外科医(9年目)日記

自分さえ我慢すればいいと思って頑張ってきた。そんな僕には家族が出来た。患者も大切、家族も大切。わがままだろうか?

医師が癌になるとき

2007年07月31日 19時43分15秒 | 大腸癌

今日、一人の患者が退院した。。。

医師になって数年もたたないかただ。。。

 

病気に気づいたのは学生のとき。ちょうど実習で外科をまわったあたりだった

らしい。排便の調子が悪く、下血もする。。。

 

もしかすると、、、そんな想像があたまによぎったときどういう気持ちだっただろう

それは孤独でとてもつらいことだろう。。。

生半可に病気のことを知ってるが故の恐怖は想像できない。。。

 

そのまま、病院の先生に相談して精密検査をしたところ、直腸がんがみつかった

のだ。。。手術が無事終わり、国家試験もがんばってクリアし、晴れて医者に

なった。。。2年目の定期検査で再発が判明した。。。

 

これまでうちの病院の研修医として働いていた。抗がん剤も働きながらおこ

なっていた。実家は県外だったらしい。。。

このたび、抗がん剤も効かなくなり、病状的に急変の可能性も出てくるほどに

悪くなっていた。。。実家に帰るなら今しかない。。。

家族を呼んで相談をした。。。

 

実家はおもったより遠くだった。。。

途中、友達やら兄弟を訪ねて帰りたいという。。。

そんな体力が残されているのだろうか???

 

僕は思う。たとえ旅路で力尽きても医者がそれを止めるのではなく、

なんとか無事に達成できるように薬を調整し、結局、途中で急変しようとも

しょうがないのではないか??

本人と家族がそう望めば、僕はそういう人生に力を貸してあげたいと思う。

元気に笑っていることを願う。。。


遊離空腸

2007年07月31日 07時56分01秒 | 日記

今日は耳鼻科との合併手術の助手だ。第2助手。

前回は執刀を当ててもらえたが今回はどういうわけか、3番手。。。

前回も手術は2人で入った。どういう意図があるのだろう???

 

勉強にはなるので、見学には行くつもりだったが。。。今日も一日がんばろう。


悪性リンパ腫×回盲部切除

2007年07月30日 22時01分59秒 | 大腸癌

 あさっては、回盲部の悪性リンパ腫の患者さんを手術することになった。。。

 外科ではあまり聞かない病気だが、国家試験の山場として知識はあった。

 しかし、実際の臨床となるとさっぱりだ。。。

 

 この人は、化学療法を6クールおこなっている。はじめ、全身に転移していた、

 リンパ腫は、回盲部のみとなった。。。

 消化管の癌では根治を狙うのは難しいが、悪性リンパ腫はどうなんだろうか?

 自分で調べた限りでは難しいようだ。術後の化学療法が必須だとする

 教科書もある。。。

 

 今回は主治医のないかの先生にきくと根治術を狙っているという。

 化学療法が聞かない部位であるので他の治療がないという。

 他の部位は抗がん剤が効いているので治っているという。。。本当か???

 

 手術の説明では僕の言葉に責任が生まれる。。。

 内科の先生はこういってます。手術しなくてはいけませんではすまない。。

 手術をお薦めする理由。デメリットをしっかり聞いてもらって、自分自身で、

 家族で相談して手術をうけるかどうか決めてもらいたい。。。

 

 今日もただの回盲部切除に1時間声をからしてしっかり説明しました。。。


CVポート自然抜去

2007年07月30日 07時53分02秒 | 日記

昨日はCVポートが抜けたと呼ばれた。。。

 CVポートというのは点滴による化学療法の際、末梢の血管からで

 薬剤がもれてしまうといけない場合に、中心静脈にカテーテルを留置。

 それにポートと呼ばれるドーム状の針を刺す部位をくっつけ、それを皮下に

 留置するのだ。このドームに専用の針をさせば、何回でも点滴をできるという

 便利なものである。。。

 

 CVポートは外来では患者自身や患者家族が管理しているものだ。。。

 病院によってはナースが針を刺してくれるし、抜いてくれる。。。

 点滴を採るよりもずっと簡単だと思う。

 

 これが22時に抜けたというのだ。。。

 

