新宿酒場ロン 9・14
夜、新宿に集まった。島、本宮、絵美、銀さん、洋子ママら、いつもの面々。
「じゅうめいさんの分析通り、菅が大差で勝った」
「メディアは接戦だと報じていたが、ポイント的には菅の圧勝」
「300選挙区の党員票は51%の総取りだから、どっちかに傾くシステムだ」
「党員票は、菅が約13万票、小沢は約9万票だったから、ポイントの(249対51)よりは差がなかった」
「まあ本質的には、国民から蛇蝎のごとく嫌われている小沢一郎ということだな」
「蛇蝎か」(笑)
「しかし国会議員と地方議員は接戦だった」
「そこが小沢政治の歪みだ。ゴーマンを剛腕と取り違え、締め上げをリーダーシップと間違え、それらをカネとポストという甘い蜜で篭絡していく。それが小沢流といわれる政治の本質だな」
「そういうことだな。ムチとアメのゴーマン政治。国民はそれを素直に感じている」「一方、小沢の正体をさらけ出した言動がある」
「何?」
「公然と天皇を口汚く罵った男が、総理にはなれない」
「去年の12月だな。中国と韓国からの帰国直後だった。(天皇が中国の要人・習近平に会えないというなら、他の事もやめろ、天皇が絶対だなんてあるか)、と凄い剣幕だった。そして宮内庁の羽毛田さんをナントカ役人、と罵倒し、辞表を出してから物を言えと、目を三角にして逆切れしていた」
「あの映像は今でもユーチューブに残っている」
「出自が日本人じゃないということだな。だから、ああいうことが平気で口から出る」
「所詮は逆賊の徒、三条河原の風になぶられる運命だ」
「しかし菅が勝っても、めでたさはないな」
「円高が進んで83円になった。日本の空洞化がますます進む。これで雇用、雇用という菅の政治センスが分からん」
「日本企業の4割が、さらに海外に行かざるを得ないと言っているのに、菅政権は無策」
「中国へ行くということ?」
「中国もそうだが、米国と欧州もそうだ。ベトナム、インド、東ヨーロッパ」
「じゅうめいさんの秘策は?」
「日本の為替単独介入は無理がある。円高を利用して米国のITとソフト産業、そして世界の資源を押さえるぞ、という政治アナウンスをする。国内的には、産業特区を日本のどこかに作る。産業特区とは、工場土地費用の国負担、設備費の補助、優遇税制などなど幾らでもある、要は中国へ工場移転させない、ということであり、日本は頭を使えということ」
「さて、今後の政局」
「小沢一派の分裂はある?」
「今はない。小沢が分裂するときは、自民党と組めるかどうか。自民党は小沢とは組まない。公明党も駄目だな。そして丸秘情報として池田大作は今、姿を消している。何か学会内で異変が起きたのではないかという、公安筋からの情報だ」「小沢一派単独では自爆するだけ。小沢の次の一手は、菅直人が行き詰まった瞬間、菅を揺さぶる、そして総理の座が転がり込んでくるのを待つ、熟柿作戦だな」
「小沢が闇夜で鯉口を切ったとき、本当の仁義なき戦いが始まる」
「今日の党首選の意味は、カン軍と小沢組の色分けをはっきりさせたということ。誰がどっちの旗を持ったのか、選別だな、小沢一派に言わせれば、敵か味方か」
「新選組(小沢)は会津藩(鳩山)のお墨付きをもらい、幕府直参になった。しかし所詮、烏合の衆、京都では羽振りが良かったが、最後は、函館・五稜郭に逃げ込んで、憤死」
「小沢は自身を西郷になぞらえているが」
「西郷さんは敬天愛人だ。小沢は敬金愛権だ」
「カネもいらない、官位もいらない、その上、命もいらない、という男が一番始末に困る。非常に困る。それが西郷であり、相手の清濁をすべて吸い取ってしまう無私の男、それが西郷隆盛だ。その西郷と小沢に共通点はない」
(ムラマサ、鋭く斬る)