とある看護師の迷宮組曲

とある救命看護師。迷宮を彷徨い、雑記を綴ります。
管理者:T-okayama、TakoShun

レッドブル

2012年02月12日 16時12分24秒 | 医療・職場
夜勤がつらい年頃になってきた。
特に午前3~4時になると意識レベルが著明に低下する。
殊更限界なのが昼間あまり眠れなかった日で、患者さんが比較的落ち着いている日。
やることがないわけではないが、
患者さんが落ち着いているといことは
平和なわけであり、やはり心は平穏、眠りへのいざないには勝てない。

言い方は悪いが、
患者さんの具合が悪く刻一刻と状況が変わるときや、
緊急入院や空ベッドの調整で夜中にドタバタ移動が生じたときの方が
やることや考えることが多い分、眠気は後に追いやられる。

勤務中眠くてどうしようもないとき、
ワタシの眠気解消法は二通りある。
ひとつは休憩中の一服だ。
これはもうなんのいいわけにもならないが、
吸いたいものは仕方がない。
ただ、煙草は眠気が完全に醒めるかというと、
一過性に過ぎないというのがワタシの定説だ。

先週くらいか、後輩にS根というチビ(笑)がいるのだが、
「okayamaさん、レッドブル、いいですよ。ききますよ」
なんて生意気なことを言ってきた。
多分それほど眠そうな顔をしていたか、
ワタシが「ネミーネミー」なんて言っていたかは覚えていない。

レッドブル・・・そういや、今はやめちゃったが昔いたOPE室の後輩も
「これいいすよ~」なんて言いながら飲んでたっけな。。。
ダメ元だ、飲んでみよう。

そういうわけでちっちゃい方の缶を買って飲んでみた。
その日の勤務はEICUリーダーだったので、
仮眠休憩に入れたのは午前5時過ぎ。
一服して、休憩室で朝一のニュース見ながらウトウトし、
6時過ぎくらいにググっと飲んでみた。
病棟に戻って管理日誌をしめる。
その後7時前くらいまでは頭はぼ~っとしていたのだが、
その後なんだか気がつくと完全に普通の人間になっていた。
どういうことかって言うと・・・
つまり、眠気と疲れが全くない状態。
ん?このまま日勤いけるんじゃないかという勢い。
効くね・・・マジで。
あとで見たらおしっこまっ黄っ黄だし(笑)

ていうか、どんだけ身体が無茶しているのだろうか。
逆に怖い。
ワタシの疲れと眠気はどこに行ってしまったのか?????

そんなこんなで、
やぼったい身体にムチ打ちつけて、日々仕事に励む。

まぁ。。。色々あるよ。。。。

モチベーション維持に、躍起。

骨盤ショック!

2011年03月25日 15時49分50秒 | 医療・職場
先日の夜勤の話。
なかなかハードだったので、書いてみますか(笑)
自分はハイケアのリーダー。

4Fから飛び降りた転落外傷という人が入院してくるとのこと。
画像所見上、骨盤骨折・腰椎骨折・肺挫傷・両側気胸。
血圧は80-90くらい、脈は120くらいで速い。プレショック気味。
意識レベルはJCS1ということで少しぼ~っとしているという情報でした。

ER蘇生室からそのままangioへ行ったということで、
ベッドを準備し、しばしリーダー業務へ戻ります。
情報を聞いた限り、リーダーとしては、受け入れるのに少し心配な患者さんです。

血圧が低いということは骨盤からバイタルに影響するほど出血している可能性大。
神経原性ショックも考えられる。
しかも胸も打っているからそっちも出血しているかもしれない。
換気は保たれているようだが、貧血が進行したらどうなるか分かったもんじゃない。
救命を取り仕切るトップリーダーさんは場合によってはEICUに入院を切り替えるとも言っていた。
ちなみにangioというのは太い血管から管を入れて血管を造影したり止血したり、
場合によっては血管を広げたりする処置です。
血管に入れる管をカテーテルというので、医療者はよく「カテ」とか言ったりしています。

うーむ。。。
ちゃんと止血ができてくれればいいけど。。。
で、入室です。山のような輸血をカテについた同期のNさんと確認。
血圧100か…輸血は下で3パックほどいったのですね。
ふむふむ…あ~顔真っ青。名前も場所も答えてくれるけど、眼瞼も真っ白けだ。
ヘモグロビンは最終9.2…来たときは、8.8。
やっぱり相当出血してたのね。これだけ輸血いっててこれじゃぁ。

え、あ、血圧80…70…をいをい、まじかよ。
分かります~?あ、分かりますね。
ねぇ、○○さんちょっと血圧実測して。60!?まじか…
あ、先生ー!血圧60!とりあえず、点滴全開にしますよー!
あ、70、80…volume入れて少し上がりました。
あ、はい、RCC(赤血球の輸血です)ね、はいはい。
名前とID、血液型を確認して…よぉし、これつなげー!

