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CURVAなひととき

CURVA(クルバ)。イタリア語でカーブ、そしてゴール裏の席。あらゆるスポーツでチケットが安いCURVAから熱気を伝える

駒苫-早実の『決戦』から得た宝物とは

2006年08月21日 00時18分26秒 | 野球

 「これで、少年野球も人が増える。」

 ライトスタンドで観戦を振り返った隣の老人が、
 ホームプレート上に整列した両チームを
 見つめながら静かに呟いた。
 
 それ程の熱戦であった-。
 
 言葉で表現しようとすると、
 その表現自体が安っぽくなってしまうのが
 悔しくもある。
 
 それ程の熱戦であった。

 決着がついていない以上、
 今日の試合の寸評は不要だろう。
 ただ試合前、細かなミスを起こしたチームが敗れる
 という予測は立てていた。
 実際、結果的に得点には直結しなかったミスは
 両チームにも等しくあった。
 特に得点を奪い合うという本質的な
 「詰め」を達成できなかった点は
 互いに反省すべきことなのかもしれない。
 
 ただ、今日の試合に限り
 両チームがゲームプランを超越した
 勝利への執念が、開始から終了まで感じられたことに対し、
 素直に敬意を表したい心境である。
 
 未来の高校球児となるか、
 小学生がグッタリしながら、
 老人と同じように目を輝かせながら
 ホームプレートを見つめる姿が忘れられない。

 それ程の熱戦であった-。

 [写真]試合終了後の甲子園。余韻に浸り、席を立てない人も多かった。

 「両校ともお見事」早実OBの王監督もTV観戦 (読売新聞) - goo ニュース

駒大苫小牧―早実、引き分け再試合 (朝日新聞) - goo ニュース

高校野球は「魅力的」か?1

2006年08月20日 10時51分37秒 | 野球
 
 この1週間では、驚異的な観戦率である。
 勿論、全試合観戦を常とするオールド甲子園ファンや
 年間チケットホールダーとなる虎党の方には遠く及ばない。
 だが、野球を数あるスポーツの中での一部と捉えている者にとっては
 プロ、大学、高校を含め、
 就業日以外の観戦で5試合は
 かなりのハイ・アベレージではなかろうか。

 野球というスポーツの魅力については
 今更語ることも無かろう。
 ただ、古来より武士道においても
 「間」を大切にしてきた日本文化が
 野球の核となる「投球の間」や「イニングの間」とマッチし、
 娯楽としてとけ込め易かった、と。
 そして私の嗜好にも一致したということでもある。

 では、高校野球の真の魅力とは-。
 その結論は「決戦」が終わった後にしたい。

 [写真]高校野球の魅力の一つ、「阪神甲子園球場」。

巨人戦より高校野球、視聴率連日10%超え (日刊スポーツ) - goo ニュース

高校野球の頂上決戦を観戦す

2006年08月19日 23時59分18秒 | 野球
 
 決勝戦は大会屈指の「人気校」と 
 3連覇の偉業に挑む「実力校」の対戦となった。
 高校野球の視聴率でも、最上に位置する2校。
 明日の戦いも、恐らく阪神甲子園球場は超満員となろう。
 
 歴史をこの目で見るために-。

 [写真]準決勝終了後、チケットを求め彷徨う人々。
     「チケット難民」も出そうである。

北海道勢×東京勢は2勝2敗 高校野球、決勝の行方は? (朝日新聞) - goo ニュース

試合を決した駒大苫小牧の「監督力」

2006年08月19日 17時55分03秒 | 野球
 
 ここ数日間の天候では涼しい中で行われた準決勝。
 曇りから薄日。そして大雨となる。
 その後は再び、曇りから晴れへ。
 第1試合に勝利した駒大苫小牧は、
 そんな気まぐれな天候と同様に
 チームの運気が上下するような戦いとなった。
 先発は主戦田中を温存した形で始まる。
 しかし、3回戦の青森山田戦と同様、
 相手の強力打線に捕らえられる。
 エラーがらみとはいえ、満塁となったところで
 1回持たずに先発交代との英断は、
 結果的に香田監督による、
 「傷口」を最小限に食い止めるべく打った
 最大限の効果を得る。
 
 智弁和歌山の1点。
 対する駒大苫小牧の4点。
 互いの1回の攻防での得点差は3。

 試合開始当初、投手陣が崩れる「大雨」状態を
 乗り切った駒大苫小牧は
 中盤戦以降、エース田中の好投もあって
 危なげなく乗り切った。
 勿論、打線の「中押し点」も見逃せない。
 しかし、初回の攻防の中、
 戦況や己の実力を判断した明確な選手起用が
 試合の行方を決したのである。

