ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

K.037. アレンテージョ麦刈り絵柄深皿 Tigela Pintura Alentejana

2018-11-09 | 飾り棚

直径 21,5cm

 我家では「豚じゃが」など,どっさりできた煮物などを盛る時によく使う深皿。

 今年の四月は一ヶ月間、展覧会場の宮崎空港まで毎日自転車で通っていた。
 途中に見える風景には早場米を植えた田んぼがいくつかあり、そんな中に一箇所、周りや田んぼの上まですっぽりと網で囲ったところがあった。
 「どうしてだろう?」と不思議に思って目をこらすと、苗の間をちょろちょろと、たくさんの小さな黒い物が動きまわっている。
 それはカルガモの赤ちゃんたちだった。50羽以上もいる。
 この田んぼはカルガモ農法で、稲もカモも育てているのだ。

 それからは行き帰りにカルガモたちを見るのが楽しみで自転車をこいでいた。
 一ヶ月の展覧会期間に稲も随分と大きくなったが、カルガモの赤ちゃんもみるみる大きくなっていった。

 そのカルガモの柵の向こう側に黄色く色づいた田んぼがあった。
 春に黄色く色づいた田んぼ…は珍しいなと思ったが、麦畑の麦が実っていたのだ。これを麦秋と言うのだろう。

 ポルトガルに戻ってきて、郊外の田んぼの側を通ると、稲はまだ10センチほどで、宮崎よりもずっと小さい。
 種もみをバラバラと無雑作に直播きする方法なので、育ちが遅いのかもしれない。
 丘陵地では麦わらがロール型に転がしてあるのを見かけた。恐らく麦刈りが済んだ後なのだろう。日本よりも随分大規模農業の様に思える。

 この皿の絵の様なやりかたはかなり小規模か一昔前なのかも知れない。
 でもこの半月型の鎌は今でも農家の必需品らしく、露店市でもたくさん売られているし、買い求める人も多い。MUZ

©2018 MUZVIT

 


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