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CURVAなひととき

CURVA(クルバ)。イタリア語でカーブ、そしてゴール裏の席。あらゆるスポーツでチケットが安いCURVAから熱気を伝える

セレッソ大阪観戦記録、“落ちない-。”(2010年7月24日)その4

2010年07月26日 23時07分24秒 | サッカー(セレッソ大阪2010)
 
 「仕留める」思いの強さは、この男も持っていたに違いない。清武弘嗣である。香川真二の後継者-。スポーツマスコミから発せられた第一報は、実際にエースが不在となったことでサポーターの期待へと変化していくことになる。リーグ屈指の得点能力を持った者の代役して、だ。ポジションは1トップの後ろと、確かに前任者と同じものである。足下の技術を生かす突破が魅力なのも重複する。しかし、3シャドーとして組み込まれたことで、チームにもたらす攻撃的な化学反応は、「8番」を凌駕する部分も少なくない。それまで、エースを生かすべく構築された1トップ3シャドーという組織が、清武弘嗣が組み込まれたことで連動性という名を以て機能する。ドリブル突破にダイレクトプレーを織り交ぜた攻撃は、スペクタクルなこと、この上ない光景だ。アドリアーノの強引な突破がアクセントとなっていたこれまでの攻撃は、清武弘嗣で変幻さを加えることとなった。香川真二に追いついた、ということではない。香川真二が持ち得ない技能を披露した上で、代役の看板を外したかった。それだけに、勝負強さを見せつける得点は、何よりも必要であった。乾貴士が思いを「満たした」ことも後押しになったのかもしれない。家長昭博の縦パスに鋭く反応し、胸トラップ後に左足から放たれた放物線。「8番」の忘却、である。

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セレッソ大阪観戦記録、“落ちない-。”(2010年7月24日)その3

2010年07月26日 22時02分24秒 | サッカー(セレッソ大阪2010)

 カウンターに勝機を見出す戦法に出た山形。そして、対照的に攻め続けたセレッソの構図、である。山形の体力温存策は、前半を無失点で終えたことで問題なし、と言える。ただ、手応えを感じていたのは、攻めあぐねているはずのセレッソだったかもしれない。相手が得点を狙いに来たなら……。中央を固めた山形ディフェンスが、アドリアーノのフリーランニングによってサイドに引っ張られた瞬間だった。家長昭博からのスルーパスが発せられた時点で、ブラジル人の点取屋は得点をイメージしたに違いない。軽いステップからキーパーの股間を狙ったシュートで先制点を奪うことになる。試合開始早々に訪れた決定機を逸した「気持ち悪い状況」を打破する意味でも大きい得点であった。
 気持ち悪い状況、といえば、この男も例外ではないだろう。前半から再三にわたって際どいシュートを放ち続けた乾貴士である。ゴールを奪う位置にいながら、今シーズン未だ無得点のテクニシャンにとって、フラストレーションが爆発するのは時間の問題だった。微妙な判定に苛立ちを隠せず、警告を受ける“小爆発”は、心の噴火が近いと思わせのに十分であった。「怒りの力」ではないだろうが、爆発は別の形で発生することになる。中央からのミドルシュートは、これまでの負の思いを振り払うような強烈なものとなってゴールに突き刺さる。思えば、ガンバとの大阪ダービーでの不運がこの男の得点を奪うリズムを狂わせたのではなかろうか。あの勝ち越しゴールとなるはずだった、ループでの芸術的なシュートが外れた瞬間、である。量産体制へのきっかけとなるべきシーンが、得点を生む苦しみの始まりだったことは何とも皮肉である。昨季、100得点の原動力となった男の目覚めに要した期間は、乾貴士の苦悩とシンクロする。守るべき家族が増えた責任感。加えて、エースがドイツへと旅立った後、チームの顔としての重圧。得点という目に見える結果に飢えていた。何よりも得点、という強烈な思いは誰よりも強かっただろう。

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セレッソ大阪観戦記録、“落ちない-。”(2010年7月24日)その2

2010年07月25日 21時40分08秒 | サッカー(セレッソ大阪2010)

 日本サッカー協会によるトップの新人事によって、Jリーグの秋春制への移行は実現から遠ざかった。とはいえ、猛暑の7月に試合を行うことが、試合内容や質を落とすことは否定できないだろう。キックオフ30分前、長居公園脇の温度計は34度を表示していた。太陽が次第に西へと傾くことで、気温の低下は進むだろうが、昼間に蓄積された熱気は、簡単には解消されないだろう。勝利するために、「走ること」が重要であることは間違いない。しかし、猛暑による疲弊を最小限に留めることもまた、勝利には必要になってくる。動くべきか-。それとも、動かぬべきか-。指揮官の選択はどちらかだ。
 そんな仮定を立てていたからだろうか、山形が試合序盤から「動かない」ことを選択したことも想定内であった。セレッソ・ボールとなれば、フィールドプレーヤー全員が自陣に入り、ゾーンでの防御を試みる。ただ、山形にとっては想定内だったゾーンによるディフェンス策も、セレッソの中盤から頻繁にポジションチェンジを繰り返すことで綻びが出る。掴まえきれない中で、パスコースを塞ごうにも家長昭博から乾貴士、そして清武弘嗣がダイレクトパスで繋ぐ。混乱が混乱を生む山形の悪循環は、「要注意人物」であるはずのアドリアーノへのマークが甘くなることとなった。試合序盤は、「動くこと」を選択したセレッソが、完全に支配するものとなった。

