外科医(9年目)日記

自分さえ我慢すればいいと思って頑張ってきた。そんな僕には家族が出来た。患者も大切、家族も大切。わがままだろうか?

病院をかわるとき

2008年03月30日 10時21分27秒 | 日記
病院を変わるときは、いつももの寂しく思う。
せっかくなれてきた病院。患者さんとも仲良くなって、
先生、看護師さんとも仲良くなって。

最後の外来のとき、次からは違う先生になりますといった。
今までありがとうございますという、からっとした別れから、
せっかくなれたのにと少し、時間を必要とする別れもあった。

患者さん的にも、医者的にも1年ごとに病院を代わるというのはどうなのだろう?
せっかくなれたところでということもあるだろう。
1年たって、仕事を任せられるようになったばかりなのにということも
あるだろう。

いろんな疑問はあるが、まだまだ若手サラリーマン。
職場環境を改善すべく、がんばるばかりだが、
本業に専念して仕事をしたい。

わかれ

2008年03月18日 07時41分09秒 | 日記

朝早くから電話が鳴った。

「・・・さんが、フラットです。」

 

うちは病院から5分のところなので、顔だけ洗ってすぐにでかけた。

朝早いので車の通りはほとんどなかった。

 

病院に着いたら、患者さんの心電図はやはりフラットだった。

 

この患者さんは、乳癌、骨転移、肺転移、肝転移、脳転移の方だった。

3ヶ月前から体調不良があり、入院。その後、体調の良い時を図って、

抗がん剤を行っていたが、肝転移が出現。嘔気が出現し、脳のCTで

脳転移と判明した。。。

 

手術してからはたったの6年だ。年齢は40歳前である。。。

 

少し、精神発育遅延のある人で、人なつこい人だった。

僕も研修医のころから携わっていたので、付き合いの長い患者さんだった。

 

自分は、この5年の間に何も変わっていないなと感じた。

少しくらい、患者を切れるようになっても、病気に対する知識の発展がない。

本当にこの患者さんに幸せな時間を作ってあげることができたのだろうか?

 

実際に患者を支えていたのはお母さんだと思う。

この2週間はずっと付ききりだった。

いろんな説明もきちんと聞いていたし、けいれんなど様々な症状が出現したが

そのつど理解を示してくれた。

 

最後のほうは意識がなかったが、

患者さんもきっと、お母さんに付き添われ、すごい安心していたと思う。

 

これから、日常の診療が始まる。


医師逮捕

2008年03月16日 10時53分39秒 | 日記

特急「踊り子」の女性乗務員殴る、53歳医師を逮捕(読売新聞) - goo ニュース

昨日は、後輩の結婚式で出し物をしてきた。。。

そんな外科医もいます。。。

 

こんな、乗車券を見せてくださいと言われたくらいで殴る人は、まず、社会生活

を送れないのではないだろうか?

医師という立場上、その人の中の世界では自分が一番偉いのかもしれない。。。

 

でも、そんな人、そんな医者はほんの一握りで、みんな誠実に頑張っているし、

僕も頑張っていると思う。。。

 

こういう記事で、だから医者はどうのこうのという問題には発展してほしくない。


へパフラッシュ自己回収

2008年03月11日 14時09分04秒 | 日記

久しぶりの投稿だ。

たいして忙しかったわけではないのだが、なんとなく、気が向かなかった。

人間やはりやる気というか、モチベーションは高いほうがいい。。。

 

このたび、ニュースにもなっているそうだが、化学療法などの点滴で、最後に

カテーテルを洗浄する、へパフラッシュという注射が自己回収となっている。

 

当初は理由が分からなかったが、どうやら生産地が中国だからなんて

噂がたっている。中国産の製品のしわ寄せが医療業界にも広がっている。。。

 

化学療法をする際には、手の血管(末梢)から行う人と、中心静脈ポートから

行う人がいる。僕の病院では、ある程度の回数をおこなうひとであればポートを

お勧めしている。

 

このなかに血液が滞留したり、薬剤が滞留してはいけないので、最後にフラッシュ

するのが、血液凝固予防剤の入った、へパフラッシュだ。

 

今回は、これを自分たちで調剤して使用しているが、ひと手間かかるので、

大変といえば大変だ。。。

 

この騒ぎが早く収まることを願う。。。