なんて思いつつ、バスに乗り
カンボジアの首都・プノンペンへ来ました。
バスで隣に座ったのは実家へ帰省するローカルの男の子・ダラー君。
名物(?)「コオロギ揚げ」を山のように買ってきてくれて
それをポリポリ食べながら、
カンボジアの歴史を説明してくれたり、
通りの名前や建物を教えてくれたり、
昔は日本人旅行者が多かったけど、今は韓国からの旅行者が一番多いだとか、
今食べてるコオロギの捕まえ方、
バスを降りてからは探していた宿も教えてくれました。
でもその中でひとつ引っかかる会話が、
「プノンペンは人口が100万人いるんだよ」
「大都市だね」
「本当にそう思う?100万人しか居ないんだよ」
単純に彼は人口が少ないって事を言いたかったんだと思いますが、
自分はそのやり取りに何となく引っかかっていました。
カンボジアが過去ポル・ポト派による大量虐殺があった事は何となく知っていましたが、
「あったらしい」って程度で正直それ以上深く知るつもりもありませんでした。
ただ、
ダラー君との会話
タケオGHで聞いたキリング・フィールドの話
遺跡で見た地雷の爆発跡
etc...
自分の中で
「その時、ここで何があったのか知りたい」
という気持ちが自然と沸いていました。
少し調べてみると、
ポル・ポト派の政権時代はわずか3年8ヶ月。
その短い期間に100万人とも、200万人とも言われる
人たちが亡くなっている事を知りました。
今、ここで全てを記すことはできません。
ただ、自分の気持ちが一番大きく動いたのは
それが行われていたのがわずか30年前。
つまり、自分が生まれていたという事実。
そして、街を歩く大人達は
ある人は大切な人を奪われ
ある人は大切な人を奪った
被害者であり加害者だっていう事。
トゥール・スレン刑務所跡を訪れたとき、
それを思ってすごく泣けました。
今も自分の気持ちはまとまっていません。
史実を知ったところで過去に戻ることもできません。
自己満足や、エゴだとしても
全ては知ることから始まると信じて。
次は再び国境を越え、ベトナムのホーチミンへ向かいます。