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ごゆるりと。

『盟三五大切』 6/14 13:30~

2011-06-16 16:21:40 | 演劇+新感線+歌舞伎
改修前最後のコクーン歌舞伎。
見てきました。

盟三五大切、孤独な物語です。
正直言って、とても暗い話です。
本当に人が沢山死にます、その全てが殺されます。
とても苦しい場面が続きますが、可笑しみのあるシーンも多数。
抽象画のような淡い色彩の大道具に、生々しい孤独と殺しのシーンがくっきりと展開されます。

小万殺しのシーンは、以前見た時はなまめかしさや美しさを感じましたが、今回はただただ壮絶で、目を背けたくなるほどです。
五人殺しの場面は、本当の殺人現場を見ているような感覚でゾッとしました。
こんな怖い話、現代演劇だとなかなかないよなぁ…
首の前で食事をするシーンは、源五郎に複雑な感情があると思っていましたが、今回見て、実はとても単純なものじゃないかと感じました。
南北先生の描写は凄すぎる。こええよアンタ(笑)
源五郎の激情と狂気の果ての無が、心に残りました。
本当に、あのラストシーンはたまらなかった…

忠臣蔵と四谷怪談との関連も面白く、小万殺しの場面で、赤ん坊を抱いた源五郎と小万のシーンはまるで伊右衛門とお岩のようでした。
あと、やっぱり串田さんの演出は好きだなと思いました。

赤ん坊をあやす勘太郎、中村屋の浴衣でカテコに立つ姿も良かったです。
ワルい顔もなかなか(笑)
菊之助丈も素敵だったわぁ!
冒頭の舟遊びの場面で、団扇で扇ぐ姿は浮世絵そのものでした。
あの、子供を守ろうとする仕草が…(;_;)

ラストシーンを未だに思い出してしまいます。
未来までをも斬ってしまった絶望、永久にそこに入っていくことのできない孤独。