BEAST SIDE 1

ジュエリーアーティスト太田マリ(タバサ)です。工房からの制作風景、プライベートでやってるロックバンドの話も少しだけ。

ダイヤモンドリングのリフォーム

2022-03-15 15:57:19 | オーダーメイドジュエリー
先月、納品させていただいたリフォームリング。

とてもきれいなダイヤモンドでしたので、動画を撮らせていただきました。








元のリングは大きなパールとたくさんのダイヤモンドが入った、とても美しく、そして丁寧に制作されたリングでした。

ただ、リングが大きく、高さもあってお付けになりにくいからということで今回のリフォームとなりました。

先日のお渡しの際にはたいへんに喜んでくださり、その場でお付けになりましたが、すぐになじんで自然に見えました。

華奢で品のあるご婦人ですが、やはり日本人にはプラチナダイヤモンドはよく合いますね。

今回は、元のリングの作りもたいへん良く、とても勉強になりました。

よいお仕事をいただき、本当に感謝です。













ジュエリーTABITHA

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盛りワックスで制作した一点物リング

2020-11-05 10:51:44 | オーダーメイドジュエリー
今回、盛りワックスという手法で一点物リングを作らせていただきました。

まず、完成品はこちらです。





デザインは、TABITHAで5~6年前から販売している「隠し文字のリング」というセミオーダー型のリングからの展開です。

「隠し文字のリング」は、お客様からのご要望の文字(通常8文字くらいまで)をフリーハンドでデザインし、ワックスを盛って制作したオーダーリングで、全体的に空間を多くとった、遊びの多いデザインで作らせていただいています。

こちらが「隠し文字のリング」です。






今回はこのリングと同じ手法を使って、重厚感のある一点物を作らせていただきました。



リング一周全体に文字をデザインし、幅と厚みをしっかりつけたメンズリングです。




では、制作の様子をご紹介しますね。

基本的には隠し文字のリングと同じ手法です。

まずは紙に文字をデザインし、リングサイズに合わせた棒の上にセッティング。



ここにワックスペンでワックスを盛っていきます。



通常の「隠し文字のリング」は空間も多くとり、全体に軽めに作っていますが、今回はしっかり感のあるものを目指したので、ひたすら厚めにワックスを盛っていきました。



立体感もでてきました。





盛りワックスができあがったら、裏側を仕上げ、ワックス原型の出来上がりです。






その後、シルバー925でキャストします。





キャスト後、ヤスリや電動工具で仕上げていきます。

盛りワックスの場合、どうしても細かなところにバリが残ってしまうこともあるので、それらを削り取り、全体をなめらかに仕上げていきます。

また、リングの内側は、ワックスを盛っただけだとコバの立ちがきついので、ヤスリやキサゲ等でアールをつけていき、装着感がよくなるように整えていきます。

全体が仕上がりました。





いよいよ最終段階。

一度全体を古美仕上げし、真っ黒に。





その後、バフで磨き上げて完成です。



バフで磨くことで黒みが取れて銀の輝きが戻る部分と、黒く残る部分とのコントラストが出てきます。

この時にも重厚感を出すためのコツがあり、コバの部分などは特にしっかり磨いてあげると立体感も出て、良い仕上がりになると思います。




盛りワックスで作っていく造形は、削り出していく造形とまた違う難しさがありますが、その反面、重ねていけるという自由度もあります。

今回の制作も、最初に隠し文字のリングを作った時とは違う発見がたくさんあり、とても楽しかったです。

溶かす際のワックスの温度や、ワックスそのものの種類など、まだまだ研究すべきところは山ほどあって、楽しみは尽きないというところでしょうか。



ジュエリーTABITHA



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オーダーメイドリング「MMXX」製作工程その2

2020-08-05 10:32:07 | オーダーメイドジュエリー
前回、ワックス原型が完成したところまでを書きました。

今回は、ワックス原型をキャスト屋さんに出して、シルバー925で鋳造してもらったところからです。


鋳造されたものがあがってきました。

いつもどおり真っ白です。




これをヤスリやキサゲ、電動工具などを使って仕上げていきます。

リングはサイズの指定があるので内側の仕上げにもかなり気を使います。

仕上げていくうちに削られてオーバーサイズになってしまうといけないので、私の場合、少しサイズを小さめに見積もってWAX原型を作っています。

キャストでは少し縮みもでるのでその分も見込みます。

仕上げの作業ができるだけ少なくてすむようにギリギリを狙いたいのですが、なかなかそれが難しく、今回も少し小さめサイズであがってきたので、文字を彫っていない後ろ側の地金をたたいてサイズ決めを。

