2019年5月1日、2泊3日の旅行の2日目、この日が旅行のメインです。
朝食も摂りおえまして、朝8時半、いよいよ足立美術館へ!
ガイドさんの勧めに従い開館の30分前に入り口前へ到着しましたが……なんですのん、この行列は???

え、いや、だって、7時12分にはこうだったじゃん?

30分前でこの行列とは、さすがは足立美術館。
ガイドさん、ほんとありがとうございます。
ところで、なんと列が動いています。
どうもすでに入館を開始しているようですね。微妙に雨がぱらついていたので、助かります。
8時37分、無事にチケットを購入。
(写っていないですが左手がチケット売り場です。左奥に写っているのが入場口)

さあ、いよいよです。
足立美術館について一応説明しておきますと、1970年に実業家の足立全康氏がオープンさせた美術館です。
キーワードは「庭園もまた一幅の絵画である」。
5万坪の日本庭園を有しており、アメリカの雑誌が行っている日本の庭園ランキングでは2003年以降ずっと一位です。
出雲大社とならんで島根観光の代表格となっています。
ちなみにチケット代は1人2,300円です。2年間有効なパスポートが6,000円で販売されていますが、さすがにもう2回来る自信が無かったので自重しました。
友人Aとは、「お互い好きなペースで見て、終わったら待機」と取り決めたので、あとは好きに過ごしましょう。
入場すると、少しして早速お庭が見える場所が。

おお、これだけでなんと美しい。
廊下の窓からの風景だけでこれですか……。
と、庭師さんが作業をされていました。ひょっとして、ちょっと珍しい光景?

当然ながら、今までそこで作業されていた形跡などは残っていない。

手前のこんもりとした山と、奥の本物の山。

建物もあるんですね(鑑賞用であり、立ち入りは出来ません。なので、「写真を撮りたいけど人がいる」ということがない)

さて、ここで一時的にお庭が見えなくなります。
漆芸コーナー。
なお足立美術館はお庭以外の写真撮影は禁止です。
尾形光琳の蒔絵があったり。
あと高台寺(おねのお寺)蒔絵硯箱があって、当然のように豊臣の家紋があしらわれていました。
どれだったかは忘れましたが、螺鈿も見た気がします。
ふたたびお庭エリア。秋にはさぞや紅葉が美しいのでしょう。
ちなみに飛び石が設けられていますが、立ち入り出来ません。

人工的な流れも作ってあります。

足立氏の像。右のレリーフ、毎年「○年連続」の部分を更新する必要が出るのではめ込み式なんですね。

となりにある像。これは……音声ガイド(500円)をお借りするべきだったかな?

さあ、お次はもっとも有名な、枯山水庭を眺めるスポットです。
実際、そこそこ人が溜まってしまうポイントでもありますが、それも仕方ないと思えるだけの眺めです。


奥に見える山は敷地外の本物の山で、見事に借景することで広い空間を演出しています。
ちょうど天気が悪く山に雲がかかっていることもあって、なおさら境界が曖昧になったのも良かったですね。
これは確かにお金を払うだけの価値があります。
このあと童画コーナー(見た中では、林義雄さんの作品が好み)を経て、有名どころの1つ、「生の額絵」です。

私は窓に寄りすぎているのでただの風景写真になってしまいましたが、もう少し離れて見ると、実際の景色を絵に見立てた様子が分かります。
ちなみに額絵から左側部分を覗き込むと、こんな感じ。
主題が正面なので、すこしものが少なくなりますね。

なお額絵から見えるポイントは、滝です。

美術館オープンの8年後に作った人工的な滝だそうです。
実業家ってすごい。

お次、池庭。

これまた景観用の家があります。
やっぱり枯山水もよいですが、水がある風景もよいですね。
この光景に背を向けますと、また見所があります。
「生の掛軸」です。

向こう側が見えるようになっていて、先ほどの「生の額絵」と同様、実際の風景を美術作品としています。
逆光にならないようなんとか撮った写真がこちら。

……人が写ってしまうのは、順路の設定上しかたないです。
ちなみにこれを眺めるためのベンチが置いてあります。混雑するのでさっさと明け渡すべきですが、池庭と至近距離なので、案外人が団子になりにくいです。
(ベンチに座って反対側の写真)