少し落ち着いてきたら、採血ね、はいはい。
あ、先生、volumeどうします?
はい、メイン80ml/h側管80ml/h、横から輸血80ml/h。了解。

ところが、輸液を下げるとまた血圧低下、、、
これ、血ぃ止まってないぢゃん?
しかも、ERとカテ室でINが合計1000mlくらいしか入ってない…
足りないよ…絶対。
あ、また血圧下がってきたーvolume入れろー落ち着いたーまた下がったー入れろー

これの繰り返し。

まぁ最終的に低め、安定ってところで落ち着き…
でも、血圧との戦いでした。
落ち着いてきたので出血は収まりつつあるようでしたが、
あまりにショックへ移行するようだっら再度angioへ、みたいな話のまま朝を迎えました。
ご家族もうちらがバタバタやってるから心配そうだったし。。。

4階から飛び降りて、腰から落ちて骨盤を骨折。
これで一番怖いのは出血です。
骨盤骨折からの出血多量で人は死ぬことがあります。
ちなみに出血量は1000mlとも2000ml以上とも言われています。
放っておけば、出血は容易に致死量に達します。
だから、背骨が折れてても、肺挫傷があっても、まずは骨盤の止血にカテに行きます。
背骨や骨盤の骨の固定は後日OPEをプランします。

出血量に対しては同量の輸血と、その3倍の輸液が必要と言われています。
今回は輸液が全然足りなかったのですかね。
あと止血が完全ではなかったかな…。
輸液の段階で反応してくれたので、まぁよかったです。
最終的には血は止まったみたいで、後日無事に骨のOPEに行けたみたいです。

なかなかハードな夜でした。
Drも下のERがバタバタしてて、行ったり来たり大変でしたし…
さらにもう一人別の科の患者さんも換気低下でDrコール、、、

まぁどちらも無事だったので何よりでした。
ちゃんちゃん。

石を投げれば・・・

2010年06月10日 13時15分28秒 | 医療・職場
ワタシもとうとう職場5年目になった。

うちの職場で5年目って言えばもはや中堅も中堅、
ピラミッドで言えば確実に頂点と中腹の真ん中辺りに位置している。

以前は「石を投げればタメ口」にあたるなんて言っていたが、
もはや同期の数をも超え、今では「石を投げれば後輩にあたる」と言える。

最近は、ERや1次2次救急外来、ハイケアリーダーの割合が多く。
ICUで受け持ちをして患者さんをゆっくりしっかりみる、
なんてこともなかなか出来なくなった。
2・3年目の後輩の人数も多く、出切る事出来ない事も人それぞれ、
しっかり一人で受け持ちを任せられる感じではないため、
ICUスタッフでも後輩のフォローに回る必要もある。

そんなワタシ達の学年でさえ、職場のステップアップという意味では
ERスタッフオリエンテーションを終えていない。
ま、普通に外来降りてはいるけれど・・・

仕事をする上で「こだわり」というものが出てきたのはいつだろうか。
ワタシが思うに、ルーチンワークと呼ばれること、
医師の指示を遂行するとか、他のスタッフとコミュニケーションをとりながら、
その日の業務を"スムーズ"に終われるようにするとか、
患者さんや家族の訴えに"余裕"をもって答えられるとか、
そういったことがなんとなく"落ち着いて"出来るようになるのは
3~4年目くらいの気がする。もちろん個人差はあるが。

そんな中で、一通り自分の仕事や他のフォローが出来るようになるなかで、
気になるところ、言い換えると絶対に許せない部分ってのが出てくる。
医師だって看護師だって人である以上個性がある。
あってしかるべきだ。

3年目の後輩に「○○さんのこだわりってなんですか」と聞かれた。
まぁそれを聞かれたのも「こだわりをみつけてやるんだよ」とワタシが言ったからだが。

そんなの挙げればキリがない。
同期の一人のMUGU(仮名)はおもしろいヤツで、
こだわりが強くて、以前MC(マウスケア:歯磨き)してあるのに、
ひげを剃らないなんてありない、なんて言っていた。
ま、確かにその通り。
(気管内挿管していると、基本的に抑制していたり意識が悪い場合が多いので
歯磨きは看護師がすべてやる)

細かいことはそうやって挙げればたくさんあるが、
少しばかり考えてみると・・・

入院だったり手術を終えたりして、帰室する患者さん、
受け入れるのって実は結構大変だ。
バイタルとったり、指示がでるから点滴作って繋げたり、
帰室後には採血もあるだろうし、胸の人なら心電図もあるかもしれない。
チューブのテープが汚なかったらとめかえるし、
Aラインや末梢、CVの止めかえも必要だったらやる。
嘔吐物や血液で汚れていたら着替えだってする。
点滴なんて簡単に言うけど、数あるルートのどことどこに何の薬剤を投与するか、
どこにポンプを接続すか、そしてそのおびただしい点滴ルートをいかに綺麗にするか。。。
そもそも他の受け持ち患者もいるからそっちもほっとけない。

そんなことをやっている間に時間は過ぎていく・・・
だけれども、家族はその間も外で待っているのだ。
心配だろうし、動揺しているかもしれない。
救急車で運ばれて数時間、一度も会っていないかもしれない。
落ち着いている状態では、そういうことに気が向くのは当然だが、
受け入れる看護師にとっては、受け入れることに精一杯になってしまいがちだ。
特に低学年層の後輩にとっては。