充分厚みもあるリングですので、たたいて少し延ばして、うまくサイズが決まりました。




内側が決まったら表面の仕上げをしていきます。


オーダーメイドリング「MMXX」仕上げ風景(ヤスリ)



上の動画はヤスリの作業。



下はキサゲという道具を使っています。
キサゲは、地金がつつつっと切れていくのが気持ちよい道具です。

オーダーメイドリング「MMXX」仕上げ風景(キサゲ)



目の細かなペーパーなども使って全体を仕上げた後、バフモーターでぴかぴかつるつるに仕上げます。


仕上がりました。





オーダーメイドリング「MMXX」仕上げ風景(黒上げ前)




今回は、文字部分のへこんだところを黒くいぶし仕上げにしようと思っていました。

シルバーの場合、白いイハダ(キャスト上がりそのままの表面)もきれいでステキなのですが、今回はカッコいいシルバーリングに仕上げたかったので、薬品をつかっていぶし仕上げをしました。



完成です。






シルバーは時間とともに色が黒ずんできて、深みのある銀独特の重厚感が出てきます。

今回のリングも完成直後はいぶしをいれた黒い部分とぴかぴか部分のコントラストもくっきりしていますが、長くご使用していただくうちに色めも落ち着いて深みがでてくると思います。

また、普段使いで小傷がはいっていくことにより、あたたかみが増し、愛着がわいてくるのもシルバージュエリーの良さです。



オーダーメイドリング「MMXX」完成




箱に入れて完成、無事に納品がすみました。





「2020をリングに刻みたい」というご希望をうかがった時は、その思いをちゃんと形にしてさしあげられるかけっこう不安でした。

しかし作り終えてみれば、このコロナ渦の中で工房にこもって、とても楽しい製作ができました。

お友達もたいへん喜んでくださって、心からホッといたしました。


この先、日本が、世界がどうなっていくのか今まだ読めませんが、幸いにも私の仕事は仕事場にこもって人と会わずにできることなので、落胆せず、コツコツと物つくりをしていこうと思います。





今回のリングをご依頼いただいたお友達のお店「ハンダヒロコ」はこちらです。

Smily Bar ハンダヒロコ

(現在はコロナ渦の中での時短営業となっていますので、営業時間等ご注意ください。)



ジュエリーTABITHA

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オーダーメイドリング「MMXX」製作工程その1

2020-07-29 14:07:12 | オーダーメイドジュエリー
2020年、とんでもない年になってしまってますが、そんな中いただいたオーダーメイド。

今年の春先、お友達で四谷の荒木町でステキなバーを営んでいる女性から
「こんな状況を忘れないためにリングつくってほしいなー」
と、オーダーのご相談をいただきました。

この方とは10数年のお付き合いになりますが、いつ会っても気兼ねなくお話のできる、とても大切なお友達です。

すでに社会全体もどんどん不安に覆われてきていて、彼女のお店もしばらくお休みせざるを得ない状況でした。

そんな中での彼女のオーダーは
「毎日つけていられて、2020が入ってて、見たら苦しい今を思い出せるようなリング」
でした。 


デザインについては、「アイデアあれば教えて~」とのこと。
サバサバとしていてかっこいい彼女のイメージと、2020を組み合わせて次のようなラフスケッチをご提案しました。




2020は、そのまま入れたのでは、ちょっとどうかなぁ~と思ったのでローマ数字にしてみました。

ラフスケッチをひと目見て「かっこいい。これで。」とデザインは即決。


さっそく製作にはいらせていただきました。




ワックスで、まずはベースの形を。
普段使いしていただけるよう高さを出しすぎず、段差のある部分もできるだけひっかかったりしにくいようにラインをまとめました。



オーダーメイドリング「MMXX」ワックス原型制作



ベース部分完成。




ベースが完成したら、次は文字を彫っていきます。


オーダーメイドリング「MMXX」ワックス制作


今回の文字彫りの部分は、大小2本のタガネで掘り出しました。

彫りが浅すぎるとよわよわしくなりますし、深すぎるとなんとなくセンスが悪い感じになってしまいます。

ちょうどよい深さめざして、こつこつと・・・(笑)

