とある看護師の迷宮組曲

とある救命看護師。迷宮を彷徨い、雑記を綴ります。
管理者:T-okayama、TakoShun

教員汚職から見る公務員

2008年07月21日 18時22分12秒 | 社会情勢・風刺
大分の教員汚職事件から、久しぶりに社会にフォーカスを。

ワタシは基本的に公務員に甘い考えをもつ。
一般職であれ、特別職であれ、公安職であれ、変わらない。
汚職のひとつやふたつあっても不思議ではないとさえ、思ってしまう。

昨今のニュースはコレと見定めたターゲットをこどものいじめ並みに
徹底的に叩き潰し、言い訳も一切認めない特性をもつ。
ワタシのような小心な人間はどこかで同情を禁じえない。
誰だって汚職など率先してしたくはないだろう。
罪を犯したいと思って犯す人などいないだろう。
だが、社会はそれを認めない。
もちろん、悪いことは悪いことだ。
そこで個人を攻めるのはお門違い。
汚職なんて組織の問題だからだ。
大分の教育現場で「あの先生もお金を払った」とか言う子供と変わらない。
それは視野の狭い子供の意見。
あの先生個人の問題ではない。それを認める教育委員会全体の問題だからだ。

今回の教員汚職だって、教員免許の所持者がお金を渡して採用してもらったのだから、
別に教員として能力がかけている人間とは限らない。
採用された経緯が問題なのであって、不正に採用された人間が「悪」とは限らない。
ニュースはひとつ罪を犯すと全人格を否定するように報道するが、
それも行き過ぎ報道のひとつの要因かもしれない。
「教員として不適格な人材が合格」したわけではない。免許持ってるのだから。
そこ、間違えてはいけない。
先生にはなっても何の問題もない人材であることは否定してはいけないと思う。
仮に優秀な先生として働いていたのであれば、それは社会にとって有益かもしれない、
と言ったら言い過ぎか。


もちろん、ワタシは汚職自体を認めているわけではない。
今回の大分の件でも許せないのは本来の合格するはずの人の得点を下げてまで
便宜をはかった人間を合格させた。
得点の足りない人を合格させるだけなら心では許せても、その逆は許せない。
きちんと試験を受けている人、そして落ちた人への自責の念はないのか。
その点はきちんと罪を認識してほしい。

こういった「便宜」なんてものは社会にはヘド出るほどたくさんある。
公務員だから罪になるのは仕方ないが、このくらいの理不尽さなんて
その辺にゴロゴロしている。
見た目、学閥、家柄・・・個人の能力とは関係のないところで
「コネ」の蔓延っている世の中だ。
そしてそれが罪になるのは公務員。
ワタシはどこか、こういう事件で不正が明るみになると、
普段の社会への理不尽な鬱憤がそこへ集中してしまう部分もあると思う。
ニュースを読んでいるフリーアナウンサーだって、プロデューサーに
便宜をはかっていないとは限らないのだから。
ただ、それが罪にならないだけで。

公務員、とりわけ省庁官僚の天下りが問題になっている。
天下りはその出先機関や組織への便宜や金の流れが税金の無駄になっている。
それはコツコツと働く我々一般市民には甘い汁を吸っているように見える。
もちろん、そういう一面もあるだろう。
そういう一面もあるが、それがあるから社会が成り立っていることもあるのではないだろうか。
官僚が事務次官を退官後、傘下の機関に天下るのと、
社長が会長や理事になることの違いが分からない。
給料が税金だからか?貴重な税金が天下り先に使われるからか?
そんなことを言ったら誰も公務員にはならないのではないか。
誰も社会のために働こうとは思わないのではないか。
そういうこと言うと、本来公務員は社会に奉仕するべき身で~とか言う輩がいるが、
じゃぁ自分はどうなんだって言いたい。
自分は労働に対価を求めたいから公務員にならなかったとでも言うのか。
それは、対価を求めている公務員と何が違うのか。
精神論や建前などで語れる問題ではないのだ。

今、税金が無駄に使われてその無駄をなくそうと努力している。
それは素晴らしいことだ。
血と汗と涙の結晶、給料から差し引かれた貴重な税金だ。
ぜひ有意義に使ってもらいたい。
だが、だが、だが、そこでふと思う。
仮に全ての不正が排除され、無駄がなくなったとして、
日本はどうなるのかと。
まぁさっきから「必要悪」の話になってしまっているが、
それでもワタシは何も変わらないと思うのだ。
社会保障や福祉にお金が使えるようになると言っても、
それは無駄を省いて使えるようになったお金。
本当に必要な部分には、財政が赤字でも余っていても使われる。
結局、還元される身である我々の"体感"は変わらないと思う。

極論。
公務員 甘い汁 吸わせてあげればいーじゃない
そのかわり 好景気にして 国民にも甘い汁 吸わせてあげればいーじゃない

そして、極論に対する極論。
それが出来ないのは、日本という国が成熟しすぎて、枯れ果てている証拠。
黒くて甘すぎるバナナみたいなもんだな。

恐ろしい話だ。。。