やっぱりそこって学年の差が出る。
一番出る。
この間、脳外のOPE後を8年目、7年目の先輩と入ったときは帰室後にドルマス鎮静かけてたが、
家族入室まで15分かからず。。。
だが、2年目だけで入ったら下手すれば30分、1時間近くかかるかもしれない。
事情を知らない人は「えー」と思うかもしれないが、そのくらい違うのが事実。
フォローに先輩が入ってその時間がやっと半分になるくらいだ。
もちろん、受け入れを2年目だけにわざと任せるようなことはしないが、
他が急変していたりしたら、不可抗力でそうなることもあるだろう。

石を投げれば後輩にあたる。
その後輩達の成長ぶりがかかっているのがうちら先輩か。。。

長々と書いたが、最近分からないなりにも分かってきたのか、
仕事は楽しいけれどね。

防ぎようのない自己抜去

2010年01月29日 17時45分50秒 | 医療・職場
「抜去」って変換されないんだ・・・
医療専門用語だったのか・・・

「夜間せん妄」という状態がある。
普段はオリエンテーションに何の問題もない患者さんが、
日が暮れだすと突然変貌を遂げる。豹変する。
変貌の仕方は人や状況により異なるが、
共通して朝になると元に戻るという特徴がある。

一昨日の夜勤でハイケアⅠのリーダーやったときはすごかった。
まぁ確かに、夜になるとソワソワするという送りだったが、
ナースコールは押してくれるし、末梢点滴をいじったりする様子もなかった。
予防的に転落防止のタッチガードという抑制器具をひいておいたが、
ちょこちょこ訪床すれば装着する必要もないというワタシのアセスメントだった。

夜も更けた2時半頃、報告のためにTOPリーダーの元へ行くとリーダーPHSが鳴った。

「○○さん、末梢抜いちゃいました。今、夜勤師長がちょうど来てて・・・」
「あ~はいはい。戻りますよ」

タイミングわるっ。
まぁその日の夜勤師長は仲の良い人だったので、いいのだが、問題はその患者さんだ。
荷物をまとめて、「わたしもう帰りますから」と来たもんだ。
しかも満面の笑顔(^_^;;
夜中の3時に点滴ひっこ抜いた血みどろのパジャマでどうやって帰るのか(苦笑

もう休憩もなしでその患者さんとリーダー席でお話したり、
少し休みましょうとだましだましベッドで休ませたり・・・
スタッフは朝、採血だなんだと忙しいからリーダーが見てるしかないもんなぁ。
点滴はDrが朝入れに来てくれるってことなのでもはや抜くものがないからいいのだが・・・
まだデータ悪いから点滴必要なんだけどなぁ・・・とぼやきつつ、
眠い眼をこすって報告書上げて・・・

もう「仕方がない」と諦めるほかなし。
今までハイケアのリーダーであんまり不穏・せん妄にあたらなかったのになぁ・・・

その患者さん、当然のように朝になって落ち着き、
次の受け持ちのワタシの同期を「○○ちゃん」とか呼んじゃって・・・
ワタシの眠れない夜はなんだったんだ・・・

ハイケアでも入院がもうありえないくらい来て、どうしようもなかったり、
ERやEICUで重症・急変でアドレナリン出まくりだったりする日もあれば、
こんな地味~にボディーブローのようにジワジワくる日もある・・・

受け持ちさん、お部屋の前に張り付いててもらったけど、
やっぱり学年が低いのもあり、防ぎきれなかったかな・・・
想定の範囲内っちゃ、範囲内だったので、ねぎらってやりましたよ。

イライラの閾値が低いワタシも仏になるときもあるんだよ、ハッハ。

ぼけ~っと日和。

2009年06月17日 10時45分22秒 | 医療・職場
久しぶりの3連休中。

前回のブログで「うんざりしちゃう」と言っていた1クール、
一日の休みを挟んで次のこの1クールもすべて、す・べ・てリーダーだった。
今までとは考えられないくらいハードな日々。
勤務者すくねーし。
ハイケア(EHCU)とはいえ、患者14人+2人を
スタッフ4人じゃ見れないyo

明けの日、箱根に紫陽花を見に行って、帰って休む暇もなくグループワーク。
このグループワークってのが曲者で、チームのみんなでカンファレンスがてら
ご飯を食べる(あるいは飲む)なんてものなのだが、
内容なんてないようなもんで、ただの食事会。
まーワタシは嫌いではないが、中には家庭持ちで少ない小遣いの中
参戦してる人もいて、そういう人は可愛そう。。。

明けで寝なかったお陰で昨日の休みはもう本当に「休み」。
もうほんとに一日中寝ていた。
夜は職場の心カテの勉強会があったのでちろっと病院へ行ったが、
それまではひたすらダラダラ過ごした。

お気に入りの水谷豊の傑作サスペンス「地方記者・立花陽介」のDVDを見て、
そのあとはたまたまチャンネルを変えたらやっていた
片平なぎさの「ショカツの女」なんてものまで見てしまう始末。
どんだけサスペンス好きなのか。。。

今日は職場の先輩のK口さんと飯でも行くかってお話なので、
これから準備でもするかの・・・
私的なことだが、ここを見てる退職した同期の皆さん、
K口さん懐かしいでしょ?(笑
相変わらずEICUでフィーバーしてます。大先輩。