文字の下の部分は黒くいぶし処理をする予定なので、かっこよく黒がはいるように細かな荒しをいれました。

よい感じでしょうか。





今回のデザインは幅広なので重量がつきすぎる可能性があります。

重すぎると装着感もよくないので、少し裏抜き(リングの内側をフォルムに合わせて削り取る処理)をしました。




ワックス原型できあがり。






これを、キャスト屋さんに出して、シルバー925で鋳造してもらいます。

鋳造から完成までは、次の記事に書きますね。

お楽しみにしてください。




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ストーンネックレスとペアのピアス

2019-08-21 15:10:57 | オーダーメイドジュエリー
以前、ジェムランドで展開をはじめたラピスラズリのネックレス。

「長さをつめて、はずした石でピアスを作ったらどんな感じになるでしょう?」
というお問い合わせをいただいたことがあります。


こちらのネックレスです。





ご参考までにと、仮組みした写真をお送りしました。




パールやストーンをつないだネックレスの長さをつめた場合、あまった石で他のアイテムを作るのはお得感もあり、楽しいですよね。

もちろんセットでおつけになることもできますし、ラピスなどは色が映えるので単品でさし色アイテム的としてお付けになるのもステキです。

なんとなく長さがあわなくてお付けにならなくなったストーンネックレスなど、ちょっとプチリフォームしてみてもいいかもしれませんね。

作業の際にはワイヤーや糸の交換も兼ねるので、古くなって切れやすくなっているかもしれないネックレスのメンテナンスにもなります。

ご相談等ございましたら、TABITHAにご遠慮なくどうぞ。


TABITHAお問い合わせフォーム






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ジェムランド表参道店のフライヤーです

2019-04-04 22:28:24 | オーダーメイドジュエリー
先日、ジェムランド表参道店が南青山周辺のお宅にお店のフライヤーをポスティングしました。

出品させていただいているタバサも掲載していただけました。



それにしても、バンドのステージ写真でのご紹介で、嬉しいやらはずかしいやら。

でも、私の作品を私のキャラクターとあわせてかってくださる方も、きっといらっしゃるのですよね。

というか、そう思うことにさせていただこうかなと。





ジェムランド表参道店が、地元の方々にとりましても愛されるお店になりますように。

微力ながらも、惜しみない尽力をしていきたいなと思っています。


ジェムランド表参道店


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手彫りバングルのリメイク

2018-12-19 21:33:35 | オーダーメイドジュエリー
TABITHAの総手彫りバングルを長くご愛用いただいてたお客様から、バングルが折れてしまったのでリメイクして欲しいというご依頼をいただき、リングとネックレスを製作させていただきました。




まずは完成品の写真です。








ご愛用いただいていたのはこちらのバングルです。







バングルは、お付けいただく際の曲げ伸ばしの頻度によっては、金属疲労を起こし折れてしまうことがございます。

このお客様のバングルも長年ご愛用いただいており、何度かメンテナンスさせていただいたものですが、今回は違うアイテムに作り変えたいとのご依頼をいただきました。




曲げ伸ばしによって弱くなっている部分で折れてしまっています。









今回、リメイクのアイテムもお任せいただいたので、半分をネックレスに、残りの半分をリングにすることにいたしました。




ネックレスは、折れたバングルの半分を叩いて伸ばし、2つに切断して、別に作った羽のパーツと組み合わせました。

女性のお客様でしたので、皮ひもも黒ではなく茶色にして、全体的に白めの明るめなイメージにまとめました。











リングは残りの半分をぐるっとまいて仕上げなおしました。



ロー付けしていないのでフリーサイズのリングになります。

実際には厚みと幅があるのでお客様にご自分でサイズ調整をしていただくのはなかなか難しいかと思います。

ただ、こちらでの微調整がいつでも可能な形なので、その旨ご説明させていただきました。




お客様からは

「ピッタリでした!」

というお喜びのお声と、お写真をいただきました。




仕上がりにもご納得いただけたご様子で、「すてきなクリスマスになりました」とのコメントもいただき、ほっといたしました。






タガネで模様を一つ一つ彫りこんだ手彫りのバングル、アイテムが変わってもその風合いはずっと残ります。

こうしてまた手作りの味わいをしばらく楽しんでいただけるのでしたら、作り手としてはこの上なく嬉しいことです。








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「Rock Bar テキサスフラッド15周年記念キーホルダー」製作しました

