外科医(9年目)日記

自分さえ我慢すればいいと思って頑張ってきた。そんな僕には家族が出来た。患者も大切、家族も大切。わがままだろうか?

久しぶりの投稿

2011年08月03日 23時21分08秒 | 日記

久しぶりの投稿だ。。。

近況を報告すると、3月の東日本大震災の影響で、人事異動が少し変更になり、

5月から、某○学病院に勤務しています。(被害にあわれた方は大変なことと存じます。また亡くなられた方のご冥福をお祈りします。)

我が家、以前に勤めていた病院は、大地震の直接的な被害は少なく、ただ、福島の原発の影響で、不安な日々を過ごした程度でした。

 

最近の人生の転機としては、2人目の子供が生まれました。少し小さめと言われていたけど、元気に生まれてくれました。

絶対に立ち会いたいと思っていたけど、今回も機に恵まれ、一人目の子供ともども、立ち会うことができました。

すべての人に、産婦人科の先生に、助産師さんに感謝でした。

 

久しぶりのブログで何を書いたらいいかもわからないけど、また日々の感じたことをつづっていきたいと思う。。。


外科医の親族が癌に、、、

2010年02月21日 17時30分20秒 | 日記

   

2月のとある日、親族が乳癌になったと連絡が来た。突然のことだった。

1年前にたずねたときはとても元気だったのに。。。

 

患者さんには、事あるごとに、検診を勧めているのに。親族となると病気とは

無縁のように、当たり障りのない世間話なんかしている。。。

 

僕は、地元を離れて、仕事をしているので、たまに電話したり、夏休みに

少し帰ったりするくらいなので、帰ったときくらいみんな気を使ってくれるのだろうか

病気の相談なんかあまりされない。

(外科医に相談してもしょうがないと思っているのかも。。)

 

帰り際に、検診うけてみて、とか乳癌は増えている病気だから検診しとくと

安心だよとか、一言声をかけていたら。。。

 

幸い、リンパ節転移はなく、温存手術で、腋窩もセンチネル生検ですんだようだ。

病気のこと、治療のことだって、僕が面倒見れたらなんて思うこともあるが、

近くのほうが安心なんだろう。。。

まったくもって、役にたたなかった。。。すごく残念だ。。。

 

これから、少しでも、治療の励みにでもなったらいいかなあとせめて電話を

してあげるくらいか。。。なんだかんだ、気持ちが一番なんだと自分に言い聞かせて

日々の診療をしています。。。

 

 


DPC

2010年01月24日 21時42分52秒 | 医療の裏話

別の患者の薬を誤投与=入院の80代男性死亡-愛媛(時事通信) - goo ニュース

薬の誤投与はもちろんあってはならないことだ。

しかし、実際にこのような事故が起きてしまうことは、医療者としては理解ができる。

 

ひとつ、二つの薬なら、患者の飲んでいる薬も把握できるが、8つも9つも飲んで

いるような患者が、10人もいたら、、、

きっと、だんだんわからなくなるだろう。。。

 

そうならないように、看護師がいて、薬を管理したり、薬剤師がいて、薬の

相互作用を確認するようなシステムがあるのだが、そんなことできる病院は

多くはないだろう。しかも、そのようなシステムには多大な労力と、人件費が

かかるが、それに対する報酬はないのだ。。。それが問題だ。。。

 

別の病院で飲んでいる薬を、入院中にも飲んでもらう。

薬を飲むのは、個人の責任ではないだろうか?

薬を自分で管理できないのだ。。。そのような人のくすりを管理するのは

あくまで本人の責任だと思うし、そうでないなら家族の責任だ。

(依頼したいなら、病院に有料で管理をお願いするべき)

 

言っていることは過激だと思うけど、自分の管理をできないんだから、

家族がするか、お金を出して、他人にしてもらう。。。当たり前のことでは

ないだろうか。。。

(今の医療制度では、元気でしっかりしている患者も、非常に手のかかる患者も

入院費用は同じ。。。どっちが、お金がかかるか分かりますよね。

それなのに、手のかからない患者と手のかかる患者の支払いは同じなのです。)

 

もうひとつ、DPCが問題だと思う。薬をしっかり請求できれば、医師は、ふつうに

必要な薬は、持参してもらわなくても、必要であれば、処方しただろう。。。

 

いまの診療報酬では、ひとつの病名に対しては、決まった報酬しか、病院には

支払われない。(入院のみ)

他の病気の薬を処方する、他の病気の検査をする。患者はお金を支払って

しかるべきだが、国が、そうは認めない。。。こんな馬鹿な話ってあるだろうか?

