最近,エスカレーターの歩行禁止が喧伝されている。
罰則はないが,条例化されている地域も出てきた。
これまで何十年も「お急ぎの方のために,片側をお空けください」とアナウンスされていたのに,真逆である。
ゆえに,片側を空けたまま一列でエスカレーターに乗る人が多く,輸送効率がきわめて悪いのが目につく。
空いていると習慣で歩かざるを得ないが,まれに「歩くな」と言わんばかりに真ん中あるいは空いている側にでんと立つ人がいて,まるで「逆あおり運転」のような場面に遭遇する。
エスカレーターを歩いてはいけないのか?
なぜ,エスカレーターを歩いてしまうのか?
歩くのはエスカレーターが低速だからという記事をよく見かけるが,歩くのと立ち止まるのとどれだけ違うのか,自分の足で検証してみた。
場所は自宅の最寄りの駅の入口にある,62段の階段に併設されている上下エスカレーターである。
階段は16段,16段,15段,15段で3箇所の踊り場があり,比較的上りやすい。
私のBMIは21でやや痩せ型,マラソンを毎年完走できる体力があり,62段程度の階段で息切れすることはなく,歩くスピードも人より速いと感じている。
体力差は人によってそれぞれなので,本データが参考になれば幸いである。
検証は,エスカレーターと階段を昇降したときの時間をそれぞれ3回測って平均値を求めた。
できるだけ同じタイミングやリズムで足を進めるよう努めたところ,いずれの条件でも3回測定の時間差は1秒以内であった。
なお,検証は電車の来ない時間帯を選び,通行人の邪魔にならないように行った。
まずは上りである。
以下に示す数値は,3回測定の平均値 ± 標準偏差で,単位は秒である。
エスカレーター立ち止まり 43.5 ± 0.3 (秒)
エスカレーター歩き 18.4 ± 0.4 (秒)
階段1段ずつ 35.4 ± 0.5 (秒)
階段1段飛ばし 23.5 ± 0.3 (秒)
エスカレーターで上るだけで45秒近くかかっている。
意外にも,階段を普通に上る方が10秒近くも短かった。
階段の段差はそれほど高くないため,1段飛ばしでも苦にならないほどだが,それだとエスカレーターのほぼ半分の時間で上ることができた。
しかし,エスカレーターの段差は階段より高いためか,エスカレーターを歩くのが最も速く上ることができた。
(エスカレーターの1段飛ばしは,かなり無理があるため行っていない)
この駅では上り切ってから改札までにいくらか距離があり,さらにホームへ到達するまでにも時間がかかるため,特に朝の急いでいるときは1分1秒が大切であり,エスカレーターを歩く人は多い。
もっと早く家を出ればよいとか,電車を1本遅らせばよいとか思われるかもしれないが,朝にそんな余裕がある人はどれだけいるだろうか。
続いて,下り。
階段下りの1段飛ばしは危険なので行っていない。
エスカレーター立ち止まり 43.4 ± 0.1 (秒)
エスカレーター歩き 14.4 ± 0.3 (秒)
階段1段ずつ 23.6 ± 0.4 (秒)
エスカレーターは上りも下りも時間は変わらない。
下りは上りより速く歩けるので,歩く動作が入ると,上りよりも時間はかからなかった。
下りでもエスカレーターを歩くのが最も速く,立ち止まるより3分の1の時間しかかからなかった。
なぜ,エスカレーターを歩いてしまうのか?
それは,やはりエスカレーターを歩くのが最も速く移動できるからである。
では,どうすればエスカレーターを歩かずにすむのか?
それは,階段を使う方が速く移動できるようにすればよいだろう。
エスカレーターに人が流れるのは,上り下りの向きがはっきりしているからである。
階段では,電車が到着するたびに人の波ができ,階段の幅いっぱいに広がるため,その波に逆らうことが困難となる。
まして,大きな荷物を持っているときはなおさらである。
エスカレーターを利用する(歩く)方が,確実に移動できるのである。
階段も,上り下りの向きをはっきりさせればよい。
しかし,大きな駅では手すりの設置やレーンの色分け等で区分されているものの,それを守らない人も多い。
エスカレーターのように,物理的に逆行不可能な仕組みにしないと,急ぐ人は階段へは流れないだろう。
とは言え,物理的には無理だろうから,社会的に認知させるしかない。
エスカレーターを歩いてはいけないと言うのであれば,階段の昇降ルールの明確化と徹底も,同時に実施する必要があると考える。
罰則はないが,条例化されている地域も出てきた。
これまで何十年も「お急ぎの方のために,片側をお空けください」とアナウンスされていたのに,真逆である。
ゆえに,片側を空けたまま一列でエスカレーターに乗る人が多く,輸送効率がきわめて悪いのが目につく。
空いていると習慣で歩かざるを得ないが,まれに「歩くな」と言わんばかりに真ん中あるいは空いている側にでんと立つ人がいて,まるで「逆あおり運転」のような場面に遭遇する。
エスカレーターを歩いてはいけないのか?