2018-04-15 11:52:05 | オーダーメイドジュエリー
四ッ谷3丁目のロックバー「テキサスフラッド」さんの15周年記念に、お店の常連さんの方々からプレゼントを作って欲しいというご依頼をいただき、TABITHAで製作させていただきました。



お店のロゴをモチーフにしたシルバー950製のキーホルダーです。


素材もアイテムもすべてお任せいただいたので、さて何をお作りしようかとかなり悩んだのですが、やはり低音増量でブルースやハードロックが流れるお店の雰囲気に合うようなものをと考え、このデザインになりました。



製作過程を簡単に・・。



しっかりとしたシルバーの素材感を楽しめるものがいいかなと、SV950の2mmの板材を使って製作することにしました。





板にロゴをケガいて、中を糸鋸で抜きます。

板厚2ミリはけっこう大変です。







ロゴを抜いたところで、リューターで彫り崩していきました。イメージとしてはごつごつした岩の感じが出せたらいいなと。







全体に彫り崩しをいれたところで、周りをカットします。







カット後、全体をバフで磨いたところです。

今回のデザインは、ザクザクした感じがいいかなと思ったので、磨きすぎないようにしました。







丸カンと2重カンをつけ、銀いぶしで色を黒ずませて完成です。







ポーチを付けてプレゼント梱包しました。







裏側の感じです。







光が抜けるとお店のロゴが映ります。







お店の15周年会で常連のみなさんと一緒にマスターにプレゼントしました。






とても喜んでくださり、このショット。






地金を糸鋸でガリガリと切っていくのは、大変ではあるのですが、けっこう気持ちよい作業だったりします。

シルバーの物作りの、原点のような作業が多く、かなり夢中になってしまいました。

今回の記念品を私に任せてくださったご常連のみなさん、本当にありがとうございました。

そして、テキサスフラッドさんには、今後も末永く大人の隠れ家として、四ッ谷3丁目で大人のロックを聴かせていただけたら嬉しいです。

私もまた、ふらっと遊びに行かせていただきますね。



ロックバー テキサスフラッド

ジュエリーTABITHA

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ご結婚25周年のペアリング

2018-01-08 22:17:31 | オーダーメイドジュエリー
2018年も穏やかに年が明けました。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。



本年最初の記事は、2017年の年の瀬、クリスマスイブの日にお渡しさせていただいたペアリングです。


プラチナ950 手彫りリング「月桂樹」(ダイヤモンド彫り留め)











ご依頼のお客様はご結婚25周年をお迎えになられた素敵なご夫婦。

今までずっとお付けになられていた結婚指輪が少しきつくなってこられたこともあり、25周年の記念に新しくペアリングをお作りになりたいとのことでした。


デザインのご相談をさせていただいた際、TABITHAのサイトで展開している手彫りリングをたいへんお気に召していただき、こちらの「月桂樹」のアレンジで製作させていただくことになりました。

(サイトはこちら → ジュエリーTABITHA 手彫りリング


TABITHAのサイトではシルバー925での展開ですが、今回のオーダーはプラチナ950です。


ご相談の中に「石を入れたい」というご希望があり、月桂樹の中にメレーダイヤをさりげなく、そして印象的に埋め込んだデザインということで、進めさせていただくことになりました。




