外科医(9年目)日記

自分さえ我慢すればいいと思って頑張ってきた。そんな僕には家族が出来た。患者も大切、家族も大切。わがままだろうか?

緊急手術3

2007年05月02日 07時34分57秒 | 緊急手術

ようやくかけつけた夫に説明をする。大腸のイレウスであり、緊急を要する。

 このままでは、大腸が破裂する。何らかのかたちで減圧をしなければならない。

 

 合併症も多く、まずは負担のすくない内視鏡で減圧を図ります。。。

 なるべくわかりやすく、説明した。。。

 

 内視鏡の準備が整い、検査室に向う。

 患者は腹痛でどうしようもなく、ベッド移動すらできない。。。

 なんとか移動し、内視鏡が始まる。

 

 僕も大腸の内視鏡の経験はあるが、それは予定検査だ。

 今回は、前処置をおこなっておらず、腸のなかが便だらけだった。

 洗浄と吸引を繰り返し、先へ先へ進む。

 

 狭窄と思われるところにカメラの先端がきた。やはり、腸の広がりが悪い。

 しかし、便は向こうから流れ出てくるようだ。。。

 カメラの前におこなった注腸造影と照らし合わせる。

 ここを超えて、イレウスチューブを留置できれば、減圧がきくだろう。

 スッとカメラが狭窄部を通過した。ガイドワイヤを留置し、イレウスチューブを

 通す。。。無事終了だ。。。

 

 しかし、患者はただでさえきつい大腸カメラにげんなりしている。。。

 腸内にかなりガスが入ったせいか、腹もパンパンだ。

 ???言葉も意味不明になっている。

 僕の脳裏には2つのことがよぎった。

 

 大腸にあながあいたかも知れない。。。

 脳に障害が出たかもしれない。。。                 つづく