義経（静よさらば）

　今週の「義経」。

　静との今生の別れの回だというのに、はっきり言ってがっかり。

　まず、都を落ち、西国に逃れることにした義経一行だが、なぜか萌が鎌倉に帰ってしまう。「萌」と、初めて呼び捨てにしたのは良かったが、帰しちゃいかんでしょ。平泉まで一緒のはずじゃなくて？静との別れには邪魔だってか？しかし、萌様はこれで最後なんでしょうか？
　おまけに、「西国で新しき国を」なんてまだそんな戯言を抜かしてますか。

　都から去るってのに、うつぼがまったく姿を現さない。先週あんなシーンに出しておいてなぜ今週出さないの！

　それに、気のせいか、船出の港、雰囲気が屋島への船出の港とそっくり。まったく同じ場所から出港したということだわね。
　
　戦場での知盛の亡霊と弁慶との対決シーン。弁慶の唱えるお経で苦しむ知盛。まるで安っぽいホラー映画を観ているようだ。

　で、浜に打ち上げられ、弁慶＆静以外とはぐれてしまい、都を目指すことになるわけだが、ここでも弁慶が「噂によれば、法皇様が殿追討の院宣を下されたとか」と。その状況説明のような都合のいい噂はなんなんだ。

　追っ手にかかりこれまでかと思われた瞬間、鬼一法眼の久々の登場で難を逃れる一行。「息災ならば郎党はいずれ集まってくる」と根拠のないことを。このシーンは必要なのか？

　唯一の救いは、義経との今生の別れのシーン、笠の下から見える静の顔が美しかったこと。悲しさ、寂しさに満ちた目がなんとも言えず。ちょっとうつぼにも似てた気がする。
　でも、忠信が静に付いていくことになって、忠信にとっても今生の別れとなってしまうんだよね。個人的には、義経を名乗って追っ手を食い止めるって設定の方が好きだけれど。

　残り少ないというのに、無駄なシーンが多すぎた今回。もっと煮詰める所がほかにあるんでないのかね？


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