まずベースのリングを作ります。
もちろん、原型からの手作りです。

内側に記念日とイニシャルの刻印をとのご注文でしたので、この段階でレーザー刻印でお入れしました。







次に「月桂樹」の彫りをお入れしました。

TABITHAの「月桂樹」は、直線上に同じパターンを繰り返すデザインではなく、波打つようにゆらぎがあるのが特徴です。

今回はそのデザインの中にメレーダイヤを入れるので、その部分も見当をつけながら彫ってあります。

写真の中で赤い点があるところにダイヤモンドを入れます。










デザインの中にダイヤモンドが入りました。

一本のリングにそれぞれ3ピースづつ、ダイヤモンドをお入れいたしました。














彫りのアップになります。

ダイヤモンドは上品質で照りのよい石をお選びしておりますので、さりげないデザインの中でも真の輝きがあります。








ケースにお入れして、ちょうどクリスマスイブの日にお渡しすることになりました。

サイズもちょうどよく、たいへん喜んでいただきました。




長年苦楽を共にされたご夫婦が、新たな節目につくられるペアリング、本当に素敵なことだと思います。

このペアリングに、お二人の新たな歴史が刻まれていくのでしょう。






*******



新しいペアリングをすぐにおつけになってくださったお二人、ご用意させていただいていたケースにはそれまでつけていらした結婚指輪を二つ並べて納められ、大切にお持ち帰りになりました。



年末に、とても感動的なお仕事をさせていただけて、2017年のよい締めくくりとなりました。


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受け継がれる形見のジュエリーのリフォーム

2017-10-31 12:46:55 | オーダーメイドジュエリー
ご両親やご祖父母様、またご親戚の方などから形見として受け継がれているジュエリー。
なつかしい思い出と共に、大切にお持ちの方も多いかと思います。

今回、作らせていただいたのは、ご祖母様から形見としてご依頼主様に受け継がれた、赤くきれいな石のリングのリフォームです。


完成品はこちらです。





こちらが最初にお預かりしたリングです。









きれいな赤い石(おそらくガーネットだと思われます)が透かしの入った石座に留まり、細身の腕がついた素敵なリングでした。
地金は14金ホワイトゴールドです。





ペンダントトップへのリフォームをご希望でしたので、石座はそのまま残し、周りに枠をつけることをご提案して、以下のようなデザインに決まりました。





まず、慎重に石をはずします。







石座にあわせ、ワックスで回りの枠の原型を作ります。






斜めからみた感じです。







ワックスから18金ホワイトゴールドにキャストしました。






パーツをそれぞれきれいに仕上げ、もともとのリング枠のほうも腕を慎重に切り離しました。







各パーツをロー付けし、磨き仕上げをして、空枠の完成です。






石座も綺麗に仕上げなおしをし、新しく作った外枠の部分と一体感がでるようにしてあります。







最後にはずしておいた石を留め直します。








デザインの段階では、新しく作るパーツの上部と下部にメレーダイヤをいくつか入れることも考えておりましたが、空枠ができた段階で御依頼主様とご相談したところ、メレーはないほうがすっきりとしていいかも・・というお話になり、メレー無しで仕上げることになりました。




そして、完成です。











もともとの石座をそのまま使用させていただいたので、もとのリングの雰囲気を引き継げたのではないかと思います。







今回、リングの腕の部分は、思い出と共にしまっておけますよう、そのままご依頼主様にお返しすることにいたしました。





先日、御依頼主様に、無事にリフォームされたペンダントトップと、思い出のリングのパーツをお渡しいたしました。

たいへん喜んでくださり、お母様にもご報告をしてくださいました。

また、このジュエリーを今後も次のご世代に引き継いでいきたいとのお話をしていただき、こちらも感激してしまいました。







製作を終えて・・・


シーズンごとに流行のアクセサリーを楽しまれることも素敵ですが、こうして何十年も引き継がれていくジュエリーをお持ちになる楽しさ、そして気持ちの豊かさ、とても素敵なことと思います。

ジュエリーに使われる金やプラチナ、シルバーなどの地金、そして宝石の数々は、長くその姿を保つものが多く、また一度輝きを失っても、磨きあげるとまた美しく輝きだすことも多くあります。

だからこそ、形見として受け継がれることも多かったのだと思います。


今回、製作時間をかなりたっぷりいただいてしまって申し訳なかったのですが、なんとか、ご納得いただける形にして差し上げられて本当によかったです。

私にとっても、とても思い出深いお仕事となり、大切なお品物のリフォームをお任せくださったご依頼主様には心より感謝いたしました。



ジュエリーTABITHA

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