今日、一人の患者が退院した。。。
医師になって数年もたたないかただ。。。
病気に気づいたのは学生のとき。ちょうど実習で外科をまわったあたりだった
らしい。排便の調子が悪く、下血もする。。。
もしかすると、、、そんな想像があたまによぎったときどういう気持ちだっただろう
それは孤独でとてもつらいことだろう。。。
生半可に病気のことを知ってるが故の恐怖は想像できない。。。
そのまま、病院の先生に相談して精密検査をしたところ、直腸がんがみつかった
のだ。。。手術が無事終わり、国家試験もがんばってクリアし、晴れて医者に
なった。。。2年目の定期検査で再発が判明した。。。
これまでうちの病院の研修医として働いていた。抗がん剤も働きながらおこ
なっていた。実家は県外だったらしい。。。
このたび、抗がん剤も効かなくなり、病状的に急変の可能性も出てくるほどに
悪くなっていた。。。実家に帰るなら今しかない。。。
家族を呼んで相談をした。。。
実家はおもったより遠くだった。。。
途中、友達やら兄弟を訪ねて帰りたいという。。。
そんな体力が残されているのだろうか???
僕は思う。たとえ旅路で力尽きても医者がそれを止めるのではなく、
なんとか無事に達成できるように薬を調整し、結局、途中で急変しようとも
しょうがないのではないか??
本人と家族がそう望めば、僕はそういう人生に力を貸してあげたいと思う。
元気に笑っていることを願う。。。