旅に出よう。恋をしよう。

世界一周一人旅。見て、触れて、感じたもの。恋をするように旅をする。

叫べ!![ビクトリア・フォールズ]

2010年03月30日 | 21ヶ国目ジンバブエ

ゲートをくぐるとどこからともなく聞こえてくる

「ごごごごご」「どどどどど」「ざざざざざ」

そのどれでもなくて、その全てが混じったような音。

 

ジンバブエとザンビアの国境にかかるビクトリアの滝。
北米のナイアガラ、南米のイグアスと並び世界三大瀑布と称される。

ハラレから南部の町、ブラワヨを経由してやってきたビクトリア・フォールズの町。
町自体はいくつかの旅行会社と宿があるだけのこじんまりとした本当に小さな町。


町自体に見所はないけど、その辺を歩いていると
木彫りの置物やアクセサリー、そして元・紙幣を持ったお兄ちゃんたちが声を掛けてくる。

「ハロー ボス」
「ハロー フレンドー」

誰が教えたか、英語の下手な自分よりよっぽどひどいアクセント。
彼らとのやり取りも面白いけど、まずは滝へ向かう。




綺麗に整備された遊歩道を進むと向こうからびしょぬれの観光客。
理由はすぐに分かった。





水しぶきで視界は真っ白。
その先にあの音の正体が現れた。

 


自分の視界、それ以上に広がる巨大な滝。
その轟音と共に流れ落ちる莫大な量の水。
谷底に落ちた水は吹き上げる風と共にどしゃ降りの雨になって降り注ぐ。
水しぶきって言うにはあまりに強烈な雨。

 

そこから3歩下がると風は無くなり、雨もやむ。
見上げれば真っ青に晴れ渡る空。

 

色、音、水、風。

 

もう一度3歩進んでみる。
嵐の中へ。


「あああああああああああああ!!!」


ここは世界有数の雄たけびポイント。
さぁ、叫べ!!

 

次は避けて通れなかった国、南アフリカへ。


ありえないは全てある[ハラレ]

2010年03月27日 | 21ヶ国目ジンバブエ

埃立つ未舗装の道を走るハイエースはぎゅうぎゅう詰め。
クーラーもなく、ジリジリと日に焼かれ、ほこりにまみれる。

マラウィ、モザンビーク、ジンバブエと無理やり1日で3ヶ国を走り抜け、
到着したのはジンバブエの首都ハラレ。




高層ビルが建ち並び、お店には品物が並ぶ。

「おぉ、都会じゃん!」
正直もっとさびれていると思っていた自分。
まずはそのギャップにやられてしまいました。


とはいえ、最初の印象はあっさり覆される。


街に並ぶ商店、値札は全てドル表記。
買い物をしてみると見慣れない小銭。
よく見てみると南アフリカのランド。

そして結構な頻度で登場する飴ちゃん。
飴ちゃんでお釣返されるなんてアジア以来!!(ひとり感動)


当然米ドルと南ア・ランドの為替レートなんて調べてないから、
小さくボラれてる気もする...

「そもそも飴ちゃんで返ってくるって事は」
と思ってレジを覗いてみると小銭が1枚も無い...

他のお客さんが出した小銭を次来た人に渡しているだけ。
場合によっては

「小銭無いから何か買って」
「え~じゃぁ、このお菓子で」
「それだと金額超えちゃうから他のにして」

みたいなやり取りがちらほら。


ジンバブエは元々自国通貨、ジンバブエ・ドル(ZM$)が流通していました。
が、ハイパーインフレで高額額面の発行とデノミを繰り返し、とうとう2009年利用停止。
以前から闇で流通していた米ドルと南ア・ランドなど他国の通貨が正式に流通するようになったようです。

そこはある意味『リアル・北斗の拳』

 

そんな「ケツをふく紙にもなりゃしねぇ」元・紙幣。
現物がこちら。


100,000,000,000,000Z$札ほか


情報ノートにも
「闇チェンで1ドル=1億Z$でした」の書き込みの後、
「両替したら1ドル=6億Z$。1ヵ月で1/6の価値...いつか暴動が起きる」
とか、

「銀行のATMを使うと公定レートで計算されて破産するよ」
とか、

「毎月の給料が変わらないからめちゃくちゃ目減りしたね~。
 でも、店によって値札変わってないとこがあるから探すんだよね~」
 ジンバブエで働く友人の話

とか。
まぁ、ありえない情報が盛り沢山。


その辺の情報はこちら(リンク→Wikipedia)を見てみてください。
「兵士の給料を900%、その他公務員の給料を600%昇給させるために、
 さらに1兆ジンバブエドルの発行をするようムガベ大統領から命じられた

など、よく分からなくても何かスゲー事になってたってのは伝わると思います。

 

この流通しなくなったジンバブエ・ドル。
その額面の大きさから今はみやげ物として売っています。

しかも土産物屋ではなく、売ってるのはその辺にいるお兄ちゃんたち。
中には両替商よろしく、大量のピン札を持ってる人もいますがほとんどは
自分の財布から取り出して、

「5枚で1ドルだ」
「この束で2ドルだ」
「これは額面が大きいから価値が高い!1枚1ドルだ」

もう最後は意味不明。全部紙切れだっつーの!

 

そんな中、自分は物々交換で手に入れる事に成功。
ハラレの次に向かったビクトリア・フォールズの町でおやつに買ったビスケットを持って歩いていると、

「ハロー ボス!俺にそのビスケットをくれないか?マジでめちゃめちゃ腹減ってんだ」

って言われ、
町を歩く度

「そのスニーカーをくれ」
「そのGパンをくれ」
「そのTシャツをくれ」などと言われ続け、

「自分、服着てるじゃん!靴履いてるじゃん!!」
と答えると、

「いや、これは兄弟のやつだ。俺のじゃない。」とか
「新しいのを買うお金が無いんだ。」とか、

ホントかウソか分からない返事の数々。
そんなやり取りを繰り返していたので、


「じゃぁ、ジンバブエ・ドルと交換しよう」と提案したらあっさりOK。
その姿を見た人たちにも囲まれ、徳用ビスケットの多くは大量のジンバブエ・ドルに化けたのでした。

実はジンバブエ・ドルだけではなく、木彫りの置物やアクセサリーなど他のお土産でもいけます。

 

平日の昼間から何をするわけでなくたむろする人たち。
その人たちが真顔で「ビスケットくれ」って言う姿。
最初こそ笑ってやり取りをしてましたが、
よくよく考えてみればこの国の根本的な貧しさ、その一端を見た気がします。


この国は様々なありえないを全て乗り越え、今がある国でした。


次は世界三大瀑布のひとつビクトリアの滝へ。