日々是好日(膵臓癌と向き合う日々)

膵臓癌になって思ったことや感じたこと、その関連の情報を書いてゆきたいと思います。

これまでの経過(その7)

2010-09-27 11:37:54 | 膵臓癌

9月24日に久しぶりにWT-1ワクチン接種の接種に東北大学病院に行ってきました。結果は、腫瘍マーカが上がっていた以外は特に大きな変化はありませんでした。具体的には、CA19-9(正常値0-37)が3月の315から2404へ、CEA(正常値は0-5)が1.4から9.1に上がっていました。腫瘍マーカを見ると大きな悪化ですが、実際に体で感じる体調は6月の悪化時(膵液の血液内への流出)にステロイド(リンデロン)の点滴で好転して以降、波はあるものの比較的いい状態を保っています。検査数値は無視できませんが、体調がそんなに変化していないので、まあいいかと言う感じです。

 今回は、また、これまでのCT等の検査結果を持参したのと、久しぶりの東北大学病院受診したので、いろいろなことをセカンドオピニオン的にお聞きました。結果は、
・ ステロイドと膵炎の影響か、血液検査で軽い糖尿病の傾向を示していること。
・ 長く続く下痢には、総合消化剤のエクセラーゼの増量が選択肢としてあり(2錠/食から4錠/食を推奨され、今入院しているホスピスで4錠に増量していただけることになりました。)、増量する際には消化吸収が良くなるので糖尿病の増悪をウォッチして適切な対応を取る必要があること。
・ CTからは、ガンの肺転移や心膜への転移(少量の心嚢液貯留)の可能性があるが画像だけでは明確には断定できないこと。また、心嚢液貯留は、多分体調に大きな影響は与えないだろうこと。
と言うことでした。
あと、気になったのは、WT-1ワクチンの抗体反応をみるために腕に注射をしたのですが、前回は、7mm×3mmの大きさで赤変したのですが、今回はリンデロンによる免疫抑制の影響か反応が全くでませんでした。通常、WT-1も含め種々のガンワクチンの治験の条件に”慢性的な免疫抑制の状態にないこと”(i.e.ステロイドを使用していないこと)と言う条件がついているのは、このことかと再認識した次第です。
 あと、久しぶりの仙台だったのでお寿司と牛タンを食ってきました。お寿司は、いつも行く仙台駅1Fにある北辰鮨で、もとは魚屋さんで、とても安くのにいいネタが魅力です。1回浮気をして別の店をトライしてみたのですが、全然ネタが違ってこりたので、それ以降は浮気をしていません。仙台駅の3階には立ち食いの北辰鮨がありますので、時間がないかたはそちらをトライされるのがいいかも解りません。
 今回は、たまたまその店で仙台出身で京都西本願寺へ単身赴任されているお坊さんと話をしたのですが、その人も”ここは安くて美味しい。新地で食ったら数倍の値段がするな”といわれていたので、私の味覚は大きく外れてはいないと思います。ちなみに、新地通いとは、お坊さんはリッチですね。まあ、ラブホテルを経営しているお寺さんもあるそうですので、それに比べるとましですが。。。


 牛タンは、病院の待合いで一緒になったかたから聞いた”味の大助”と言うお店に行きました。こちらは大きくて厚めの柔らかい牛タンを目の前で炭火で焼いて出してくれます。牛タンは当然美味しかったのですが、一緒にでた長ネギがいっぱい入ったテールスープも格別でした。昼の2時前に行ったので空いていたのですが、昼食時は外に行列が出来るそうです。


同期会@粟津温泉

2010-09-27 09:59:13 | 日記

 9月4-5日の土日に以前つとめていた会社の同期3人一緒と福井の粟津温泉に行ってきました。3人の内2人は東京から、1人は前日の誘いにも関わらず京都から忙しい中にも関わらず来てくれました。有難い限りです。
 今回泊まったのは、旅亭会席のとやと言う旅館です。前回泊った三河 湯谷温泉の宿は、周りの新緑、宿の前を流れる川、それらを見渡せるお風呂、まあまあの食事言う点で総合点が高かったのですが、今回の宿のメインは食事です。予約したのは”海の幸炭焼会席”、食事は部屋ではなく別席の広々とした綺麗な部屋でとりました。あまり量を期待していなかったので、前菜から少し食べるスピードをセーブしながらゆっくりと食べようと話していたのですが、でるわでるわ、結局1時間半ぐらい食べ続けていまいました。凝った前菜や途中で出てきたビーフシチューも美味しかったのですが、やはりハイライトは、生きたままの天然のあわび、車海老、甘エビ、ホタテ、ハマグリなどの炭火焼きです。目の前で焼かれる音、匂い、口に入ったときの甘みが一体となって味を醸し出して、幸せでした。(写真がなくてすいません。)食事をメインに行かれるならお勧めの宿だと思います。部屋も12畳(もう少し広いかも)と4.5畳の2つで、4人には十分すぎる広さで非常に清潔でした。一方、風呂は広く清潔でしたが特記すべきものはありません。また、周りの景色等も温泉街と言うでもなく、綺麗な景色が見渡せるわけでもないので、このあたりを目的に行かれた場合は、少し不満がのこるのかも解りません。まあ、私の場合は、久しぶりに会った友人との楽しい会話が一番でしたが。

