日々是好日(膵臓癌と向き合う日々)

膵臓癌になって思ったことや感じたこと、その関連の情報を書いてゆきたいと思います。

アラン 幸福論

2011-01-27 14:57:25 | お勧めの書籍
 池田昌子さんの「14歳の君へーどう考えどう生きるか」の紹介のとこでも書きましたが、時間があるならアランの幸福論がわたしの一番のお勧めです。理由としては、まず1つ目は非常に実践的であること(これがほとんどですが)、2つ目は、わたしには馴染みにくいキリスト教に関する参照がほとんどないことです。
 
 例えば、コラム91では、
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(幸福となる方法の)第一の規則は、現在のものにせよ過去のものにせよ、自分の不幸についてけっして他人に話さないということだろう。頭痛だの、吐き気だの、気難しさだの、腹痛だのの話をすることは、たといことばつかいに気をつけたとしても、無作法なこととみなされるにちがいない。.... 子どもや青年、またおとなに対しても、次のことを説明すべきだろう。おとなたちはどうもこのことを忘れすぎているらしいが、それはすなわち、自分について愚痴をこぼすことは他人を憂鬱にするだけだ、つまり他人がそういう打ち明け話を聞きたがり、慰めるのが好きらしい場合でさえも、けっきょく、他人を不愉快にするだけだ、ということである。なぜなら、悲しみは毒のようなものだからだ。悲しみを愛することはできようが、居心地はよくない。最後に正しいのは、いつでももっとも深い感情なのである。だれでも生きることを求めているのであって、死ぬことを求めているのではない。そして、生きている人たちを、つまり、自分は満足していると言い、自分が満足していることを示す人たちを、求めているのだ。各人が燃え残った灰にわけもなく泣いたりしないで、自分の薪を火にくべさえしたら、人間の社会はどんなにすばらしいものになるだろう。
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「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する。」 だから自分の意志で上機嫌で幸福そうな顔をしよう。上機嫌で、幸福そうな顔をしているひとのまわりには、上機嫌で幸福な顔をした人間があつまる。哲学者というなかにとじこもることないアランの幸福論ぜひ読んでみてください。副読本としては、デカルトの「情念論」も読まれることをお勧めします。

あと、訳本は岩波文庫と集英社文庫からでていますが、わたしのお勧めは集英社文庫版です。最後に電子辞書(広辞苑)で言葉の定義をしっかりと確かめて読みすすめてください。

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