同じく「生の掛軸」。


さて、では掛け軸から見えていた景色を拝みに行きましょう。
……なるほど、これは立ち止まってしまうのも分かります。

少しずつ重ねながら写真を撮ったら、パノラマ写真が自動生成されました。

なるべく掛け軸のライン上に立ち止まらないよう気をつけつつ、これは見入ってしまいますね。
さて、このあとしばらくはお庭ではなく美術品の鑑賞ですので写真がありません。
本館2階、近代日本画、そして横山大観特別展示室です。
竹内栖鳳「瀑布」
確かモノクロだったかと思いますが、シンプルながら力強さがありました。
山元春挙「奥山の春図」
私としては水の表現が好きでした。あたたかい印象を受けた。
横山大観「龍興而致雲」
圧巻の水墨画でした。
……お、菱田春草! 春草さんじゃないか!!
(ちょうどアニメ『明治東京恋伽』を見ていた)
菱田春草「春宵」
空の淡さと密度感が好みでした。
竹内栖鳳「魚肥山果熟」
鯖がうまそう。
山元春挙「瑞祥」
圧巻の大双でした。
横山大観「神国日本」
圧倒的な力を感じる作品でした。富士山の雪が内部分が空と一体の深い色で輪郭をぼやかされてます。
たっかそうな顔料を使ってそうな。(国が国威発揚のために依頼したんだとか)
さて、本館2階を見終わりましたが……う~ん。
実は昼食は、足立美術館内にあるレストランで摂ろうと思っていたんですよね。
たぶん混雑もあって11時くらいに見終わるだろうと見込んでいたのですが……現時点で9時22分。あまりにも早い。
どれ、レストランは通過して、残りを先に見てしまいましょう。
木彫コーナー(レストラン至近)
平櫛田中「維摩一黙」
木像でしょうか、眼力がすごい。
なお、次は新館に移動するのですが……なんと今まで通ったコースを完全に逆走する必要があります。
再び童画コーナーや漆芸コーナーなどを経て、入場口付近へ。
さっきよりもちょっと混んでますね。
まあ時間が経つにつれて団体客も到着するでしょうから、当然でしょうか。
本館最後、入場口付近にある陶芸館を見ます。
焼き物は織部が好き、くらいの漠然としたものなので輪をかけて善し悪しが分かりませんが。
北大路魯山人「志埜台鉢」
笹の後ろ側が燃えているかのような鮮やかな赤です。
さあ、新館へ。
道路を挟んで反対側の建物ですが、地下通路を通っていくので外には出ません。
新館はお庭なしですので、同じく写真はありません。
倉島重友「いとなみ」
人気の大きな赤いタープ(?)が画面の上6割を占めており、目に非常に印象的。
西田俊英「双眼の色」
暗めな画面の中で、中央の顔、そして何より目が引きつけます。
小田野尚之「径」
全面の緑と中央にある肌色の橋。ちょっとイラストチックな印象も受けます。
清水操「夏の日」
……南の島でこんな過ごし方をしてみたい。
宮廻正明「回帰線」
松江のお祭り、ホーランエンヤを描いたもの。なんか好き。
松村公嗣「どんど」
印象が速水御舟「炎舞」に似ている。目を引きます。
西田俊英「コロポックルの月」
コロポックルの高さから描いた月夜。
さて、すっかり友人Aを待たせてしまったようです。(20~30分くらい?)
レストランである喫茶室「大観」の前へ。
10時ぐらいでしたが、なんともう待ちが発生していました。
いや、厳密には、入るだけなら入れるんですが。
この「大観」、前掲の池庭に面しておりまして、つまりは窓側の席が人気です。
通路側のテーブルはどうしても人気が落ちるため、空いていたりします。
まだまだ時間に余裕もありますので、ここは待つことにしました。
ただ、実際には大して待ちませんでしたね。
ちょっと電波が悪かったので待ち時間に難儀しましたが、それでもあまり待った気がしないので、15分とか、MAXでも30分はいっていないですね。
メニュー。

昼食ということで(たとえ今が10時半で、朝食から3時間しか経過していなかろうとも)
島根和牛を使用しているというビーフカレーをいただきます。
ちなみにお席は一番奥の窓側。

携帯の電波がか細く、囲碁クエスト(スマホアプリ)で対局していた友人Aは対局を諦めざるを得ませんでした。
まあ、建物的にも端っこですしね。。。
そしてカレーはものの数分で出てきました。
は、早いですね!(脳内で想像される松屋スタイル)

思ったよりちゃんと肉が入っています。

カレーは、好みの問題もあるでしょうけど、呉阪急ホテルで食べた海軍カレー(私史上1位)を越えるほどではなかったですが、とはいえおいしかったです。
食後の紅茶。(紅茶が飲みたいネー、と条件反射で言いたくなりますね。)

席に着いてから食事が終わるまで、なんだかんだ30分以上経ってますね。
さて、足立美術館からもそろそろ撤収しましょうか。
出口は新館側なので、ふたたび地下通路を通ります。

総滞在時間は2時間半強、食事を除けば、2時間ほどでしょうか。
私の場合は、ブログ用に気になった作品の一言感想をメモしながら回ったので余分に時間がかかっています。
入館料は2,300円と高額ですが、なるほど、一見の価値ありですね。
さあ、次は本日のメインディッシュその2、月山富田城へと向かいます。
続く。
朝食も摂りおえまして、朝8時半、いよいよ足立美術館へ!
ガイドさんの勧めに従い開館の30分前に入り口前へ到着しましたが……なんですのん、この行列は???