 たまたま、後輩を飲みにつれてきていて病院近くにいたから、飲酒はしている

 ことを述べた上でポートを刺しに行った。。。

 でも、遠くだったらそもそもすぐにはいけないし、そんなことくらいで

 真夜中に呼ばれたら次の日の診療にかかわってくる。。。

 病院の看護婦の危機管理は結構なことだが、あまりに無責任で、

 あまりに安直だ。。。よりよい診療のためには、今後増えるであろうCVポートの

 扱いくらい覚えてもらいたいものだ。。。

 

 今日は朝から不機嫌です。。。


1週間ぶりの再会×選挙

2007年07月29日 12時24分11秒 | 日記

昨日は1週間ぶりにわが子にあってきた。この1週間ほとんど当直で

 忙しかった。。。久しぶりのわが子。。。とても大きく感じた。。。重たくなった。

 みるとひとまわり肉付きがよくなったみたいだ。動きも泣き声も力づよくなって

 きた。。。

 

 うちのこの自慢だが、生まれたときから笑っていた。いまでも気持ちがいいと

 笑顔を作るしぐさをする。。。これが本当にみんなに幸せを運んでくる。。。

 

 夜は相変わらず3時間おきだ。今日も夜中に一度起こされた。。。

 そのときはオムツだった。。。そして5時にはおなかがすいたとなき始めた。

 

 今日は僕は病院の回診当番に当たってしまった。。。6時には向こうの実家を

 でて、病院に向かった。。。すこし僕も疲れ気味だ。。。

 

 今日は選挙の日だ。。。さっさといって昼寝しよう。。。


肝切1病日

2007年07月26日 22時53分12秒 | 日記

肝臓切除の第一病日。。。皆さんはどういった状態を想像するだろう???

 ぐったりして死にそうな人。元気にすたすた歩く人。。。

 

 肝臓は人間の臓器でも大切な臓器のひとつだ。。。からだの毒を解毒し、

 栄養を必要なものに作り変える工場でもある。。。

 この大切な工場が壊れてしまうのだ。。。人間の体はバランスを壊す。。。

 だからだるいとか、いろんな症状が出る。肝機能がわるくなり、ひどければ

 黄疸である。。。

 

 昨日の手術の人は、元気だ。。。

 食欲旺盛な人でご飯はまだかといっていた。

 今日はたって歩いたようだ。。。

 ドレーンが突っついてすこし赤くなっていたが愛嬌だろう。。。

 夕方には戻っていた。。。

 まだまだ気は抜けないが滑り出しは順調だ。。。


急変

2007年07月26日 22時30分28秒 | 内視鏡

COPDで大腸がん術後の人が、イレウスチューブから出血した。。。

明らかに赤い血が出ている。CTでは通過障害は改善し、よくなったと思った

矢先のことであった。。。

 

ひとまずは胃からの出血を考え、内科で緊急内視鏡をおこなってもらった。

胃にも血がたまっている。奥のほうにカメラをすすめ、十二指腸の下行脚から

見てもらった。。。奥のほうにも血がこびりついている。しかし、持続性に出血

しているところはみあたらない。。。

胃に戻ってくる。胃にたまった血をすって胃を洗う。。。潰瘍はない。

粘膜が荒れた様子もない。。。

では小腸か???

 

この時点で21時。これ以上の検査も思いつかず、とりあえず輸血を確保し、

バイタルが落ち着いているので様子を見ている。。。

 

機械的な刺激による出血か?小腸潰瘍か?虚血性の腸炎か?

いろんなことが頭に浮かぶ。

ASOで足の血管が詰まっているのだ。腸の細い血管はもともと詰まりかけて

いたのだろう。。。

 

とにかく、今は勝ちが見えてこない。いろんな薬を対症的に入れているだけだ。。

 

これから貧血がすすんでいないか採血を出しに行かなくてはならない。。。

明日は手術。。。逃げ場のない、プレッシャーのなかで今日を過ごす。。。


大腸癌、肝転移×肝切除

2007年07月25日 06時42分21秒 | 肝胆膵

今日は大腸癌肝転移の人の肝切除の日だ。

 前回は腸閉塞を起こしているということから、まずは大腸の手術を先行させ、

 それは僕が担当した。術後は10日で退院。次の手術にそなえ、

 精密検査が終わり、今日、肝臓の手術となった。。。

 