 

例えば、脳梗塞で、入院した場合、腰痛のシップ代、睡眠薬代、心配だからと

受けた、肺のCT、胃カメラなどの、脳梗塞と関係ない検査、薬は、請求できない

のだ。。。。

人間なのだから、いろんなところ具合悪くなるだろう。。。なのに、そちらには

評価がなされない。。。

 

そういう事情があって、薬を持参してもらったり、持参薬を使用して、入院中に

服用してもらうのだが、今回は、ここでヒューマンエラーを医療者側が起こして

しまったのだ。。。

 

医療費削減のための制度なのだろうが、まずは、国が、しっかり、この事実を

国民に説明して、患者もわかって病院に入院するべきだと思う。。。

 

記事を振り返ると、他院の処方を持参してもらい、病院側が、患者に配ったと

あった。当たり前に行っていることだが、ヒューマンエラーがやはり起こりうる

ケースだ。

患者の飲んでいる薬は、基本、患者管理にするべきだ。。。

自分で間違う分には、仕方ないし、その責任は患者にあると思う。

病院は、あくまで、病気を治すためのところだ。

今の、DPCという医療制度では、例えば、胃癌以外は、責任持てません。。。

という医者が増えてもおかしくないと思う。。。そうなっていかざるを得ないだろう。

 

 

患者さんのご冥福をお祈りします。


2010年1月1日

2010年01月01日 11時13分03秒 | 日記

あけましておめでとうございます。

今年も、病院にきています。

 

去年は、いい年だったなとつくづくおもいました。

今年も、いい年になったらなあと、頑張っていこうとおもいます。。。

 

今年初の、朝回診が無難に終わったところで、帰ります。

とはいっても、夜は当直なのですが。。。

 

みなさんにとっても、良い一年でありますように。。。


医療ミス×心のゆとり

2009年11月28日 21時46分19秒 | 日記
久しぶりの投稿だ。

夢のような夏休みが終わって、秋の学会シーズン。。。
とても忙しい中、手術が無くなるわけでもなく。。。

いつもどおり、いつも以上に手術に集中していた。。。つもりだった。。。


詳しくはいえないが、いわゆる医療ミスといわれても仕方のない手術結果が
おきた。。
手術中にはまったく、変わったことはなかった。いつものメンバーで、
いつもどおりの手術。

体調が悪かったわけでもない。談笑しながら手術をしたわけでもない。

しかし、次の日、患者の具合が悪くなった。。。

すぐに、原因が手術で、そこを再手術すれば治るなんてわかったら、誰でも
悩みもせず、手術するだろう。患者さんのため、頭を下げて、プライドをすて、
治療させてもらうだろう。。。

でも、術後に、患者の具合がわるくなる原因はさまざまで、手術のせいとは
限らない。むしろ、手術のせいでということは考えずらい。。。
そういう状況で、あっという間に1日1日がすぎた。。。

でも、僕にとっては、苦しい1日1日だった。
明日にはきっと良くなっているだろう。。。でも、検査すると悪くなっている。
胃をつかまれるような毎日が続いた。。。

患者さんが死ぬかと思った。
外科、医者はもうできないかと思った。。。

毎日、毎日、だんだん、疲弊した。笑う余裕もなくなっていった。
患者さんもそうだ。。。

それでも、別の患者さんの診察、手術はある。淡々と仕事をこなした。
抑うつ状態だった。。。一人でいると涙が自然と出てきた。。。

最初の手術から、しばらくして、原因が分かった。結局、手術の影響と思われた。
再手術をして、今は、元気になっている。。。

そんな間にも、たくさんの人を手術し、仕事している。。。

これから、僕はどうなるのだろう。。。
患者さんの医療費は負担するべきなのか?
病院が負担するのか? 僕が負担するのか? 患者が国が負担するのか?

医者がこんなこといちいち考えていたら、つぶれてしまう。
第三者機関が、こういった場合のことは、処理してもらえるといいのでは
と思った。。。

少し心に余裕がでてきて、もう少し、外科医を続けようかと思っている。。。