 冴える、「監督力」に3連覇は近いのかもしれない。

 [写真]試合終盤の豪雨で、午後1時だというのにナイター照明も。
     

決勝はV3狙う駒苫と早実 全国高校野球選手権 (共同通信) - goo ニュース

高校野球。決勝限定観戦の禁を破る理由6

2006年08月18日 23時58分38秒 | 野球

 8回裏に同点に追いついたものの、
 エース田中の苛立ちは収まらない。
 キャッチャーが頻繁に間合いを入れる。
 それでも……
 2アウト後のタイムリーで、再び追う展開に。
 マウンド上で、己の不甲斐なさに怒りを表す田中。
 ふと、内外野を見渡す。
 絶好調の姿を未だ取り戻せないエースとは対照的に
 焦燥感は全く見られない。
 まるで、最終回の失点を、自らを発憤させる
 エネルギーに変えているような気さえする。

 まだまだ結果は見えないな…

 9回裏の駒大苫小牧最後の攻撃。
 先頭打者が打ち取られるも、
 ベンチそして打者に悲壮感が見えないのは
 相変わらずである。
 
 同点ホームラン。
 そして、サヨナラタイムリーと。
 
 諦めない強い気持ちが、
 勝利への強い執念となり勝利を呼んだ、といえば
 話しは簡単に纏まる。
 しかし、何より彼らを勝利へと近づけたもの。
 それは、監督が惹きつける「人間力」が
 強いのではないだろうか。
 大量得点差から大逆転は、
 チームを率いる者への「信」の力が
 近づけたような気がしてならないのである。

 [写真]大熱戦を表す甲子園入口のスコアボード

高校野球。決勝限定観戦の禁を破る理由5

2006年08月17日 20時59分00秒 | 野球
 
 試合序盤は、駒大苫小牧にとって悪夢の展開だ。
 控え投手の岡田は、ランナーが出てからのテンポが
 単調になってからは痛打される。
 加えて、微妙な内野ゴロが野手間を襲う。
 ポップフライが内外野間にポトリと落ちる。
 負の連鎖反応-。
 投手が主戦田中に代わっても止まらない。
 完全に球威に圧され、力負けした打球が
 ふらふらとレフト線に上がるも、
 これもタイムリーとなった。
 
 6点差-。

 悪い流れは、力でねじ伏せるエースをもってしても
 断ち切ることはできない。
 だが-。
 駒大苫小牧の選手に、全く悲壮感は見られない。
 寧ろ、絶対的存在の田中でも止められない状況を
 盛り返そうとする気迫さえ感じる。
 
 俺が流れを変えてみせる-。

 終盤の猛攻からの逆襲劇は、
 そんな脇役の気持ちが演出したものだった。
 点差はみるみる縮まり、ついに同点に。
 しかし、エースの田中の気持ちの揺れは
 収まらない。

 [写真]試合終盤の息詰まる攻防に、甲子園の歓声も最高潮に達した。
 

3連覇狙う駒苫がベスト4 智弁和歌山も4年ぶり (共同通信) - goo ニュース

駒苫。オシム。阪神と続く勝利に……

2006年08月16日 23時32分33秒 | 野球

 連日のサヨナラ試合観戦だ-。

 阪神甲子園球場での駒大苫小牧。
 そして、京セラドーム大阪で行われた阪神タイガース。
 選手が狂喜する姿を見ることは、
 何か自分の内に秘めた爆発できない欲求を
 瞬間的に解放する力があるようである。
 普段は、「CRUVA」観戦を決め込むところだが、
 阪神タイガースのその席は1等席である。
 今回、「仕方なく」選んだその席は記者席の真横。
 つまり、限りなくメディアの発信者に近い視線で
 選手の動きを把握することが出来る。
 アンディ・シーツの審判への抗議も
 かろうじてだが聞き取れた。
 そのような恵まれた環境での観戦のためか、
 試合開始当初は、記者の目線を意識して
 何か試合に集中できない状況が続く。
 
 しかし、その状況も長く続かなかった。
 金本知憲が、そして赤星憲広が適時打を放てば
 イチ虎党としてのスイッチが入るのだ。

 延長10回裏-。 

 サヨナラの瞬間から、原稿を作成するべく
 パソコンのキーを乱打する記者を横目に
 私は精一杯、2本のメガホンを乱打する。
 まだまだ、物書きとしての心構えが足りないようだ。

