産業革命が起こって初めてこういう楽器が作れるようになったんですね。何枚も木の板が、6枚ぐらいかな、重なっているのを強い力でこういう形に、半年ぐらいかけてね、型にはめる。あるいは弦も、このストリングスも、全部合わせると何トンという力が加わっているらしいんですね。
元々自然にある物質を、人間の工業力とか、文明の力で、自然を鋳型にはめる。音も調律が狂ってくる。人間は狂うって言いますけれども、全然狂ってるんじゃなくて、自然のこの物質たちは、元の素材に戻ろうって必死になってもがいてるわけですよね。
津波ってのは一瞬にバンッっと来て、自然に一種戻したというふうに思ってるわけですね。今僕は自然が調律してくれた津波ピアノの音がとってもよく感じるんですよ。
ってことでやっぱりピアノ的なもの、人間が無理やり自分の幻想に基づいて調律した、いわば不自然な、つまり人間的には自然だけれども、自然から見ればとても不自然な状態に対する強い嫌悪感というのかな、僕はあると思うんですよ。僕の中には。
(前略)目の前で、毎日見ていたツインタワーが燃えてるわけですよ。燃えているタワーの手前に、飛んでる鳥が写ってた。鳥は何も知らずなのか、何か危機感を感じてなのかわかりませんけれども、自然と人工物の対比が興味深いなと思って、鳥はどう思ってあっちに飛んでってるんだろうと思って。
頭から音楽とか、音が消えたんですね。1週間ぐらいしてユニオンスクエアに行ってみたら若い子がギターでYesterdayを弾いてるわけですよね。それが初めて9.11後聞いた音楽で。それを聞いたときに、自分もその7日間音楽を聴いてなかったことをもう忘れてたんです。こんなに毎日音楽に囲まれて生きてきたのに、音楽を聴いてないっていうことさえ忘れていると。だから人々も音楽を控えちゃう、自然に。音楽や文化っていうのは平和じゃないとできない。
アフリカって広大なのに、基本になるリズムは一つなんです。それが不思議なんですけど。どうやって伝播したのか。セクソダスっていって、アフリカを出たときは、一説によると30人ぐらいの家族だったそうですね。それが僕らの先祖。全員アフリカ人ですよ。だから人種なんて言葉は本当はないわけですよね。当然その30人ぐらいの1家族は1つの言語、1種類の音楽だったわけです。1種類の神話。そこから始まってるわけですから。どういうサウンドだったんだろう、どういう音楽だったんだろう、何を歌ってたんだろう、最初の僕らの言語っていうのはどういうものだったんだろう、っていうのはものすごく知りたいですよね。
元々自然にある物質を、人間の工業力とか、文明の力で、自然を鋳型にはめる。音も調律が狂ってくる。人間は狂うって言いますけれども、全然狂ってるんじゃなくて、自然のこの物質たちは、元の素材に戻ろうって必死になってもがいてるわけですよね。
津波ってのは一瞬にバンッっと来て、自然に一種戻したというふうに思ってるわけですね。今僕は自然が調律してくれた津波ピアノの音がとってもよく感じるんですよ。
ってことでやっぱりピアノ的なもの、人間が無理やり自分の幻想に基づいて調律した、いわば不自然な、つまり人間的には自然だけれども、自然から見ればとても不自然な状態に対する強い嫌悪感というのかな、僕はあると思うんですよ。僕の中には。
(前略)目の前で、毎日見ていたツインタワーが燃えてるわけですよ。燃えているタワーの手前に、飛んでる鳥が写ってた。鳥は何も知らずなのか、何か危機感を感じてなのかわかりませんけれども、自然と人工物の対比が興味深いなと思って、鳥はどう思ってあっちに飛んでってるんだろうと思って。
頭から音楽とか、音が消えたんですね。1週間ぐらいしてユニオンスクエアに行ってみたら若い子がギターでYesterdayを弾いてるわけですよね。それが初めて9.11後聞いた音楽で。それを聞いたときに、自分もその7日間音楽を聴いてなかったことをもう忘れてたんです。こんなに毎日音楽に囲まれて生きてきたのに、音楽を聴いてないっていうことさえ忘れていると。だから人々も音楽を控えちゃう、自然に。音楽や文化っていうのは平和じゃないとできない。
アフリカって広大なのに、基本になるリズムは一つなんです。それが不思議なんですけど。どうやって伝播したのか。セクソダスっていって、アフリカを出たときは、一説によると30人ぐらいの家族だったそうですね。それが僕らの先祖。全員アフリカ人ですよ。だから人種なんて言葉は本当はないわけですよね。当然その30人ぐらいの1家族は1つの言語、1種類の音楽だったわけです。1種類の神話。そこから始まってるわけですから。どういうサウンドだったんだろう、どういう音楽だったんだろう、何を歌ってたんだろう、最初の僕らの言語っていうのはどういうものだったんだろう、っていうのはものすごく知りたいですよね。