とある看護師の迷宮組曲

とある救命看護師。迷宮を彷徨い、雑記を綴ります。
管理者:T-okayama、TakoShun

男にとっての「精巧」と「稚拙」の微妙なカンケー

2008年03月27日 23時39分25秒 | ふと思ったこと
「なんだ、この演技は。けっ。映画が台無しだ」

誰かが言った。
だが、それは本当に台無しなのだろうか。
今日は男性の興味と野心のお話。


例によって映画の場合、我々は映画館に赴き、完璧な映画を期待し、求めていると考えられる。
だが、精巧でかつリアリティーを追求したところで、本当にそれが得られるのか。
ワタシたち人間の求めるものは本当に精巧なものだけなのか。
なにひとつとして文句のつけようなのない「モノ」を経験することは
我々にとってどのような意味があるのだろうか。

ケーブルテレビを夜中に見ていると素晴らしい番組に出会う。
「MONDO21」というチャンネルは、ひたすらと「男」のツボをついてくる。
昼間は主に麻雀やパチンコ、鉄道や食べ物などが中心に構成され、
夜中はひたすらピンク色に染まる。
なかでも「I Loveぷるる~ん娘」という番組はすごい。
ひたすらおっぱいを流し続け、おっぱい企画で始まり、おっぱい企画で終わる。
内容は非常に稚拙だが、司会の3人の女の子が全く、何を気にすることなく
上半身裸で番組を進めていくのがなぜかおもしろおかしく、
エロイ気分には不思議とならない。
あの番組を作っている人は、まじでバカだと思う。
バカになりきらなければあんな番組は作れない。
長々と話したが、この辺はどうでもいい(笑

で、そんなケーブルテレビのチャンネルのひとつに「旅チャンネル」がある。
内容はひたすら「旅」。
国内外問わず、「いい旅・夢気分」みたいな番組を延々とやり続けるのだ。
ここでも夜中に面白い番組を見つけた。
その名も「美女と湯めぐり」。
内容は毎回若い女性が全国を巡り、その地の宿と温泉を紹介するというもの。
そのレポートがなんとも言えないのだ。
下手くそ。しゃべれば噛むし、台詞は棒読みだし。
「情報」という意味においては全く見る気にならない。
だが、番組が進んでいくうちにその気分が変わっていく。
そう、つまりは温泉のシーンは全部脱いじゃうのだ。
そーかそういう番組だったのか。
なるほど。しゃべりが半端なわけだ。

話は変わる。
黒澤明の「天国と地獄」を見たことがあるだろうか。
近年色々とリメークの話を聞くが、ワタシはやはりオリジナルを見るに限ると思う。

社長の息子とその運転手の息子が社長宅で遊んでいる。
すると社長のところに電話がかかってくる。
「息子は預かった。返してほしくば身代金を・・・」
ところが社長の息子を呼んでみると庭から顔を出した。
なんだ、いたずらか。
そう思った途端に、社長夫人が運転手の息子がいないことに気がつく。
しかし、社長は翌日に会社の運命を左右する重大な契約を控えていて、
金は出せないと言う。
すがろうにもすがることの出来ない運転手。
数百人の社員を路頭に迷わせるかもしれない運命を握る社長の苦悩・・・

この緊迫感はいまだにどの映画を見ても経験することはできない。
まさに日本映画を代表する秀逸な作品だとワタシは思っている。
「精巧な映画」とはまさにこのことだ。

夜中のピンク番組と世界の黒澤を比べるな、と言いたくなるが、
ワタシは大きな意味で考えたとき、どちらも男性のツボを見事についていると言える。
それは、緻密に精巧に作られた映画には、「精密性」という男性の本能をくすぐる
要素が盛り込まれている。
例えば、鉄道マニアに男性が多いのは電車というものが非常に緻密に出来ているからだ。
時刻表とそれ通りに運行される正確さと時間的な連続性、
車体ごとにナンバリングされ、一方で路線ごとに異なるバリエーションと規則性。
他にも多くの要素が男を鉄道の虜にさせる。