 うちの病院では肝臓の手術はトップの先生が行っている。。。

 今回の患者は転移病巣は8cm大のものが1個。右葉切除といって、

 右半分をとる手術に近くなるだろう。。。

 

 1回目の手術の結果ではリンパ節が5個転移を起こしていたので、

 ステージ的にはかなりの進行度だ。しかも肝臓という、他の臓器にまで転移を

 みとめると以前は余命は6ヶ月といわれていたくらいだ。。。

 

 最近では、利きのいい抗がん剤が出てきているので、22ヶ月となってきている。

 でも、抗がん剤で治るわけではないので、手術が最近は注目されている。。。

 しかし、肝臓の手術はけして安全というわけではない。術後の立ち直りで、

 合併症がおき、これに耐えられなければ、衰弱し死んでしまう可能性もある。

 そういうものだ。。。

 

 ただ、手術、術後がうまくいって、癌が取りきれれば4割の確率で5年間

 生存することができる。そのまま再発しない人も多い。。。

 

 寿命を延ばすための手術。直すための手術。いろいろな目的があって、

 患者さんも必死で説明時のことは覚えていないかもしれない。。。

 きちんとした目的と得られる結果を聞いて納得して手術を選択されることを

 望みます。。。


COPD

2007年07月24日 07時38分28秒 | 日記

昨日は病院に泊まった。

ある術後の患者が、呼吸不全をおこし、それに対応していたのだ。。。

 

この方は、COPDという、タバコを吸う人がよくなる肺が弱くなる病気を

もっていた。術前から肺のほうだけでも入院するほどだった。。。

その方が大腸がんになってしまった。

肺は在宅で酸素を必要とするほどだった。。。

以前にはアルコール性肝機能障害をわずらったり、私生活には問題が

あったようだ。。。

ASOという足にいく、大きな血管が詰まる病気もあった。。。

 

その人が手術をうけた。。。通常であれば麻酔からさまして、人工呼吸器を

はずせないかもしれなかった。。。しかし、以外にすんなり呼吸器は離脱した。。

 

しかし、術後にいろんなことが起こっている。

まずは麻痺性の腸閉塞だ。。。今はイレウスチューブで対応しているが、

おなかはパンパンになり、呼吸が苦しいのだろう。

原因は、はっきりしないが、動脈硬化による腸管血流の障害もかんけいあるの

かもしれない。。。

 

イレウスチューブを入れる前にはいて、それを誤嚥したのか?

今は高い熱も出ている。本人は呼吸が苦しいと発作を起こす。。。

実際に血の値を取ってみると結果はいいので、不安感が強いのだろう。。。

 

しかし、そのたびに呼ばれているので、狼少年ではないが、またどうせ

大丈夫ではないか?という気持ちも出てきている。。。

患者がこのままではかわいそうなので、家族に話をして、気管切開して、

いつでも呼吸器につなげるようにするのもひとつの手段なんだろうか???

 

昨日の夜は診察して、問題なかったので、鎮静剤で寝てもらった。。。

結局寝たのは夜の2時。今日も普通に仕事です。。。


生後12日

2007年07月23日 07時32分30秒 | 日記

昨日は子供にあってきた。まだ生まれて12日目だから、あまりかわってなかった。

半日一緒にいたが、ほとんど寝ていた。。。

おきたときにはぐずって、おむつがちょうしわるいか、おなかがすいたときだった

ようだ。。。僕があやしても泣き止まず、妻がミルクをあげると泣き止んでいた。

 

うちはいまのところ、完全母乳らしい。。。

大体3時間ごとに授乳をするといっていた。。。昨日もすこしの差はあるが、

ほぼ3時間おきだった。。。

 

夜中も関係なしにぐずる。熟睡することはできないだろう。。。

昨日は僕も途中でおきて、抱っこしてあげた。少しはなかなくなるが、

最後はやはりお母さんの母乳だ。。。

 

今日は寝不足だ。。。

でも、久しぶりにわが子とたくさん触れ合えたので新たな気持ちで

仕事に打ち込めそうだ。。。