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CURVAなひととき

CURVA(クルバ)。イタリア語でカーブ、そしてゴール裏の席。あらゆるスポーツでチケットが安いCURVAから熱気を伝える

錦織圭が導く、1年越しの挑戦

2008年03月01日 00時25分03秒 | テニス

 昨年のなみはやドームの“悲劇”から数ヶ月が経過した。
 あと一歩に迫ったワールドグループへの道が
 驚異のルーマニアの粘りによって
 果たされなかった記憶が蘇る。
 今年のデビス・カップは
 フィリピン、そして来月のインドと敵地での戦いが続く。
 現時点で、最も勢いのある男の起用は
 必然の流れだったのかもしれない。
 1年越しの挑戦は、
 この男・錦織圭の代表加入によって達成されるならば
 テニス界にとって、これ以上の“流れ”は無いだろう。
 

錦織、デ杯インド戦の日本代表に(読売新聞) - goo ニュース

見えた世界の先にある“見えない力”~デビスカップ2007(2007年9月23日)その4

2007年10月04日 22時56分50秒 | テニス

 [写真]ワールドグループへの“差”は実感したに違いない。
     次回への戦いはこの瞬間から始まっているのかもしれない。


 その“瞬間”、ビクトル・ハネスクはコートに仰向けに倒れながら
 両手を天井高く突き上げた。
 勝利の瞬間、彼が見せた行動は歓喜、というよりは
 むしろ安堵、といった気持ちが強かったように感じた。
 ポテンシャルで鈴木貴男と添田豪を圧倒しながら、
 あわや敗退がちらつく状態に追い詰められても
 決して崩れることがなかった精神力は、
 勝利への理由となったひとつかもしれない。

 しかし、
 勝利への天秤が、日本そしてルーマニアのどちらに傾くか微妙な状況で
 ターニングポイントとなるべき事柄といえば、
 「国家を代表する誇り」の強さが上げられる。
 アウェーゲームとはいえ、国家を代表する負けられない事情が
 ルーマニア側が強かったような気がしてならないのである。
 もちろん、敗戦後に見せた添田豪の涙が語るように
 日本代表にとっても日も丸への思いは負けていなかった筈だ。
 それでも、審判の判定が不利となろうが
 試合の流れが日本に傾きようが、
 ただ自国の勝利を目指すことのみを追求したことが
 ルーマニアの大逆転劇に繋がったような気がしてならないのだ。

 そこには、
 日本人が知りえない“力”が加わっているのかもしれない。
 海外を転戦し、切磋琢磨する人間がチームメイトとして
 国を代表する戦いを繰り広げる。
 思えば、サッカーのルーマニア代表も
 イタリアやイングランドといった海外リーグに所属する選手によって
 構成される。
 普段は“国”を感じることが少ない人間が
 ひとつの勝利への想いを集約させる。
 事情が事情だけに、その想いの強さや形を
 明確に説明できないことも事実である。
 
 しかし、今回の戦いの勝敗を分けたのは
 “見えない国家への想い”の強さが
 ルーマニア側が勝っていたことのような気がするのだ。

 少数ながら集まったルーマニア人サポーターと
 輪になって歓喜の雄たけびを上げるコートの対面で
 日本代表の選手、そしてスタッフが
 雪辱の想いを誓っていた。

セルティック快勝の起点に俊輔、ACミラン破る…欧州CL(読売新聞) - goo ニュース

見えた世界の先にある“見えない力”~デビスカップ2007(2007年9月23日)その3

2007年10月03日 21時26分46秒 | テニス

 アドリアン・ムトゥ、クリスティアン・キヴ…
 少し前ではアドリアン・イリエやダン・ペトレスクといった選手も。
 そして、忘れてはならぬ「東欧のマラドーナ」こと英雄・ゲオルゲ・ハジ。
 これらは全てルーマニアを代表するサッカー選手である。
 サンチャゴ・ベルナベウで見た晩年の東欧のマラドーナは
 CLの舞台でも輝きを放っていた…
 あれから7年-。
 
 ルーマニアに関する情報を自分で引き出そうにも、
 溢れ出てくるのは蹴球情報のみであった。
 この日のシングルスは、
 アンドレイ・パベルとビクトル・ハネスクである。
 ランキング形式で実力を測るテニス界において
 それぞれ90位と151位というのは、
 対する日本の鈴木貴男と添田豪にとっては完全なる格上への挑戦だ。
 ホーム・アドバンテージを最大限に利用して、
 勝利のために得られるものを全て得ることが
 日本の勝利のためには必要だった。
 微妙な判定も含めて…
 