だが、その逆に「美女と湯めぐり」には「しっかりしてくれよ」と
声をかけたくなる一方、美しい裸体に眼を奪われるのだ。
こんなことを言ってはあらゆるところからひんしゅくを浴びそうだが、
美女は、美女であればあるほど、しゃべらない方が良い。。。。。。。気がする。

ここで誰もが思うだろう。エロであればそれで良いのか、と。
答えは「否」だ。
MONDO21には他にもそれこそAVのような番組もたくさんある。
だが、あくまでそれはエロだけだ。
はっきり言ってつまらない。
その辺を歩いている中学生くらいなら泣いて喜ぶかもしれないが、
それは思春期だからだ。
稚拙というものは精巧に見せようとして初めて成立する。
最初からハダカでは「精巧」も「稚拙」もあったものではない。
美女と湯めぐりが単なるエロではないのは、あくまでも「旅番組」だからである。

そういったエロを含めた一種のリアリティーの追求においては、
稚拙であればあるほど興味深く見れるのは不思議というほかない。
その理由を考えてみた。
頭のなかで黒澤映画並みへの変換作業を行っているというのはどうだろうか。
そうすることで、下手な演技もそれを頭の中で演出する楽しみが生まれる。

よく考えれば以前好きだったSPEEDがそうだった。
音楽性という意味で言えば「他にあるだろ」と思う。
だが、SPEEDの4人の頑張る姿を自分の多感な時期に投影することで、
その音楽に感情移入していたと思うのだ。
そこには「プロ」を意識しているけど、どこかなりきれない「葛藤」があったのだ。

序論の映画の話。
「なんだ、この演技は。けっ。映画が台無しだ」
だが、その演技が稚拙であればあるほど、
自分の頭の中では理想が出来上がり、面白くなっていく。

そこが分かってくると、下手くそな演技もきっと、許せるようになってくるに違いない。

ホウレンソウのバターソテー

2008年03月17日 15時01分15秒 | 暮らし
なんだか知らないけれど、
とある経路からホウレンソウをごっそりもらえたので
久しぶりに料理なぞしてみた。

もらったのがすでに夜中だったので、
コンビニにハムとバターを買いに行った。
そして夜勤の入りである今日、バターで炒めてみた。

珍妙な面持ちで食すホウレンソウ。
少しバターを使いすぎたためか、最後は少し油酔い気味に。
まーご愛嬌だ。

ホウレンソウを改めて見るのは久しぶりだった。
ホウレンソウを見て思いつくのは・・・
「おぉこれがホントの報告・連絡・相談」

かなり発想が貧弱になっている

やっぱりやりにくい人

2008年03月14日 22時15分28秒 | ふと思ったこと
150人以上が所属する職場なんて、考えてみれば魔の巣窟みたいのものである。
一人や二人や三人や四人、仕事がやりづらい人がいて当たり前である。

で、先日改めて思ったが、やっぱりとある人との仕事がやりにくい。
仕事を離れれば優しいし異常なくらいによく気がつく人なのだが・・・。

「よく気がつき、せかせか動く人」は後輩にいてくれると極めてありがたい。
なんでも先輩特権で頼めるからだ(笑
しかし、「よく気がつき、せかせか動く人」が先輩、それも結構経験年数があると、
少しやっかいになる。
ま~どこの世界にもある悩みなのだろうが、今回その人がよく言う何気ない一言が
苦手の原因のひとつであることを感じた。
それは、その人が何か話しかけてきた時。。。

