JTDの小窓

川崎市幸区下平間の鍼灸・手技療法『潤天堂』院長のあれこれなつぶやき

不妊鍼灸〜質問とお返事〜

2023-05-06 | 不妊治療
先日不妊治療について記事を投稿したところ、メールで問い合わせが入りました。
この問い合わせの内容は、以前にも数名から寄せられたものとほぼ同じなので、
おそらく他にも同じように疑問をもたれている方もいらっしゃると思います。
なのでその内容をまとめてみることにしました。

Q1:不妊鍼灸を専門でおこなっている治療院のホームページに、かなり高い確率の妊娠率が表示されていたのですが、そんなに確率は上がるのでしょうか?

お返事:例えば当院の場合、体外受精に進まれている方の受療率が多く、それまで採卵の成績や体外受精時の受精率が良くなかったり、胚盤胞にならないなどの成績が改善することを多くみますので、鍼灸を併用することで妊娠率を上げる一助になっていることは実際に感じています。
当院では表示しておりませんが、「妊娠率」とか「ご懐妊」という表現で院の成績を「%」で示されているところは結構あると思います。その治療院がどの時点をもって「妊娠」とし、妊娠率に計上しているのか直接問い合わせしてもよいかと思います。判定日に採血してhcgの値が出れば「着床」したことがわかり、その時点で「妊娠」と告げられることもあります。次のステップではエコーを用いて子宮内での「胎嚢の確認」が行われます。そして次が「心拍を確認」に進みます。
あまりに高い確率で表示されているのは「妊娠=着床した」といういちばん最初のステップを含めたものではないかと思います。ただ、着床はしても残念ながら心拍の確認まで至らなかったということもありますので、そこで表示されている「妊娠率」がそのまま「出産率」につながっているかはまた別になってしまいます。
ですので直接その治療院に連絡して確認してみてください。忙しい治療院だとお電話で丁寧にお答えいただくのはむずかしいかもしれませんので、メールなどで問い合わせてお返事を待つようにするのがよいかと思います。

Q2:治療院によって治療費が倍以上違うところがあります。なぜそんなに差があるのでしょうか。

お返事:不妊施術だけでなく一般の鍼灸の治療費も院によって値段はまちまちです。それは保険を使用しない自費施術院の費用は各院で設定できるからです。
鍼灸施術は医師の同意を得て保険が使える傷病もありますが(神経痛・リウマチ・五十肩・頚腕症候群・腰痛症・頸椎捻挫後遺症など)、施術が制限されるため保険を取り入れていない院も多く、そもそも不妊治療には鍼灸は保険の扱いがありません。施術費の設定は、さまざまな院の経費(スタッフが多い・テナント代が高いなど)を含めて算出されていることもありまちまちになります。
高くても、施術を受けて「ここの施術にはこの値段の価値がある!」と感じれば、がんばって通院する努力ができるでしょうし、「うーん…」と感じれば断念することになると思います。今までの成績が良くないような場合は、こころとからだの両方をケアしていくことが大切で、少なくても週一回の定期的な施術が必要になります。
ただ、残念なことに弱みにつけこんで大した施術もしないのに施術費用をぼったくる悪どい院もあると聞きます。施術を受けていて納得ができないと感じられるようなときは、不妊治療に力を入れている他の院の話も聞いてみて参考にするのもよいと思います。




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