No846 ”プリンス”・ナジーム・ハメド（英）ｖｓオーギー・”キッド・ヴェガス”・サンチェス（米）

（ＷＢＯ世界フェザー級タイトルマッチ）
　ＷＢＯに強い拘りを見せるハメド15度目の防衛戦は、アマ時代辰吉と互角のスパーを演じた6位サンチェスが相手。

　初回分厚い上体から細かく手数を出すサンチェスだが、ハメドの自在なスタイルに遭遇すると直ぐに大人しくなり左ストレートを貰って腰を落とす。２Ｒハメド得意の柔軟な体勢から右アッパーを放つが、ハメドが入って来る所にサンチェスが左カウンターをお返しし更に右ストレート2発でダウンを奪うも、これがスリップとなる不可解な裁定、その後も挑戦者の左フックで危うくダウンしそうになり不安定な戦い振りを露呈する。３Ｒもサンチェスのキチッとしたフォームからの右ストレートで顎を跳ね上げるハメド、しかし王者がクリンチで頭を抜き離れ際に左フックをヒットさせると形勢逆転、この後のハメドのパンチで挑戦者は鼻血を流し始める。

４Ｒハメドがナイスな左アッパーを放つがその際引き落としで減点１、しかし打たれ疲れでダメージの残るサンチェスに対し勝負に出た王者はトリッキーな動きから強烈な左で意識を半分無くさせた後、続くフック3連発で挑戦者を背中からキャンバスに叩きつけるとダメージを見たレフェリーは試合をストップ。

　嘗ての自由奔放なスタイルが甦ったハメドが、彼らしいＫＯ勝ちで防衛成功と相成りました。