双方の実力が拮抗している状態での勝負の分岐点は、極めて微細である。選手の起用をはじめとした戦術的な誤りであったり、選手自身が引き起こす単純なミスもその部類である。ホームのなみはやドームでの戦いとなった土曜日は福岡が、そして日曜日はエヴェッサが雪辱を果たす結果となった。勝負の分かれ目は、両ヘッドコーチの見解でも明らかなように、ターンオーバーの数であったことは間違いないだろう。大事な場面でミスをしては、女神がソッポを向くのも無理はない。
ファイナルを巡る戦いは、スタッツを見直した上での数字よりもコート上での“デキ”が左右したのではなかろうか。リーグを代表するポイントゲッターである福岡のマイケル・パーカー、そしてエヴェッサの将軍であるリン・ワシントン。マッチアップする彼らの調子そのものが、試合を決する材料となったとしたら、勝敗の分岐点は随分とシンプルであった。
マイケル・パーカーを抑えることができるか-。
それとも、リン・ワシントンの強固な守備を突破することができるか-。
スカウティング力が重要視される中、互いの力量を超越したデキそのもので勝敗を左右する。思えば、観る側にとってこれ以上の極上な空気間は存在しない。チームとしての総合力を競うのも重要だろう。しかし、我々が真に痺れることができる場面とは、他者を寄せつけない熱い対峙に他ならない。
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