 鈴木貴男は苛ついていた。
 自らが自信を持って見送ったボールが“インボール”と判定され、
 改心のサーブが“アウト”と判定される。
 アドバンテージとなる筈の日本側が用意した“日本人ジャッジ”が
 こともあろうか自分を追い込むことになろうとは…
 序盤の2セットを先取した勢いは次第に失われていく。

 逆にアンドレイ・パベルは冷静だった。
 思わぬ判定は鈴木貴男と同様で、気持ちを制御する機能を
 次第に蝕んでいくと思われた。
 圧倒的不利な状況にもかかわらず、
 ポイントを積み重ねていく。
 試合中盤、鈴木貴男の足に痙攣のアクシデントも
 アンドレイ・パベルの追い上げに“力”を与えたのかもしれない。
 たが、彼を勝利に導いたのは
 紛れもない“一つの想い”があったからに他ならない。
 試合終了後の彼の表情を見れば…
 

女子ダブルス、杉山・森田組は1回戦敗退…AIGオープン(読売新聞) - goo ニュース

見えた世界の先にある“見えない力”~デビスカップ2007(2007年9月23日)その2

2007年10月02日 21時42分59秒 | テニス

 [写真]“長丁場”となったワールド・グループを懸けた戦い。


 右腕に巻いた時計は午後6時37分だ。
 1試合に要した時間が3時間54分で、
 この2試合目も、丁度3時間を超えた具合となっている。
 日本のベンチ裏という“最良席”である筈が、
 午前11時から、目の前を左右に浮遊する黄色のボールを追ったせいか
 首筋辺りへ急激に痛みや凝りが迫ってきた。
 自ら申し入れたトイレ休憩を境にして
 スタンド上段へと足を運ぶ。
 コート全体を俯瞰する“見慣れた”光景に
 身体も心も何だか安心するのだ。
 確かにアリーナ2列目は、選手の息遣いや監督との密談までもが
 耳にすることができる大迫力だ。
 そんな臨場感抜群の“砂かぶり”席でも難点はある。
 余りにもコートに近づきすぎていることから、
 互いの選手が放つ球筋や、
 ライン際を狙ったショットの判定が全くつかないのである。
 特に微妙な判定が続いた1試合目…
 こうなると、
 判定に異を唱えることも賛同することもままならない。
 正論ではあるが、審判の下したジャッジを信じる、だけである。
 
 それに比べると…
 座席の値段では、“良席”の半分以下でありながら、
 的確にライン際を狙ったコース打ちを
 限りなく選手目線で判断できるのだ。
 どちらの席がテニス観戦に適しているかは
 観る者の視点によって違うかもしれない。
 “クルバ観”に慣れきってしまっている者の場合は
 断然、後者のスタンド席となってしまうのだが…。

 ここでは、アリーナ席ならではの情報で締めたい。
 ユニホームといえば、チーム全体で同じものを…と考えていたところ
 微妙な“違い”があることに気づいた。
 同一の柄や色彩は勿論のこと、
 ユニホームを提供するメーカー(ブランド)も
 統一されているの通常(サッカーなどを指して)である。
 しかし、ベンチに座っている選手のユニホームに
 色こそジャパン・レッドで統一されているものの
 首あたりのステッチに若干の違いがある。
 よく目を凝らすと…
 アディダスにスリクソンとブランドまで違うのだ。
 この辺りが、団体戦を競うデビスカップとはいえ、
 個人での戦いを主にする競技であることを表すのかもしれない。

 そう感心していると…
 ルーマニアは色も柄もスタイルも
 1試合目とは全く異にするユニホームを纏っている。
 いやはや、団体となっても“個人”のスポンサーを尊重する様子こそ
 個人での戦いを主にする競技を端的に表していた。
  

