ごくまれ日記

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「西郷どん」第37話

2018-10-16 04:10:07 | 映画・ドラマ
天璋院「思えば、我らが人生の転変は、慶喜殿で始まったのじゃ」
西郷「はい」
(中略)
天璋院「父斉彬公は、天よりこのありさまをどのように見ておられるであろう? 我らは、慶喜殿を将軍にと働いておったのに、今ではともになきものにしようとしている」
西郷「まっこて、時の移り変わりとは、非情なものでございもすな」
天璋院「しかしながら、この始末は自らつけねばならぬ。慶喜殿が死して後、私も、自害する覚悟じゃ」
西郷「天璋院様…」
天璋院「西郷、最後の頼みじゃ。私と、慶喜殿の命は差し出すゆえ、どうか、徳川家だけは救ってほしい!」
西郷「そこまで天璋院様を追い詰めてしもうて、まっこと申し訳ございもはん」
天璋院「じゃっどん、こん戦は止めることはできもはん!」
幾島「何と! 西郷!」
西郷「慶喜公を討ち果たし、完膚なきまでに徳川を打ち砕かねばなりもはん!」
天璋院「待て西郷!」
西郷「江戸城への総攻撃は15日と決まりもした。天璋院様も幾島様もはよ逃げてたもんせ」
天璋院「いいえ、私は、ここにおります。徳川の名にかけて、私は、命をかけて戦うのみです!」


勝「慶喜公の暴挙を助けたものの処分を、寛大にしてもらいたい」
西郷「勝様…」
勝「わかってるよ。ずいぶん虫のいいことを言ってるのは。すべて飲んでくれるとは到底思っちゃいねえ。ただ、いつの世でも勝者と敗者なんてものは、あっけなく入れ替わるもんだ。お前さんほどのお人なら、勝者のたしなみをご存じないはずはあるまいよ。西郷どん、江戸百万の民に、塗炭の苦しみを舐めさせて作る国に、この先どんな望みがあるってんだ? 西郷が背負う、新しい日本てのは何だい?」
(回想)西郷「民を見捨てることは、おいにはできもはん」「守るべきものは、民でございます。誰よりもまず、か弱き民でございます」「こん人たちは、どんだけ生きたかったじゃろのう」「おいは、民を救うっとが、薩摩武士の本懐と思っちょります」
西郷「わかりもした」


勝「江戸が焼けないでよかった。おかげで今年も上野の桜が見られる。西郷どん、ありがとよ」
西郷「例を言われるのはまだ早すぎます」
勝「いや、そんなことねぇよ。こうなったら、上野におめえさんの銅像とやらでも建ててやらねえと」


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