最近リーダーやり始めて、煙草が多くなった。
なんだかんだで事故がなければ良しとしたいが、、、
リーダーって、パソコンに向かってる時間が長いから、肩が凝る。

さんざんな1クール

2009年06月10日 13時15分01秒 | 医療・職場
うんざりしちゃうようなクールだった。

自分は今EHCUⅡという超急性期でもなく、
だけども病棟にも行けない患者さんが入る微妙なセクションの担当なのだが・・・

まず日勤1日目。人数の少ないEICU前半(11床)に飛ばされ。。。
で、午前11時までにCT4件、抜管1件。
午前中でヘトヘト。

日勤の2日目。EHCUⅠリーダー。慣れないリーダー業務に加え、
落ちついてても、業務量が多くて回らない回らない。
この日の疲労の蓄積があとあと響いてくる。

次の日夜勤1日目。そのEHCUⅠの5号室スタッフ。何ヶ月ぶりかの5号。
6人床で1床空いてたけど、そこに早々に入院1件で満床に。
でもまぁ前日リーダーやってたから少しはましかと思いきや、
なんとTFとかいなくて全員ご飯食べてて、朝の8時から忙しすぎて記憶がない。

夜勤の2日目。来ましたよ、ERスタッフ。
オペ出しあったけど、この日は落ちついていた。
0時以降救急車1件。
が、過緊張でお腹痛いし。
朝方Ⅱに手伝いに行ったら全然回ってなくて疲労感倍増。

えぇ・・・こうしてひどい1クールは終わったのだった。
なんだか嫌がらせのような日々だったが無事に終われたのでよかった。。。


どうやら明日もリーダーらしい。
看護師なんてリーダー取ってなんぼのもんと思うけど、
そこが壁だと思う。。。
慣れるまでは気疲れが耐えないと思われる。

明日からの1クールもどうなることやら。
軽く弱気。

豚インフルは恐いのか

2009年05月04日 12時31分45秒 | 医療・職場
スライムが10000ひき あらわれた。


みなさま、ワタシを忘れてませんか?
久しぶりの更新。
気合を入れて・・・いや、入れ損ねて。


さて、豚インフルエンザなるものが世間を騒がせている。
メキシコから世界に蔓延しているが、これ本当に恐ろしいのか。

症状は冬期に流行する通常のインフルエンザとそう変わらない。
メキシコなんかで亡くなっている人は重症肺炎で亡くなっているそうだ。
感染経路も変わらない。
致死率も、今のところの見解はいつものインフルちゃんとそう変わらない。
話によれば感染力はそんなに強くはないらしい。

以上はまだ、推測の域を出ていないが、ニュースなんかで得られる情報を
まとめるとこんな感じだ。

通常のインフルエンザと何も変わらないじゃないか。
日本で冬の寒い時期にインフルエンザにかかって死ぬ人は
容易に全感染者の数%に及ぶし。
では、何をこんなに騒いでいるのか。

ひとつは世界的に"急速に"広がっている点だ。
通常のインフルエンザと比べて感染力は弱いなんていわれているが、
アメリカではひとつの高校の生徒60人以上が一斉に感染している。
そして、致死率が数%にもなるというと仮に一万人が感染すれば、
それなりの死者が出てしまうことにもなる。

そして、ある程度感染が広がると薬が足りない、
というか、病院が感染患者でいっぱいになると思われ、
治療が浸透しなくなる可能性がある。
そうなるとさらに感染が広がる。

そういうワケだ。
パンデミックの恐ろしさは致死率ではないのだ。
弱いウイルスでも、感染時期が集中し患者が一斉に増えると
いらぬパニックになってしまうのだ。

だから、国は効果があるのかないのか分からない"水際作戦"まで実施しているのだ。

もうひとつは"新しい未知のウイルス"である点も重要。
豚だろうが犬だろうが、ある程度の人数が感染し、時期を乗り越え、
「あ、ワタシ豚のインフルエンザみたい。プププ」
なんて軽いトークがこなせるようになるまでは、「未知」と言える。

未知ほど恐ろしいものはなく、実は感染者は半年から一年後に
悪性の腫瘍が出来る・・・かもしれないのだ。極端な話。

そういうワケで色々と世界中で騒いでいるわけだが・・・
まぁ煽らない程度に、気をつけてしかるべきだと思われます。

豚と言えば、豚は人によく似ているイメージがある。
検査技術を学んでいた大学時代によく病理の実習で豚の切片を観察した。
豚の肝臓の断片は人の肝臓と瓜二つなのだ。

昨日のニュースでは豚インフルが豚から人だけでなく、
人から豚へも感染したというニュースも飛び込んできた。
これが、他の動物への感染も・・・なんてことになれば、
まぁ感染防止の観点からみれば大変なわけだ。

だけど、この豚インフルエンザ、いずれは広がってしまう。
というか、広がらなくてはならない。語弊があるか?
広がって、みんなで免疫を作って、薬を作って、
ようやく豚インフルエンザはただ"風邪"になるのだ。
つまりは香港何型とかロシアの何型とかと同等の地位に落ち着く。
それまでは、急速に広がり過ぎないように、WHOや各国が頑張るところ。

スライムも10匹くらいづつ小分けで出てきてくれれば対処はできる。
だが、急に「スライムが1万匹あらわれた」なんて言われても、
HPが1ターンで1万も減っちゃ、勇者もひとたまりもない。

ウイルスさんも慌てずに、ネ。

2009年、元日・・・の次の日

2009年01月02日 16時07分41秒 | 医療・職場
年末年始とか、なーんも関係なく、
普通に新年を病院で迎え、
初日の出はEHCUⅡの10ベッドの窓から患者さんと拝む。
ま、実に綺麗であった。