え、いや、だって、7時12分にはこうだったじゃん?

30分前でこの行列とは、さすがは足立美術館。
ガイドさん、ほんとありがとうございます。
ところで、なんと列が動いています。
どうもすでに入館を開始しているようですね。微妙に雨がぱらついていたので、助かります。
8時37分、無事にチケットを購入。
(写っていないですが左手がチケット売り場です。左奥に写っているのが入場口)

さあ、いよいよです。
足立美術館について一応説明しておきますと、1970年に実業家の足立全康氏がオープンさせた美術館です。
キーワードは「庭園もまた一幅の絵画である」。
5万坪の日本庭園を有しており、アメリカの雑誌が行っている日本の庭園ランキングでは2003年以降ずっと一位です。
出雲大社とならんで島根観光の代表格となっています。
ちなみにチケット代は1人2,300円です。2年間有効なパスポートが6,000円で販売されていますが、さすがにもう2回来る自信が無かったので自重しました。
友人Aとは、「お互い好きなペースで見て、終わったら待機」と取り決めたので、あとは好きに過ごしましょう。
入場すると、少しして早速お庭が見える場所が。

おお、これだけでなんと美しい。
廊下の窓からの風景だけでこれですか……。
と、庭師さんが作業をされていました。ひょっとして、ちょっと珍しい光景?

当然ながら、今までそこで作業されていた形跡などは残っていない。

手前のこんもりとした山と、奥の本物の山。

建物もあるんですね(鑑賞用であり、立ち入りは出来ません。なので、「写真を撮りたいけど人がいる」ということがない)

さて、ここで一時的にお庭が見えなくなります。
漆芸コーナー。
なお足立美術館はお庭以外の写真撮影は禁止です。
尾形光琳の蒔絵があったり。
あと高台寺(おねのお寺)蒔絵硯箱があって、当然のように豊臣の家紋があしらわれていました。
どれだったかは忘れましたが、螺鈿も見た気がします。
ふたたびお庭エリア。秋にはさぞや紅葉が美しいのでしょう。
ちなみに飛び石が設けられていますが、立ち入り出来ません。

人工的な流れも作ってあります。

足立氏の像。右のレリーフ、毎年「○年連続」の部分を更新する必要が出るのではめ込み式なんですね。

となりにある像。これは……音声ガイド(500円)をお借りするべきだったかな?

さあ、お次はもっとも有名な、枯山水庭を眺めるスポットです。
実際、そこそこ人が溜まってしまうポイントでもありますが、それも仕方ないと思えるだけの眺めです。


奥に見える山は敷地外の本物の山で、見事に借景することで広い空間を演出しています。
ちょうど天気が悪く山に雲がかかっていることもあって、なおさら境界が曖昧になったのも良かったですね。
これは確かにお金を払うだけの価値があります。
このあと童画コーナー(見た中では、林義雄さんの作品が好み)を経て、有名どころの1つ、「生の額絵」です。

私は窓に寄りすぎているのでただの風景写真になってしまいましたが、もう少し離れて見ると、実際の景色を絵に見立てた様子が分かります。
ちなみに額絵から左側部分を覗き込むと、こんな感じ。
主題が正面なので、すこしものが少なくなりますね。

なお額絵から見えるポイントは、滝です。

美術館オープンの8年後に作った人工的な滝だそうです。
実業家ってすごい。

お次、池庭。

これまた景観用の家があります。
やっぱり枯山水もよいですが、水がある風景もよいですね。
この光景に背を向けますと、また見所があります。
「生の掛軸」です。

向こう側が見えるようになっていて、先ほどの「生の額絵」と同様、実際の風景を美術作品としています。
逆光にならないようなんとか撮った写真がこちら。

……人が写ってしまうのは、順路の設定上しかたないです。
ちなみにこれを眺めるためのベンチが置いてあります。混雑するのでさっさと明け渡すべきですが、池庭と至近距離なので、案外人が団子になりにくいです。
(ベンチに座って反対側の写真)

