BEAST SIDE 1

ジュエリーアーティスト太田マリ(タバサ)です。工房からの制作風景、プライベートでやってるロックバンドの話も少しだけ。

門出の記念のパールジュエリー(その3)

2015-11-11 18:30:32 | オーダーメイドジュエリー
娘さんの門出の記念にお作りしたパールジュエリー、最後の1点が先日、無事に仕上がり、納めさせていただきました。

18金の腕に、互い違いにパールを2粒あしらったフォークリングです。




実は今回お作りした6点のパールジュエリーの中で、こちらのリングが一番の難関でした。

というのは、今までフォークリングを作ったことがなかったので、輪としてつながってないリングで強度を保つノウハウが充分になかったためです。

そこで、とにかく職人さん仲間の方にもいろいろ情報をいただき、まずはシルバーでサンプルのリングを作ってお客様にみていただいてからスタートしました。


サンプルのリングをみていただき、そこそこ、しっかり感のある腕で作らせていただくことに決定しましたので、細すぎない2mmの地金を使ってリングのベースをまくことにしました。

2mmの丸線をなまさずにきれいに巻けば、それなりの強度にもなるということでこの方法にしましたが、これがかなりたいへんな作業。

けっこうな太さがありますので、硬さもあります。

そこで、考えたのが、こちら。



エレキベースのペグを使って、地金を巻く装置(?)です。

(我が家は音楽一家ですので、こういうパーツがころがっていたりするんですね。)


もともと、かなりの強さでベースの弦をまくためのものなので、これが大成功。

18金の丸線がきれいに巻けました。






なめらかなラインで、キズも少なく、きれいに巻けたところ。



ここまでいったら、あとはひたすら、削りだしていく作業です。




腕の部分が、自然できれいなラインになるように、ヤスリで成形するのとともに、パールをさす部分の芯も削りだしていきます。




ここでも、何度も仮玉をセッティングしては、2つの玉を一番いい位置にするために芯の位置を調整していきました。




そして、やっと最終的にパールをセッティングして仕上がりました。





リングの強度もあり、パールの位置もいいあんばいに落ち着いたと思っております。




お届けして、お客様からも、「想像通りのデザインで、考えていたとおりの出来栄えです」とのお言葉をいただき、心からほっといたしました。

今回のパールシリーズを作らせていただいて、職人仲間のつながりもまた新たに広がるチャンスもございましたし、なにより、たいへんによい勉強になりました。

あたらしいものに挑戦することができましたことは、とてもいい経験になりましたし、自信にもつながります。

そして、特に今回は、お客様のお嬢様の門出の記念ジュエリーということで、輝かしい人生の瞬間を刻むお手伝いをさせていただけたことが、なにより嬉しかったです。

素敵な素敵なお仕事をいただけて、本当に感謝です。



ジュエリーTABITHA

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