平昌オリンピックが終わった。
日本のメダル数は,冬季大会で過去最多の13個であり,大いに盛り上がった2週間余だった。
今回の冬季オリンピック開催にあたっては,ケガからの復活がかかった羽生結弦選手や,レジェンド葛西紀明選手などに話題と期待が大きかったように思うが,私はもっぱら女子スピードスケートに注目していた。
というのも,この1~2年の高木美帆選手の成長と躍進が著しく,世界最高レベルの競技を見て楽しめると思ったからだ。
羽生選手や葛西選手も当然世界トップレベルだが,私は走る人だからか,冬季オリンピックではスピードスケートに親近感を持っている。
高木美帆選手といえば,8年前に中学生でバンクーバーオリンピックに出場し,若さと勢いでメダルが期待されたが,下位に沈み,あどけないながらも呆然としたゴール後の表情が印象に残っていた。
若すぎるアスリートにとっては厳しい現実を思い知らされて,その後の競技生活はどうなるかと案じたが,4年前のソチオリンピックでは代表に選ばれなかった。
失礼ながら,それで終わったと思っていたら,今シーズンのワールドカップでは圧巻の強さを誇っていることを知った。
しかも,8年前のあどけなさはもはやなく,凜として自信にあふれる表情に変わっていた。
実に強い目をしている!
平昌では最も期待できそうな選手だと感じた。
小平奈緒選手も,ここ数年は500mでは敵なしの戦績であることを知った。
ただ,小平選手は4年前のソチオリンピックでは代表に選ばれたものの,メダルには届かず,今ひとつ印象に残っていない選手の一人であった。
しかし,昨年末の代表選考競技会で,小平選手が高木選手とともに1500mの代表を決めたときに,
「高木選手の背中を借りて、いい1500ができた」と答えていた姿に,驚嘆と尊敬の念を抱いた。
得意な500mで結果を出すためには,1500mでもそこそこ滑れないと戦えない,という。
自分の競技に対する飽くなき追求と,自分よりもずいぶん若い選手に対するリスペクト。
何と立派なアスリートなんだろう!
なるほど,日本選手団主将に選ばれたわけだ。
さて,オリンピック本番。
小平選手は1500mで6位入賞,1000mでは銀メダルを獲得し,上り調子で迎えた500mの決勝。
スタートラインに立つ小平選手の目をテレビで見て,思わず身震いした。
明らかに「獲りに行く」目をしていた。
「獣のような」目と言い換えてもよいと思うが,これについては別稿でふれる。
スタートして,ぐんぐん加速する。
カーブでも失速しない。
そして,オリンピック記録でゴール。
興奮して,思わすテレビに向かって叫んでしまった。
小平選手はゴール後も素晴らしかった。
軽くガッツポーズを見せた後は,日本国旗をまとって観客席に向かって凱旋したが,すぐさま韓国のライバル・李相花選手のもとへ滑り寄り,抱き合い称え合っていた。
オリンピック3連覇を果たせず銀メダルに終わった李選手だったが,互いに切磋琢磨していたからこそ,小平選手は結果を出せたのだろう。
競技直後のライバルに対するリスペクト。
なかなか体現できるものではないと思う。
かつて,金メダルが決まった瞬間に,相手へ礼をするより先に畳の上で跳ねてはしゃいでいた某女性柔道選手とは雲泥の差だ。
金メダル後のインタビューでは,サポートしたさまざまな人へ感謝の気持ちを述べていた。
また,自身を「求道者」と表現していた。
謝意と敬意,信念と実践。
小平選手の競技内容と態度は,その道を究めた人のようだ。
これらは剣道の根本でもあるが,小平選手並みの剣道家はなかなかいないだろう。
「礼」とは,かくあるべし。
小平奈緒選手の36秒+αには,それが教示されていたように感じた。
日本のメダル数は,冬季大会で過去最多の13個であり,大いに盛り上がった2週間余だった。
今回の冬季オリンピック開催にあたっては,ケガからの復活がかかった羽生結弦選手や,レジェンド葛西紀明選手などに話題と期待が大きかったように思うが,私はもっぱら女子スピードスケートに注目していた。
というのも,この1~2年の高木美帆選手の成長と躍進が著しく,世界最高レベルの競技を見て楽しめると思ったからだ。
羽生選手や葛西選手も当然世界トップレベルだが,私は走る人だからか,冬季オリンピックではスピードスケートに親近感を持っている。
高木美帆選手といえば,8年前に中学生でバンクーバーオリンピックに出場し,若さと勢いでメダルが期待されたが,下位に沈み,あどけないながらも呆然としたゴール後の表情が印象に残っていた。
若すぎるアスリートにとっては厳しい現実を思い知らされて,その後の競技生活はどうなるかと案じたが,4年前のソチオリンピックでは代表に選ばれなかった。
失礼ながら,それで終わったと思っていたら,今シーズンのワールドカップでは圧巻の強さを誇っていることを知った。
しかも,8年前のあどけなさはもはやなく,凜として自信にあふれる表情に変わっていた。
実に強い目をしている!
平昌では最も期待できそうな選手だと感じた。
小平奈緒選手も,ここ数年は500mでは敵なしの戦績であることを知った。
ただ,小平選手は4年前のソチオリンピックでは代表に選ばれたものの,メダルには届かず,今ひとつ印象に残っていない選手の一人であった。
しかし,昨年末の代表選考競技会で,小平選手が高木選手とともに1500mの代表を決めたときに,
「高木選手の背中を借りて、いい1500ができた」と答えていた姿に,驚嘆と尊敬の念を抱いた。
得意な500mで結果を出すためには,1500mでもそこそこ滑れないと戦えない,という。
自分の競技に対する飽くなき追求と,自分よりもずいぶん若い選手に対するリスペクト。
何と立派なアスリートなんだろう!
なるほど,日本選手団主将に選ばれたわけだ。
さて,オリンピック本番。
小平選手は1500mで6位入賞,1000mでは銀メダルを獲得し,上り調子で迎えた500mの決勝。
スタートラインに立つ小平選手の目をテレビで見て,思わず身震いした。
明らかに「獲りに行く」目をしていた。
「獣のような」目と言い換えてもよいと思うが,これについては別稿でふれる。
スタートして,ぐんぐん加速する。
カーブでも失速しない。
そして,オリンピック記録でゴール。
興奮して,思わすテレビに向かって叫んでしまった。
小平選手はゴール後も素晴らしかった。
軽くガッツポーズを見せた後は,日本国旗をまとって観客席に向かって凱旋したが,すぐさま韓国のライバル・李相花選手のもとへ滑り寄り,抱き合い称え合っていた。
オリンピック3連覇を果たせず銀メダルに終わった李選手だったが,互いに切磋琢磨していたからこそ,小平選手は結果を出せたのだろう。
競技直後のライバルに対するリスペクト。
なかなか体現できるものではないと思う。
かつて,金メダルが決まった瞬間に,相手へ礼をするより先に畳の上で跳ねてはしゃいでいた某女性柔道選手とは雲泥の差だ。
金メダル後のインタビューでは,サポートしたさまざまな人へ感謝の気持ちを述べていた。
また,自身を「求道者」と表現していた。
謝意と敬意,信念と実践。
小平選手の競技内容と態度は,その道を究めた人のようだ。
これらは剣道の根本でもあるが,小平選手並みの剣道家はなかなかいないだろう。
「礼」とは,かくあるべし。
小平奈緒選手の36秒+αには,それが教示されていたように感じた。