あと、車で行かれるなら金沢市内にある近江町市場に立ち寄られるのがお勧めです。宿のからちょっといったところにも海鮮ものを売る観光バス用の市場があるのですが、鮮度と種類がいまいちでした。それで東京の友人二人の飛行機の時間まで3時間弱しかないのに近江町市場に足を少し延ばしたんですが、これが大正解でした。鮮度や種類が全然違います。友人の1人は、少し前までとろんとしていた目の色が一挙に変わって、甘エビ、あわび、うなぎ、さば寿司などなどを、だれがこんなに食うのかというぐらい買い漁っていました。

 体調がこのままで悪化しなければ11月末ぐらいにまた旅行を計画しようと考えています。


健康になるため - ラジオ体操、青竹踏みなど

2010-09-23 10:01:00 | 日記

6月頭の膵菅のつまりによる体調悪化からの回復後、体調に少し気をつけるようになりました。

 まず、正しい姿勢をとること。病気になって、膵臓のあたりに違和感があるのでどうしてもお腹のあたりに違和感があり気になります。その結果として私の場合、座っても、歩いてもどうしてもお腹を引っ込め、それに加えて、肩を前側にまるめるようになってました。素人考えですが、これでは逆に患部を余計に圧迫するような形になること、呼吸が十分にできなくなることから、最近は、気がつく範囲で背筋を伸ばし、胸を開くような姿勢を維持することに気をつけています。

 次は、ラジオ体操です。ラジオ体操はNHK教育テレビの朝6時25分からの放送にあわせてやっています。当初やり始めたころは、体操をやっている最中に体のあちこちが鳴る鳴る。前屈すると腰のあたりがバキ、体をまわすと背骨がバキ、左足の膝がボキ、深呼吸で胸をはると胸の真ん中あたりがパリというようにあちこちで音が鳴っていましたが、これらは続けるうちに段々と減ってきました。ただ、体重が20kg減少し筋力が限界ちかくまで落ちているので、テレビの体操の動きにおくれたり、ジャンプすると、そもそもジャンプできないし無理すると腰砕けになりなるという状況は、体操を始めたころから未だ変わっていません。

 また、散歩もしています。これは体調と天候を見ながら出来る範囲で一日、1時間程度です。間質性肺炎で入院したときもそうだったのですが、入院するとびっくりするほど急激に筋力がおちます。今回の入院時は膵癌だから痩せるのは仕方ないと思っていたのですが、2002年の間質性肺炎での入院を考えると、それだけではなく、筋肉を使用しないことも大きな原因のひとつだと思います。だって、入院すると、気をつけて歩くようにしないと1日数回ベッドとトイレとの往復だけになるんですから。「足は第2の心臓」と言われ、下半身の血液を心臓に戻すために大いなる働きをしています。ふくらはぎの機能低下は、病気の私が言うのもなんですが万病のもとです。転倒等の危険もあるのでしょうが、介護施設やホスピスでも患者が許す範囲、可能な範囲で極力自分で動けるようにサポートするというのも1つの選択かもわかりません。まあ、そこまでのケアを行うには要員がおられないのでしょうが。。。

さらに、ダイソーで、100円の青竹踏みを買ってきてラジオ体操のあとで使い始めました。やり始めた当初は、足裏が痛かったり、やっている最中に腰の上の背骨が時々パキ(われながら情けない)となっていたのですが、最近はそれらもなくなりました。


また、自宅に戻った際に以前購入したオムロン足裏マッサージ器を久しぶりに使ったら、ステロイドの副作用による足のむくみが少し取れたので、重かったのですが、先日ホスピスに持ってきて使用しています。寝る前にマッサージする体がリラックスして温かくなり、ボーとして眠りに入りやすくなったように思います。


今日は、これから、東北大学病院の江川先生の診断を受けWT-1ワクチン接種してもらうため、仙台に行きます。仙台は塩釜に近いので、久しぶりに美味しい寿司を食してきたいと思います。