同じく「生の掛軸」。


さて、では掛け軸から見えていた景色を拝みに行きましょう。
……なるほど、これは立ち止まってしまうのも分かります。

少しずつ重ねながら写真を撮ったら、パノラマ写真が自動生成されました。

なるべく掛け軸のライン上に立ち止まらないよう気をつけつつ、これは見入ってしまいますね。
さて、このあとしばらくはお庭ではなく美術品の鑑賞ですので写真がありません。
本館2階、近代日本画、そして横山大観特別展示室です。
竹内栖鳳「瀑布」
確かモノクロだったかと思いますが、シンプルながら力強さがありました。
山元春挙「奥山の春図」
私としては水の表現が好きでした。あたたかい印象を受けた。
横山大観「龍興而致雲」
圧巻の水墨画でした。
……お、菱田春草! 春草さんじゃないか!!
(ちょうどアニメ『明治東京恋伽』を見ていた)
菱田春草「春宵」
空の淡さと密度感が好みでした。
竹内栖鳳「魚肥山果熟」
鯖がうまそう。
山元春挙「瑞祥」
圧巻の大双でした。
横山大観「神国日本」
圧倒的な力を感じる作品でした。富士山の雪が内部分が空と一体の深い色で輪郭をぼやかされてます。
たっかそうな顔料を使ってそうな。(国が国威発揚のために依頼したんだとか)
さて、本館2階を見終わりましたが……う~ん。
実は昼食は、足立美術館内にあるレストランで摂ろうと思っていたんですよね。
たぶん混雑もあって11時くらいに見終わるだろうと見込んでいたのですが……現時点で9時22分。あまりにも早い。
どれ、レストランは通過して、残りを先に見てしまいましょう。
木彫コーナー(レストラン至近)
平櫛田中「維摩一黙」
木像でしょうか、眼力がすごい。
なお、次は新館に移動するのですが……なんと今まで通ったコースを完全に逆走する必要があります。
再び童画コーナーや漆芸コーナーなどを経て、入場口付近へ。
さっきよりもちょっと混んでますね。
まあ時間が経つにつれて団体客も到着するでしょうから、当然でしょうか。
本館最後、入場口付近にある陶芸館を見ます。
焼き物は織部が好き、くらいの漠然としたものなので輪をかけて善し悪しが分かりませんが。
北大路魯山人「志埜台鉢」
笹の後ろ側が燃えているかのような鮮やかな赤です。
さあ、新館へ。
道路を挟んで反対側の建物ですが、地下通路を通っていくので外には出ません。
新館はお庭なしですので、同じく写真はありません。
倉島重友「いとなみ」
人気の大きな赤いタープ(?)が画面の上6割を占めており、目に非常に印象的。
西田俊英「双眼の色」
暗めな画面の中で、中央の顔、そして何より目が引きつけます。
小田野尚之「径」
全面の緑と中央にある肌色の橋。ちょっとイラストチックな印象も受けます。
清水操「夏の日」
……南の島でこんな過ごし方をしてみたい。
宮廻正明「回帰線」
松江のお祭り、ホーランエンヤを描いたもの。なんか好き。
松村公嗣「どんど」
印象が速水御舟「炎舞」に似ている。目を引きます。
西田俊英「コロポックルの月」
コロポックルの高さから描いた月夜。
さて、すっかり友人Aを待たせてしまったようです。(20~30分くらい?)
レストランである喫茶室「大観」の前へ。
10時ぐらいでしたが、なんともう待ちが発生していました。
いや、厳密には、入るだけなら入れるんですが。
この「大観」、前掲の池庭に面しておりまして、つまりは窓側の席が人気です。
通路側のテーブルはどうしても人気が落ちるため、空いていたりします。
まだまだ時間に余裕もありますので、ここは待つことにしました。
ただ、実際には大して待ちませんでしたね。
ちょっと電波が悪かったので待ち時間に難儀しましたが、それでもあまり待った気がしないので、15分とか、MAXでも30分はいっていないですね。
メニュー。

昼食ということで(たとえ今が10時半で、朝食から3時間しか経過していなかろうとも)
島根和牛を使用しているというビーフカレーをいただきます。
ちなみにお席は一番奥の窓側。

携帯の電波がか細く、囲碁クエスト(スマホアプリ)で対局していた友人Aは対局を諦めざるを得ませんでした。
まあ、建物的にも端っこですしね。。。
そしてカレーはものの数分で出てきました。
は、早いですね!(脳内で想像される松屋スタイル)

思ったよりちゃんと肉が入っています。

カレーは、好みの問題もあるでしょうけど、呉阪急ホテルで食べた海軍カレー(私史上1位)を越えるほどではなかったですが、とはいえおいしかったです。
食後の紅茶。(紅茶が飲みたいネー、と条件反射で言いたくなりますね。)

席に着いてから食事が終わるまで、なんだかんだ30分以上経ってますね。
さて、足立美術館からもそろそろ撤収しましょうか。
出口は新館側なので、ふたたび地下通路を通ります。

総滞在時間は2時間半強、食事を除けば、2時間ほどでしょうか。
私の場合は、ブログ用に気になった作品の一言感想をメモしながら回ったので余分に時間がかかっています。
入館料は2,300円と高額ですが、なるほど、一見の価値ありですね。
さあ、次は本日のメインディッシュその2、月山富田城へと向かいます。
続く。
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