なぜ,エスカレーターを歩いてしまうのか?
歩くのはエスカレーターが低速だからという記事をよく見かけるが,歩くのと立ち止まるのとどれだけ違うのか,自分の足で検証してみた。
場所は自宅の最寄りの駅の入口にある,62段の階段に併設されている上下エスカレーターである。
階段は16段,16段,15段,15段で3箇所の踊り場があり,比較的上りやすい。
私のBMIは21でやや痩せ型,マラソンを毎年完走できる体力があり,62段程度の階段で息切れすることはなく,歩くスピードも人より速いと感じている。
体力差は人によってそれぞれなので,本データが参考になれば幸いである。
検証は,エスカレーターと階段を昇降したときの時間をそれぞれ3回測って平均値を求めた。
できるだけ同じタイミングやリズムで足を進めるよう努めたところ,いずれの条件でも3回測定の時間差は1秒以内であった。
なお,検証は電車の来ない時間帯を選び,通行人の邪魔にならないように行った。
まずは上りである。
以下に示す数値は,3回測定の平均値 ± 標準偏差で,単位は秒である。
エスカレーター立ち止まり 43.5 ± 0.3 (秒)
エスカレーター歩き 18.4 ± 0.4 (秒)
階段1段ずつ 35.4 ± 0.5 (秒)
階段1段飛ばし 23.5 ± 0.3 (秒)
エスカレーターで上るだけで45秒近くかかっている。
意外にも,階段を普通に上る方が10秒近くも短かった。
階段の段差はそれほど高くないため,1段飛ばしでも苦にならないほどだが,それだとエスカレーターのほぼ半分の時間で上ることができた。
しかし,エスカレーターの段差は階段より高いためか,エスカレーターを歩くのが最も速く上ることができた。
(エスカレーターの1段飛ばしは,かなり無理があるため行っていない)
この駅では上り切ってから改札までにいくらか距離があり,さらにホームへ到達するまでにも時間がかかるため,特に朝の急いでいるときは1分1秒が大切であり,エスカレーターを歩く人は多い。
もっと早く家を出ればよいとか,電車を1本遅らせばよいとか思われるかもしれないが,朝にそんな余裕がある人はどれだけいるだろうか。
続いて,下り。
階段下りの1段飛ばしは危険なので行っていない。
エスカレーター立ち止まり 43.4 ± 0.1 (秒)
エスカレーター歩き 14.4 ± 0.3 (秒)
階段1段ずつ 23.6 ± 0.4 (秒)
エスカレーターは上りも下りも時間は変わらない。
下りは上りより速く歩けるので,歩く動作が入ると,上りよりも時間はかからなかった。
下りでもエスカレーターを歩くのが最も速く,立ち止まるより3分の1の時間しかかからなかった。
なぜ,エスカレーターを歩いてしまうのか?
それは,やはりエスカレーターを歩くのが最も速く移動できるからである。
では,どうすればエスカレーターを歩かずにすむのか?
それは,階段を使う方が速く移動できるようにすればよいだろう。
エスカレーターに人が流れるのは,上り下りの向きがはっきりしているからである。
階段では,電車が到着するたびに人の波ができ,階段の幅いっぱいに広がるため,その波に逆らうことが困難となる。
まして,大きな荷物を持っているときはなおさらである。
エスカレーターを利用する(歩く)方が,確実に移動できるのである。
階段も,上り下りの向きをはっきりさせればよい。
しかし,大きな駅では手すりの設置やレーンの色分け等で区分されているものの,それを守らない人も多い。
エスカレーターのように,物理的に逆行不可能な仕組みにしないと,急ぐ人は階段へは流れないだろう。
とは言え,物理的には無理だろうから,社会的に認知させるしかない。
エスカレーターを歩いてはいけないと言うのであれば,階段の昇降ルールの明確化と徹底も,同時に実施する必要があると考える。