杉山、初戦でストレート負け=シングルスの日本勢敗退-AIGテニス (時事通信) - goo ニュース

見えた世界の先にある“見えない力”~デビスカップ2007(2007年9月23日)その1

2007年09月25日 11時27分35秒 | テニス

 [写真]会場となった大阪・なみはやドーム。
     屋内競技場ではあるが、高い天井に開放感が漂う。

 「お帰りの際、混雑が予想されます。お帰りの切符も…」
 巨大なイベントや競技周辺の公共機関でお馴染みとなっているような
 駅構内アナウンスではあるが、
 少なくとも、ここ門真南駅には集客力のあるイベントも皆無であるような
 日曜日の朝、といった光景だ。
 午前10時30分-。
 デビスカップ2007ワールドグループ プレーオフをホーム、
 そしてここ、大阪の地で開催する時刻が迫っているにもかかわらず
 閑散とした雰囲気には、ただ残念でもあり、怒りでもあり…
 先日、閉幕した世界陸上でも話題となっていたが集客問題だが
 この手の世界的なイベントに対し、
 大阪(勿論、周辺県民も含む)での過度な“無関心”振りは
 今後の開催有無さえも揺るがす重大事だ。
 
 ホームであるからには、
 客席を全て埋めることが義務である。
 自国の選手にとってアドバンテージにならない筈がない。

 だが、
 日頃、心に抱いている責務を全うしようにも限度がある。
 集客の根幹となる選手や競技に魅力を感じてもらわなくては
 声高に発する演説も聞き入れてくれることはない。
 そんなことを心の中で呟きながら
 なみはやドーム内へと歩を進める。
 
 場内の乾燥した空気と共に、
 僅かだが消毒液の混じった匂いを感じてしまう。
 夏期にはプール営業を行う“多目的ドーム”ならではの臭気。
 喉の奥が痛くなるような乾燥ぶりは、
 大阪エヴェッサの試合でも感じる、このドームの数少ない短所でもある。
 この日、第1試合に登場した鈴木貴男が試合中、盛んに咳き込んでいたのは
 自身のコンディションもあったであろうが
 ドーム特有の乾燥が影響しているような気がしてならないのだ。 
 

横浜FC降格危機もイベント検討(日刊スポーツ) - goo ニュース

初夏の靫公園テニスセンター

2005年06月05日 22時22分33秒 | テニス
久しぶりに靫公園テニスセンターへ。
関西の大学生によるトーナメントか。ここを訪れるのは、去年の秋以来か・・・
半年ぶりに書きためていた内容を読み返す。

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 マリア・シャラポワ人気で大いに盛り上がった「AIGジャパンオープンテニス2004」から1週間。「2004世界スーパージュニアテニス選手権大会」開催中の大阪靫テニスセンターに向かう。ここでの観戦は今年4月、74年ぶりの勝利に沸いた男子国別対抗戦デビスカップ「日本−インド」戦以来だ。
 
センターコートでの女子シングルス3回戦。観衆は200人前後か。平日昼間の試合、そして、ビジネス街という立地条件からか、スーツ姿のサラリーマンがやけに目立つ。小気味よいテンポのラリー音という「癒し」というより業務の疲れか。彼らは熱戦をよそに「秋眠」を続ける。再び、コートに目を移す。おや。普段とは見慣れない光景。明らかに「何か」が足りない。目を凝らす。左右エンドライン、ネット、サーブエリア。あ、線審が少ない。左右両サイドに1人ずつ。そして、サーブジャッチ。合計3人だけだ。程なく影響は訪れる。アウトともインとも取れる微妙なショットがライン上へ放たれた。インの判定だ。アウトとセルフジャッジした者には堪らない。審判への抗議か、己の愚かさに対してか。天に向け大声を上げる。次の瞬間、またしても見慣れない光景が目に飛び込んできた。選手自らがボールを拾いにいっているではないか。己の目を疑った。グランドスラムと言われる全英・全米・全豪・全仏ジュニアと同格の「ITF GRADE A」大会で選手が球拾いとは。そして、また何もなかったかのように試合は続けられる。
 
 懸命にボールへと食らいつく彼女らを見て、ふと思った。これは精神力を鍛えるための試練の「ステージ」ではないかということを。心の乱れが、即座に勝敗に結びつく極めてシビアな状況で、彼女らは試されているのだ。試練を乗り越えた者だけが、本当の戦いとなるステージへと進める。そう、同年代のマリア・シャラポワが待つ、あの「夢の舞台」だ。
 試合終了とほぼ同時に、試合中の晴天が嘘のような黒雲が覆い、雨が降り出した。逞しくなった彼女らが舞う姿を想像すると、いつもは気になる銀杏の香りが、やけに心地良かった。西の空は、真っ赤な夕焼け色に染まっていた。
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