庭の花たち(その5) - 南蛮煙管

2010-09-15 21:01:41 | お花

ホスピスの庭に南蛮煙管という花が咲きました。珍しい花だそうで、私もここで初めて見ました。
この花は、ススキ等に寄生する1年草で、その形が煙管の形をしていることからこの名前がついたそうです。薄紫の花が煙管の先のような形をしていて清楚でとても綺麗です。



今お世話になっているホスピスは、医師、看護師他の病院スタッフの皆さんに加えて、多くのボランティアの方々に支えられています。例えば、毎週金曜日はお茶会、隔週ぐらいのペースで、音楽会(琴、バイオリン等)、本の朗読会、落語会等の催し物が開催ます。ホスピスの庭の花もボランティアの方々で管理、運用されており、季節の花が非常に綺麗に咲いています。この南蛮煙管もボランティアの方のお世話の賜物です。皆さんの笑顔とサポートに感謝です。


 


すい臓食と陀羅尼助

2010-09-08 06:39:13 | 膵臓癌

 みなさん食事はどうされていますか?わたしの場合は、最初に癌が発見されて直ぐの昨年1月に胆管を圧迫して詰まり黄疸がでてきたため、胆汁の流れ確保にステントを入れました。ただ、ステントを入れても胆汁の流れを永久的に十分に確保できるはなく、段々とステントが詰まってきます。また、膵頭にガンがあるため、ガンが膵菅を詰まらせます。
 これらにより膵臓ガンになると食物の消化に影響がでてきます。具体的には、
(1) 膵臓の消化酵素
   炭水化物を分解するアミラーゼ、タンパク質を分解するトリプシン・キモトリプシン・エラスターゼ(線維分解作用もある)などがあります。
(2) 胆管を経由して出てくる胆汁
  脂肪は胆汁により乳化され、膵臓から出されるリパーゼによってモノグリセライドと脂肪酸に分解され体内に吸収されます。

膵臓にガンが出来ると、これらの理由により下痢になったり、栄養の消化吸収が悪くなります。ガンによる悪質液の影響もあるのでしょうが、膵臓癌の場合、非常に多くの人で体重減少が見られるようで、私も病気になってから体重が20kg強減少しました。しかし、ホスピスに入って膵臓食に切り替えてからは下痢の症状は改善しています。自宅で療養されている方は、体力維持のためにぜひ脂質を控えた膵臓食をとられることをお勧めします。なお、膵臓食に関する本としては、例えば、
・ 肝臓・胆のう・膵臓病の食事療法 (食事療法シリーズ)
・ 膵炎の人の食卓 (美味しい・ヘルシー・クッキング)
・ 胆石・胆のう炎・膵炎の人の食事 (健康21シリーズ)
・ 脂質コントロール食―膵炎・胆石・胆のう炎・合併症など (おいしい食事療法シリーズ)
があります。

また、膵臓食にくわえて、ホスピスに入ってからは皆さんお馴染みの整腸剤のビオフェルミン、総合消化酵素剤のエクセラーゼを飲んでます。ただ、膵臓食は脂っけがないためなにかものたりず、私の場合、たまに外食して少し脂っけのものを食べたり、食べ過ぎたりします。すると体は正直で覿面にひどい下痢になり、数日続く場合があります。その際に、私の場合効いたのがホスピスの看護師さんから聞いた陀羅尼助です(あくまでも私の場合ですので、全ての膵臓ガンの方に効くかどうかは解りません。使用される場合は、他の薬との飲み合わせ等に問題がないか主治医の先生に相談されることをお勧めします)。これを薦めてくれた看護師さんによると、その看護師さんがおられた地元の大学病院の先生にも愛用者がおられるみたいで、また、先週末温泉に行った前の会社の友人の1人も陀羅尼助を愛用していることがわかり、私と二人で「これ効くよな」と言う話で盛り上がりました。

この薬の歴史は古く、当麻寺(たいまでら)の伝承では、「當麻の地を開いた頃に、井戸を掘り、水を清め、薬草を煮たことに始まる」とされており、約1300年の歴史があります。陀羅尼助の由来としては、その薬草を釜で煮詰める際に、導師が「陀羅尼」をお唱えて薬が良く効くように祈ったと言う説や、陀羅尼助は非常に苦いため僧侶が「お勤め」などで仏さまに陀羅尼を唱える際の眠気覚ましに使われたという説があります。

「陀羅尼助来由」の版木を刷ったもの (当麻寺中之坊霊宝館)


なお、この薬は奈良の洞川で作られており10数件の店があります。比較的安価でインターネットでも購入可能ですので下痢に悩まれている方は、主治医の先生と相談の上一度トライされてはいかがでしょうか?