カウントダウンも、リーダー席を囲み、意識の良い患者さんを起こさないように、
夜勤師長に見つからないように、ほんの30秒ほどのつかの間の年明けだった。
あ、これは内緒ね(笑)職務専念義務違反だ。


さて、新年早々夜勤を終え、やっぱり仕事って難しいと思うことがあった。
詳しくはここでは書けないが、自分の行動を振り返ると、やっぱりイケてない。
根本は、人を思うってことだ。
自分が何かをしなければならないことにあたふたし、
先輩におんぶに抱っこでは、成長できない。
到達点がひとつだったら簡単だが、残念ながらそうではない。
業務の兼ね合い、調整能力。
なんか反省で始まる1年になってしまった。
そもそも明け方に2件も入院があるのもどうかと思うが(しかも押し出し2件)、
それが仕事だから仕方ない。。。

ま、ここは気を取り直そうか。

年末からの仕事が元日の次の日の今日、やっと明けて晴れ晴れ。
それではまいりましょう。





あけまして、おめでとうございます

こばなし~老人医療~

2008年10月28日 22時33分22秒 | 医療・職場
ある総合病院の待合室。
診察を待っている人々が座っている。
待合室は超満員。それはまるで話題作の上演されている映画館の様。

ある高齢者達の会話。

「今日は、3丁目の山田のじいさんが来ないのぅ」

「どうしたのかねぇ?どこか身体の調子がおかしいのかねぇ?」

「心配だねぇ」

「お、来た来た、待ってたぞぃ」

「やまださん、わたしゃてっきり病気にでもなっちまったかと思ったわぃ」


「いやいや、わしは元気やぞ」





*もちろん、フィクションです*

都立病院の件

2008年10月25日 04時40分55秒 | 医療・職場
亡くなった妊婦の方は本当にお気の毒だと思う。

今回の件は、もはや一分の予断も許さない状況だということを物語っている。
「救急医療」というだけでもギツギツなのに、
そこに「周産期」という括りが入るとさらにギツギツなのだ。

最近、ワタシの勤める病院にも他病院からの転院搬送が多い気がする。
そして、地域の3次救急の要であるウチが断ると行くところがないので、
ほぼ100%運ばれてくるのだ。

今回、かかりつけの産科医院からの転院を受け入れ困難とした病院は
ほとんどが大学病院かそれと同等のレベルの病院である。
産科に加えて、脳外科、小児科、しかも高度な医療が必要だったと考えられる。

いまさら「たらいまわし」なんて表現をする新聞記事は見つからないが、
正確には「受け入れ困難」である。
「たらいまわし」とは、ある要求に対して対応する能力がありながら、
面倒だったり、分野が違うなどの理由で馴れ合いで他部署へ回すことだ。
救急隊や医院の要請に対して、医療機関は満床や医師不在を理由に
受け入れが困難なのだから、「たらいまわし」ではない。

根本的に、救急医療は末期的状態なのだ。
「3次救急」「24時間体制」という看板を掲げている以上、
たとえどんな理由でも受け入れが困難という時点で
「をいをいそれはおかしいだろ」となってしまう。
残念なことだ。
その上今回はその看板が「総合周産期母子医療センター」だった。

末端の医療スタッフは24時間どころか、48時間、72時間、
中には2週間も家に帰れない医師もいる。
実際にワタシもよく話す脳外科医がそうだった。
そしてやっと家に帰れる・・・ボヤきながら帰ったのが午前2時。
次の日は朝普通に回診に回っていた。
まぁ2週間は本当にひどいときの話だが。。。

医師は当直制でそんな感じだし、
看護師は交代制だが、サービス残業は常時、勤務中は休憩がぶっとぶ時もあり、
ER勤務の先輩などは飲まず食わずで12時間働きっぱなしのこともある。
そして最後に残る記録の山・・・。
次の日も普通に勤務。。。

それでも、どんなに頑張っても一件受け入れを断ると、
それでもう「をいをいそれはおかしいだろ」だ。
なぜなら、患者の命がかかっているからだ。
つまりは、看板を掲げている以上受け入れるしかないということだ。
それか、看板を下ろすか。
ふたつにひとつだ。

これが、末期的医療の姿である。
もちろん、言い訳は許されないとも思う。
実際に妊婦の方が亡くなっているのだから。

医療が多少無理をしてでも社会に貢献しているとすれば、
社会も医療に対してどうにかする時期に来ているのではないかと思う。
救急医療はいつ自分に降りかかるとも分からない。
だからこそ、社会の一員を担うワタシたちひとりひとりが、
どうすれば良くなるのか、考える時にきているのではないか。

厚労省に問題を丸投げにしている場合ではないのだ。

大学病院Nsが末梢ルートを確保できない理由

2008年07月16日 10時00分29秒 | 医療・職場
はっきり言って理由は存在しない。
一般病院では普通に行われていることだ。
「大学病院の看護師は一般病院に来ると点滴も取れない」と言われる所以である。