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セレッソ大阪観戦記録、“落ちない-。”(2010年7月24日)その1

2010年07月25日 00時39分16秒 | サッカー(セレッソ大阪2010)

 ワールドカップによる中断後の初戦だ。待ちに待った一戦とも言える。南アフリカでの日本代表の活躍は、Jリーグにも好影響を与えているのではないだろうか。その証拠に、セレッソでも、対戦相手となる山形でもないユニホームを纏う観客の多さだ。中でも「HONDA」とプリントされた、日本代表のレプリカユニフォームがいたる場所に見られた。現地で、そしてテレビで、日本代表というフィルターを介しながら、サッカーの魅力に取り憑かれた者の存在。確実にサッカーという競技の裾野が、広がってきている。そう感じた。

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セレッソ大阪観戦記録、“落ちない-。”(2010年7月17日)

2010年07月20日 23時53分58秒 | サッカー(セレッソ大阪2010)

 キツイ-。キツイに決まっている。中断明けで中2日での試合だ。体力的に厳しいことは間違いない。加えて、敵地での開催となれば移動の苦痛も増す。灼熱もとなれば3重苦どころの話では済まないかもしれない。故に新潟戦での勝ち点1は、十分評価できる産物となる。もしかすると、指揮官にとって7月の戦いは、“最悪”な結果も想定していたかもしれない。相手は上位を争う広島と好調を維持する新潟だ。エースの離脱で試行状態の中、出来すぎとも思える結果で長居へと戻る。

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セレッソ大阪観戦記録、“落ちない-。”(2010年7月14日)その2

2010年07月15日 22時59分52秒 | サッカー(セレッソ大阪2010)

 後出しジャンケンのようで何とも歯切れが悪くなってしまうが、香川真二を失ったとしても影響は大きくない、という考えはあった。香川真二の実力に疑問を持っていたわけではない。むしろ、存在自体がセレッソの誇りであった。彼の不在は、貴重なる得点源が無となるチームとしての損失を生み、「8番」を継承する者が不在となることでサポーターの精神的なダメージは計り知れない。だが、いささか依存度が高い、とも考えられなくもなかった。決定的な仕事を積み重ねた今季、偉大な8番の存在は大きくなる一方であった。夏の移籍が濃厚だった状況で、チームとしてエースの穴を埋める作業は急務-。広島戦での爆発は、そんな選手の危機感がもたらしたものではないだろうか。飛び抜けた才能は、いない。即興性に富んだコンビプレイは見られない。それでも、「香川過多」であった攻撃スタイルは変化が必然だ。攻撃だけを見ると失ったものは小さくない。それでも、若いセレッソにあって、新たな化学反応という可能性は急激に高まった。より、魅力的なチームとして……。

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セレッソ大阪観戦記録、“落ちない-。”(2010年7月14日再開を前に)

2010年07月13日 21時17分04秒 | サッカー(セレッソ大阪2010)

 まさに、リスタートという言葉が相応しい。セレッソにとって、ワールドカップによる中断は、チームの再構築期間でもあった。背番号8を引き継いだ偉大なるエースは、既にドイツの地へと降り立っている。勝負強く得点感覚に優れた日本を代表するドリブラーを欠くことで、戦術変更も考えられなくもない。1トップ、2シャドーという形は、香川真司と乾貴士のコンビプレーを最大限生かすためのものであった。エースの移籍は、得点源とチームの特徴をも失うことになる。メンバーの大幅変更で、Jリーグ開幕から続いた試行錯誤をも越える難題が待ちかまえていることは間違いない。いずれにせよ、当面は香川真司の代役を模索する戦いとなりそうだ。苦戦必死の状況に耐えることを含めて……。

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「キンチョウスタジアム」、ブロガー内覧会の報告(2010年7月3日)その3

2010年07月06日 22時38分04秒 | サッカー(セレッソ大阪2010)

 普段は報道関係者でなければ入ることが許されない場所も。冷房完備で快適だ。スタンド最上部に位置しながら、急傾斜だからかピッチからの距離は感じない。やはり、上部スタンドがこのスタジアムの「勝ち席」ということになろう。普段は入ることができない、といえばこの場所も該当だろう。「実況室」も複数設置されている。「スカパー!」中継も問題ないだろう。そういえば、ホーム開催時における場内のFM中継の存続は、アンテナ移設工事が必要とのことで、この時点では継続未決とのことであった。