せんぱい 「○○(ワタシの名前)~!」

ワタシ 「あ、はい。」と振り返る(ちなみに氷枕を作り中)。

せ 「えっと、2ベットの○○さん、あ、やりながらでいいからね! ノルアド下げたから、確認しといて~」

極めてワタシのペースを乱す一言。
「あ、やりながらでいいからね!」である。
「!」が重要。ちょっと言い放ち気味に言う。
まるで「ぼ~っとしてないで、やりながら聞きなさい」と言われているようだ。
氷枕を作っているだけである。
例えば、暴れる人の抑制をはずしているところだとか、
点滴ボトルにおかず(追加で入れる薬など)を注入しているところなら、話は分かる。
だが、氷枕を作っているだけである。

呼ばれた相手を見て、話を聞いているだけだ。
それは人として当然のことではないのか。
別にやりながらでなくても良いと思ったからこそ、あなたの方を向いているわけで。
緊急で処置をしているわけでもない。
それは看護師としてのワタシの判断である。
つまり、余計な一言なのだ。
むしろ、氷枕よりもノルアドを下げることの方がよっぽど重要だと思うし。

だが、こういうことが分かってきただけ、以前よりは余裕に感じているのだと思う。
その人を観察する余裕が出来たということだ。

理由が分かれば対処ができる。
次回、「やりながらでいいよ」と言われたときのシミュレーションを考えてみよう。

1 「あ、こっちは大丈夫です」
  これくらいなら言えそうだ。

2 「いや、話す人の目を見て聞けって幼稚園の先生に教わったので」
  言いたいけど、言えない。

3 「あなたの一言は人の話を聞こうとする人間の気持ちを踏みにじっています」
  本音。


男は基本的に「ながら」が苦手である。
落ち着いているときにはなおさらだ。
そして、心理学的に男性は言われた言葉を攻撃的に受け取る傾向があると言われている。
例えばワタシのよく見る心理学のサイトではこう言っている。
 
 男性というのは、女性の数倍、言葉を攻撃的に取ってしまうものです。
 「だから、何?」
 「いつも、何やってんの?」
 なんていう風な単なる質問でも、相手は自分が責められていると感じます。


ちなみにワタシは・・・
①「だから、何?」→「話がつまらない」
②「いつも、何やってんの?」→「なんか日常がつまらなそう」

こんな風に受け取ります(笑)
男って・・・ホントバカだと思う。
単純に聞きたいなら、理解や動機付けを一緒に。

①「へぇ~そうなんだ。だけど、それってどういうこと?」
②「最近元気ないけど、休みの日とかどうしてるの?」

いい。同じことを聞いているのに印象がまるで違う。
聞き方を変えるだけで男性はひょんと虜になるので要注意。


・・・。


何の話をしてるのだワタシは

発災第一報、その時

2008年03月11日 11時09分10秒 | 医療・職場
久しぶりに医療ネタを。
一応看護師なもんで。

先日・・・9日かな。
当院の救急スタッフ(医師・看護師)を対象に災害医療の初期対応訓練をやった。
ワタシは救命病棟の災害係なので、主催側として参加。
当日は記録用の撮影係をやっていたので多少全体を見渡すことが出来た。

実際いつどのような災害が起こるのか分からない。
しかし突発的な状況は待ってくれず、多くの患者が災害拠点病院をはじめ、
総合病院を目指してくる。
そのような状況でトリアージを実施し、出来る限りの医療をしなければならない。

トリアージや治療関連の話をするとずるずると説明になってしまうのでしないが、
訓練は「病院に一番人の少ない状態」を想定して行われた。
それは日曜の夜だ。
基本的に救命やICUのような病棟は昼間も夜間もスタッフの数は同じだが、
事務や外来看護師当直がほぼ1人とか2人、薬剤や検査も当直になってしまう日曜の夜に
災害が発生するとこれはもう大変な事態になる。
すでに入院している患者の安全を確保しつつ何千何百という被災者を救援しなければならない。

当然災害となれば応援のスタッフも来ようが、来るまでには1時間~3時間の猶予が必要と考えられ、
それまでは現有のスタッフで対応するのである。

災害の規模によっては手術室もアンギオ室も使えない可能性がある。
ICUが正常に作動しているかも不明である。
そんな中で頭部外傷のope適応の患者が運ばれてくるのだ。