分からない人もいるかもしれないので一応。。。
『末梢ルート確保』とは、静脈内に針を刺して点滴ルートをつなげること。
『静脈注射』とは、静脈内に針を刺して薬剤を急速投与すること。すでに点滴が入っている場合は側管注すること。
『混注』とは、点滴ボトルに薬剤を注入すること。薬剤は比較的ゆっくりと体に入る。
『側管注』とは、すでに入っている点滴ルートの注入口から薬剤を急速に投与すること。
これを始め、調べてみると看護師の行うことは施設によってマチマチだ。
他に挙げてみると・・・

・抗癌剤のボトルへの混注
 これにも様々なローカルルールがあり、ルート確保・ボトル混注全て医師がすることころ、
 毒薬指定の抗癌剤のみ医師が混注するところ、
 薬剤師が混注するところ、全て看護師が行うところなどなど。
 病院間で一番はっきりしない行為のようだ。

・Lasixなどの静脈注射、点滴ルートへの側管注
 うちの大学病院では看護師は行わない。病院によっては強力ネオミノファーゲンCはOKで、Lasixはダメとかあるみたい。
副作用などが理由としてあげられるが、あくまでも病院ごとのローカルルール。
意味が分からない。

・点滴ボトルへの薬剤の混注
 先に挙げた抗癌剤以外は、全て看護師が行う。最近は業務の適正化により、
 薬剤師さんが混注してくれる施設もある。うちもそう。だいぶ楽だ。
 しかしながら、その場で緊急で指示が出た場合などは看護師が行う。

・表在静脈からの採血
 看護師が行う。深部大静脈や動脈採血は医師のみが行う。

大学病院の点滴ルート確保ははるか昔に出た厚生省令をたてにしているようだが、
時代遅れも甚だしい。
採血は出来て、点滴はダメ。
そもそも、そういう意味の分からない慣習が残っているということは、
真剣にそれを議論してこなかった証拠。
大学病院は医師がたくさんいるから、あえて看護師がしないと言うが、
点滴が漏れたからと言って夜中に叩き起こされるのは医師だし、
起きて来た機嫌の悪い医師にお願いするのは看護師だ。
ちなみに医師が機嫌が悪いのは単純に起こされただからではない。
例えば急変で医師を呼んだのに機嫌の悪い医師はいない。
点滴漏れで起こすから、機嫌が悪いのだ。
大学病院以外の多くの看護師が行っていることが「規則だから」出来ないというのは
その規則の存在自体あまりに不可解である。

そのくせ側管から点滴をつなげることはできるので、
たとえば血糖値が低い場合、通常であれば50%グルコース2A静注という指示だと
看護師は医師を呼んでやってもらう必要がある。
あまりに面倒なため(医師・看護師どちらも)最近はこんな指示が出る。
50%グルコース2A+5%グルコース50ml混注、急速投与。
これなら看護師も点滴をつなげるだけなので実施できるというわけ。
だが、患者は無駄にコストはかかるし、無駄にIN volumeが入ることになる。


ワタシ自身大学病院の医療スタッフの一員として決まりだからとりあえず従っている。
だが、改善の余地があることは誰の目から見ても明らかなため、
上申する理由はいくらでもある。
お役所が腰が重いと、人のせいにするのは簡単だが、
現場がもっと声を上げれば変わると思うのだが、変わらない。

昨日の話ではないが、オトナの世界の矛盾だ。
未来はそう明るくないか?

さてと、山ピー、ドクヘリ

2008年07月07日 14時35分30秒 | 医療・職場
就職してから、基本的に医療系ドラマは見ない。

あまりの現実感のなさ、あまりの想像美化に辟易としてしまうからだ。
もちろん、医療に関しては置いておき、ドラマとしてみれば面白くも
見れるのだろうが、見ない。
米の"ER"くらいであればいいのかなぁと思うが。

山ピーのドクヘリのドラマが始まったそうな。
例によって、見ていない。
見ていないから、ドラマ自体の批評は出来ない。

だが、ワタシの想像上、現実感たっぷりに制作すると視聴率が取れないはずなので
例に漏れずにある程度美化して作っているのかなぁと想像する。
救命現場なんて血とゲロとウ○コにまみれてなんぼのもんだからだ。

ワタシの働くセンターにもドクヘリが活躍している。
関東周辺でドクヘリが稼動している病院は、千葉、神奈川、伊豆、長野に4つだ。
ワタシはまだ経験が足りないのでヘリNsにはなれていないが、
先々月に病院のドクターヘリ認定試験を受けて受かった(^^)v
うちの場合はヘリの出動要請が入ると
救命のスタッフDr1名、研修医1名、救命Ns1名の計3人の医療スタッフと、
操縦関係の方が2名搭乗する。
定員が6名なので基本的に患者1名が乗れる。
患者が2名いる場合もある。
そういう場合はなんと研修医が現場に置いていかれるのだ。(ひどい(笑))

このブログでも前に書いた記憶があるが、
運ばれる患者はヘリで、家族は車で病院に向かう。
その車が、ヘリより先に病院に着くこともある。
じゃーヘリの意味ないじゃん、と思う人は素人。
ヘリは救急車で病院に来るよりもはるかに早く現場で医師による救命処置を受けることが出来る。
1分1秒を争う段階で、救急車の半分以下の時間で
点滴や投薬、気管内挿管が行われるメリットは想像以上だ。

