外科医(9年目)日記

自分さえ我慢すればいいと思って頑張ってきた。そんな僕には家族が出来た。患者も大切、家族も大切。わがままだろうか?

夏休み

2008年09月21日 11時31分28秒 | 日記
9月の中旬から1週間夏休みをもらってました。
実家から遠くに住んでいる親不孝な僕は、孫を連れて1週間実家に
帰っていました。。。。

この1週間は1年で唯一医者という自分を忘れられる機会です。
勉強なんてしないし、話題も医療という言葉はでるけど、ほとんど子供の話。

昔みたいに、食事、洗濯には手を出しません。親に甘えるばかり。。。
そんな親不孝な時間を過ごしてきました。。。

が、おかげさまでかなりリフレッシュして、久しぶりに働きたいなという
気分になりました。。。

みなさんは夏休みどのように過ごしましたか?

緊急手術 その2

2008年09月21日 11時27分23秒 | 日記
結果から言うと腹腔内には血性の腹水があっただけで、消化管穿孔、
虫垂炎はなかった。

ただ、小腸に腸間膜に炎症のおよぶ、病変があり、
腸間膜リンパ節炎、小腸炎が考えられたが、原因はわからなかった。

腹腔内を洗浄して、ドレーンを留置して手術を終えた。

術後は、胃カメラ、大腸カメラをして、明らかな炎症性腸疾患ではないことを
確認して、普通に食事をだした。

順調に回復して退院した。何事もなかったかのようだった。。。

今回のような症例は、盲腸だといって手術するとすんなり治ったパターン
だったかもしれないが、結果的には手術がいらなかったんだろう。。。

そこをすこしでも考えていたからこそ、腹腔鏡で検索したし、
術後の傷もきれいになるように工夫した。


よくよく話を聞いてみると、仕事のこと、親の突然の死などで、ここ2か月は
本当に悩んでいた様子だった。
今後は、うちの病院の心理療法士が心のケアに当たることになった。。。

緊急手術とはよくいうが、いろいろな結末がまっている。。。


よく勘違いされるのが、外科医は手術をしたがるということだ。
もちろん仕事なので、必要があれば喜んでしたいところだが、
不必要な手術まで、理由をつけてしたがるということを思われるのは
不快だ。。。

僕は、手術を希望されても、意味がない、期待ができない場合は、
した場合のメリット、デメリット、しない場合のメリット、デメリットを
説明したうえで僕の見解を説明させてもらっている。

それでも、僕の期待とは違う回答をされる患者さんももちろんいるが、
その場合は、患者さんの希望が最優先だと思っている。。。
もちろん、チーム医療なので、患者さんの選択も一日一日変わってくる場合は
その選択を尊重する。。。

人間の決意なんてころころ変わるもんだろうと思っている。

緊急手術にはその待っている余裕と説明にゆとりがない。。。
患者さんも間違った、理解をするときもあるだろう。
僕の言葉が足りない時もあるだろう。。。

だから結果が大切なのだ。。。
見立てが大切なのだ。。。

今回の症例はいろんな勉強になったと思っている。。。

現在のところ患者から不必要な手術をされたという不満は言われていない。。。