まさに一触即発の事態だが、そういうときはどうするのか。
どうしても重症被災者で溢れてお手上げ状態になるのであれば、
赤タッグがつけられた救命の可能性がある重症患者はヘリその他の
移動手段を用いて遠方の拠点病院への移送を目指す。
それが災害拠点病院のネットワークだ。

今回の訓練は、救命のスタッフのみ対象でしかも初期対応訓練。
トリアージから初期治療までを目的とした。
今後は院内全体の訓練を目指し、
災害係が目下準備を進めていくことになる。

最近救急搬送の拒否問題や、地方の医師不足など何かと注目される医療現場。
ワタシはいつか崩壊するどころか、
地域によっては救急医療などはすでに崩壊していると思っている。
48時間働けますか?なんて冗談を超え、それ以上の状況を耳にすることも多い。
いざ災害が起これば、医療崩壊現場がさらに崩壊することになりかねない。

現場は訓練をしっかりやって災害に備えるので、
行政はその訓練が活かせるように、基本的な医療の確立(特に人)を願いたい。
崩壊している医療の中で訓練やっても意味がないので。

そこにある街、yokohama

2008年03月04日 17時23分07秒 | ふと思ったこと
横浜という街の今。
生まれ故郷というだけでは説明できない愛着。
なぜワタシは横浜に魅かれるのか。

どの土地にもそこに歴史は存在する。
ワタシもふとしたことから自分の生まれた地域についてネットで検索したりする。

そんな折、不思議なサイトにたどり着いた。
「二俣川」という現在の地名でなくわざと「二俣川村」とか「宮沢学舎」という
単語で検索したのだ。
ちなみに宮沢学舎はワタシの通っていた二俣川小学校の前身で明治6年に開校した経緯を持つ。

その検索結果に興味深いものを見つけた。
そのサイトには町名の歴史がたくさん載っていた。
なぜ「二俣川」という地名になったのか、昭和初期の世帯数や人口まで書いてある。

「おもしろいなぁ」と思うが、なんのサイトか分からない。
そのページに載っているのはどうやら昭和初期の保土ヶ谷区の情報のようだが、
他の情報も見たい。
トップページを探したが「戻る場合は、ブラウザの「戻る」ボタンをご利用ください。」の文字。。。
yahoo検索から来たワタシは「戻る」を押すと検索画面に戻ってしまう。
アドレスからindexページを探したが、サーバが違うのか存在しなかった。

その後執念であるサイトにたどり着いた。
それが横浜じゃん旅行社だった。
これだ、このサイトだ。
どうやら結構有名なサイトらしい。
横浜のことが歴史からグルメ、おすすめスポットまでありとあらゆることが網羅されている。
横浜に生まれ育ったワタシから、横浜初心者の人まで必要な色々な情報が作者の視点で書かれている。
しかもデジカメを多用しているので見やすい。

これぞ横浜への愛。
特に有用な情報はB級グルメだ。
有名どころはyokohama walkerなんかでも探すことが出来るが、
下町から郊外まで及ぶそのB級の情報量と作者好みの評価が横浜好きのワタシには
たまらない快感だ。
ワタシの知っているマニアックな店、横浜にしか展開していないチェーン店、
加えて、歴史や文化まで網羅。まさに脱帽である。

ここまで横浜に愛着する理由、そんなものは分からない。
街の表面からは見えない奥深さ、地域ごとに異なる雰囲気。
そんなものを楽しみながら、ワタシは今度の夜勤明けも横浜で食事の予定。
そういやこの前の明けもマッサージやらなんやら結局横浜にいた気がする。

ちなみに最近行きたいスポットは鶴見線「海芝浦駅」だ。
あれ?ご存じない方は調べてみてください。
横浜フリークには、結構有名な穴場なのだ。特に、夜景のね。