旅に出よう。恋をしよう。

世界一周一人旅。見て、触れて、感じたもの。恋をするように旅をする。

生涯で一番近い空[エベレストBC]

2009年10月13日 | 9ヶ国目?チベット自治区



ラサの街を一歩離れると、あの列車の車窓から見た景色が広がっていた。

さえぎる物が何一つ無い風景がひたすら続く。
何時間も、何日間も。

空はますますその青さを増していき、
雲は日に照らされてキラキラ輝く。
横から雲を見たのも生まれて初めて。


空が近い。


その風景は不思議と飽きる事無く、ひたすら外を眺め続けていた。


そしてラサを出て3日。
遠くの山間に雪山が見える。


「あれがエベレストだよ。」
正直震えた。




ナイフで削り取られたような鋭い稜線。
全体が雪で覆われ、そこだけ浮き上がったように見える。


自分達はそこからさらに車を進め、
標高5200mエベレスト・ベースキャンプへ。

5000mを越えると
いっそう寒さが増し、慣れた体も息苦しさを感じる。
テントがいくつも並ぶベースキャンプはほとんどが宿泊施設になっていて、
中には郵便局まであった。

 

テントの中ではヤク牛の糞を燃料にストーブを焚き暖をとる。
夜はヤクの毛で作った毛布に包まれ眠りにつく。

世界最高峰エベレストのふもと
寒さと息苦しさで決して快適とは言えないけど生涯忘れられない経験。


エベレストを離れると、ひどいオフロード。
車の中でポンポン跳ね飛びながら次の国、ネパールへ向かいます。


祈りに包まれた街[ラサ]

2009年10月13日 | 9ヶ国目?チベット自治区

3段ベッドの寝台車両で2泊3日。
仲間8人と行く列車旅は意外にも快適だった。

成都へ向かう電車がひどすぎたってのはある。
その時は溢れる人と、溢れるゴミに疲れ果ててしまった。
今回乗った列車は車両も新しく、綺麗。
何より外を流れていく景色に目を奪われた。

青蔵鉄道は最高地点で標高5000mを越える世界一高い場所を走り抜ける。
特に標高4000mを越えると景色は一変。

人の姿はほとんど無くなりヤク牛や羊を放牧する姿を時々見かけるのみ。
そして見渡す限り草原が広がる。
そして空。




青の色が変わる。


出発から44時間、ようやくラサに到着。
迎えの車に乗って中心街へ向かうと沢山の店が並びちょっとした中国の地方都市。
それでもここがチベット文化圏だってのはすぐに感じることができた。

 

街中に5色のタルチョがはためき
ジョカン寺の前では熱心に五体投地を繰り返す人たち。
マニ車を回しながらコルラをする人たち。

街中に祈りが溢れている。


中国のどの都市とも全く違う文化、民族、空気。
チベットは中国の中の別の国。



現在外国人旅行者がチベットに入るにはパーミットと呼ばれる許可証が必要で、
基本的にはツアーに参加しないと入域できません。
色々とノーパーミットでチャレンジする方法もあるみたいですが当然違法。
見つかって強制退去させられる人も沢山いるみたいです。

現在も多くの問題を抱えている地域ではありますが、
チベット人のツアーガイドが話しくれた話。

「自分は中国人の友人が沢山いる。
 彼らはチベットの歴史について全て理解している。
 だから私も彼らと付き合う事ができるんだ。」

『フリー・チベット』を叫ぶつもりは無いけど、
ひとりの旅行者としてチベットの文化がいつまでも正しく残っていて欲しいと思うのです。