 疲労困憊。慌ただしい帰宅に、
 代表戦の結果もWebで行うという状況だ。
 オシムジャパンは勝利という結果を
 得たようである。

 勝利に感謝-。
 種目は違えど、である。

日本が2-0で勝つ サッカーのアジア杯予選 (共同通信) - goo ニュース

阪神、延長十回サヨナラ勝ち…横浜は4連敗 (読売新聞) - goo ニュース

阪神サヨナラ勝ち 神-横評 (共同通信) - goo ニュース

高校野球。決勝限定観戦の禁を破る理由4

2006年08月16日 10時39分46秒 | 野球

 決勝限定観戦の禁を破る理由は-。 
 観戦記を進めてしまったため、
 本来、先に書いておかなければならない「理由」が
 おざなりになってしまった。いけない。
 ここまで「引っ張る」程、
 唸るような理由という訳では無いと言うことを
 付け加えておく。
 話は、甲子園観戦前日へと遡る。

 猛暑の中、ロードバイクを大阪南部へと走らせる。
 特に目的地を設定している訳でないのは、何時もと同じだ。
 住之江競艇場の測道を、普段より強めのペダリングで駆ける。
 非開催日なのか。それともナイター開催なのか。
 人影が少ない状況は、サイクリストにとって格好の「駆け所」だ。
 住之江公園内に茂るブナからは、
 己の生命を存分に誇示するように
 アブラゼミが声を上げる。
 普段は暑さを増幅するだけの触媒である蝉の声は、
 心地よく駆け抜けたせいもあって、気にならない。
 隣のプールからは、子供達の歓声が聞こえる。
 
 子供の叫声と蝉の鳴き声のハーモニー。

 その中、
 空気を切り裂く金属音が聞こえる。
 直後、男達の怒鳴り声。
 私のオアシスが一変した瞬間であった。
 
 声の主達を辿る。
 そこには、忘れかけた野球の楽しさ。
 スポーツの原点を観たきがした。
 
 明日も野球を観に行こう-。 

 それが、理由-。
 
 ※この住之江公園野球場での観戦記は別の機会に書く予定


駒大苫小牧サヨナラ8強!田中が歓喜のホームイン! (サンケイスポーツ) - goo ニュース

高校野球。決勝限定観戦の禁を破る理由3

2006年08月16日 10時17分03秒 | 野球
 
 早朝というのに灼熱の甲子園-。
 この夏、一番の気温を記録したこの日、
 マウンド上には主戦田中の姿は無かった。
 初戦は体調不良に伴う「らしくない」ピッチングに終始。
 これから続く、激闘に備えての体力温存という意味も込めての
 先発岡田の起用、だったのだろう。
 試合は開始したというのに、ブルペンに目を移す。
 軽い肩慣らしを行う田中。「違和感」は直ぐに判明した。
 田中の送球が、ブルペンキャッチャーの左右へ振れる。
 主を失い、外野フェンスを転々とするボール。
 その度に試合は中断となる。
 
 おかしい-。
 己をコントロール出来ない不甲斐なさか。
 田中の表情が曇る。
 エースの心のざわめきと、
 本来、控え投手である選手の起用。
 悪循環の予兆だ。

 1回の青森山田の攻撃を冷静に抑えた、先発左腕の岡田。
 夏王者への悪い予感は、
 杞憂に終わればよいのだが。

 [写真]試合前の水撒きを行う甲子園。早朝から照らす太陽が。
     ジリジリと肌を刺激する。
 

駒苫6点差逆転!サヨナラ勝ちで8強 (スポーツニッポン) - goo ニュース

高校野球。決勝限定観戦の禁を破る理由2

2006年08月15日 19時41分23秒 | 野球

 予感は、あった。

 それがお盆ボケの深い眠りを急激に
 覚まさせたのかは不明である。
 兎に角、甲子園球場へ向かおう。
 何かが起こる-。
 まさか、これから目の前で繰り広げられる戦いが
 「球史に残る」と語られる試合内容とは
 この時点では知る由もない。
 妙な胸騒ぎを抱え、阪神電車の甲子園駅を下車する。
 午前8時の電車は通勤ラッシュを思わせる。
 2連覇を達成した駒大苫小牧が、
 勝つも負けるもこの目で確かめたいという
 「甲子園ファン」が球場周辺を埋める。
 良くも悪くも「歴史」を見届けたいというのが
 彼らに共通する思いのようである。
 国道43号線高架下では、拡声器を使った球場係員が
 内野の残席が少ない事を盛んに発声する。
 
 終戦記念のこの日、
 駒大苫小牧以外にも
 地元兵庫の東洋大姫路も登場とあって
 近隣から駆けつける人間も多い。

 午前8時半-。
 朝靄が包む、幻想的な球場に
 定刻通り、球審からプレイボールが告げられる。
  

駒大苫小牧が乱打戦制す、青森山田に逆転サヨナラ勝ち (読売新聞) - goo ニュース