うちのヘリの出動範囲は神奈川県西部と静岡東部、山梨の一部だが、
神奈川の県央部から山梨県の大月までヘリで20分だ。
山梨が実家の同僚は以前冗談で、ヘリに乗って帰ろうかと言っていた。
不謹慎な話だ(笑

うーん。。。。
休みの日に仕事の話をするとめげてくる(笑
やめよ。。。

人の生命と運命

2008年05月25日 09時53分39秒 | 医療・職場
汝 神に見放されし時 自らの手で運を掴め


ワタシの勤務する救命センター内には、
重症の方が入るEICUの他に、比較的状態が落ち着いてきたり、
そもそも気管内挿管などが必要ない方が入るEHCUという病棟がある。
スタッフは月ごとの持ち回りのためワタシのチームは今月はEHCU、
来月はEICUというように切り替わっていく。

さてそのEHCU(Emergency High Care Unit)で、バイクの交通外傷で入院、
主病名は外傷性血気胸という方と話したときのことを少しお話しする。

その方はバイク事故の際に胸を強く打ったため胸腔内に出血があり、
その上肺に吸った空気が胸腔の外、皮下や外部に漏れてしまう「血気胸」という病態である。
そのため漏れた空気や血液が肺を圧迫(圧排)し呼吸不全に陥る。

この状態に対して何をするかっつーと、要は漏れ出た空気や溜まった血液を外へ
逃がしてあげる必要があるので、胸にドレーンを入れる。
ドレーンは簡単に言うとチューブだ。(胸腔ドレーン)
しかも、生理的には胸腔内は陰圧のため、それを維持するために水封する必要がある。
ブスリ、と肋骨の間にぶっとい管を入れるのだ。
しかも入れるときはトロッカーカテーテルっちゅう、
なんていうの、剣みたいな槍みたいな、もうオモチャとしか言いようのない
ものがチューブの中に入っててそれを突き刺す。(表現はまさにコレ)
これの挿入は何度見ても痛い。痛すぎる。。。。
麻酔なんて表面だけだからね。

っていうか、この辺の説明はいらん。
医療関係者なら分かると思うし、今回のトピックスに関係ないので。。。

事故にしろ病気にしろ、ワタシは医療者として「運」というものを考えるようになった。
その方に言ったワタシの言葉。
「本当に、運がよかったんです」

患者さんは「なぜ?」みたいな顔をした。
こんなにつらい思いをしているのに。
少し身体を動かすだけで痛いのに。。。

しかし、ワタシは続けた。
ここには同じような交通事故でたくさんの患者さんが来ます。
でも、中には頭を打って出血してしまい、何ヶ月も意識が朦朧としていたり、
自分で呼吸が出来なくて機械が変わりにしていたり、
背骨を折ってしまって一生首から下が動かない状態で過ごすことを余儀なくされたり・・・
でも、○○さんは今治療をしっかりすれば確実に元の生活に戻れます。
痛み止めを使っても使っても・・・それでも痛いけど、これを乗り越えれば確実に治ります、と。

「そっか・・・運が良かったんですね。。。」

ワタシは基本的に、安易に頑張ってとは言いたくない。
だってもうすでに頑張っているのだから。

逆に頑張る前にブーブーいう人もいる。
そういう人にはまた別の関わりが必要だが。

その患者さんは、何度か話しているうちに
今の状態にとても前向きさが感じられたのでそういう話をした。
中にはそんな人のことなど関係ない、とにかく痛みをどうにかしれくれという方もいる。
でも、それはそれで仕方がないと思う。
痛いものは痛い。
胸に管を刺され、抜けないように糸で結ばれているのだ。
ワタシなど、人差し指のササクレでわめいている。
痛みや病態を受容することにも時間が必要だ。

とにかく、その患者さんとはそういう話をした。

つくづく、「運」というものは冷徹だと思う。
その人はまだ若い。30代。
これからの人生のほうが長いだろう。
中には10代そこそこで命を落とす人もいる。
違いはほんの少しだ。
ブレーキをほんの0コンマ何秒速いか遅いかかもしれない。
事故の時に前に乗っていたか、後ろに乗っていたか。
座席を倒していたかどうか。
些細なことが、その後の人生を大きく狂わすことになる。
想像ではない。
実際に目の前にいる患者さんがそうなのだ。
それはもう、「運」だったとしか言いようがない。

深く考えに考えようと思えば、いくらでも哲学的に考えることができる。
だが、それではこちらの身体がもたない。
これも悪い表現だが、どこかで「他人のこと」と思わなければやってられない。

さて、運と言えば高校時代に尊敬する数学の先生が教えてくれた
トイレの落書きを思い出す。


汝 カミに見放されし時 自らの手でウンを掴め


トイレの紙も、人の生命も、同じ「運」なのだと思う。
「この世」という意味においては、トイレットペーパーも、
ワタシ達の命も「単なる物質」ということに変わりはない。
人間が勝手にその命を大切だと思っているだけだ。

そういう不条理の中で、ワタシ達は生きている。

増加する硫化水素自殺

2008年04月29日 23時55分04秒 | 医療・職場
昨年何月か忘れたが、ワタシはある患者を受け持った。
それは、風呂場で硫化水素ガスを発生させ自殺をはかった人の家族だった。
ちなみに本人はその場で即死。

