日々是好日(膵臓癌と向き合う日々)

膵臓癌になって思ったことや感じたこと、その関連の情報を書いてゆきたいと思います。

すい臓食と陀羅尼助

2010-09-08 06:39:13 | 膵臓癌

 みなさん食事はどうされていますか?わたしの場合は、最初に癌が発見されて直ぐの昨年1月に胆管を圧迫して詰まり黄疸がでてきたため、胆汁の流れ確保にステントを入れました。ただ、ステントを入れても胆汁の流れを永久的に十分に確保できるはなく、段々とステントが詰まってきます。また、膵頭にガンがあるため、ガンが膵菅を詰まらせます。
 これらにより膵臓ガンになると食物の消化に影響がでてきます。具体的には、
(1) 膵臓の消化酵素
   炭水化物を分解するアミラーゼ、タンパク質を分解するトリプシン・キモトリプシン・エラスターゼ(線維分解作用もある)などがあります。
(2) 胆管を経由して出てくる胆汁
  脂肪は胆汁により乳化され、膵臓から出されるリパーゼによってモノグリセライドと脂肪酸に分解され体内に吸収されます。

膵臓にガンが出来ると、これらの理由により下痢になったり、栄養の消化吸収が悪くなります。ガンによる悪質液の影響もあるのでしょうが、膵臓癌の場合、非常に多くの人で体重減少が見られるようで、私も病気になってから体重が20kg強減少しました。しかし、ホスピスに入って膵臓食に切り替えてからは下痢の症状は改善しています。自宅で療養されている方は、体力維持のためにぜひ脂質を控えた膵臓食をとられることをお勧めします。なお、膵臓食に関する本としては、例えば、
・ 肝臓・胆のう・膵臓病の食事療法 (食事療法シリーズ)
・ 膵炎の人の食卓 (美味しい・ヘルシー・クッキング)
・ 胆石・胆のう炎・膵炎の人の食事 (健康21シリーズ)
・ 脂質コントロール食―膵炎・胆石・胆のう炎・合併症など (おいしい食事療法シリーズ)
があります。

また、膵臓食にくわえて、ホスピスに入ってからは皆さんお馴染みの整腸剤のビオフェルミン、総合消化酵素剤のエクセラーゼを飲んでます。ただ、膵臓食は脂っけがないためなにかものたりず、私の場合、たまに外食して少し脂っけのものを食べたり、食べ過ぎたりします。すると体は正直で覿面にひどい下痢になり、数日続く場合があります。その際に、私の場合効いたのがホスピスの看護師さんから聞いた陀羅尼助です(あくまでも私の場合ですので、全ての膵臓ガンの方に効くかどうかは解りません。使用される場合は、他の薬との飲み合わせ等に問題がないか主治医の先生に相談されることをお勧めします)。これを薦めてくれた看護師さんによると、その看護師さんがおられた地元の大学病院の先生にも愛用者がおられるみたいで、また、先週末温泉に行った前の会社の友人の1人も陀羅尼助を愛用していることがわかり、私と二人で「これ効くよな」と言う話で盛り上がりました。

この薬の歴史は古く、当麻寺(たいまでら)の伝承では、「當麻の地を開いた頃に、井戸を掘り、水を清め、薬草を煮たことに始まる」とされており、約1300年の歴史があります。陀羅尼助の由来としては、その薬草を釜で煮詰める際に、導師が「陀羅尼」をお唱えて薬が良く効くように祈ったと言う説や、陀羅尼助は非常に苦いため僧侶が「お勤め」などで仏さまに陀羅尼を唱える際の眠気覚ましに使われたという説があります。

「陀羅尼助来由」の版木を刷ったもの (当麻寺中之坊霊宝館)


なお、この薬は奈良の洞川で作られており10数件の店があります。比較的安価でインターネットでも購入可能ですので下痢に悩まれている方は、主治医の先生と相談の上一度トライされてはいかがでしょうか?


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