BEAST SIDE 1

ジュエリーアーティスト太田マリ(タバサ)です。工房からの制作風景、プライベートでやってるロックバンドの話も少しだけ。

カラーストーンの糸替えとオールノットについて

2015-06-30 22:04:42 | リペア、お手入れ
糸替えのご依頼でお客様がお持ちになったおおぶりのカラーストーンのネックレス、海外でお求めになった黒珊瑚とのことでした。

金具が小さくて使いにくいということで、糸替えと一緒に金具も変えることにしました。







オールノットという技法は、玉と玉の間に結び目を作ることで、万が一切れた時にも全部がバラバラにならないという利点があります。

そしてもう一つ大きな利点として、玉と玉の間に空間があることで、ネックレスが肌のカーブに自然になじむということがあります。

パールのロングネックレスなどで、ネックレスを結んだりするアレンジにも向いている組み方です。


この技法で難しいところは、まず、玉の穴の大きさと糸の太さ、そして結び目の大きさのバランスです。

これがうまくいかないと、結び目が玉の中にもぐりこんでしまったり、逆に最後のほうで糸が穴を通らなくなったりします。


特にリペアの場合は、お客様がお持込になるお品物はさまざまです。

そのたびに、糸の太さやノットの大きさを判断しなければなりません。


今回も、一つ一つの玉が大きいので間にはさむノット(結び目)も大きく作ってありました。

2本ご依頼されたのですが、1本は石の大きさにグラデーションがあって、穴の大きさも違っていました。

結び目を調節しながら一度仕上げたのですが、やはり仕上がりが悪く、実はもう一度、糸を切りはずしてやり直しました。





仕上がりの写真を撮り忘れたのですが、最終的には2点、きれいに仕上げて、たいへん喜んでいただけました。



連物の糸替えは、本当にケースバイケースです。

一つ一つのお品物が、それぞれまったくといっていいほど違うので、そのたびに、初めてのことに取り組むような緊張感があります。

こういうお仕事をさせていただくことは、刺激も発見もあって、実はとても楽しかったりします。

ただまずはとにかく、お客様に喜んでいただけないといけないですから、そのための興味、好奇心を持ち続けたいと思っています。



  ジュエリーTABITHA


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