の摂理の一段階だ。
それは子供など理性の抑制が未熟な状態であると顕著に現れる。
現在ではストレスに駆られたり、未熟なまま育ったオトナの世界にもつき物かも。
「いじめ」や「グループ」なんてものはそういう類の産物だ。

例えば、お互いに憎しみあっていても、利害が一致し、
共通の敵が存在するとそこに共生の道が開ける。
これが、人間の弱さだ。

大阪府の橋本知事や小泉元総理の政策が分かりやすいのは
「敵」を具体的に提示して全面的な責任をそこに押し付けているからだ。
前者では「(クソ)教育委員会」、後者では「抵抗勢力」
槍玉に上げられた方はたまらないだろう。
そして、分かりやすく、攻撃しやすいから、単に責めているだけに過ぎない。

GS美神は、そういう人間の弱さを、「悪」という烙印を押されたモノ達に
押し付けて、自分達は平和にのさばっているのだという皮肉を
物語の中盤以降にしきりに表現しているように思える。

昔はただただ笑って読んでいただけの漫画も今読むと何気に
深い作者の考察が見え隠れする。
ただのギャグ漫画ではないのだ。

ま、そもそもそんなこと考えず、
美神のアシスタントで後にGSになる横島のスケベ度合いに
当時は感動していたのも事実だ。
あんなにスケベでも、人間生きていけるのか・・・と(いけねーよ。笑)

横島忠夫・・・ワタシのもっとも敬愛するキャラクターの一人である。


今日、古い友人と飲みに行く約束をしていたが、
直前にワタシのドタキャンですっぽかしてしまったので、
お詫びに懐かしいネタを振ることで許しを乞うことにする。

アーメン。

ある人形の秘密

2009年01月17日 11時54分11秒 | ふと思ったこと
阪神大震災から14年、神戸はその哀悼に包まれている中、
海の向こうのアメリカでは初の黒人大統領の就任に沸いている。
多くの国に経済的、軍事的影響の大きい米国の元首ともなれば
それは世界中が注目するのも仕方ない。

さて、米国の大統領ともなると過去に色々な業績を残した者がたくさんいる。
よくよく米国大統領の歴史の紐を解いてみると、意外に世襲が多いという事実。
日本でも世襲の総理大臣は少なくないが、国民が直接(ある意味間接的だが)
選挙に参加できるにも関わらず、世襲の大統領が存在するのは
やはり「政治」という世界がワタシたち一般の人間にとっては
別世界なのかと思わせるエピソードだ。
任期も終わりに近づいたブッシュ大統領も世襲だし。

過去に目を向けても世襲や親族の大統領がいる。

大統領は、就任するとすぐに「一般教書演説」というスピーチをするが、
そのスピーチを冬の寒い中2時間以上にも頑張りすぎ、
風邪をこじらせ1ヵ月後に肺炎で死亡したのは第9代大統領ウィリアム・ハリソン。
ちょっと可愛そうな大統領だが、その孫のベンジャミン・ハリソンは
後年第23代大統領に就任している。

親族という意味では従兄弟で大統領になった例もある。
史上唯一4選を果たした32代フランクリン・ルーズベルト。
1900年代初頭の世界恐慌から第二次大戦までその歴史的業績は
日本でも周知の事実である。
なんと言っても戦時中の敵国の元首であるから、
名前くらいは知っている人も多いだろう。
日本に原爆投下を命じたのは、彼である。
その従兄弟、セオドア・ルーズベルト。26代大統領だ。

このセオドア・ルーズベルトには今も誰もが知っているあるもののエピソードがある。
彼の愛称はテディと言い、国民から慕われていた。
大統領在任中の1902年、彼は趣味の熊狩りに出かける。
同行したハンターが一匹の小熊を追い詰め、大統領に最後の一発を頼んだ。
しかし、瀕死の小熊を討つのはスポーツマン精神に劣るとして、
大統領はとどめを刺さなかった。
これを同行していた新聞記者が記事にして、
アメリカの玩具メーカーが作成したのが現在誰もが知る「テディベア」だ。

日本の国家元首には、そんな可愛い熊のぬいぐるみを後世に残したものが
いるのかと思う。。。
まぁ調べてみればあるのかもしれないが。。。

やはり、国民がその選挙に直接関われないところに、
現在の若年層の政治的無関心の原因が少なからずありそうだ。
日米安保とか、そういう時代には目をギラギラさせた人たちもいたのだから、
経済的な成長と、国家を左右するような政治的出来事でも重ならない限り、
政治に目を向けても世の中が変わったという実感がないのかもしれない。

なかなかよくならない経済の中では、
誰が総理になっても同じと思われても仕方ないとも言える。
成熟しすぎた日本が今後どのような方向に向かっていくのか。
重要な局面だと思うのだけどな・・・

尊敬すべき国家元首、
「テディベア」に匹敵する日本発グッズが出来るのはいつになることやら。

シュール

2009年01月09日 18時42分53秒 | ふと思ったこと
米米CLUBの昔の楽曲に「シュール・ダンス」というのがある。
懐かしい、昔よく聴いた曲だ。

「普通ではない状況」でよく使う「シュール」という言葉。
ワタシもよく使う。
ちょこっと調べてみた。
そもそもこの言葉、英語のようで実はフランス語だ。
英語の単語帳で覚えた記憶がないのはそのためだ。
そもそも「シュール」とは略語で、元々は「シュルレアリズム」という言葉。
直訳すると「超現実」なんて芸術用語らしいが、
今日ワタシ達が使っている場合は意訳する必要がある。

なぜなら単に「現実離れ」とか「奇抜な」とかいう以上に、
現実を皮肉くった「シリカル」な様子を含めているからだ。

昨年、ワタシは友人達と忘年会で披露する短い「映画」を作成したのだが、
ICUのベッドの前で逆立ちをするという非常にシュールな場面を撮った。
この場合も普段はそんなことが出来ないのに、
やってしまうところに、現実への逆説的表現が含まれている。
たまにはこのくらい気を抜いてもいいじゃないか、と。
少なくともワタシはそう思った。

シュールに生きる。

これを今年の目標にしよう。

2009年、元日・・・の次の日

2009年01月02日 16時07分41秒 | 医療・職場
年末年始とか、なーんも関係なく、
普通に新年を病院で迎え、
初日の出はEHCUⅡの10ベッドの窓から患者さんと拝む。
ま、実に綺麗であった。

カウントダウンも、リーダー席を囲み、意識の良い患者さんを起こさないように、
夜勤師長に見つからないように、ほんの30秒ほどのつかの間の年明けだった。
あ、これは内緒ね(笑)職務専念義務違反だ。


さて、新年早々夜勤を終え、やっぱり仕事って難しいと思うことがあった。
詳しくはここでは書けないが、自分の行動を振り返ると、やっぱりイケてない。
根本は、人を思うってことだ。
自分が何かをしなければならないことにあたふたし、
先輩におんぶに抱っこでは、成長できない。
到達点がひとつだったら簡単だが、残念ながらそうではない。
業務の兼ね合い、調整能力。
なんか反省で始まる1年になってしまった。
そもそも明け方に2件も入院があるのもどうかと思うが(しかも押し出し2件)、
それが仕事だから仕方ない。。。

ま、ここは気を取り直そうか。

年末からの仕事が元日の次の日の今日、やっと明けて晴れ晴れ。
それではまいりましょう。





あけまして、おめでとうございます