 

 「臨場感と一体感」-。陸上トラックがある巨大なスタジアムから、小規模とも思える球技専用スタジアムへの移行は、「サッカーを観る」という点においては満足度を増すことなるだろう。スタンドの殆どが屋根で覆われていた長居スタジアムと違って、メインスタンド以外は風雨との戦いとなることは覚悟する必要がある。築30数年が経過し、いささか脆弱とも思われる施設にも不安が無い、ということもない。ただ、不足が予想されるトイレは仮を含め増設し、既存のトイレも女性に優しい場所へとリニューアルされるとのことだ。しかし、そんなマイナス要素を補う迫力ある試合を体感できることは間違いなさそうだ。文字通り、選手との距離が縮まることとなる「キンチョウスタジアム」で新たなセレッソの歴史がスタートする。
 
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「キンチョウスタジアム」、ブロガー内覧会の報告(2010年7月3日)その2

2010年07月05日 23時33分50秒 | サッカー(セレッソ大阪2010)

 メインスタジアムに移動する。ここは幾分、「勝手知ったる」場所と言っていいのかもしれない。過去に幾度もアメリカンフットボール観戦で経験しているからだ。バックスタンドとともに、座席が一新されている以外は変わった部分は存在しない。南側に墓場があることをこの内覧会で知った人もいたようだが……

 

 傾斜のあるメインスタンドは、ピッチ全体を見下ろす、という表現にぴったりだ。ただ、スタンド入口上や通路付近の座席は、死角が多々あることから「死席」として販売されないこととなっているそうだ。

 

 メインスタジアム最上部付近。上部の屋根を支える柱によって生じる死角で、柱より後列は「死席」となってしまう。スタンド端でも、十分ピッチを見渡せる構造だけに、30数年前の設計時に対応できなかったことが悔やまれる。ただ、柱付近での観戦は雨に濡れないメリットも含め、ピッチを俯瞰するには「勝ち席」であることは間違いない。

 (メインスタンド側番外編とブロガー内覧会の総括は次回)
 
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「キンチョウスタジアム」、ブロガー内覧会の報告(2010年7月3日)その1

2010年07月04日 22時05分32秒 | サッカー(セレッソ大阪2010)

 セレッソ大阪の新スタジアム-。
 「えっ?あの梅田の?」。気の早いサッカーファンは目を輝かせながら逆に質問してきた。2022年のワールドカップが日本開催と決定していないのに、である。「いえいえ、最寄り駅は一緒なんですよ」の回答にはひどくがっかりしているようであった。新しいホームは、長居スタジアムのすぐ隣なのだから-。『ブロガー内覧会』ということで、報道陣の後に公開されたブログ作成者限定でのお披露目会ともいえる催しを報告する。なお、スタジアム内部を紹介の前に、セレッソ大阪広報から説明のあった部分は割愛させていただく。セレッソ大阪へ愛を込めて「新ホーム」に提言した内容は、他のブロガー諸氏が的確に、そして大きな熱意を込めて記載するだろうということを考えての結論であることを付け加えておきたい。ここではスタジアム内部の状況を伝えることに留めたいと思う。

 

 セレッソ大阪の新しいホームとなる「キンチョウスタジアム(旧:長居球技場)」。ネーミングライツパートナーは、蚊取り線香で有名な大日本除虫菊株式会社。一度はお世話になった、という人も多いはずだ。名称も勿論だが、スタジアムの一番の変化は他の部分にある。人工芝から天然芝へ-。アメリカンフットボールやホッケーの開催が多かった場所でJリーグの公式戦を開催する。高機能の人工芝が増えているとはいえ、「天然芝」への変更は不可欠である。スタジアムの要ともいえる部分は、しかし写真の通り養生中、だ。パネル状に貼り付けられた様子がわかる。とはいえ、8月8日の「本番」までは1ヶ月強の期間だ。芝生の根付きは問題なさそうである。

 

 ラグビーやアメリカンフットボールのゴールポストの設置場所も。サッカー以外の競技についても開催も可能だ。

 

 バックスタンドは屋根無し、となる。内覧会途中に豪雨となったことで、今更ながら長居スタジアムの大屋根の威力を思い出してしまった。階段状の座席や通路は滝のような状況であった。雨量にもよるが、今後の「観戦対策」は必要である。

 

 「クルバ観戦」の聖地となるゴール裏。一部のスポーツ紙で、ピッチとの境界が不安視されているようである。サポーターのピッチへの乱入は止められるのか、ということらしい。セレッソサポーターに「悪人」は存在しないというクラブの説明ではあったが……。電光掲示板も悪人避け対策として立派に機能するとの付け加えもあった。果たして……

 (メインスタンド側の報告は次回)

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