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ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

J・R・モンテローズ/ザ・メッセージ

2024-07-02 18:13:42 | ジャズ(ハードバップ)

本日は通好みのテナー奏者J・R・モンテローズを取り上げたいと思います。録音数そのものは決して多くないですが、天下のブルーノートにリーダー作を1枚残していること、チャールズ・ミンガスの歴史的作品「直立猿人」に参加していることもありジャズファンの間ではそれなりに名を知られているかと思います。ケニー・ドーハムのジャズ・プロフェッツにも参加していましたね。本ブログでも以前にスタジオ4と言う超マイナーレーベルに吹き込まれた激レア盤「J・R・モンテローズ・イン・アクション」をご紹介しました。

今回ピックアップする「ザ・メッセージ」もなかなかのレア盤で、こちらはジャロと言う謎のレーベルに1959年11月24日に吹き込まれた演奏です。このジャロ、残されたレコードがたった5枚と言う超マイナーレーベルなのですが、他にケニー・ドーハムの「ジ・アライヴァル・オヴ・ケニー・ドーハム」も残しており、こちらもマニアに人気です(個人的には本作の方が出来が良いと思います)。メンバーは意外と豪華で、トミー・フラナガン(ピアノ)、ジミー・ギャリソン(ベース)、ピート・ラロカ(ドラム)を従えたワンホーン・カルテットです。なお、フラナガンは前述のケニー・ドーハム盤にも参加しており、ジャロの鍵を握る人物だったのか、それともたまたまなのかは不明です。

全7曲。うち2曲がスタンダードです。1曲は"Violets For Your Furs"で、同じテナー奏者のコルトレーンやズート・シムズも名演を残していますが、J・Rのバラード演奏も素晴らしいです。惜しむらくはフラナガンのソロがなく、3分弱と短い演奏であること。ピアノソロ入りでたっぷり聴かせてくれれば言うことなしでしたね。もう1曲のオリジナルはベニー・ゴルソンの”I Remember Clifford"でこちらもバラード演奏ですが、まずまずの出来かな。残り5曲は全てJ・Rのオリジナル。彼は人種的には白人(おそらくイタリア系)ですが、スタイル的には完全にハードバップで黒人リズムセクションをバックに熱い演奏を聴かせてくれます。おススメはまず1曲目”Straight Ahead"。まさにタイトルどおりストレートアヘッドな演奏で、後半にJ・Rとラロカがスリリングな掛け合いを見せます。他ではワルツ調の優しいメロディの4曲目"Chaffic"、ドライブ感満点の5曲目"You Know That"も素晴らしいですね。演奏面ではJ・Rの力強いテナーはもちろんのことながら、名手トミー・フラナガンも随所に目の覚めるようなソロを披露し、演奏のクオリティを高めています。希少レーベルということもあり、昔から幻の名盤として名高い作品ですが、その期待に違わねクオリティの1枚だと思います。

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