守秘義務の手前あまり詳しくは話せないのだが、
この患者を収容するために現場に急行した消防士・警察官
そしてドクターカーで出動したうちの先輩看護師も中毒症状が出た。
うち何人かは入院している。

ワタシが受け持ったのは入院した次の日の日勤だったが、
まずベッドに近づくと鼻をつく刺激臭、よくよく嗅ぐと硫黄の匂いなのだろうが
あまりに危険なので故意に近づいて嗅ぐのはやめた。
こちらの二次被害を防止するためにアイマスク・予防ガウンなどで防護しながらの受け持ちだ。
さながら重度の熱傷患者を受け持っているようだった。

最近毎日この硫化水素の自殺が日本のどこかで起きている。
一日たりとも空白はない。
それがどれだけのことか。

まず、この硫化水素ガスの人体に与える影響はものすごい。
高度が濃ければ数回の吸入で死に至る。
どういう毒性かというと、うーんと簡単に言うと、
細胞に直接作用し細胞の呼吸を止めてしまう。
青酸カリの作用と同じだ。
当然密閉した空間ですることになるので、本人を救おうと密閉空間の中に入れば
即二次被害に陥る。
先のワタシの受け持ちの例でも家族が3人運ばれてきて、
一人はなんとか回復したが、一人は意識不明(その後脳死状態)、
一人は数日後に息を引き取った。繰り返すが本人はその場で即死だった。

ほんの少しの想像力でいい。働かせてほしい。
いつかそのうちに無関係の人がこの自殺の被害にあうことが予測できるだろうか。
この現状が続けば、確実に、誰かが無駄に犠牲になる。
それだけは避けるべきだ。
よく飛び降り自殺でまきぞいになる人がいるが、
確率で言えばこちらの方がはるかに大きく、危険だ。
一度に多くの人が被害にあう可能性も大きい。

要はこの方法、自殺の方法としては最低ということだ。
自分の命どころか、他人をも確実に巻き込む。
今まさに自殺を考えている人に他人のことを考える余裕はないのかもしれないが、
自分の命を絶つ判断ができるのであれば、これは避けるべきだ。

他人を巻き添えに、自分は勝手に死んでいくのであれば、それほど罪深いことはない。
そしてそういう人たちを看護するワタシたちも深い憤りの中で仕事をすることになるのだ。

マッサージ、プライスレス

2008年04月19日 14時03分05秒 | 医療・職場
90年代初頭(だっけか?)まで、男子看護学生には「産科婦人科領域」の臨床実習がなかった。
その理由は説明なぞしなくともご想像の通りなのだと思う。
・・・が、いつの頃からか、良いか悪いか世の流れに乗り男子も当然のように妊産婦との
関わりを余儀なくさせられるようになった。
看護師という資格の中の「療養上の世話」の中には「傷病者並びに"産褥婦"」という名称が
特筆して挙げられている。
産科領域を知らない男性看護師は果たして看護師として
どうなのかといった議論があったかは別として、
単に机上の男女平等論に流されただけの気もする。。。。

さて、ことの本題はそういった看護師フェニミズム文化とは対照的に
学生の頃の淡い思い出にさかのぼる。
短大時代の同級生のRYOZO♂くんはその産科の実習で思いもかけない面白いことをしてくれた。
これは病院での臨床実習ではなく、学内の実習での話しだ。

ある日、母性看護の実習で、ひとつの課題を自分で決めて
それに関して産褥指導をするという実習があった。
皆はそれぞれ沐浴指導や栄養指導などを選び、手作りでパンフレットや
小道具を作り産褥婦役の学生に指導の練習をするのだ。
ワタシは確か、沐浴指導を選び、リアルな赤ちゃん人形を使って実際に入れてみせるのをやった。

ここで隣のクラスだったRYOZO♂の実習内容が風の噂で伝わってきた。
彼と同じクラスの女子による証言をまとめてみよう。

まず母性の先生が今回の指導で皆が何をやるかを挙手させる。
「沐浴やる人~?」「はぁい」
「栄養指導は~?」「はぁい」
みたいな。
そこで、「乳房マッサージやる人~?」「はぁい」
「はい、○○さんと○○さんね。。。」
その中に、申し訳なさそうに手を挙げる一人の学生。。。
「あ、RUOZO♂くんもね」
先生華麗に当然のようにスルー。

さて、ここでなぜ彼は手を挙げたか。
それは前の講義にさかのぼる。
ここで先生が聞いているのは実習を始めるまさにその時であり、
同じような指導の計画を立てて来た人同士をグループ分けしているところなのだ。
つまり彼の大きな間違いはその前の授業のときに起こった。
何をやるかを事前に計画してそれを提出済みなのだ。
なぜか彼はそこで「乳房マッサージ」を選んでしまったのだ。
ここで後日聞いた彼の言い訳・・・

「どうして選んでしまったのか、分からない」

兎にも角にも、悲惨な実習が始まる。
ものすごいリアルな女性の上半身(腕なし、柔らかい乳房付、乳首ピンク色)の模型がある。
それを前に褥婦役の女友達を前に説明しながら乳房をひたすらもみ続ける彼。。。


・・・。


完全にアホだ。

見たかった・・・心の底から見たかった・・・
ある意味、公然と行われているセクシャル・ハラスメント事件。

彼が実際の病院実習で産褥婦さんの乳房をもみもみしたかは、定かではない。